70 / 105
第三章 誰にでも秘密はある
3-10
しおりを挟む
デズモンドの登場に、キャスティナもジーンも動揺を隠せない。取り敢えず、デズモンドにソファ席に座ってもらう。あまり長居は出来ないと断りを入れ、コーヒーを一杯もらってもよいかとジーンに訊ねる。
ジーンは、もちろんですと言いカウンターの中に入って行った。キャスティナもソファ席に向かい合って座る。とにかく、落ち着こうと深呼吸をした。それを見たデズモンドが、キャスティナに話し始めた。
「キャスティナ、とにかく私と一緒に、貴族地区に戻ってくれないか?コーンフォレス家の者達が、心配しているよ。それに、アルヴィン殿も探してくれてるよ」
デズモンドは、先程とは打って変わって真剣な面持ちだ。キャスティナも気が引き締まる。
「はい。グランヴィル公爵様にまで、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
キャスティナは、頭を深々と下げる。
「私とキャスティナは、ある意味長い付き合いなんだ、そんな他人行儀な呼び方は嫌だな。アイリーンの義妹になるのだし祖父だと思ってくれていいんだよ」
デズモンドが、優しい眼差しでキャスティナに告げる。キャスティナは、ジワジワと心に暖かいものが広がる。なんでこんなに、私に良くして下さるんだろう。キャスティナは、涙が溢れてくるのを止められない。
「どっ、どうして·····皆さん·····私に良くして下さるんですか?」
「みんな、いつもどこか寂しそうな君を放っておけないんだよ。私は、ここで働き始めた頃のティナちゃんを知ってるから尚更だよ」
店内に、コーヒーのいい匂いが広がっている。ジーンがコーヒーを持って来てデズモンドの前のテーブルに置く。ジーンが、キャスティナの隣に腰掛けた。
「デズモンドさん。ティナちゃんをよろしくお願いします。正直、迎えに来て頂いて助かりました。どうやって、帰そうか悩んでいたので·····。ここまで、夜通し貴族地区から歩いてきたんですよ·····」
デズモンドが、ジーンの言葉を聞きびっくりしている。
「ティナちゃん、みんなから少しばかりお説教が必要みたいだね」
デズモンドが、にっこり笑顔でキャスティナを見る。キャスティナは、固まる。こっこれは後で大変な奴?ジーンに助けを求めて、ジーンを見る。ジーンもダメだよとばかりに首を横に振っている。
「ティナちゃん。ちょっと怒られて来なさい」
ジーンも、非情な一言を告げる。キャスティナは、がっくりと肩を落とした。
それからすぐに、キャスティナは帰り支度を始めた。八百屋のおばあちゃんの所に戻り、迎えが来て戻る事になったと話をした。突然来て、突然帰る事になって申し訳ないと、キャスティナはひたすら謝った。おばあちゃんは、驚いてはいたがお迎えが来て良かったねと言ってくれた。キャスティナは、色々落ち着いたら必ずお礼をしに、また来ますと告げた。おばあちゃんは、待ってるよと笑顔で答えてくれた。キャスティナは、何度も何度もありがとうございましたと頭を下げておばあちゃんの家を出た。
スーツケースを持って、ジーンのお店に戻るとデズモンドが立ち上がる。
「じゃあ、行こうか。ジーン、コーヒーありがとう」
デズモンドが、コーヒー代を出そうとしてジーンが断る。
「今日は、大丈夫です。またコーヒーを飲みに来て頂けますか?」
ジーンが、デズモンドに訊ねる。
「もちろんだよ。この店は、私の秘密のお気に入りだからね。また来るよ」
デズモンドが、茶目っ気たっぷりに答える。
「はい。ありがとうございます」
ジーンがデズモンドにお礼を述べ、今度はキャスティナに声をかける。
「ティナちゃん、またいつでもおいで」
キャスティナは、ジーンに抱きつく。
「マスター、本当にありがとう。この場所があるから私、頑張れます。今度は、手紙を書きますね。そして、落ち着いたらエヴァン様と一緒に来ます」
キャスティナは、顔を上げてジーンの瞳を覗き込む。いつもの優しい瞳で、キャスティナに微笑んでいる。キャスティナは、ジーンから離れて一歩下がる。
「マスター、大変お世話になりました」
キャスティナは、綺麗なお辞儀をする。
「では、行こうか」
デズモンドがキャスティナをエスコートして、店の外に出る。キャスティナは、また来ますと言って手を振ってジーンと別れた。
ジーンは、もちろんですと言いカウンターの中に入って行った。キャスティナもソファ席に向かい合って座る。とにかく、落ち着こうと深呼吸をした。それを見たデズモンドが、キャスティナに話し始めた。
「キャスティナ、とにかく私と一緒に、貴族地区に戻ってくれないか?コーンフォレス家の者達が、心配しているよ。それに、アルヴィン殿も探してくれてるよ」
デズモンドは、先程とは打って変わって真剣な面持ちだ。キャスティナも気が引き締まる。
「はい。グランヴィル公爵様にまで、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
キャスティナは、頭を深々と下げる。
「私とキャスティナは、ある意味長い付き合いなんだ、そんな他人行儀な呼び方は嫌だな。アイリーンの義妹になるのだし祖父だと思ってくれていいんだよ」
デズモンドが、優しい眼差しでキャスティナに告げる。キャスティナは、ジワジワと心に暖かいものが広がる。なんでこんなに、私に良くして下さるんだろう。キャスティナは、涙が溢れてくるのを止められない。
「どっ、どうして·····皆さん·····私に良くして下さるんですか?」
「みんな、いつもどこか寂しそうな君を放っておけないんだよ。私は、ここで働き始めた頃のティナちゃんを知ってるから尚更だよ」
店内に、コーヒーのいい匂いが広がっている。ジーンがコーヒーを持って来てデズモンドの前のテーブルに置く。ジーンが、キャスティナの隣に腰掛けた。
「デズモンドさん。ティナちゃんをよろしくお願いします。正直、迎えに来て頂いて助かりました。どうやって、帰そうか悩んでいたので·····。ここまで、夜通し貴族地区から歩いてきたんですよ·····」
デズモンドが、ジーンの言葉を聞きびっくりしている。
「ティナちゃん、みんなから少しばかりお説教が必要みたいだね」
デズモンドが、にっこり笑顔でキャスティナを見る。キャスティナは、固まる。こっこれは後で大変な奴?ジーンに助けを求めて、ジーンを見る。ジーンもダメだよとばかりに首を横に振っている。
「ティナちゃん。ちょっと怒られて来なさい」
ジーンも、非情な一言を告げる。キャスティナは、がっくりと肩を落とした。
それからすぐに、キャスティナは帰り支度を始めた。八百屋のおばあちゃんの所に戻り、迎えが来て戻る事になったと話をした。突然来て、突然帰る事になって申し訳ないと、キャスティナはひたすら謝った。おばあちゃんは、驚いてはいたがお迎えが来て良かったねと言ってくれた。キャスティナは、色々落ち着いたら必ずお礼をしに、また来ますと告げた。おばあちゃんは、待ってるよと笑顔で答えてくれた。キャスティナは、何度も何度もありがとうございましたと頭を下げておばあちゃんの家を出た。
スーツケースを持って、ジーンのお店に戻るとデズモンドが立ち上がる。
「じゃあ、行こうか。ジーン、コーヒーありがとう」
デズモンドが、コーヒー代を出そうとしてジーンが断る。
「今日は、大丈夫です。またコーヒーを飲みに来て頂けますか?」
ジーンが、デズモンドに訊ねる。
「もちろんだよ。この店は、私の秘密のお気に入りだからね。また来るよ」
デズモンドが、茶目っ気たっぷりに答える。
「はい。ありがとうございます」
ジーンがデズモンドにお礼を述べ、今度はキャスティナに声をかける。
「ティナちゃん、またいつでもおいで」
キャスティナは、ジーンに抱きつく。
「マスター、本当にありがとう。この場所があるから私、頑張れます。今度は、手紙を書きますね。そして、落ち着いたらエヴァン様と一緒に来ます」
キャスティナは、顔を上げてジーンの瞳を覗き込む。いつもの優しい瞳で、キャスティナに微笑んでいる。キャスティナは、ジーンから離れて一歩下がる。
「マスター、大変お世話になりました」
キャスティナは、綺麗なお辞儀をする。
「では、行こうか」
デズモンドがキャスティナをエスコートして、店の外に出る。キャスティナは、また来ますと言って手を振ってジーンと別れた。
80
あなたにおすすめの小説
幸せな政略結婚のススメ【本編完結】
ましろ
恋愛
「爵位と外見に群がってくる女になぞ興味は無い」
「え?だって初対面です。爵位と外見以外に貴方様を判断できるものなどございませんよ?」
家柄と顔が良過ぎて群がる女性に辟易していたユリシーズはとうとう父には勝てず、政略結婚させられることになった。
お相手は6歳年下のご令嬢。初対面でいっそのこと嫌われようと牽制したが?
スペック高めの拗らせ男とマイペースな令嬢の政略結婚までの道程はいかに?
✻基本ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
・11/21ヒーローのタグを変更しました。
雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜
川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。
前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。
恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。
だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。
そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。
「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」
レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。
実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。
女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。
過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。
二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。
王宮侍女は穴に落ちる
斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された
アニエスは王宮で運良く職を得る。
呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き
の侍女として。
忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。
ところが、ある日ちょっとした諍いから
突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。
ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな
俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され
るお話です。
君といるのは疲れると言われたので、婚約者を追いかけるのはやめてみました
水谷繭
恋愛
メイベル・ホワイトは目立たない平凡な少女で、美人な姉といつも比べられてきた。
求婚者の殺到する姉とは反対に、全く縁談のなかったメイベル。
そんなある日、ブラッドという美少年が婚約を持ちかけてくる。姉より自分を選んでくれたブラッドに感謝したメイベルは、彼のために何でもしようとひたすら努力する。
しかしそんな態度を重いと告げられ、君といると疲れると言われてしまう。
ショックを受けたメイベルは、ブラッドばかりの生活を改め、好きだった魔法に打ち込むために魔術院に入ることを決意するが……
◆なろうにも掲載しています
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します
ちより
恋愛
侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。
愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。
頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。
公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。
【完結】灰かぶりの花嫁は、塔の中
白雨 音
恋愛
父親の再婚により、家族から小間使いとして扱われてきた、伯爵令嬢のコレット。
思いがけず結婚が決まるが、義姉クリスティナと偽る様に言われる。
愛を求めるコレットは、結婚に望みを託し、クリスティナとして夫となるアラード卿の館へ
向かうのだが、その先で、この結婚が偽りと知らされる。
アラード卿は、彼女を妻とは見ておらず、曰く付きの塔に閉じ込め、放置した。
そんな彼女を、唯一気遣ってくれたのは、自分よりも年上の義理の息子ランメルトだった___
異世界恋愛 《完結しました》
妃殿下、私の婚約者から手を引いてくれませんか?
ハートリオ
恋愛
茶髪茶目のポッチャリ令嬢ロサ。
イケメン達を翻弄するも無自覚。
ロサには人に言えない、言いたくない秘密があってイケメンどころではないのだ。
そんなロサ、長年の婚約者が婚約を解消しようとしているらしいと聞かされ…
剣、馬車、ドレスのヨーロッパ風異世界です。
御脱字、申し訳ございません。
1話が長めだと思われるかもしれませんが会話が多いので読みやすいのではないかと思います。
楽しんでいただけたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる