海賊提督の悪妻

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トリーチェ編

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「いわゆるノブレス・オブリージュですね。新聞に名前が載れば一気に彼らのステータスになります。その上、毎日寄付額が一番だった人間には御礼のカードが届くそうです。そのカードを持ってパーティで自慢するのが社交界で今一番の流行りだそうですよ」

 オエ、と舌を出しながらも、ネイトは何度も頷いた。
 提督室の隣にある右腕の部屋からも格子状の空と海が広がっている。カモメがやる気なさげに風に乗り、穏やかなマレーナそのものの光景だ。
「その寄付金はどうやって使ってる」
「現地で日用品を中心に、移民たちが困っていることに端から使っていっているらしいです。仕事に必要な道具類なんかも買うとかで、役所に依頼して職業訓練の講師も呼んでるとか。おかげで予想していたよりも定職で働き始めている人間が多い。移民と言っても我々は居なかったので女子供の生活が中心でしたけど。冬に備えて湯が出る簡易スパの施設も作るそうです」
「なんだそりゃ……日用品に学校にスパ? 急に最高じゃねーか」
「そうなんですよね。正直ちょっと、気に入らないくらいに最高で」
 ラルフは鼻に皺を寄せ、厭味ったらしく褒めた。
「お前、こういう性質タチのマウント取られるの嫌いだもんな。でもそりゃ格式高いギヴリーの市長様様だろ。移民の受け入れだって上手くやってくれたんだ」
 しかしラルフは腕を組み、ブスくれて首を振った。
「違うんです」
「何が」
「一連のリードをしたのは市長ではなく、移民の女性だと」
「移民の女?」
「レア、という女性だそうです。胡散臭いでしょう? こんな上手い手、ついこの間まで小島で暮らしていた女に考えられますかね?」
 バシバシと寄付の紙面を手の甲で叩きながらネイトを睨んでくる。
「俺に怒るなよ。たまたま閃いたとか?」
「考え得る素地がない。この世にたまたまはありません。移民の集まる場所があるそうなので、その女性に会いに行ってやりますよ。どこかのスパイかもしれません」
 妙にいきり立った様子の友は面白おかしく、ネイトは揶揄って嗤ってやる。
「スパイにしてはメリットなさそうだけどな。おおかた、口うるせー婆だろ。疑うのも良いが、先に礼を言えよ」
「わかってますよ。ネイトは? そろそろギヴリーに会いに行くのでしょう?」
「あ~……いや、そうだ、リリは行方不明らしい」
「行方不明!?」

 カミロから聞いた話を伝えると、今度はラルフがザマーミロとばかりに笑い出した。
「それ、行方不明なんじゃなくて、絶対お前から逃げてるだけだろ」
「ん~~~」
「だから鎖で繋ぐなって言ったのに」
「嬉しそうだったけどなぁ」
「馬鹿か」
 そんなわけあるかと言われ、ネイトは頭を掻く。

 最後の夜、手錠で繋がった後に感じた腕の中に抱えた身体のくったりとした柔らかさと、すぐそばで聴こえた吐く息の深度はいつもよりしっとりして重たくて、深かった。

 その記憶は思った以上に湿度があって生々しくて、急いでジャケットの内ポケットから煙草を探す。
「トリーチェの外に出たかもしれませんね」
「いや、トリーチェは自国民の出入国の管理は厳しい。移民には緩いだろうが。カールもその辺は洗った後だろう。案外友人の家とかに匿われてるんじゃないかと思うんだがな」
「友人? リリアンヌ様にご友人が?」
「まー残念ながら友はいないが……それこそノブレス・オブリージュ、だろ。困っている知人を広い屋敷の一部屋に匿うくらい。それにリリに何かしら助けられた人間は多い」

 幾度も覗き見た夜会や茶会、リリアンヌはいつも中途半端な場所に一人立っていた。
 妙な化粧とドレスを施された道化師のような娘は年頃に不似合いな自制の長けた会話しかできず、同世代からも不人気で。だけどその癖何かに困った令嬢がいれば、あの夜のように助け舟を出す。
 あれが可愛いとか欲しいとか、そんなことばかり言っていれば良かったのに。

「どの道軍議が始まる前に顔を売っておく必要もある。しばらくはパーティーに顔を出してリリアンヌの知り合いにカマをかける。前に作らせたリリの調書、予備があっただろ? くれ」
 提督はラルフに向かってひらひらと手のひらを差し出した。
「前に渡したでしょう? 自分のはどうしたんですか」
「物理的につかって読めなくなった」
 海軍中将は澄んだ瞳で提督の顔を見る。
「……は? え? 調書を?」
「おー。調書を読んでたら我慢できなくなったからこう、穴開けてな」
 股間に視線を導かれたラルフが震えた。
「気持ちわりぃ使い方してんじゃねーよ!」
 予備の調書で頭を殴ってやると、トリーチェで一番海軍服が似合う提督が爽やかに白い歯を見せる。
「やっぱ紙だけじゃ刺激は足りんかったけどな~」
「そらお前、逃げられるわ……」




 翌日、ラルフの姿が集会所にあったが、あいにく件の先生は所用で席を外していた。なんだそうかまた来ると役所に向かい、引っ越し関係の対応に追われる。
 ネイトは社交界で大きな力を持つケープ夫人に取り入って頼み、夜になれば海軍の正装をして城や屋敷、迎賓館に立った。ラルフから聞いた通りに界隈では夫人方は小さなバッグ、紳士なら内ポケットから件のカードを密やかに見せては礼状の自慢をしていた。寄付額がホスピタリティの高さを証明するかのように、カードにはご丁寧に金額まで書かれていた。移民代表でもある提督はカードにより話のきっかけを得て顔を繋ぎ、番付け金額の高い者から順に人脈をものにする。
 そうやって『移民』が爽やかな提督という顔の知れた寄付先になれば、本当の富豪は溢れる富からの寄付を絶やさなくなった。知らぬ間にギヴリーさえその名を連ね、新聞を見ながらリリアンヌは独りしたり顔で笑む。

 移民についての潤沢な資金は当初ラルフやネイト、グレッグやアビゲイルたち古参が気にしていたトリーチェ国民との格差を埋める大きな基盤となった。移民たちは労せず環境に馴染み始め、夢のような土地で夢を追い始める。それは陸では力のない海賊たちの何よりの力となった。


「とにかく礼が言いたい、その先生とやらはどこにいるんだ」
 感謝の規模が目に見えて大きくなるのに、全く会えない。
 何度ラルフがレア先生を尋ねても、彼女は腹を壊していたり、腹痛で寝込んでいたりとタイミングが噛み合わない。とにかく腹が弱すぎる。会いたいと伝言をしても全て無視された。住んでる場所を尋ねても誰も知らないと言う。海軍中将としてのプライドもあって、ラルフの苛立ちはとうにピークに達している。

 一方、ネイトもいくら社交場に出た所で、リリアンヌの指先ひとつ手がかりは得られなかった。


 ◇

「はい、お駄賃よ。教えてくれてありがとう」
「わ~い、ありがとう! レア先生」
「明日もよろしくね」
「もっちろん!! 明日も俺たちがお手柄よぉ」
「ふふふ、楽しみにしてるわ」
 小さな菓子の詰めた袋を手渡すと、三人の男の子は転がって走り出して行く。
「雨が降った後はアパートの入り口は滑るわよ、気を付けて」
「はーい」

 玄関から子どもたちを見送ると、また室内に戻って女たちの輪に入る。
「今日のお手柄はドニーたちかぁ」
「そうよ。ドニーとエイジェンとタグ。夕方に海軍が見回りに来た時に教えてくれたの」
「先生って本当に海賊が苦手なんだね。はい、おかわりどうぞ」
「ありがとう。濃い目にしてくれた?」
「もちろん!!」
 グイ~っとレア先生は酒を呷る。
「でもさー、かしらとか案外優しいんだよ? しかもすんごい男前なんだから。ラルフ様だって怖くないし、ねぇ」
「優しいと言えばラルフ様でしょ。お小遣いくれたり気配り凄いよね。かしらは確かに男前だけど、やっぱりちょっとピリッとはしてるけどね」
「スコット様も抜けてて可愛いとこある!」
「ラルフ様ってさー、男の子専門なんだよね」
「あ~、そうそう。まじ勿体ない! 種の無駄遣いだっての」
「本当だよ、あやかりたいわ、こっちが買うから」
「あんた買う金なんかないじゃん」
「そこはほら出世払いでさ~。アマンダのとこは凄いよね、サソリは大尉だもん」
「ぐへっへ。でも金持ちなんて程遠いけど」
「だけどさ、小島での生活から考えたら、毎日夢みたいだよ。毎日ご飯美味しくて、決まったお金貰えるなんて」
「本当それ」
「毎日ご飯と仕事が有るんだもんね!」
 軍人の妻でもある移民の女たちは酒を飲みながら楽しそうに語らう。
 リリアンヌもほろ酔いでリラックスし、ほとんど毎晩やって来るようになった女たちとの会合を楽しんだ。海軍が帰航してから屋台で食べづらくなり、テイクアウトで済ませていると聞いた女たちが未婚の者を中心に「え~、じゃあ皆で食べようよ~」と集まるようになったのだ。中には既婚者もいて、独り者の先生の家は愚痴も言いたい放題だから楽しいらしい。
「う~ん、だけどお二人とも海軍の偉い人みたいだし、何でもない私が寄付や使い道のことで色々と口出ししてるって聞くと良い気はしないと思うから。会うのは怖いわ。だからこれからも口裏を合わせてね?」
「そりゃ、先生の頼みなら!」
「子どもたちも、頭やらラルフ様捜索網張っちゃって。楽しんでるよね」
「そうそう、先生には俺が一番に教えてあげるんだ~って」

 本船の帰航以来、続々と移民も増え続けている。バートレッド一家が家族を伴って上陸してきているのだ。

 移民たちに紛れて生活しているリリアンヌであったが、寄付集めが上手く行き過ぎてどうやらラルフの目に留まってしまった。『今から来られるらしいですよ』とたまたま聞かなかったら詰んでいた。本船の乗組員や各大尉は小島界隈では有名人らしく、子どもたちを使って警報器さながら、『先生、ラルフ様きたよ!』の合図に毎回腹がいたくなる筋書きである。
 そのひっそりとして本格的な逃げぶりに、よほどの嫌がる事情があるのだろうと、最近では役所の人間さえもレア先生を苦笑しながら隠してくれた。

「アマンダ」
 玄関から男の声が聞こえ、リリアンヌの横に座る女が手を振る。
「おかえり、サソリちゃん!」
「ただいま」
 目つきの鋭い男がにこにこと入って来て、妻に近づくと二人は熱烈にキスをする。
「おかえりもただいまも、私の家よ?あなた方の家は上の階です」
 すかさずリリアンヌが突っ込むと、
「先生はわかってねーな。俺の帰る家はアマンダなんだよぉ」
 と人目も憚らずにイチャつきだした。サソリは全身に入れ墨が入った大尉だ。つまり大きな船の船長らしい。女たちの説明によると大尉は十五名、サソリは上から八番目の結構力のある幹部だった。しかしコイツは大丈夫。リリアンヌと面識が全くないのである。
「今日は雨が降っていたからかしら。戻りが早いのね。良かったじゃない、アマンダ」
「嬉しい~!」
「ウチのも早く帰ってくるのぉ?」
「ああ、皆帰ってるぜ。ライんとこも今日は解散した。パーティーで幹部会議も今日はないからな」
 レア先生が首を傾げる。
「会議もせずにまたパーティー? 優雅なものね」
「ああ、かしらがな。提督ってのは面倒なもんだ。軍議が始まる前にオトモダチ作るってよ。おかげで俺らは夜が早くて良いわ。なぁ、アマンダ」
 目の前でサソリの骨ばった手がアマンダの髪を撫で、頬を人差し指が辿っていく。
「んっ、ダメよ、先生の見ている前でぇ。でも頭って友達作りじゃなくて本当は女の尻追いかけ回してるんでしょ? えーっと、誰だっけ、とにかくマムよ、マム」

 頬に沿う四本の指と、唇の際を意味ありげに誘う親指の腹と。
 ヘーゼルが無意識にその手を追った。
 少し指が……似ているような。


 リリアンヌはハッとして眼鏡を押し上げる。いけない、今は自分の話だ。

「あ~、リリアンヌ様な。まだ見つからないらしい」
「ふふ……海軍提督がいつまでも女性ひとり見つけられないなんて、無様な話ね」
「先生、手厳しいな!? いやでもしょんぼりしてて可哀想だぜ。あんなかしら、初めて見る。毎晩女も呼ばずにリリアンヌ様の残していった紐パンで抜いてるって言ってたし」
 殺してやろうか、あの男。
「残していったかどうかはさて置き、その軍議というのはいつから始まるものなのかしら」
「えーっと、確か再来週くらいだったかな。なんで? またラルフ? それさ、本当に一回くらい会ってやってくれよ、先生!? あいつイライラして面倒くさいんだ。しょんぼりとイライラがツートップじゃ締まらん」
「絶対に嫌です」
「まじかよぉぉ。実は先生に会ってるなんて後でバレたらどやされるんだぞ!?」
「そんなことにはならないわ。一生会わないもの。それに軍議が始まれば私のことも忘れるでしょう。さぁ、これでも飲んで元気だして」
 レア先生がにこにこしてサソリにドボドボと酒の原液を注いでやる。
「アマンダがあなたの為に料理を学びたいと言うから、集会所で料理教室を開く計画を立てているの。食べたいでしょう? サソリさん。私がラルフ様に会って、もしも怒られれば、この計画全てが水の泡、手料理は一生食べられないわよ」
「なんてこった!! アマンダが俺に飯を!?」
「そうだよぉ、サソリちゃん!! いっぱい食べてね? あ~ん、私じゃなくてぇ」
「ココで揉み始めるのはおやめなさい」
 きゃはっとサソリの手から逃れたアマンダがレア先生を気軽につつく。
「先生も彼氏ほし?」
「彼氏?」
「だってさびしそうだから」
「どうして私がさびしいのよ、あんな」
「あんな?」

 あんな、なんだ。

「………さぁ、今日はもうお開きにしましょう。ゆっくりかえって揉むのがよろしいわ」
「おーっし、帰るぞ」


 きゃははと盛る男女を追い出し、静かになった部屋で一人になる。食事を片付けた後、眼鏡を外すと中古のタイプライターを取り出した。
 先日、モニークからようやく石鹸と衣類、可愛い手紙が港に届いたのだ。
 荷は借りた倉庫の片隅に搬入してある。
 ボーナ先生からの手紙と見習いからの集荷の報告書を改めて読みなおし、リリアンヌは値段についてそろばんを弾いて計算する。

 パチパチ、パチパチ……

 仮想の定価で販路を思い浮かべる。口元に手をやりしつこく蟀谷を揉んだ。
 あー、邪魔。あの男が邪魔だわ。なんでよりによってパーティにいるのかしら。

 リリアンヌは儲けたい。
 こんなこと思ったことがないくらいに儲けたかった。

 だって移民たちは軍人に月給が出る上に、寄付という太い金づるが出来たので、かなり生活が安定する見通しが立っている。『家庭』を作る基礎ができあがったと言って良い。

 それなのにグレイプの女たちにはまだこれっぽっちも恩恵がない。
 当たり前だ。違う国の話なのだから。
 だけど自分に苦笑するしかないが、身の回りで不均衡が生じるのが我慢ならないのである。仕方がない。何かパーティーに潜り込む策を考えよう。大量に広めるにはあそこが最も手っ取り早いのだから。


 ガラガラと建付けの悪いアパートの窓を開け、夜風に当たった。
 もう秋が来る。
 低層の建物から見たって大した空はないが、それでも無数の星が見えた。
 無意識に胸元に向かった手が、三つ星を撫でる。

 星を付けてから広がった世界で、顔もみたことのない女たちと繋がってしまった気がしている。集会所にも、チラホラと星を付けた女に会った。知らず顔が緩んで、こっそりと観察して名前を憶えて胸にしまう。
 チューリ、バトン、プリメーラ、コーギャン、カノ……。
 出来得る限りの幸せが、彼女たちに降ればいいと願う。もちろん移民全員にだが。
 観察していると、やっぱり皆よく笑い転げていて特に不幸せそうには見えなくて、どうしてかグレイプのあのアパートの娘たちとよく似ていると感じた。

 グレイプも星が見えるのかしら。
 今頃は子どもも寝静まって、奔放に男に跨っているのかもしれない。好きな男ならいい。
 大きな手でうなじを持たれて、耳元で囁かれながら。

「売れますように」
 パーティーで出来れば金持ちに石鹸を売り込みたかった。良ければ口コミであっという間に社交界に広がる。そうなれば高値を付けて利益を分捕れる。利幅は大きければ大きいほど良い。その為にモニークには出来るだけ安値で仕入れるように手紙に再三書いたのだ。その甲斐あって、戻って来たバイヤーから返って来た金は予想よりも多かった。バイヤーには口止め料として金を渡してあるが、差し引いても問題ない。

 にんまりしたリリアンヌはテーブルに残る強い酒を注ぎ、また窓辺で星を見上げる。
 見るなら眼下の海じゃなく、星が良い。自由を手にしたボロアパートで最近知ったことだ。

 あの男も船上で寝っ転がって見れば良かったのに、と思う。
 私なんかじゃなくて、この美しい星々を。





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