恐怖と魅了の魔女史より

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 久方ぶりの長男の帰宅をもてなすカヴァニス家の夕食には、豪華な皿がこれでもかと出された。ニナは一人で食事をするようになって以来、約十カ月ぶりでテーブルに着く。始めは緊張で息が上がりそうだったが、テーブルマナーは自分の中に健在していて安堵した。

 ブレンダとルーファスが再婚した時には二十歳だったエドヴァルドは二十三歳。顔つきは一層大人のそれになっていた。
「男爵、ワインをもう一杯」
「どうも」
 ルーファスが、口数の少ない義理の息子をブレンダに代わってもてなす。ブレンダもイリナも静かだった。

「いいかい、お前がしっかりエドをもてなすんだよ!!」

 昨晩尻を蹴られながらしっかりと言い含められたので、ルーファスは夜も朝も昼間も会話のシミュレーションに余念が無かった。ブレンダとこの長男は折り合いが悪いらしい。喧嘩が多いので会話をさせない方が丸く収まるとリーベルトから移ってきた使用人からも言われた。
「仕事は忙しいですか?」
「まぁ」
「王都ではどのような任務に?」
「遣いっ走りのようなことを」
「そうですか。まだお若いですしね。上司はどなたですか? と言っても、騎士団に友と言えるほどの人間はいないのですが」
「ジュ……あー、ルワイヤ副官やゴバーン参事官とか……すね」
「そうですか、そうですか」
「実はしばらく遠方に長期で赴任する予定になって」
「そうなのですか。どちらに?」
「たぶん転々と。数年連絡が無くても、生きてます、たぶん」
「なんと、それはまた大変な赴任ですね」
 ブレンダが興味をそそられて尋ねる。
「どれくらい危ない場所に行くのかい? 命の危険はあるのかい?」
「さぁ。行ってみないとわからん」
「ふぅん」
 全く盛り上がらない会話に辟易しつつも、ブレンダの指示通り猛スピードで食事を運んでくるコースに合わせて一同は咀嚼を続ける。

 ニナは三皿目にして、もうお腹も気持ちもいっぱいになった。ブレンダの顔を見ながらの食事がすすむ筈もない。
 前菜が二種類に小さなスープ、バゲット。これだけで既にいつもの食事量を超える。
「いつもそんな小食なのか?」
 気が付いたエドヴァルドが隣に座るニナに問う。長男をルーファスとニナで挟み、向かい側の実母と実妹はそれぞれ真ん中一つを空けてエドヴァルドの正面には誰も座らない。
「最近、少し胃が小さくなってしまって」
「そうか。だけどもう少し食べないとなぁ。十七…十八か? まだ身長も伸びるだろ」
「身長、ですか」
「ああ」
 ニナはほんの少しだけ溜息のように笑った。
 身長なんか伸びなくても良い。一番どうでも良い心配だった。日々の飢えとの引き換えが背丈なら、一生要らない。
「頑張って食べます」
「おお、そうしろ」
 だけどこの会話自体が貴重だった。かれこれ十か月近く、メイド長と用事のやり取りか、ブレンダとイリナから浴びせられる罵詈雑言か、人目を避けて父と無事を確かめ合うアイコンタクトしかない。
 使用人たちは皆ニナとの会話を禁止されているし、何よりニナを密告しようと虎視眈々と狙っている。話すことなどなかった。

 お門違いの身長が話題でも、それでもニナは用事以外で話す会話に胸が詰まる。

「そう言えば、お前は学院を卒業したら嫁ぐのか」
 沈黙が続き、思い出したようにエドヴァルドがイリナに尋ねる。
「確かどこかの伯爵家と縁を結んだだろ……どこだったか」
「マティアス様よ。クロイド伯爵家の」
「ああ、そう、それだ」
 黙っていたブレンダがイリナを見る。
「クロイド伯爵からは、ゆっくり婚約期間を楽しんでも直ぐに嫁いでもどちらでも良いと言われているけどねぇ。イリナはマティアス様に夢中だから、直ぐにでも嫁ぎたいだろうさ」
 なぁ? と問われたイリナははにかんだ。
「へぇ。いい男なのか」
「ええ、すっごくね! 泥棒猫が盗もうとするくらいに素敵よ。ね、お母様」
「間違いない! 美男美女だよ、孫もきっと可愛いだろう」

「ニナはどこに嫁ぐんだ」

 素朴な長男の質問に、場が静まり返った。
 ルーファスは狼狽えたように目を泳がせ、ブレンダはワインを呷る。
「いいのよ、兄さま。お姉様は殿方に興味が無いの。嫌なんですって。ね?」
「………」
「そうなのか? けど妹だけ先に嫁ぐ予定が決まって」
「それを言ったらお前はどうなんだよ、エド」
 ブレンダが面白くなさそうに返した。
「俺?」
「イリナよりもニナよりも、先ずはお前じゃないか」
「俺は別にカヴァニスの人間じゃない。結婚なんて興味もねーし、する暇もない」
 二度結婚した上、実業家でもあるブレンダの顔が歪む。
「暇だから結婚するものではないよ」
「……そうだな、あんたはいつも目的があるもんな。結婚も仕事みたいなもんだ」
 何でも無さそうに軽口を返したエドヴァルドに、ルーファスもニナも驚いた。ブレンダの蟀谷に青筋が立ち、ぐっと部屋の空気が冷える。
 ルーファス、ニナ、イリナの三人の背筋にそろりと恐怖が這う。

 だが、エドヴァルドが冷ややかな目で母親をひたと見た。
「なんだよ?」
 二人は視線をぶつかり合わせた後、ブレンダがすい、と顔を逸らす。
 その顔は少し青褪めていた。

 兄の陰から継母を見ていたニナは更に顔色を失っていた。ブレンダは嫌なことがあった日にはよく自分を呼ぶからだ。どうぞ呼ばれませんように。心の中で祈る。


 夕食後、水で身体を拭い、寝衣に着替えてきつく目を閉じていたニナを案の定メイド長が呼びに来た。処刑場に向かうような気持ちで物音を立てずに屋根裏へと案内される。
「遅いっ」
 階段を登りきるなり髪を掴まれ振り回され、悲鳴すら上げる間もなく埃っぽい床に叩きつけられる。
 一瞬息が止まった。
「――――――っはぁっ……」
 溺れるように喉を開いて空気を求め、胸を掻き毟る。生理的な涙がこぼれた瞬間、涙の粒が分厚いブレンダの手と共に飛び散った。

 パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ 

 ブレンダは紅潮した顔で舌なめずりをし、ニナの頬を張る。
「あ~~~~~っ! 本当にイライラする、あいつだけは!!」

 パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ 

 胸倉を掴む太い腕。縋るように震える手を伸ばし、か細い指を添える。声も出ない。
「あの目が気に入らないっ! あの、馬鹿にしたような目が……誰が産んでやったと思ってるんだ、偉そうな顔をしやがって!」

 ブレンダは夕食時に睨み負けた息子を思い出し頭に血を昇らせる。自分が負けるなどあってはならないことだった。誰もがひれ伏すはずなのに、最初からエドヴァルドだけが膝を付かない。それどころか幼い頃から平然と言い返してくる。数年ぶりに会った今日など、この自分を視線で黙らせた。
 ぞくりと這った悪寒に焦った自分を叱咤する。
 ああ、目を逸らしてしまったあの時間を巻き戻せるのなら!

「……はぁ……お前もお前だ!」
 涙と鼻血を垂らすニナにブレンダが口角泡を飛ばす。
「男なら誰でも良いんだなぁ? あんな馬鹿な奴にまで色目を遣いやがって、頑張って食べます!? デレデレと。見てられなかったよ!!」
 驚いたニナが激しく首を振る。
「男が欲しいのか? 新しい男が来れば誰でも良いんだろ」
 違う。ニナは叩かれながら喉の奥で叫んだ。
 たったあれだけの会話を喜んだ自分を崖から突き落とし、全てを否定して首を振る。
 違う!違う!喜んでなどいない!!色目なんて遣っていない!!

「マティアスだってな、お前のせいでっ、イリナはまだ上手くいってないんだ! お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで!!」

 パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ 

 月明りの下、頬を張る乾いた音が屋根裏に響く。

 ニナはいつしか、いつものように叩かれている自分を横から見つめだした。

 大丈夫、もうすぐ終わる。
 知ってるでしょ、頬を叩かれたくらいでは死ねないって。
 そう、目を閉じて……数でも数えましょう。
 叩かれた回数分、羊を飛ばすのはどう?


 やがて、肩で息をした巨体の女はだらりと垂れさがる娘を放り投げた。
「はぁ……はぁ……手が痛い。氷を」
「はい!」
 メイド長が準備していた氷嚢をさっと差し出す。
「今日はニナにもやっときな」
「はい」
「はー、スッキリしたね。これで明日も頑張れそうだ」
「お疲れ様でございます」
「ニナ、お前今日は此処で寝な。明日は頬が腫れていたら出てこなくていい。寝坊したことにしておいてやるよ。だらしのない女だとエドも思うだろうさぁ」

 機嫌を直した足音が遠ざかって行く。耳鳴りがしていたが、重たい足音は響くからわかる。
 足音が完全にしなくなってから暗闇で薄目を開け、ニナは境界線が曖昧な床と壁を見てじっとした。

 嵐は過ぎ去った。ヨロヨロと起き上がり、頭の側に置かれた氷嚢を頬にあてて寝衣の裾で鼻血を拭う。痺れたように痛みもわからない頬のお陰で、涙は止まっていた。

 ね? 大丈夫だったでしょう。
 いつもと一緒。絶対終わるもの。
 あの間だけ我慢してちょっと数を数えていたら、直ぐだったでしょう?

「うん、直ぐだった」
 小さく呟いて、再び倒れるように横になった。
 屋根裏は埃っぽい。昔から使わなくなった食器やら大掃除用の特別な掃除用具なんかが置かれているだけの場所だった。
 だけどこの屋根裏には比較的大きな天窓がある。

 ニナは小さい頃、何度かねだって此処に連れて来てもらったことがあった。父の脚を枕に寝転んで、天窓から夜空を見るのだ。上手く星が見れた日も、見れなかった日もあったが、父や『虫なんていないでしょうね?』と言いつつ来てくれた母とのんびりお喋りしながら星の瞬き探すのはなんと贅沢な時間だったことか。

 だけど同じ場所で寝転んだひとりぼっちの今、強く目を瞑る。
 星を見る訳にはいかない。屋根裏の思い出を上書きしたくなかった。

 頬の感覚は氷嚢で余計に痺れたが、腫れ上がって孕んだ熱は大分収まった。
 ぼんやりと寝転んでいると、氷嚢で冷えたのもあって肌寒くなってくる。ニナは部屋を見回して、部屋の隅で丸くなった。立てた膝に俯せて疲れた目を閉じる。
 クタクタの心身で、引きずり込まれるように眠りに落ちた。



 トン、トン、トン、トン……

 半刻ほど後、屋根裏への階段を登って来る音が聞こえて、ニナは目を覚ます。
 誰だろう。身体をこわばらせ、俯せて寝たふりをしたままで待つ。

 トン。

「ん?」

 暗闇の中、男の大きなシルエットが現われる。小さく低い声を出した。
 エドヴァルドである。
 彼は即座に人の気配と身じろぎを察知した。夜目が利くのもあって小部屋の隅に女らしき誰かがいると視認する。

 まさか夜中の屋根裏に誰かいると思わない。

 母の再婚以来、忙しいのもあって帰省を後回しにしてきた。昼間に数回顔を見せたことはあったが、応接でリーベルトに関する事務連絡や変わりないことを確認したら、大体直ぐに帰った。屋敷内を歩き回ったこともない。帰省と言うより事務連絡。
 母ももてなしはするが、それだけだ。生来の相性が最悪で、互いに顔を合わせるのも面倒なレベルである。毎回引き留められることもなく、紅茶が冷めぬ間に面会は終わる。

 その為、今回の一泊かけた帰省は非常に億劫で珍しいものだったのだ。
 理由は至ってシンプルに、主であるジュリアンからの命。
「しばらくお前は国を出る。数年は帰省できないから、親孝行でもしてきなさい」
 しかし帰省はつまらなかった。予想通り団欒も無い。団欒を知らないのは置いといて。

 とにかく、主人が想像しているような家族ではないのだ。
 空気の悪い夕食に、顔色の悪い継父。最初から母が伯爵夫人の肩書だけを狙って射落としたのは間違いない。母は社交好きで、金にモノを言わせた社交クラブを開催しては貴族の遊びに耽る種類の人間だった。ルーファスとは十中八九クラブで出会ったのだろうが、二人の間に夫婦らしき男女の匂いは感じ取れない。継父からは夫や領主が持つ威厳さえも感じられなかった。夜も騎士団の事務方と飲んでいるような錯覚を起こした。

 飲んだ後、やることもなく早い時間からそのまま客室のソファで寝てしまい、目を覚ましてから冷えた風呂で身体を洗った。それから真夜中だと言うのにすっかり目が覚めて、何かすることはないかとぼんやりしていた所、外から見た天窓を思い出したのだ。

 エドヴァルドは屋根に上るのが好きだった。どこでもすぐ高い所に登りたがる癖がある。
 静かに夜中の屋敷をうろつき、外から見た配置と勘で、後付けの重たい扉が分かりにくくさせていたものの屋根裏への階段を見つけ出した。

 そうしてニナとエドヴァルドは屋根裏部屋で会ったのだった。
「……誰だ」
 エドヴァルドの問いかけに、ニナが暗闇から自分だと答えた。
「ニナ? こんな所で何を?」
「……星を見ていました」
 あ~なるほど、と男は納得する。
「良い天窓があるもんな。星を見るのは好きなのか」
 隅の暗がりで、腕の中に顔を隠し、瞳だけを見せたニナが頷く。
 エドヴァルドは大きな身体なのに音もたてず窓辺により、上げ下げ窓を持ち上げる。本当は天窓から勝手に屋根に上るつもりだったのだが、何となく止めとく。
「夜風がいい」
 ニナは身体が冷えているので縮こまった。せっかく眠って冷えも忘れていたのだが。
 振り返って、素足を寝衣の裾に入れる姿に気が付いた義兄は着ていたガウンを脱いで放り投げた。
「悪い、寒いか。それでも着ていろ」
「……ありがとうございます」
 ぬくもりの残ったガウンは温かかった。大きな身頃で頭から全身を包み、またジッとした。腫れた頬は上手い具合に見えなくなる。
 エドヴァルドは暫く夜空を眺めていた。ニナも小さくなって目を閉じた。

「なぁ、夕食の時はいつもあんな感じなのか」
 窓辺に腰かけた義兄が思い出したように尋ねる。
『あんな』が意図するニュアンスは不鮮明ながらも、ニナはかつての食事の場を思い出して『はい』と答えた。特に大きく変わるものでもない。
「もう少し、イリナさ……イリナが話すかもしれません」
「ああ、そうか。そうだな。あいつは俺が怖いから話さない。ニナも怖いか?」
 ニナは首を小さく傾げる。
 義兄に怖い要素など一つも思い当らなかった。自分を打つこともなく、告げ口もせず食事を取り上げるどころか食べろと勧め、普通に話かけてくる。ニナにとっては害のない人に決まっている。
「怖くありません」
「へぇ。怖くないのか。変わってるな」
 むしろ善良な人だと思ったが、余計な言葉は飲み込んだ。

 エドヴァルドといえば騎士団連中を相手にする娼婦たちにだって怖がられた。懇ろになったチェリーやララベルなどは『エドなんてただの馬鹿』だと撫でてくれるのだが、巨躯と琥珀の瞳は鋭くて威圧感が大きい。怖がらない普通の女が珍しくて、もう少し話がしたくなった。だからそうっと近づいて、ニナが凭れる同じ壁になるべく小さくなってしゃがみこんだ。
「ニナは何が得意?」
「………掃除です」
「へぇ、掃除。変わってるな。掃除は苦手だ。寮の部屋ひとつ片付かん」
 ニナはもうずっと掃除しかしていない。それ以外に答えようがなかった。
「俺は猫の鳴き声が得意だ」
「………猫ですか?」
「ああ。見てろよ」

 それから男は突然猫の鳴き声を出し始めた。
『ナーオ、ニャーオ、ナオー』と始まった妙に高い声にニナがポカンと口を開ける。
 やたらと真剣な表情でしばらく鳴き続け、ニナを見た。
「……ーオ……どうだ、すごいだろ」
「え、えぇ、はい」
 すごいのか正直不明だったが、頷いておいた。
 目の前の人が一生懸命していたのは伝わった。

 だが、ほら、とエドヴァルドが指さした階段の側、猫が二匹静かに顔を出している。
「………!」
 ニナは驚いて肩を上げた。猫はまた鳴いたエドヴァルドの側まで寄ってきて、何かを鳴いて答えて膝の上で甘えだした。ニナは予想外の展開に息を止め、そうしてその後で無意識に笑い始めた。
「ふ、ふふっ、すごい!」
「なぁ、すごいだろ? 得意だろ。猫を抱く? どっちかが良い?」
「ふふ、ふふ、じゃあ、茶色い猫を」
 顔を隠したまま嬉しそうな声で笑って身体を震わせ続ける様子に、エドヴァルドも満足した。猫をガウンの中に落としてやる。
「これを見せてもゲラゲラ笑うだけで最初から信じない奴がいると、猫は怖がって寄ってこない」
「怖がるのですね」
「猫には外見の怖さなんてわからないからな。俺の鳴き声を母猫の声だと勘違いして出てくるんだ。だから大声を出していたり、手を叩いて笑っているやつがいたら様子が違うし、親猫がいないってばれる。それだとだめだ」
「そうですか。なら私はラッキーでしたね」
「ん~……ラッキーとかとはまた別だけどな」

 ニナは普通に会話をしていたが、自分がまだ笑えたことに内心で驚いていた。
 ちょっと泣きそうだった。
 だけど、あんまり良いことがあっては後が辛い。

「夕食時の話だけど」
「はい」
「男が嫌いって。そうなのか?」
「………いえ、別に」
 ニナは言いよどむ。この手の話はあまりしたくなかった。どのように答えても、ブレンダとイリナを前にすると自分は男好きに仕立て上げられた。状況を知らない義兄の口からどうやってブレンダに伝わるのかわかったものではない。
「じゃあ、好きか?」
「好きな人は好きですし、そうでなければ……男性でも女性でも関係ありません」
 はぐらかすように答えて、ガウンの中に顔をすっぽりと入れた。
「ふぅ~ん」


 それからまたエドヴァルドにとっては他愛もない、ニナにとっては贅沢な話をして、おやすみ、と義兄は先に降りて行った。
 ニナは『そのまま着ていて良い』と言われたガウンに包まれ、二匹の猫と共に眠りについたのだった。

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