海賊提督の悪妻

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グレイプ編

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 カチンときた。

 攫われて乗せられて、最初から好き勝手されているこの状況に至極腹を立てているのだ。欺くも何もない。この男は勘違いをしているし、寧ろ騙されているのは自分である。
「欺こうなんて思ってないわ。私は最初から妻になるつもりなんてないんだし、そもそも納得して船に乗ってなんかない。あなたは何か人違いとか思い違いをしているようだけど、私にはあなたの妻になるつもりもミューズだとか言われる心当たりも一ミリだってないのよ。ミューズなわけないじゃない! 間違っても手籠めにされるつもりはないったらないの!! だから、この! 手錠を、外して!!!」

 声を上げ、今また繋がれたばかりの鎖を引っ張る。右腕を動かすとガーゼの下が痛んだ。
「ねぇ、どうかしてるわ、こんなの。足輪まで!! ねぇ、このガーゼの、これ痛いわ……私、怪我をしたの? どうして? 船倉でぶつけたの? ヒリヒリする」
「もう瘡蓋になっているから大丈夫だ。消毒は徹底したし薬も塗っているから、綺麗についただろう」
「……綺麗についた? 何が?」
 男がたっぷりと色気の滴る笑みを見せた。
「外したらまた逃げ出す。残念だが、グレイプに着くまでもう部屋から一歩も出さない」
「え、ちょっ」
 男の腕が自身の白いシャツの首元を摘まみ、するりと脱ぎ捨てる。
 徹底された環境にいた為に、未だ男の裸など間近で見たことのないリリアンヌは強い衝撃を受けた。

 どうして脱いだって? そんなのは恐らく決まっている。青ざめてどうにもならない手錠を揺らし、手首がとれそうな程にひっぱった。
「やめろ、綺麗な肌が傷む」
 ギシリとベッドが軋んだ音を上げ、すぐ横にネイトが乗ってきた。するりと身体を覆っていた布が取り払われる。
「ちょっと!! やめて、返して!!」
「もう散々身体は見たから今更隠す必要もない」
「見たって、そんな」
 これ以上隠しようのない身体が、生まれて初めて他人に見せる情けない表情を曝け出してしまう。リリアンヌの複雑な色味が混じりあうヘーゼルの瞳と澄んだ青の瞳が見つめ合う。
「そういう顔もいいな」
 ネイトは目を細め、リリアンヌの頬に口づける。
「やめてったら」
 そのまま口づけは耳へと移動した。
「やめっ……いや、ちょ、ちょっ……」
 くちゅ、くちゅ、と耳孔を塞ぐ舌の音が鼓膜を叩く。
 ネイトの手が右胸の先を摘まんだ。一直線に走った甘い快楽に腰から下が反応した。
「……ぁっ……!」

 リリアンヌは動揺する。
 己から漏れ出そうになる声に、下腹部の疼きに、脚の間に感じる滴りに。
「リリ」
 耳の中で低い声が響いた。
「やめて!」
「リリ、大丈夫だ、身体の力を抜け」
「何が、だい……んんっ」
 両の乳房が柔らかく揉まれて、薄い膨らみの先にある尖りはこの所の調教で敏感になり、既に顔を出し切って主張を始めていた。身体の主だけがあずかり知らぬ調教が、下半身と脳みそをまばらな快楽に落とし込んでいく。

 なに?
 なんで?
 どうなってるの、からだが。

 ネイトが首筋を強く吸いながら胸元に舌を這わせ、尖りを嬲りだした。
「!」
 また上がりそうになる声と、我慢した分だけ漏れた愛液にリリアンヌは唇を噛む。

 からだが、いうことをきかない!

「んっ」
 腹の横に座るネイトが交互に乳首を吸い、涎の付いた先を指の腹で擦る。ぴんぴん、ぬりぬりと愛撫されると足枷で広げられている脚の間が知らない具合になる。疼きが快楽の予感を連れて、収縮しているような、それでいて垂れ流しているような。
 コントロールできない。

「いや、いや、やめて」
 ちゅくちゅくと乳首を転がし吸い続け、ネイトは止めなかった。
 細い手足から力が抜けていく。どこもかしこも疼きに直結して話にならない。吸われれば吸われる程に垂れ流す液でシーツが冷たくなっていく。

 唇を離すと、次は手指でいじくり回して、途中オイルまで足して弄んだ。同時に首筋を吸い上げられて、耳朶を噛まれると悲鳴を上げる。ネイトはどこもかしこも丁寧に、丁寧に舐め上げて優しく吸った。
「胸が小さいと感度が良過ぎて辛いだろう?」
 大きな手が胸から腹を撫でていく。
「………はぁ……はぁ……も、や……」
「そういう姿はそそる。そうやって、良過ぎて泣いている涙も」
「っちが」
 ぐちゅ、と指が浅く隘路に挿し込まれた。
「びしょびしょだな。もう欲しいだろ? 身体は素直だ」

 そんなわけないのだ。
 そんなわけがないのに、おかしなことにリリアンヌの身体はネイトの言う通りだった。

 どこが今せつなくて、どこにどういう風にして欲しいのか、自分の中にある信じられない欲求に涙が零れる。
「指で奥を擦るか、クリトリスを舐めて欲しいか、どっちが良い? おねだりを聞いてやろう」
 指が浅い所をくるりと撫でて、同時に親指が花芽を探し出した。腰が揺れる。リリアンヌはぶわっと身体が熱くなった。
「んんん……っ、やめて、いや、や」
「言えないか? 止めて欲しい?」
 やたらと優しい声だった。だけど行為は止まらない。膣の中へ指を増やし、浅い所を彷徨いながらまた乳首を口に含む。
「んんっ」
 リリアンヌの白い頬が赤みを帯びて、快楽に歪み始めた。
 ネイトの長い指は的確に悦い所を撫でさすっては愛液を溢れさせて止め、また浅い所を彷徨っては悦い所に戻ってを繰り返す。三度四度と繰り返せば、細い太腿に力が入るのは直ぐだった。
「イきそうか」
「やめてっ」

 絶頂など知らない筈の下半身に力が入り、早く迎えたくて仕方がないと細い腰が揺れる。
「あああああ、いや、いや、いっ」
「イっていい」
 また長い指がずぶっと入って悦い所を撫でた。今度は容赦なくちゅこちゅこと撫で続ける。
「あ、あ、あ、あっ……・・」

 頭が真っ白になる絶頂感が短い時間支配して、リリアンヌはあまりのことに息を荒げて涙をぽろぽろぽろぽろと零す。
「上手いな、いいぞ。気持ち良かった? 今のがイく、だ。セックスは今のを何度もする。リリアンヌはイくのが上手い」
「っく……っく……」
「泣くな」
 涙を舐め、また指を動かし始めてリリアンヌの気を逸らす。
「やぁん……ぁ、ぁ」
「そう、上手だ。気持ち良いな。もっと気持ちよくなる。奥に入れて欲しいだろ? ココに、もっと重たいのでぎちぎちに埋めて欲しいだろ?」
「いらな……あ、い……っあ、あっ、あっむ」
 リリアンヌの側に横たわった男が精悍な顔を近づけて口を塞ぎ、口内を舐め回した。同時に指を更に増やし、愛液のしぶきを上げながら器用に花芽を揉み始める。
「いや、いや、ぁ、ぁ、それ、い」
「気持ちいい? 悦さそうだな。ぐじゅぐじゅだ、奥から悦い時のが出てきた」
 そう言うと、ネイトはリリアンヌの脚の間に膝立ち下穿きをずらした。先だけを浅く挿入する。花芽を揉む手は休めず、浅い挿入だけ。それでグッと快感が増した。再びイきそうになってくる。
 リリアンヌは逃げなければと思う一方で、奥まで欲しいという相反した渇望に涙を流す。だけどその葛藤は挿入が深くなるにつれて混沌と渦を巻き始めた。

 にげたい、にげられない。
 ううん、かんがえられないほどきもちがいいの。
 もうやめて。
 やめないで、もっとおく、もっとおくに。

 ぬるぬるのクリトリスが膨らんで、隘路の奥深くへ侵入したペニスが擦り上げた瞬間に弾ける。

「~~~~~~~~~~~っ」

「イけたな。よしよし。上手だ。リリ、リリ、口を開けろ、舌を出して」
「はぁ……はぁ……」
 ネイトの甘い声が近づいて、ぬちぬちとどうしようもない快楽が突かれる度に全身から力を奪っていく。唇から、信じられないくらいの甘い声が溢れ出して止まらない。

 ネイトは吐精しても抜かなかった。そのままでリリアンヌの身体を弄り回し、そうしている内にまたムクムクと元に戻る。何度も何度も擦り上げられて、リリアンヌの頭の中は快楽でいっぱいになる。



 互いに口を開けて目を閉じ、舌を絡め合った。
「んっ、んんっ」
「気持ちいい? 可愛い声を」
「いい、いい」
「そうか、いいか。どこがいい? ここ?」
「わかんな、ぜんぶ、ぜんぶいい、きもちい、いい、いっく」
「またイく?」
「いーっく、いっく、いっく」
 ネイトが顔中を舐め回して絶頂に落とす。
 細い両足を持ち上げて広げ、ぐーっと奥まで圧迫して繋がると、二つの身体は物理的に循環するくらいに一つになる。
「あー…あー……、あーー……」
「あー、最高に具合が良いな……搾り取られる」
 ネイトの汗が滴り落ちる。
 首筋にもデコルテにも涎と激しい愛撫の跡が残されていく。時折ガーゼの下の痛みがリリアンヌを現実に引き戻すが、男が腰を動かせばまた混沌とした快楽の中に放り込まれた。

 リリアンヌが男の腰に脚を沿わせるようになったのを見て足輪を外し、手錠を両手首に変えてやる。
「抱っこしよう」
「あーーーーーーーっ」
 対面座位で繋がると深く抉れて目がチラついた。
 大きな手が彼には小さな細い女を撫で回し、何度も抱きしめて目の前の乳首を吸う。吸われる度に締め付けた。
「リリ、リリ」
「あっ、あっ、や、やぁ、ん」
「次イく時はネイト、と」
「ネ……ト」
「そうだ」
 肩を押さえて込んでぬこぬこと上下に腰を揺すると、太くて長いペニスがリリアンヌの隘路を隙間なく擦り上げる。
「あぁぁぁっぁぁ……いい、いい、ネト、ネ…ト、イく、いく、いくの」
 泣きながら前後不覚に喘いで、怖いくらいの快楽に縋り付くヘーゼルの瞳に、これ以上不可能な程に甘い顔をした男が映る。
「よしよし、好きなだけイけ。上手だ。気持ちいいな?」
「うん、うん、いい、いい」
 律動は時に規則正しく長く、時に不確かで激しい。波に飲まれるみたいに翻弄され、絶頂感に溺れてしまう。
 
 ぐちゅぐちゅに揺すられて、快楽に次ぐ快楽でリリアンヌは喘ぐ以外に何もできない。ネイトは何度吐精しても抜かず、延々と口づけ合って離れぬままにまた次が始める。

 男のペニスが与える快楽に抗えず、気絶するように眠るまで溺れ続けた。
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