みかんちゃんの魔法日和〜平和な世界で暮らす、魔法使いの日常

香橙ぽぷり

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5年生7月

他のクラスでも大人気(前)

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わたしは近いクラスから回り始めました。
まずはお隣の4組です。
開いている戸から覗いてみます。
するとやっぱり4組のみんなもばてばてになっています。
わたしはそんな雰囲気を変えられるように、元気に声をかけました。
「みんなー。涼しくする魔法が上手にできたから、来たよー」
5年生のクラスはみんな同じ通りにあるから、こうやってよく来ます。
3年生まで一緒のクラスだった子もいるから、なつかしいしね。
わたしが顔を出すと、真っ先に恵ちゃんが走ってきてくれました。
「あ、みかんちゃん。いらっしゃーい」
恵ちゃんは、同じベルマーク委員会のお友達です。
とっても元気で、委員会の最初の集会の時から仲良くなったんだよ。
「失礼しまーす」
恵ちゃんに手を引かれながら、わたしはあいさつをします。
別のクラスに入るときは、しっかり断っておかないといけないもんね。
そして魔法がちゃんと広がるように、教室の真ん中まで行きました。
「隣から盛り上がってる声が聞こえてきたけど、さっきいってたみかんちゃんの魔法だったの?」
3年生まで一緒だった早希ちゃんにそう聞かれて、わたしはうなずきます。
「うん、そうだよ。
本当は昨日もやってみたんだけど、失敗しちゃったの。
でも今日はバッチリだったよ」
わたしはそう正直な話をします。
すると3年生まで同じクラスだったみんなが、前のことを思い出しているのか、うんうんとうなずきました。
「なるほど」
「目に浮かぶなあ」
そういわれて、わたしは苦笑いをしました。
前の方がもっと失敗が多かったからね。
その時のことは、あんまり思い出さないでほしいよう。
でもね、今のわたしは、前よりずっと良くなってるよ!
わたしはそう気持ちを入れて、ステッキを上げました。
「じゃあいくね!
北海道の空気をお願いしまーす」
するとさっきと同じように、涼しい風が吹きます。
その風を浴びると、みんなみるみる元気になってきました。
「涼しくて生き返るー」
瞳を閉じて、そう幸せそうな顔でいっている子も多いです。
そしてわたしの魔法をほめてくれました。
「みかんちゃんの魔法は、ますます上手になってるねー」
やったあ。そうでしょ?
わたしは心の中でバンザイをしました。
さっきちょっと気にしただけに、そうほめてもらえてよかったです。
「ほんと、みかんちゃんと同じクラスになれた子が、うらやましいよね」
そうもいってもらえました。うれしいです。
実際は同じクラスだと、やっぱり魔法の失敗にあうのも多くなります。
だからいいのかはわからないところがあるなあとも思うんだけどね。
そういってもらえた時に、自信を持ってうなずけるようになりたいです。
「じゃあ、また今度ねー」
目的を達成すると、わたしは早々と駆け去ります。
「みかんちゃん、また遊ぼうねー」
そんな恵ちゃん達の声にうなずきながら。
みんなとお話したいこともあるけど、時間がないもんね。
なんたって移動も考えると、1つのクラスに1分もいられないことになります。
でもなんとか間に合わせなくっちゃ。
こういう時走り回っても、魔法使いは疲れなくってよかったです。
そうやって似たように、5年生のクラスは回り終わりました。
次は同じ3階だけど違う通りにある、6年生のクラスに行きます。
6年生のみなさんは、わたしが入学した時から知っているんだよね。
だから5年生と同じだけ、一緒の学校にいる学年なわけです。
そしてお兄さん・お姉さん達なので、訪ねるとかわいがってもらっています。
「こんにちはー」
顔を出してあいさつをします。
すると、今日もたくさんの人に騒がれました。
「あー。みかんちゃんだー。どうしたのー」
「あいかわらずちっちゃーい」
そういわれる通り、1歳違うだけなのに6年生って大きいです。
わたしが3年生の平均身長しかないから、余計そう見えるっていうのもあるんだけどね。
何人もの人が、わたしのいるドアまで来てくれました。
わたしはちょっと緊張しながら、でも笑顔で答えます。
「毎日暑いので、涼しくする魔法をかけて回ってるんです」
「ありがとう。偉いねー」
そうほめられると、わたしはさらにがんばろうって気持ちになりました。
「いきまーす!北海道の空気、出てきてくださーい」
そうわたしが魔法をかけると、またすごいすごいってほめてくれます。
うーん。わたしって、年上の人にほめてもらうのに弱いみたいです。
なんだか気持ちがやわらかくなっちゃいます。
「これからも応援してるよー」
「ありがとうございまーす」
わたしはたくさんほめてもらったことにはにかみながら、教室を後にしました。
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