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第02章:金のコンパスの試練(全07話)
第10話:名もなき石碑より、それを忘れ去った村へ
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「古き北の地」へと足を踏み入れて、数日が経った。
ドワーフの老人がくれた古い地図だけが、この忘れられた土地の唯一の道標だった。南の地とは違い、人の気配はほとんどない。ただ、骨の芯まで凍てつくような風と、どこまでも続く雪景色が広がっている。
「へっ、さみいな、おい! 自慢の黒衣も役に立たねえ。いよいよ本格的な試練ってわけかい。こんな場所に、本当に唄なんざ残ってんのかねえ」
クロは、寒さに羽を逆立てながら悪態をついた。
リコは答えず、ただ、ボロボロの毛布を深くかぶり直した。そして、その毛布の襟元を少しだけ広げ、クロの方をちらりと見る。
「……一緒に入る?」
「へっ、遠慮しとくぜ。鳥の体温なめんなよ」
クロはそう悪態をつきながらも、そそくさと毛布の隙間に首をうずめた。その温かさに、ほんの少しだけ満足げなため息が漏れる。
リコは、そんな相棒の重みを肩に感じながら、再び白い息を吐き、金のコンパスが指し示す雪の道の先を、その一点を見つめていた。
やがて、二人の目の前に、小さな村が現れた。雪深い山間に、まるで世界から忘れ去られることを望むかのように、ひっそりと佇む集落。しかし、その村には活気がなく、畑は枯れ、家々の壁には獣の爪痕のようなものが残されている。村全体が、緩やかな滅びの淵にあるかのようだった。
コンパスが指し示しているのは、村ではなかった。その光は、村の外れ、吹雪に晒される崖の上に立つ、一本の古い石碑へとまっすぐに伸びていた。
苔むし、風化し、誰のものとも知れぬ、名もなき石碑。
リコが、凍える手でそっとその石碑に触れた瞬間、彼女の心に流れ込んできたのは、これまでに感じたことのない、あまりにも幽(かそ)かな魂の木霊だった。
それは、唄ですらなかった。断片的な映像の羅列。喜び、悲しみ、怒り、そして、あまりにも深い孤独。長い、長すぎる年月の果てに、魂は自らが誰であり、何を伝えたかったのかすら、ほとんど忘れてしまっていたのだ。
「……クロ。この唄は、壊れかけてる。……どうしよう?」
リコは、初めての事態に戸惑い、相棒に助けを求めるように呟いた。これでは、手紙が書けない。
「へっ、俺様に訊かれてもな。とりあえず、あそこの村で聞き込みでもするしかねえんじゃねえか? 何か知ってる奴がいるかもしれねえだろ」
クロの現実的な言葉に、リコは小さく頷いた。
彼女は、魂が最後に垣間見せた、一つの鮮明な映像――雪の中で、村人たちの笑顔に囲まれている、見知れぬ男の姿――だけを頼りに、その村の扉を叩くことにした。
◇
村人たちは、よそ者であるリコを訝しげに、そして疲弊しきった目つきで見ていた。
リコは、村の長らしき老人に、村の状況と石碑について尋ねてみた。
「……見ての通りじゃよ。ここ数年、原因不明の凶作が続き、森の獣どもが畑を荒らす。もはや、この村も終わりかもしれん。……あの石かい? わしらが生まれるずっと前から、あそこにある。誰を弔ったものかは、誰も知らん。今の我々には、石ころ一つにかまっている暇などないわい」
村長の言葉は、絶望に満ちていた。
その夜、リコは村長が用意してくれた、村の集会所の片隅で夜を明かすことになった。なけなしの金で借りたその部屋は、壁の隙間から雪風が吹き込み、凍えるように寒い。
クロは、とっくにリコの毛布の中に潜り込んで丸くなっていた。
リコは、小さな窓から外を眺めながら、昼間に見聞きしたことを、一つ一つ指折り数えるように思い返していた。子供たちが遊んでいた『隻腕の英雄』と『雪崩の魔物』。村長の家の梁に刻まれた古い紋様。ピースは揃っているのに、何かが足りない。
その時、遠くから、あの老婆が口ずさむ物悲しい子守唄が、再び聴こえてきた。
リコは、はっと息をのんだ。
今までただの背景のように聴こえていた、そのメロディ。その抑揚が、まるで一つの物語を語っているかのように、彼女の心に流れ込んでくる。雪崩が村を襲う情景、片腕の英雄が立ち向かう勇姿、そして、静かに息を引き取る、最後の瞬間……。
「……そうか。唄は、ここにあったんだ」
バラバラだったパズルのピースを繋ぐ、最後の旋律。それこそが、この村に、歌詞を失ってもなお、か細く生き続けていた、英雄の「唄」そのものだったのだ。
リコは、再び石碑の前に立った。
そして、今一度、その魂に、静かに語りかけるように、手を触れる。
「……あなたの唄、見つけました」
◇
翌日、リコは再び村長を訪ねた。
「……あなたたちの村の苦しみと、あの石碑は、繋がっています」
その、あまりにも確信に満ちた言葉に、村長は息をのんだ。藁にもすがりたい思いで、彼は村人たちを広場に集めた。
彼女は、石碑から削り取った、平らな石の板を一枚、皆の前に差し出した。それは、彼女が昨夜、クロの助けを借りて作り上げた、「魂の手紙」だった。
『この村を愛した、名もなき友へ』
村長が、そこに刻まれた文字を、震える声で読み上げていく。
それは、村人たちが誰も知らなかった、彼らの村の始まりと、そして現在の苦しみの「原因」の物語だった。
――数百年前にこの地を襲った、「雪崩」と呼ばれる巨大な魔物。
――その魔物から村を守るため、たった一人で立ち向かい、片腕を失いながらも、見事討ち取った、一人の旅の剣士。
――しかし、彼の魂は死してなお、この地に留まり、魔物の残滓である獣たちが村に入らぬよう、見えない結界となって、この村を守り続けていたこと。
――だが、村人たちが彼の存在を忘れ、感謝の祈りを捧げなくなったことで、その魂の力は弱まり、ついに結界が破れ始めてしまったこと。
村人たちは、愕然とした。自分たちの現在の苦しみが、自らの「忘却」という罪によって引き起こされていた。その事実に、誰もが言葉を失った。
手紙は、こう締めくくりられていた。
『どうか、私を忘れないでおくれ。この村の雪に、風に、そして、あなたたちの笑顔の中に、私の魂は、永遠に共にあるのだから』
読み終えた村長は、顔を上げ、涙を流しながら、石碑に向かって深く、深く頭を下げた。
「……申し訳ありませんでした。私たちは、あなた様のお名前だけでなく、その偉大な魂が、今もなお我々を守ってくださっていたことすら、忘れ去っておりました……!」
他の村人たちも、次々とその場に膝をつき、心からの悔恨と、感謝の祈りを捧げ始めた。
その時、石碑が淡い光を放った。英雄の魂が、最後の力を振り絞り、村を覆っていた瘴気を浄化し、破れた結界を修復していくのが、リコには視えた。
役目を終えた魂が、満足そうに微笑む。長い、長い孤独から解放され、ようやく、愛する村人たちの記憶の中へと還っていく。
魂は光の粒子となり、リコの金のペンダントへと静かに吸い込まれていった。ペンダントが、新たな方角を指し示した。
◇
村を離れる道すがら、クロが呆れたように言った。
「へっ、とんだ骨折り仕事だったな。忘れられてた英雄様のおかげで、村が救われたってわけかい」
その言葉に、リコはゆっくりと首を横に振った。
「……ううん。でも、これが『古き北の地』なんだと思う」
彼女の瞳には、この新しい土地への、畏怖と、そして決意の光が宿っていた。
「唄は、ただそこにあるだけじゃない。時には、私たちが見つけ出して、もう一度、紡ぎ直してあげなきゃいけないんだ。忘れることは、ただ悲しいだけじゃない。時には、罪にもなるんだね」
魂の記憶を復元する。 それは、リコの「試練」が、新たな段階へと進んだことを示す、重要で、そして最初の大きな一歩だった。
ドワーフの老人がくれた古い地図だけが、この忘れられた土地の唯一の道標だった。南の地とは違い、人の気配はほとんどない。ただ、骨の芯まで凍てつくような風と、どこまでも続く雪景色が広がっている。
「へっ、さみいな、おい! 自慢の黒衣も役に立たねえ。いよいよ本格的な試練ってわけかい。こんな場所に、本当に唄なんざ残ってんのかねえ」
クロは、寒さに羽を逆立てながら悪態をついた。
リコは答えず、ただ、ボロボロの毛布を深くかぶり直した。そして、その毛布の襟元を少しだけ広げ、クロの方をちらりと見る。
「……一緒に入る?」
「へっ、遠慮しとくぜ。鳥の体温なめんなよ」
クロはそう悪態をつきながらも、そそくさと毛布の隙間に首をうずめた。その温かさに、ほんの少しだけ満足げなため息が漏れる。
リコは、そんな相棒の重みを肩に感じながら、再び白い息を吐き、金のコンパスが指し示す雪の道の先を、その一点を見つめていた。
やがて、二人の目の前に、小さな村が現れた。雪深い山間に、まるで世界から忘れ去られることを望むかのように、ひっそりと佇む集落。しかし、その村には活気がなく、畑は枯れ、家々の壁には獣の爪痕のようなものが残されている。村全体が、緩やかな滅びの淵にあるかのようだった。
コンパスが指し示しているのは、村ではなかった。その光は、村の外れ、吹雪に晒される崖の上に立つ、一本の古い石碑へとまっすぐに伸びていた。
苔むし、風化し、誰のものとも知れぬ、名もなき石碑。
リコが、凍える手でそっとその石碑に触れた瞬間、彼女の心に流れ込んできたのは、これまでに感じたことのない、あまりにも幽(かそ)かな魂の木霊だった。
それは、唄ですらなかった。断片的な映像の羅列。喜び、悲しみ、怒り、そして、あまりにも深い孤独。長い、長すぎる年月の果てに、魂は自らが誰であり、何を伝えたかったのかすら、ほとんど忘れてしまっていたのだ。
「……クロ。この唄は、壊れかけてる。……どうしよう?」
リコは、初めての事態に戸惑い、相棒に助けを求めるように呟いた。これでは、手紙が書けない。
「へっ、俺様に訊かれてもな。とりあえず、あそこの村で聞き込みでもするしかねえんじゃねえか? 何か知ってる奴がいるかもしれねえだろ」
クロの現実的な言葉に、リコは小さく頷いた。
彼女は、魂が最後に垣間見せた、一つの鮮明な映像――雪の中で、村人たちの笑顔に囲まれている、見知れぬ男の姿――だけを頼りに、その村の扉を叩くことにした。
◇
村人たちは、よそ者であるリコを訝しげに、そして疲弊しきった目つきで見ていた。
リコは、村の長らしき老人に、村の状況と石碑について尋ねてみた。
「……見ての通りじゃよ。ここ数年、原因不明の凶作が続き、森の獣どもが畑を荒らす。もはや、この村も終わりかもしれん。……あの石かい? わしらが生まれるずっと前から、あそこにある。誰を弔ったものかは、誰も知らん。今の我々には、石ころ一つにかまっている暇などないわい」
村長の言葉は、絶望に満ちていた。
その夜、リコは村長が用意してくれた、村の集会所の片隅で夜を明かすことになった。なけなしの金で借りたその部屋は、壁の隙間から雪風が吹き込み、凍えるように寒い。
クロは、とっくにリコの毛布の中に潜り込んで丸くなっていた。
リコは、小さな窓から外を眺めながら、昼間に見聞きしたことを、一つ一つ指折り数えるように思い返していた。子供たちが遊んでいた『隻腕の英雄』と『雪崩の魔物』。村長の家の梁に刻まれた古い紋様。ピースは揃っているのに、何かが足りない。
その時、遠くから、あの老婆が口ずさむ物悲しい子守唄が、再び聴こえてきた。
リコは、はっと息をのんだ。
今までただの背景のように聴こえていた、そのメロディ。その抑揚が、まるで一つの物語を語っているかのように、彼女の心に流れ込んでくる。雪崩が村を襲う情景、片腕の英雄が立ち向かう勇姿、そして、静かに息を引き取る、最後の瞬間……。
「……そうか。唄は、ここにあったんだ」
バラバラだったパズルのピースを繋ぐ、最後の旋律。それこそが、この村に、歌詞を失ってもなお、か細く生き続けていた、英雄の「唄」そのものだったのだ。
リコは、再び石碑の前に立った。
そして、今一度、その魂に、静かに語りかけるように、手を触れる。
「……あなたの唄、見つけました」
◇
翌日、リコは再び村長を訪ねた。
「……あなたたちの村の苦しみと、あの石碑は、繋がっています」
その、あまりにも確信に満ちた言葉に、村長は息をのんだ。藁にもすがりたい思いで、彼は村人たちを広場に集めた。
彼女は、石碑から削り取った、平らな石の板を一枚、皆の前に差し出した。それは、彼女が昨夜、クロの助けを借りて作り上げた、「魂の手紙」だった。
『この村を愛した、名もなき友へ』
村長が、そこに刻まれた文字を、震える声で読み上げていく。
それは、村人たちが誰も知らなかった、彼らの村の始まりと、そして現在の苦しみの「原因」の物語だった。
――数百年前にこの地を襲った、「雪崩」と呼ばれる巨大な魔物。
――その魔物から村を守るため、たった一人で立ち向かい、片腕を失いながらも、見事討ち取った、一人の旅の剣士。
――しかし、彼の魂は死してなお、この地に留まり、魔物の残滓である獣たちが村に入らぬよう、見えない結界となって、この村を守り続けていたこと。
――だが、村人たちが彼の存在を忘れ、感謝の祈りを捧げなくなったことで、その魂の力は弱まり、ついに結界が破れ始めてしまったこと。
村人たちは、愕然とした。自分たちの現在の苦しみが、自らの「忘却」という罪によって引き起こされていた。その事実に、誰もが言葉を失った。
手紙は、こう締めくくりられていた。
『どうか、私を忘れないでおくれ。この村の雪に、風に、そして、あなたたちの笑顔の中に、私の魂は、永遠に共にあるのだから』
読み終えた村長は、顔を上げ、涙を流しながら、石碑に向かって深く、深く頭を下げた。
「……申し訳ありませんでした。私たちは、あなた様のお名前だけでなく、その偉大な魂が、今もなお我々を守ってくださっていたことすら、忘れ去っておりました……!」
他の村人たちも、次々とその場に膝をつき、心からの悔恨と、感謝の祈りを捧げ始めた。
その時、石碑が淡い光を放った。英雄の魂が、最後の力を振り絞り、村を覆っていた瘴気を浄化し、破れた結界を修復していくのが、リコには視えた。
役目を終えた魂が、満足そうに微笑む。長い、長い孤独から解放され、ようやく、愛する村人たちの記憶の中へと還っていく。
魂は光の粒子となり、リコの金のペンダントへと静かに吸い込まれていった。ペンダントが、新たな方角を指し示した。
◇
村を離れる道すがら、クロが呆れたように言った。
「へっ、とんだ骨折り仕事だったな。忘れられてた英雄様のおかげで、村が救われたってわけかい」
その言葉に、リコはゆっくりと首を横に振った。
「……ううん。でも、これが『古き北の地』なんだと思う」
彼女の瞳には、この新しい土地への、畏怖と、そして決意の光が宿っていた。
「唄は、ただそこにあるだけじゃない。時には、私たちが見つけ出して、もう一度、紡ぎ直してあげなきゃいけないんだ。忘れることは、ただ悲しいだけじゃない。時には、罪にもなるんだね」
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