転生者G-転生前はゴキブリでした-

花鳴カナリア

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Ⅶ 王都の夜

 考える猪

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「話し合いの前にひとつ、言っておきたい事がある」

猪族の巨漢、レイザークが低い声で話の口火を切った。

「なんだい、猪男。
まさか真っ直ぐしか進めないから馬車を貸してくれって言うつもりじゃないだろうね?」
「ケッ、相変わらず口が悪い女だな、トルドーラ。
そいつは亜人種への侮辱ってもんだぜ」
「そう解るように言ったつもりだけどね。
よその国の種族が反乱軍に参加しているなんて、私に言わせれば滑稽もいいところさ」
「俺は奪われた祖国をヴァルサーンの支配から解放する為に加わっているだけだ。
すべての亜人種の未来の為にな」
「ま、その辺りにしときなさいよ、っと」

ヤスリで爪を磨いていた盗賊風の男が、二人の会話に口を挟んだ。
細い腕、細い胴、細い足、細い目、すべてが異様に細く蟷螂かまきりのようだ。

「ザズ、爪の削りカスを机の上に置くんじゃない。
俺のフロッシーが餌と間違って食っちまうじゃねえか」

肩の上に乗せた牛蛙に餌をやっていた覆面コートの男が、盗賊の足を蹴った。

「いってえな、エルーガ!
テメエの糞ガエルなんて知った事かよ!」
「フロッシーは見ての通り女の子だ。
今度汚い言葉で罵りやがったら、挽き肉にして豚の餌にするぞ」
「ほらほら、みんな。
お話しするんだから席について~」
 
ハルナーフに言われ、険悪な雰囲気を残して着席する四人。
いずれも各支部の主力メンバーであると同時に、支部長を務める実力者である。

「これがコンバットの街の見取り図よ」

街を二分する運河、外壁の四隅の塔に設置された兵舎、城を囲む高い城壁、碁盤のように東西と南北に伸びる道が直線上に交差する街路。
多くの人々が行き交うなか、G達は数十倍以上の王国軍を相手にわずか百人で立ち回らなければならない。

「今朝、王城から討伐部隊の先発隊が発ったらしいぜ。
それでもまともにやりあって、どうにか出来る数じゃねえが」
「そこでだ。
爆薬を使って兵舎を爆破しようと思う」

先程レイザークが言いかけていたのはこの事だった。

「圧倒的な兵力差を覆すには圧倒的な火力。
他に手段などあるまい?」

「だからお前は猪頭なんだよ、レイザーク。
もっと知恵を絞って考えな。
兵舎を吹き飛ばしても兵士は城の中にだってわんさか居るんだよ?
それなら玉砕覚悟で城に突撃する方が、百倍まともな策ってもんさ」
「ならば城も吹き飛ばしてしまえば良い」
「あの、皆さん」

Gが静かに手を挙げると、室内の視線が少年に集まった。



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