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第1章 奇跡の始まり
クイースの妹
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朝、ミズリ達に起こされる。
私が寝てるベッドの横に立ち、優しく声を掛ける
『起きてください、ギイ様』
『起きてくださいご主人様』
そして、2度に渡って唇に何かが・・はい、解ってます、彼女達の唇が触れてます。
朝から幸せな気分で私はゆっくりと起き出す。
今日の朝ごはんは、パンに卵焼きとキュウリの様な野菜とレタスの様な野菜、転生者事案だろうマヨネーズが挟まれたサンドイッチだった。美味い。
それな合わせるのはオレンジジュースだ。
ん?前から思ってたんですが、何で味も名前も同じのが有るんですかね?
勝手に翻訳されてても、漠然と何々の様な物って感じで認識してたのに、たまにそのものズバリが有るんですけど。
・・まぁ良いか。
さて、クイースの妹を確保しに行きますと宣言して早速宿を出ます。
もう滞在予定は大幅に越してるんですが、まぁ
両親にも連絡は送ってますから大丈夫でしょう。
道中で奴隷商館へ挨拶に行きます。
クイースが直接御礼を言いたそうにしてましたからね。
「店長はいるかな?」
私の言葉に対応した店員が裏に下がって数分後、店長が出てきました。
これはギイ様、私に何か御用・・
と話しかけた店長は私の横に居るクイースを見て固まっている。
クイースは、スッと前に出て片膝を着き両手を胸の前で握り合わせる。最上級の感謝の作法だそうだ。
私の時の土下座は・・あれは謝罪の時に使うのがこちらでも普通で、あの時は最上級程度では感謝が表せないから、自然にあの格好に成ったんだって言ってましたね。
『あなた様の御陰で、生き延びる事が、そして素晴らしい、いと尊き御方の物と成ることが出来ました。あなた様に最大の感謝を。』
私は苦笑しつつ、クイースの話を引き継ぐ。
「ダンジョン産と言う触れ込みのポーションを手に入れましてね、彼女に飲ませてみたんですが、見る間に回復したのですよ。彼女の感謝を受け入れてやってください。」
店長は暫く頭の中で考えを纏めていたのだろう、ようやく声を出した。
いえ、私は私の為に最善を尽くしただけです。
ですが、感謝は受け取りました。貴方が良い縁に出会われた事をお慶び申し上げます。
との事だ。
まったく、奴隷商人の方が人が出来てますね、この世界は。
その後、追加で奴隷を買う気は今の所は無いので店を出て、買い物をしてから妹が治療を受けていると言う病院にやってきた。
この世界でも回復系のスキル持ちに頼り切る事は無く、医者は居る。ただし科学技術が発展していないため、基本的には東洋医学の様な薬草等を用いた漢方の的な、飲み薬がメインで後は精々、患部を清潔に保つとか簡単なマスクの様な物を着用する事が精一杯である。
私はそこらのスタッフを捕まえて、妹の場所を聞くクイースに続いて病室にやって来た。
そこには痩せ細り、息も絶え絶えな感じの犬耳娘が居た。クイースがピンと立った耳に対して垂れ耳だなと、場違いな感想を抱いた。
『誰?』
クイースを見てだろう、笑顔を僅かに浮かべた後、私達を訝しげに見た彼女はそう言った。
「やあ初めまして、君のお姉さんに君の事を聞いてね、先ずはコレを飲んでくれないかな?」
私はポーションを取り出し彼女に手渡した。それをクイースが支えながら大丈夫だから飲んでと言っている。
困惑顔の妹に急かすようにクイースはポーションを飲ませてゆく。
『え?・・これは』
彼女の顔が驚愕に染まる。
それもその筈、あれはここに来るまでに買って来た、店で買える最高のポーションなのだ。今まで彼女が飲んできた低位のポーションとは物が違う。
「それは其れなりに効果を及ぼしますけど、完治はしませんからね、後ひと月程待って下さいね」
『・・何を待つの?』
幾分顔色の良くなった彼女の、その問いかけにクイースが答えた
『大丈夫だから、ご主人様に全てお任せしなさい。』
『ご主人様?お姉ちゃん、今ご主人様って言った?一体何が有ったの?最初から話して。』
『クイーナ、あたしはパーティーメンバーに裏切られたの、後から不意打ちされて、魔物に炎を吹き掛けられて、それでもリーダーの手前だったからかしら、生き延びはしたけど、貯めたお金も盗られて奴隷商館に押し付けられたのよ、もうこのまま貴女の事も助けられず死んでしまうんだって諦め掛けてた時にご主人様に助けて頂いたの。』
クイーナて言う名なのか、その彼女は整理が付かないんだろう、眉をひそめて思案顔だ。
そんなクイーナの手を取りクイースは話を進める。
『ねぇクイーナ、あたしは両手で貴女に触れてるでしょう?でもね、奴隷商館に居たときのあたしには片手と片足が無かったのよ?』
衝撃の事実にクイーナの顔がこちらを向く。だが少し変だな、完全に私の方向を向いていない。まさか目が見えないのか?そんな事を考えていた私に声が掛かる。
『貴男様が私の姉を助けて下さったのですね。有難う御座います。』
感謝の言葉、しかし、その言葉に続いて彼女はこう述べた。
『そして次は私を助けて奴隷にするんですね?』
一瞬の静寂の後、
バチンッ!!
クイースの振り切った平手が盛大な音を立てた。クイーナは弱ってる身体を支えきれずベッドに倒れ込む。
そこへ怒号が飛ぶ。
『クイーナ。誰に向かってその様な無礼を働いているんです。』
怒りの権化と化したクイースにクイーナは涙目、いや号泣だ。ごめんなさいを繰り返しながら、首がちぎれるんじゃないか思う程振っている。
少し席を外そう。ち、違うし、クイースが恐いからじゃないし、そう、あれだ、場の雰囲気を読んだんだよ。
何故かクイーナから助けを求める雰囲気を感じたが無視だ。そんな雰囲気は読みません。
私が寝てるベッドの横に立ち、優しく声を掛ける
『起きてください、ギイ様』
『起きてくださいご主人様』
そして、2度に渡って唇に何かが・・はい、解ってます、彼女達の唇が触れてます。
朝から幸せな気分で私はゆっくりと起き出す。
今日の朝ごはんは、パンに卵焼きとキュウリの様な野菜とレタスの様な野菜、転生者事案だろうマヨネーズが挟まれたサンドイッチだった。美味い。
それな合わせるのはオレンジジュースだ。
ん?前から思ってたんですが、何で味も名前も同じのが有るんですかね?
勝手に翻訳されてても、漠然と何々の様な物って感じで認識してたのに、たまにそのものズバリが有るんですけど。
・・まぁ良いか。
さて、クイースの妹を確保しに行きますと宣言して早速宿を出ます。
もう滞在予定は大幅に越してるんですが、まぁ
両親にも連絡は送ってますから大丈夫でしょう。
道中で奴隷商館へ挨拶に行きます。
クイースが直接御礼を言いたそうにしてましたからね。
「店長はいるかな?」
私の言葉に対応した店員が裏に下がって数分後、店長が出てきました。
これはギイ様、私に何か御用・・
と話しかけた店長は私の横に居るクイースを見て固まっている。
クイースは、スッと前に出て片膝を着き両手を胸の前で握り合わせる。最上級の感謝の作法だそうだ。
私の時の土下座は・・あれは謝罪の時に使うのがこちらでも普通で、あの時は最上級程度では感謝が表せないから、自然にあの格好に成ったんだって言ってましたね。
『あなた様の御陰で、生き延びる事が、そして素晴らしい、いと尊き御方の物と成ることが出来ました。あなた様に最大の感謝を。』
私は苦笑しつつ、クイースの話を引き継ぐ。
「ダンジョン産と言う触れ込みのポーションを手に入れましてね、彼女に飲ませてみたんですが、見る間に回復したのですよ。彼女の感謝を受け入れてやってください。」
店長は暫く頭の中で考えを纏めていたのだろう、ようやく声を出した。
いえ、私は私の為に最善を尽くしただけです。
ですが、感謝は受け取りました。貴方が良い縁に出会われた事をお慶び申し上げます。
との事だ。
まったく、奴隷商人の方が人が出来てますね、この世界は。
その後、追加で奴隷を買う気は今の所は無いので店を出て、買い物をしてから妹が治療を受けていると言う病院にやってきた。
この世界でも回復系のスキル持ちに頼り切る事は無く、医者は居る。ただし科学技術が発展していないため、基本的には東洋医学の様な薬草等を用いた漢方の的な、飲み薬がメインで後は精々、患部を清潔に保つとか簡単なマスクの様な物を着用する事が精一杯である。
私はそこらのスタッフを捕まえて、妹の場所を聞くクイースに続いて病室にやって来た。
そこには痩せ細り、息も絶え絶えな感じの犬耳娘が居た。クイースがピンと立った耳に対して垂れ耳だなと、場違いな感想を抱いた。
『誰?』
クイースを見てだろう、笑顔を僅かに浮かべた後、私達を訝しげに見た彼女はそう言った。
「やあ初めまして、君のお姉さんに君の事を聞いてね、先ずはコレを飲んでくれないかな?」
私はポーションを取り出し彼女に手渡した。それをクイースが支えながら大丈夫だから飲んでと言っている。
困惑顔の妹に急かすようにクイースはポーションを飲ませてゆく。
『え?・・これは』
彼女の顔が驚愕に染まる。
それもその筈、あれはここに来るまでに買って来た、店で買える最高のポーションなのだ。今まで彼女が飲んできた低位のポーションとは物が違う。
「それは其れなりに効果を及ぼしますけど、完治はしませんからね、後ひと月程待って下さいね」
『・・何を待つの?』
幾分顔色の良くなった彼女の、その問いかけにクイースが答えた
『大丈夫だから、ご主人様に全てお任せしなさい。』
『ご主人様?お姉ちゃん、今ご主人様って言った?一体何が有ったの?最初から話して。』
『クイーナ、あたしはパーティーメンバーに裏切られたの、後から不意打ちされて、魔物に炎を吹き掛けられて、それでもリーダーの手前だったからかしら、生き延びはしたけど、貯めたお金も盗られて奴隷商館に押し付けられたのよ、もうこのまま貴女の事も助けられず死んでしまうんだって諦め掛けてた時にご主人様に助けて頂いたの。』
クイーナて言う名なのか、その彼女は整理が付かないんだろう、眉をひそめて思案顔だ。
そんなクイーナの手を取りクイースは話を進める。
『ねぇクイーナ、あたしは両手で貴女に触れてるでしょう?でもね、奴隷商館に居たときのあたしには片手と片足が無かったのよ?』
衝撃の事実にクイーナの顔がこちらを向く。だが少し変だな、完全に私の方向を向いていない。まさか目が見えないのか?そんな事を考えていた私に声が掛かる。
『貴男様が私の姉を助けて下さったのですね。有難う御座います。』
感謝の言葉、しかし、その言葉に続いて彼女はこう述べた。
『そして次は私を助けて奴隷にするんですね?』
一瞬の静寂の後、
バチンッ!!
クイースの振り切った平手が盛大な音を立てた。クイーナは弱ってる身体を支えきれずベッドに倒れ込む。
そこへ怒号が飛ぶ。
『クイーナ。誰に向かってその様な無礼を働いているんです。』
怒りの権化と化したクイースにクイーナは涙目、いや号泣だ。ごめんなさいを繰り返しながら、首がちぎれるんじゃないか思う程振っている。
少し席を外そう。ち、違うし、クイースが恐いからじゃないし、そう、あれだ、場の雰囲気を読んだんだよ。
何故かクイーナから助けを求める雰囲気を感じたが無視だ。そんな雰囲気は読みません。
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