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大冒険への序章
Gの悲劇
しおりを挟む時計の針が正午を少し過ぎた頃。
カサカサと言う耳障りな音に目が覚めて布団をめくると、
「御早う御座います」
「ちょっと?!
なんであんたが私の部屋に居るのよ!」
室内を箒で掃除しているGの姿が目に入り、ユリカは寝巻の胸元を隠して叫んだ。
「宿屋のおかみさんに旅の仲間だと告げましたら、快く合鍵をお借りする事が出来ました。
昨日の服はいま洗濯中なので、今日はGが用意した新しい服を着て下さい」
「……突っ込みどころが多すぎて何が何やら」
「それより見てください。
Gはこう見えてとっても綺麗好きなのですよ♪」
鼻唄混じりに箒と踊るGは上機嫌だった。
昨夜の出来事で二人の仲は急接近、恋人同士になれる日もそう遠くないと浮かれていたからである。
わざとやられて死んだフリはこの世界でも有効だと、Gは昨夜の一件で学習したのだった。
「G、ちょっと話があるんだけど」
「は、はい!
少々お待ち下さい、二本足さん」
ドタバタと箒をしまうと、Gは期待に胸を膨らませてユリカのところに向かった。
私と一緒に旅をしましょう、その一言を聞く為に。
「あの、さ。
まだ寝惚けてるからなんて言えばいいか、自分でも混乱してるんだけど」
「そうでしょう、そうでしょう。
きっと大事なことでしょうし」
「うん。
大切な事よ」
ユリカの頬が林檎のように真っ赤に染まる。
恋する乙女が見せる表情だと、Gは即座に理解した。
「……こんな事言うの、とっても恥ずかしいんだけど」
「な、な、なんでしょう?!」
どうしよう、胸のドキドキが止められない。
Gは天にも昇りそうな気分だった。
「あんた、私の下着どこやったのよ」
「……え?」
ユリカの底知れぬ怒りに戸惑うG。
「服と一緒に洗濯しましたけど、それが何か?」
「……女の子の下着を勝手に触るなんて。
この変態ゴキブリ、死んじゃえーーーーっ‼」
「えええぇーっ?!」
スリッパを片手にGを追い掛け回すユリカ。
前途多難な二人の珍道中。
はてさて、これからどうなる事やら。
つづく、のか?
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