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第一章 異世界のアルコータス
裸リボンパーティー
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ザッカラントを追い払い、モンスターの大群との戦いに勝利してから、一週間半が経過した。
顔を出さなければならないイベントの類もなくなり、アルバの団員はみな、日常を取り戻しつつある。
団長とトゥリーは別だ。
エッジワン復興計画の策定のため、今日も会議をしているらしい。
エッジワンの廃墟には、現在多くのモンスターが棲みついてしまっている。
それを効率よく排除するための計画を練っているという。
しかし、他のメンバーはもうそんなに忙しくないはずだ。
なのに俺はいま、本部で一人きりになっていた。
平日の昼過ぎ。
他には誰もいない。
いつの間にか留守番の体になっていた。
これではちょっと出かけるのも気が引ける。
がらんとした食堂で、一人、紅茶をすすっていた。
考えるべきことは山ほどある。
だが、この静寂を味わうように、思考は麻痺していた。
物思いに沈みかけたとき、ガサゴソと音がして、出入口の扉が開く。
ネコミミ料理人のロシューだった。
ぱんぱんになったリュックを背負い、両手にも膨らんだ買い物袋を下げている。
クラウパーと一緒に買物へ出ていたのだ。
ロシューは頭のネコミミをぴくりとさせて言った。
「もしかしてタケツネ一人なのか……?」
「ああ、そうらしいね」
「イリアンもいないのか……?」
「イリアンもいないみたいだ」
ロシューは荷物を床に置きながら言う。
「そうか。たまには羽を伸ばすのもいいだろう。暇なうちにな。エッジワン復興作戦が始まったら、また封印兵器の出番になるかもしれない」
俺は鷹揚に申し出た。
「イリアンのする予定だった仕事を手伝おうか?」
「いや、いい。クラウパーがいるからな」
そのとき、キッチンのほうからクラウパーの声が響いた。
「あー、疲れた! 鎧が無いと緊張するぜー」
クラウパーもリュックを背負い、両手に買い物袋を下げている。
鎧はつけておらず、シャツとズボンの軽装だ。
だから、こいつは裏口から出入りしているのだった。
俺はクラウパーに向かって言う。
「正面から堂々と出入りしろよ、別に悪いことしてるわけじゃないんだからさ」
「鎧をつけてないところを知り合いに見られたら恥ずかしいだろ? 俺の顔はまだ、マトイちゃん親衛隊のヤツらにも知られてないんだぜ?」
「変なところにこだわるなよ……」
クラウパーはキッチンに荷物を置き、食堂に入ってくる。
「一服したら、夕飯の準備を始めようぜ。夜はポタージュくらいしか作らないんだろ?」
ロシューがそれに答える。
「そうだな、今日はおまえの赤毛のような人参のポタージュにしてみるか……?」
そして二人でくすくすと笑い合う。
男三人仲良く、といきたいところだが、どうも俺は邪魔なようだ。
恋人同士と、もう一人という構図になる。
俺は席から立ち上がった。
「俺はちょっと散歩でもしてこよう」
クラウパーがニヤリと笑いながら言う。
「気を使わせちゃって悪いな!」
「なに、おまえたちにとっても二人きりで台所仕事なんて珍しいことだろうからな」
出入口である両開きの扉へ向かう。
目の前で、その扉が勢いよく開かれた。
今度は、ワンピース姿のナムリッドが戻ってきた。
「あ、タケツネいた~!」
ナムリッドは心持ち赤い顔で、いきなり俺に抱きついてきた。
その息が。
「うわっ、酒くさっ! 昼間っから飲んでるのかよ?!」
「飲んでないわよー、なめただけよー。さ、いきましょっ!」
「えっ?」
ナムリッドは俺の首に腕をまわして、ぐいぐいと引っ張る。
そうしながら、ロシューへ向かって声を張り上げた。
「今日は女性陣、全員夕飯いらないからー」
離れたロシューの声がする。
「イリアンもか……?」
「そ、イリアンも一緒にいるから」
「そうか、よろしくやってくれ。こっちはこっちでよろしくやる」
その返事を聞くと、ナムリッドは俺の後ろへまわり、手を突っ張って背中を押し始めた。
「さ、はやく! はやく!」
コイツ、完全に酔っ払いだ。
とはいえ断る理由もない。
俺は押されるままに外へ出た。
外へ出ると、ナムリッドは前にまわって俺の手を引っ張る。
「こっち、こっち!」
俺は完全に浮かれ調子のナムリッドに身を任せた。
すっかり日常に戻っているアルコータスの中を、引き回されること十数分。
外壁がピンク色の建物に案内された。
アームズファンタズマ同様、遠目には白壁、近づくと色が変わる。
ちょっと上品な看板がかかっていた。
『フラミンゴ・ヘヴン』 ※男子禁制
どうも酒を出す飲食店らしい。
やはり三階建てだ。
ナムリッドはますます勢いを増して、俺を引っ張る。
俺はちょっと躊躇して言った。
「お、おい、男子禁制って書いてあったぞ」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ!」
ナムリッドは構わず、ピンクのドアを押し開いて、俺を中に連れ込んだ。
明るくファンシーな雰囲気の店内に、客はまばらだ。
もちろんみな女ばかり。
ナムリッドと俺が進もうとすると、案の定店員さんが立ちはだかった。
バーテン風の男装をした短髪美人だ。
「お客様、当店は男性の立ち入りはお断りしております」
「んふふ~、わかってますってー」
そう言いながら、ナムリッドはワンピースのポケットを探り始めた。
カードを一枚取り出して、店員さんに突きつける。
「じゃ~ん! オーナーじきじきの特別入店け~んっ!」
店員さんはカードを手に取り、目を丸くした。
「これは! 話に聞いておりましたが……、では、この方が英雄タネツケさま……?!」
「あ、はい。いちおう……」
俺は頭をかきながら返事した。
おかしいんだよな。
俺は公の場で、自分では『タケツネ』と名乗ってきたのに、いつの間にかアルコータス中で『タネツケ』と呼ばれている。
店員さんは俺を見つめ、ぷるぷる震えた。
かと思うと、今までの凛々しさとはかけ離れた黄色い叫びを上げる。
「キャーーーーーーーーーーッ!!!! お願いします、握手してくださいっ!」
「あ、はい」
正直、恥ずかしいが。
差し出された店員さんの手を握り、上下に振る。
「キャーーーーーッ! キャーーーーーッ! キャーーーーーッ!」
まあこんなに喜んでもらえるならいいか。
人が集まってきた。
「こりゃ、ぼやぼやしてられないわ」と、ナムリッドが手を引き、階段を登っていく。
背後では店員さんが、
「なんでもありません! なんでもありません!」と客をなだめていた。
俺は階段を上り、三階へ連れていかれた。
静かな廊下を通り、緑に金の縁取りがあるドアの前まで来る。
「腰を抜かしちゃだめよ、タケツネ」
そう言いながら、ナムリッドが扉の横のボタンを押した。
数秒ほど待って、カチャリと鍵が開く。
ナムリッドがドアを引くと、中から嬌声とむっとした匂いが溢れ出てきた。
酒と女の柔肌の匂いだ。
目に飛び込んできた光景に目をむく。
なんぞコレ……?!
広い室内の色調はピンクと白だ。
柔らかそうなソファーがいくつも置かれ、それらは寝ることもできるほど大きい。
中央にある背の低いテーブルの上には巨大なケーキが目立つ。
他にも数々の食べ物、飲み物が並んでいた。
そして何よりも、女の子たち。
様々な髪の色と、白い肌の露出が眩しい。
柔らかく流れるような身体の線も、隠すことなくつまびらか。
全員、ほぼ全裸の群れだッ!
女の子たちの手足には赤いリボンがゆるく巻きつき、局部もギリギリなんとか隠されている。
首、手首、足首には蝶結びが飾られていた。
……。
これはッ!!!!!
神に賜りし人類の叡智ッ!!!!!
『裸リボン』やないかァァァ!!!!!
唖然とする俺の目の前で、裸リボンの女の子たちが十人近く、ピンクの部屋の中で酒を飲んで戯れていた。
画面に向かってマイクを握っているマトイ。
シャンパングラスをなめているアデーレ。
ここまではわかる。
マトイちゃん親衛隊のケイリーまでいた。
やはり裸リボンで、三つ編みメガネの女の子になにやらちょっかいを出している。
イリアンもいた。
小さく細い体の線を露わにして仁王立ちし、大きな酒瓶をラッパ飲みしている。
あとは知らない子たちだ。
どこから来たんだか……。
ナムリッドが俺を部屋へ引き入れて、大声で言う。
「みんなー、主賓の到着よー!」
赤ら顔の女の子たちの目が、一斉に俺を見る。
ナムリッドは手を振りながら号令をかけた。
「はい、せーの!」
女の子たちが声をそろえた。
『おかえりなさいませ、大王さまっ!』
女の子たちが笑いさざめくなか、マトイとアデーレが走り寄って来る。
もちろん俺は困惑した声を出した。
「これはいったい……?!」
ナムリッドがワンピースを脱ぎながら言う。
「女同士でパーティーしてたんだけど、みんながタケツネの会ってみたい言うから。オーナーに話してみたらオーナーも乗っちゃって。じゃあって、ヒサメがこの衣装でもてなしてやろうって言い出したの」
ワンピースを脱ぐと、やはりほぼ全裸だ。
柔らかい起伏を露わにして、局部は赤いリボンで隠されている。
「ずいぶんとご無沙汰だしね」
そう言って、ナムリッドは照れたように笑う。
う、嬉しいといえば嬉しい。
しかし、一抹の不安もある。
件のヒサメはどこだ……?
俺の背後だった。
後ろからヒサメの声がした。
「ま、そういうことだ。フォーマルに着替えてもらおう」
その言葉と同時に膝裏が押され、俺はバランスを崩す。
そのまま床の上に倒されてしまった。
マトイ、アデーレ、ナムリッドが群がり、きゃあきゃあ言いながら、俺の衣服を剥いでいく。
「ちょ、ちょっと待て!」
俺の言うことなんか、誰も聞きはしない。
裸の身体に、ヒサメがリボン衣装をぐるぐる巻きつけてくる。
数秒後、ヒサメが酒臭い満足の吐息をついた。
「よし、いっちょうあがりだ」
女たちが離れ、俺はよろよろと立ち上がる。
俺まで裸リボンになっていた。
かなり雑に巻かれているのもあるが、やはり女でないと隠せないものがある。
俺はもろ出しだった。
前かがみで股間を押さえながら抗議する。
「ちょ、出てるだろ! 男は隠しきれないって! どうすんだ、これ?!」
「男ならつべこべ言うな」
ヒサメが無力な俺の尻を蹴る。
よろめいたところを、マトイとアデーレに誘導されて、俺は大きなソファの一つにでんと座った。
右にマトイが滑りこんでくる。
俺の右手を自分の首にまわし、熱い体温をこすりつけながらキスをしてくる。
「タネツケー、ちゅっちゅっ!」
マトイも完全に出来上がってるな……。
左にはアデーレが潜り込んできた。
酒臭い吐息を吹きかけながら、俺の左手を自分の太ももに導く。
「タネツケさまー、わたしもう……」
ソファの横でナムリッドが再び大声を出した。
「オーナー! これがタケツネですよー!」
すると、遠巻きにキャッキャと騒いでいた女の子たちのあいだから、背の低い人影が現れた。
派手なドレスや装飾品に身を包んだ、八十歳くらいのおばあちゃんだった。
老婆はふんぞり返る俺の前まで来て、股間を確かめたあと言った。
「見たぞ。おまえがタネツケか。ワシがオーナーのミレーヌじゃ」
「どこに話しかけてるんですか、ミレーヌさん……」
ミレーヌ婆さんは俺の目を見て、襟元に手を突っ込みながら言った。
「乳、吸うか?」
「い、いえ、いいです……」
「そうか。ではゆるりと過ごせ。時間無制限で貸し切りじゃ」
そう言ってミレーヌ婆さんは去っていった。
ほっと一息つく間もなく、今度はシャンパンのボトルを持ったイリアンが、千鳥足でやってきた。
俺の腹の上にドスッと腰を下ろし、座った目で俺を見つめる。
「わたくしの乳首の位置を当てたら、ご褒美をあげます!」
イリアンは控えめな膨らみを、誇らしげに突き出した。
初めて見るイリアンのほぼ全裸に、俺はツバを飲み込む。
ボリュームは少なめだが、その起伏の少なさがなんとも言えぬ背徳感を誘う。
乳首を指せと言われても、右手はマトイ、左手はアデーレに押さえられている。
「えっと……」
俺はつぶやきながら、イリアンの胸を隠す赤いリボンを見つめるばかりだ。
と、そのリボンの真ん中がぷくっと盛り上がった。
直後、イリアンが「せいかーい!」と叫んだ。
もう酔っぱらいの論理だ。
わけがわからない。
イリアンは俺の上でのけ反って、ボトルの酒を口に含んだ。
それから俺の顔をつかんだかと思うと、酒を口移しで流し込んできた。
俺はぬるんだ酒を飲み下す。
一瞬、胃が焼けたが、それもすぐに治まる。
ここ数日でわかったのだが、俺の代謝機能では、ちょっとやそっとじゃ酒に酔わない。
イリアンはひとしきり俺の口中をまさぐると、満足して唇を離した。
「うーん、タネツケさん、いい匂いがするー」と、俺の上で丸くなる。
ああ、とうとうイリアンともある一線を越えてしまった。
そんな感慨にふけろうとしたところ、後ろから頭をつかまれて、顔を上げさせらた。
俺の頭をつかんだまま、ヒサメが見下ろしてくる。
「おまえが簡単に酔わないことはわかってるんだ」
次いで、ナムリッドが巨大なボトルを俺の口へ突っ込んでくる。
「はい、どーんっ! 飲んで! 飲んで!」
「おごごごご?!」
俺は為すすべなく、酒を飲み下していく。
これは強い酒だッ!
さすがの俺も一気に思考が飛んでいった。
前後不覚に陥っていきながら、誰かの声が聞こえた。
「みなさーん、英雄タケツネをご存分に、観察してくださーい!」
熱波が身体の内と外から押し寄せる。
ぐるぐるとまわる頭のなか、はしゃぐ嬌声が何重にもなって響き渡った。
自分が何をしているか、また何をされているのかわからない。
「タネツケー、ちゅっちゅ」
「タネツケさまー、もっと早く!」
「わたし、直に見るの初めてで……」
「触ってもいいのよ?」
「今日はおまえの痴態を思う存分楽しんでもらおうな?」
「タケツネ、もっと強く吸って!」
「なんか出てきました……!」
「じゃ、さらに早く上下へ!」
「やだぁー、そんなのどこで覚えたの……?」
「あっ! それ、いいですー……」
「なんだ、もう足が痙攣してるぞ?」
「ううん、もっと深く! こうよ! んっんっ……」
「なに、この指」
「あたしもー。早く代わってー」
「ぶっ?! けほっ、けほっ、変な味―」
「お姉さんが綺麗にしてあげる……」
「わたし、もうっ……!!」
「どんな味―?」
「やっぱり、わかってるわね……」
「まだまだこれからでしょ?」
「くっくっく、この底なしめ……!」
☆☆☆
何時間経ったのか……。
正気づいてみると、散らかった部屋に残っているのはアルバのメンバーだけになっていた。
みな、リボンの残骸を申し訳ていどに巻きつけ、俺のまわりですやすやと眠っている。
なんだか身体中がカピカピだ。
いったいどんな時間を過ごしたのか。
記憶が定かではない。
ちょっとは思い出そうと努力してみると、激しい頭痛が襲ってきた。
あきらかに二日酔いだ。
これはもう、溜息をつくことしかできない。
顔を出さなければならないイベントの類もなくなり、アルバの団員はみな、日常を取り戻しつつある。
団長とトゥリーは別だ。
エッジワン復興計画の策定のため、今日も会議をしているらしい。
エッジワンの廃墟には、現在多くのモンスターが棲みついてしまっている。
それを効率よく排除するための計画を練っているという。
しかし、他のメンバーはもうそんなに忙しくないはずだ。
なのに俺はいま、本部で一人きりになっていた。
平日の昼過ぎ。
他には誰もいない。
いつの間にか留守番の体になっていた。
これではちょっと出かけるのも気が引ける。
がらんとした食堂で、一人、紅茶をすすっていた。
考えるべきことは山ほどある。
だが、この静寂を味わうように、思考は麻痺していた。
物思いに沈みかけたとき、ガサゴソと音がして、出入口の扉が開く。
ネコミミ料理人のロシューだった。
ぱんぱんになったリュックを背負い、両手にも膨らんだ買い物袋を下げている。
クラウパーと一緒に買物へ出ていたのだ。
ロシューは頭のネコミミをぴくりとさせて言った。
「もしかしてタケツネ一人なのか……?」
「ああ、そうらしいね」
「イリアンもいないのか……?」
「イリアンもいないみたいだ」
ロシューは荷物を床に置きながら言う。
「そうか。たまには羽を伸ばすのもいいだろう。暇なうちにな。エッジワン復興作戦が始まったら、また封印兵器の出番になるかもしれない」
俺は鷹揚に申し出た。
「イリアンのする予定だった仕事を手伝おうか?」
「いや、いい。クラウパーがいるからな」
そのとき、キッチンのほうからクラウパーの声が響いた。
「あー、疲れた! 鎧が無いと緊張するぜー」
クラウパーもリュックを背負い、両手に買い物袋を下げている。
鎧はつけておらず、シャツとズボンの軽装だ。
だから、こいつは裏口から出入りしているのだった。
俺はクラウパーに向かって言う。
「正面から堂々と出入りしろよ、別に悪いことしてるわけじゃないんだからさ」
「鎧をつけてないところを知り合いに見られたら恥ずかしいだろ? 俺の顔はまだ、マトイちゃん親衛隊のヤツらにも知られてないんだぜ?」
「変なところにこだわるなよ……」
クラウパーはキッチンに荷物を置き、食堂に入ってくる。
「一服したら、夕飯の準備を始めようぜ。夜はポタージュくらいしか作らないんだろ?」
ロシューがそれに答える。
「そうだな、今日はおまえの赤毛のような人参のポタージュにしてみるか……?」
そして二人でくすくすと笑い合う。
男三人仲良く、といきたいところだが、どうも俺は邪魔なようだ。
恋人同士と、もう一人という構図になる。
俺は席から立ち上がった。
「俺はちょっと散歩でもしてこよう」
クラウパーがニヤリと笑いながら言う。
「気を使わせちゃって悪いな!」
「なに、おまえたちにとっても二人きりで台所仕事なんて珍しいことだろうからな」
出入口である両開きの扉へ向かう。
目の前で、その扉が勢いよく開かれた。
今度は、ワンピース姿のナムリッドが戻ってきた。
「あ、タケツネいた~!」
ナムリッドは心持ち赤い顔で、いきなり俺に抱きついてきた。
その息が。
「うわっ、酒くさっ! 昼間っから飲んでるのかよ?!」
「飲んでないわよー、なめただけよー。さ、いきましょっ!」
「えっ?」
ナムリッドは俺の首に腕をまわして、ぐいぐいと引っ張る。
そうしながら、ロシューへ向かって声を張り上げた。
「今日は女性陣、全員夕飯いらないからー」
離れたロシューの声がする。
「イリアンもか……?」
「そ、イリアンも一緒にいるから」
「そうか、よろしくやってくれ。こっちはこっちでよろしくやる」
その返事を聞くと、ナムリッドは俺の後ろへまわり、手を突っ張って背中を押し始めた。
「さ、はやく! はやく!」
コイツ、完全に酔っ払いだ。
とはいえ断る理由もない。
俺は押されるままに外へ出た。
外へ出ると、ナムリッドは前にまわって俺の手を引っ張る。
「こっち、こっち!」
俺は完全に浮かれ調子のナムリッドに身を任せた。
すっかり日常に戻っているアルコータスの中を、引き回されること十数分。
外壁がピンク色の建物に案内された。
アームズファンタズマ同様、遠目には白壁、近づくと色が変わる。
ちょっと上品な看板がかかっていた。
『フラミンゴ・ヘヴン』 ※男子禁制
どうも酒を出す飲食店らしい。
やはり三階建てだ。
ナムリッドはますます勢いを増して、俺を引っ張る。
俺はちょっと躊躇して言った。
「お、おい、男子禁制って書いてあったぞ」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ!」
ナムリッドは構わず、ピンクのドアを押し開いて、俺を中に連れ込んだ。
明るくファンシーな雰囲気の店内に、客はまばらだ。
もちろんみな女ばかり。
ナムリッドと俺が進もうとすると、案の定店員さんが立ちはだかった。
バーテン風の男装をした短髪美人だ。
「お客様、当店は男性の立ち入りはお断りしております」
「んふふ~、わかってますってー」
そう言いながら、ナムリッドはワンピースのポケットを探り始めた。
カードを一枚取り出して、店員さんに突きつける。
「じゃ~ん! オーナーじきじきの特別入店け~んっ!」
店員さんはカードを手に取り、目を丸くした。
「これは! 話に聞いておりましたが……、では、この方が英雄タネツケさま……?!」
「あ、はい。いちおう……」
俺は頭をかきながら返事した。
おかしいんだよな。
俺は公の場で、自分では『タケツネ』と名乗ってきたのに、いつの間にかアルコータス中で『タネツケ』と呼ばれている。
店員さんは俺を見つめ、ぷるぷる震えた。
かと思うと、今までの凛々しさとはかけ離れた黄色い叫びを上げる。
「キャーーーーーーーーーーッ!!!! お願いします、握手してくださいっ!」
「あ、はい」
正直、恥ずかしいが。
差し出された店員さんの手を握り、上下に振る。
「キャーーーーーッ! キャーーーーーッ! キャーーーーーッ!」
まあこんなに喜んでもらえるならいいか。
人が集まってきた。
「こりゃ、ぼやぼやしてられないわ」と、ナムリッドが手を引き、階段を登っていく。
背後では店員さんが、
「なんでもありません! なんでもありません!」と客をなだめていた。
俺は階段を上り、三階へ連れていかれた。
静かな廊下を通り、緑に金の縁取りがあるドアの前まで来る。
「腰を抜かしちゃだめよ、タケツネ」
そう言いながら、ナムリッドが扉の横のボタンを押した。
数秒ほど待って、カチャリと鍵が開く。
ナムリッドがドアを引くと、中から嬌声とむっとした匂いが溢れ出てきた。
酒と女の柔肌の匂いだ。
目に飛び込んできた光景に目をむく。
なんぞコレ……?!
広い室内の色調はピンクと白だ。
柔らかそうなソファーがいくつも置かれ、それらは寝ることもできるほど大きい。
中央にある背の低いテーブルの上には巨大なケーキが目立つ。
他にも数々の食べ物、飲み物が並んでいた。
そして何よりも、女の子たち。
様々な髪の色と、白い肌の露出が眩しい。
柔らかく流れるような身体の線も、隠すことなくつまびらか。
全員、ほぼ全裸の群れだッ!
女の子たちの手足には赤いリボンがゆるく巻きつき、局部もギリギリなんとか隠されている。
首、手首、足首には蝶結びが飾られていた。
……。
これはッ!!!!!
神に賜りし人類の叡智ッ!!!!!
『裸リボン』やないかァァァ!!!!!
唖然とする俺の目の前で、裸リボンの女の子たちが十人近く、ピンクの部屋の中で酒を飲んで戯れていた。
画面に向かってマイクを握っているマトイ。
シャンパングラスをなめているアデーレ。
ここまではわかる。
マトイちゃん親衛隊のケイリーまでいた。
やはり裸リボンで、三つ編みメガネの女の子になにやらちょっかいを出している。
イリアンもいた。
小さく細い体の線を露わにして仁王立ちし、大きな酒瓶をラッパ飲みしている。
あとは知らない子たちだ。
どこから来たんだか……。
ナムリッドが俺を部屋へ引き入れて、大声で言う。
「みんなー、主賓の到着よー!」
赤ら顔の女の子たちの目が、一斉に俺を見る。
ナムリッドは手を振りながら号令をかけた。
「はい、せーの!」
女の子たちが声をそろえた。
『おかえりなさいませ、大王さまっ!』
女の子たちが笑いさざめくなか、マトイとアデーレが走り寄って来る。
もちろん俺は困惑した声を出した。
「これはいったい……?!」
ナムリッドがワンピースを脱ぎながら言う。
「女同士でパーティーしてたんだけど、みんながタケツネの会ってみたい言うから。オーナーに話してみたらオーナーも乗っちゃって。じゃあって、ヒサメがこの衣装でもてなしてやろうって言い出したの」
ワンピースを脱ぐと、やはりほぼ全裸だ。
柔らかい起伏を露わにして、局部は赤いリボンで隠されている。
「ずいぶんとご無沙汰だしね」
そう言って、ナムリッドは照れたように笑う。
う、嬉しいといえば嬉しい。
しかし、一抹の不安もある。
件のヒサメはどこだ……?
俺の背後だった。
後ろからヒサメの声がした。
「ま、そういうことだ。フォーマルに着替えてもらおう」
その言葉と同時に膝裏が押され、俺はバランスを崩す。
そのまま床の上に倒されてしまった。
マトイ、アデーレ、ナムリッドが群がり、きゃあきゃあ言いながら、俺の衣服を剥いでいく。
「ちょ、ちょっと待て!」
俺の言うことなんか、誰も聞きはしない。
裸の身体に、ヒサメがリボン衣装をぐるぐる巻きつけてくる。
数秒後、ヒサメが酒臭い満足の吐息をついた。
「よし、いっちょうあがりだ」
女たちが離れ、俺はよろよろと立ち上がる。
俺まで裸リボンになっていた。
かなり雑に巻かれているのもあるが、やはり女でないと隠せないものがある。
俺はもろ出しだった。
前かがみで股間を押さえながら抗議する。
「ちょ、出てるだろ! 男は隠しきれないって! どうすんだ、これ?!」
「男ならつべこべ言うな」
ヒサメが無力な俺の尻を蹴る。
よろめいたところを、マトイとアデーレに誘導されて、俺は大きなソファの一つにでんと座った。
右にマトイが滑りこんでくる。
俺の右手を自分の首にまわし、熱い体温をこすりつけながらキスをしてくる。
「タネツケー、ちゅっちゅっ!」
マトイも完全に出来上がってるな……。
左にはアデーレが潜り込んできた。
酒臭い吐息を吹きかけながら、俺の左手を自分の太ももに導く。
「タネツケさまー、わたしもう……」
ソファの横でナムリッドが再び大声を出した。
「オーナー! これがタケツネですよー!」
すると、遠巻きにキャッキャと騒いでいた女の子たちのあいだから、背の低い人影が現れた。
派手なドレスや装飾品に身を包んだ、八十歳くらいのおばあちゃんだった。
老婆はふんぞり返る俺の前まで来て、股間を確かめたあと言った。
「見たぞ。おまえがタネツケか。ワシがオーナーのミレーヌじゃ」
「どこに話しかけてるんですか、ミレーヌさん……」
ミレーヌ婆さんは俺の目を見て、襟元に手を突っ込みながら言った。
「乳、吸うか?」
「い、いえ、いいです……」
「そうか。ではゆるりと過ごせ。時間無制限で貸し切りじゃ」
そう言ってミレーヌ婆さんは去っていった。
ほっと一息つく間もなく、今度はシャンパンのボトルを持ったイリアンが、千鳥足でやってきた。
俺の腹の上にドスッと腰を下ろし、座った目で俺を見つめる。
「わたくしの乳首の位置を当てたら、ご褒美をあげます!」
イリアンは控えめな膨らみを、誇らしげに突き出した。
初めて見るイリアンのほぼ全裸に、俺はツバを飲み込む。
ボリュームは少なめだが、その起伏の少なさがなんとも言えぬ背徳感を誘う。
乳首を指せと言われても、右手はマトイ、左手はアデーレに押さえられている。
「えっと……」
俺はつぶやきながら、イリアンの胸を隠す赤いリボンを見つめるばかりだ。
と、そのリボンの真ん中がぷくっと盛り上がった。
直後、イリアンが「せいかーい!」と叫んだ。
もう酔っぱらいの論理だ。
わけがわからない。
イリアンは俺の上でのけ反って、ボトルの酒を口に含んだ。
それから俺の顔をつかんだかと思うと、酒を口移しで流し込んできた。
俺はぬるんだ酒を飲み下す。
一瞬、胃が焼けたが、それもすぐに治まる。
ここ数日でわかったのだが、俺の代謝機能では、ちょっとやそっとじゃ酒に酔わない。
イリアンはひとしきり俺の口中をまさぐると、満足して唇を離した。
「うーん、タネツケさん、いい匂いがするー」と、俺の上で丸くなる。
ああ、とうとうイリアンともある一線を越えてしまった。
そんな感慨にふけろうとしたところ、後ろから頭をつかまれて、顔を上げさせらた。
俺の頭をつかんだまま、ヒサメが見下ろしてくる。
「おまえが簡単に酔わないことはわかってるんだ」
次いで、ナムリッドが巨大なボトルを俺の口へ突っ込んでくる。
「はい、どーんっ! 飲んで! 飲んで!」
「おごごごご?!」
俺は為すすべなく、酒を飲み下していく。
これは強い酒だッ!
さすがの俺も一気に思考が飛んでいった。
前後不覚に陥っていきながら、誰かの声が聞こえた。
「みなさーん、英雄タケツネをご存分に、観察してくださーい!」
熱波が身体の内と外から押し寄せる。
ぐるぐるとまわる頭のなか、はしゃぐ嬌声が何重にもなって響き渡った。
自分が何をしているか、また何をされているのかわからない。
「タネツケー、ちゅっちゅ」
「タネツケさまー、もっと早く!」
「わたし、直に見るの初めてで……」
「触ってもいいのよ?」
「今日はおまえの痴態を思う存分楽しんでもらおうな?」
「タケツネ、もっと強く吸って!」
「なんか出てきました……!」
「じゃ、さらに早く上下へ!」
「やだぁー、そんなのどこで覚えたの……?」
「あっ! それ、いいですー……」
「なんだ、もう足が痙攣してるぞ?」
「ううん、もっと深く! こうよ! んっんっ……」
「なに、この指」
「あたしもー。早く代わってー」
「ぶっ?! けほっ、けほっ、変な味―」
「お姉さんが綺麗にしてあげる……」
「わたし、もうっ……!!」
「どんな味―?」
「やっぱり、わかってるわね……」
「まだまだこれからでしょ?」
「くっくっく、この底なしめ……!」
☆☆☆
何時間経ったのか……。
正気づいてみると、散らかった部屋に残っているのはアルバのメンバーだけになっていた。
みな、リボンの残骸を申し訳ていどに巻きつけ、俺のまわりですやすやと眠っている。
なんだか身体中がカピカピだ。
いったいどんな時間を過ごしたのか。
記憶が定かではない。
ちょっとは思い出そうと努力してみると、激しい頭痛が襲ってきた。
あきらかに二日酔いだ。
これはもう、溜息をつくことしかできない。
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