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第四章 幸せにつながる道
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事件が起こってから、10日が過ぎた。
キャスティナは、自分の部屋のソファーに腰掛けていた。この10日間と言うもの、ずっと事件の事を思い出し溜息を零していた。
時計を見ると、まだ午前中で、お昼までには時間がたっぷりある。じっとしてると、滅入ってくるし散歩にでも行こうかな…。そんな事を考えていると、扉をノックする音が聞こえた。
コンコン
「はい」
「キャスティナお嬢様、お茶をお持ちしました」
キャスティナが返事をすると、リズがお茶を持って部屋に入って来た。
「ありがとう。頂くわ」
キャスティナが、リサの顔を見ていつもの様に笑顔で答えたつもりだった。しかし、リサにはキャスティナが、何だか疲れてる様に見えた。
「キャスティナお嬢様、何だか疲れてますか?」
リサが心配そうに訊ねる。キャスティナは、リサにさとられてしまい苦笑いを浮かべる。
「表情に出してるつもりなかったんだけど、リサにはわかっちゃったか…」
「毎日お世話させて頂いてるんですから、わかりますよ」
リサが、当たり前ですと勝ち誇っている。
「昨日、アイリーンお義姉様のご実家のグランウィル邸に行って来たじゃない?そこで、今回の事件の顛末を聞いてきたんだけど…。何て言うか、大事過ぎて話を聞くだけで疲れたって言うか…。考えると溜息しか出なくて……」
キャスティナは、お茶を飲みながらリサに理由を説明した。
「でも、綺麗に解決したって聞きましたよ。もう、キャスティナお嬢様が狙われる様な事はないって。私、本当に安心しました」
リサが、キャスティナが攫われた事を思い出したのかホッとした表情を浮かべる。
「そうよね……全て解決したのだし、いつまでも引っ張られて暗くなってても仕方ないわよね。何か楽しい事を考えなくちゃ」
キャスティナは、リサに笑顔を向けた。
リサが退出すると、キャスティナはソファーに深く腰掛け背もたれに背を預ける。リサにはああ言ったが、昨日の話は簡単に忘れられる様なものではなかった。
グランウィル公爵様が話してくれた、事件の顛末は想像を超えていた。
キャスティナが攫われた同じ時刻に、なんと第一王子であるサディアス殿下が襲われていた。どちらの犯人もアラン殿下で、二つの事件を同時に起こす事でキャスティナの発見を遅らせる計画だった。サディアスが襲われるのは、日常茶飯事で今までは見過ごされて来たが、今回は見過ごせる様な次元を超えていた。
サディアスは、暗殺者に右腕と左足を斬られ命に別状はないが、傷が深いため後遺症が残るだろうと言われている。そして襲われた時に一緒にいた側室が、サディアスを庇って亡くなった。
王宮で働いている役人達は、今回の事件を受けて、事件と関係のある王室関係者を一斉に処分した。まず、アラン殿下は王室からの籍を抜かれ後継者争いを煽っていた母親と側室共々、母親の実家に戻された。戻された実家は、アランの母親が王宮の予算を実家へ横流ししていた事が発覚。爵位を没収され、平民として生きる事となる。
サディアス殿下は、被害者のはずで本来なら守られる立場のはずだが残念ながら処分の対象となった。理由は、公務もせずに連日側室の部屋に入り浸り遊んでいた事。何度もアラン殿下に暗殺者を送り込まれているにも関わらず、何の対処もしてこなかった事。そして今回、後遺症を伴うような傷を負う事で、今後の公務に支障をきたすと判断され王位継承権から外された。
サディアス殿下の母親も、陛下の側室に支払われる費用を水増して請求し、浪費を繰り返していた事がわかり実家に戻された。戻された実家は、娘が陛下の側室である事を利用し違法な商売を行っていた。サディアスの母親の実家もアランの母親の実家同様、爵位を剥奪され平民となった。
これで、陛下の側室二人と二人の息子が処分された。その結果王族として残ったのは、陛下の正妃。サディアスの正妃である、セリア殿下。サディアスの13歳になる息子と10歳になる娘の二人。王位継承権の第一位になる、サディアスの息子が次期王になる事が決まった。
本来ならば、陛下の身内がこれだけ処分されたのだから責任をとって陛下自らが退位してもおかしくはない。しかし流石にまだ13歳の王子が即位するには早すぎる為、陛下には王子が成人を迎え学園を卒業する18歳まで今の地位にいて貰うことになった。
グランウィル公爵様曰く、陛下を基盤にした腐りきった王族を全て処分出来てスッキリしたらしい。王宮の風通しが良くなり、不要な資金が浮いて国民の為に使えると財務の人達が喜んでるそうだ。
キャスティナは、体を起こしティーカップに手を添えた。一口お茶を飲む。冷めてしまったが充分美味しい。アラン殿下やサディアス殿下が、処分されてしまった。全く実感が湧かない。アラン殿下は兎も角、サディアス殿下はこれからどうするのかしら?グランウィル公爵様に聞きたい事は沢山あったが、昨日の雰囲気は気軽に聞ける空気ではなかった。
それでも勇気を出して、サディアス殿下のケガについては治さなくて良いのか訊ねると、大人しくなって丁度いいからその必要はないとあっさり流された。それより、キャスティナの顔のケガを心配された。自分で治した後だったので、もうすっかり大丈夫ですと答えた。
最後にグランウィル公爵様は、今回の王族の事は前々から少しずつ準備をしてきた事だった。キャスティナの事があって、偶々早まっただけだと。だからキャスティナが気にする事は何もない。これからは、安心して暮らして貰って大丈夫だからと言われた。
キャスティナは、この国は陛下より四大公爵家を怒らせたらダメなんだなと心の底から感じた。公爵家って怖いっと。自分もその筈なのに、どこか他人事のように感じてしまうキャスティナであった。
キャスティナは、自分の部屋のソファーに腰掛けていた。この10日間と言うもの、ずっと事件の事を思い出し溜息を零していた。
時計を見ると、まだ午前中で、お昼までには時間がたっぷりある。じっとしてると、滅入ってくるし散歩にでも行こうかな…。そんな事を考えていると、扉をノックする音が聞こえた。
コンコン
「はい」
「キャスティナお嬢様、お茶をお持ちしました」
キャスティナが返事をすると、リズがお茶を持って部屋に入って来た。
「ありがとう。頂くわ」
キャスティナが、リサの顔を見ていつもの様に笑顔で答えたつもりだった。しかし、リサにはキャスティナが、何だか疲れてる様に見えた。
「キャスティナお嬢様、何だか疲れてますか?」
リサが心配そうに訊ねる。キャスティナは、リサにさとられてしまい苦笑いを浮かべる。
「表情に出してるつもりなかったんだけど、リサにはわかっちゃったか…」
「毎日お世話させて頂いてるんですから、わかりますよ」
リサが、当たり前ですと勝ち誇っている。
「昨日、アイリーンお義姉様のご実家のグランウィル邸に行って来たじゃない?そこで、今回の事件の顛末を聞いてきたんだけど…。何て言うか、大事過ぎて話を聞くだけで疲れたって言うか…。考えると溜息しか出なくて……」
キャスティナは、お茶を飲みながらリサに理由を説明した。
「でも、綺麗に解決したって聞きましたよ。もう、キャスティナお嬢様が狙われる様な事はないって。私、本当に安心しました」
リサが、キャスティナが攫われた事を思い出したのかホッとした表情を浮かべる。
「そうよね……全て解決したのだし、いつまでも引っ張られて暗くなってても仕方ないわよね。何か楽しい事を考えなくちゃ」
キャスティナは、リサに笑顔を向けた。
リサが退出すると、キャスティナはソファーに深く腰掛け背もたれに背を預ける。リサにはああ言ったが、昨日の話は簡単に忘れられる様なものではなかった。
グランウィル公爵様が話してくれた、事件の顛末は想像を超えていた。
キャスティナが攫われた同じ時刻に、なんと第一王子であるサディアス殿下が襲われていた。どちらの犯人もアラン殿下で、二つの事件を同時に起こす事でキャスティナの発見を遅らせる計画だった。サディアスが襲われるのは、日常茶飯事で今までは見過ごされて来たが、今回は見過ごせる様な次元を超えていた。
サディアスは、暗殺者に右腕と左足を斬られ命に別状はないが、傷が深いため後遺症が残るだろうと言われている。そして襲われた時に一緒にいた側室が、サディアスを庇って亡くなった。
王宮で働いている役人達は、今回の事件を受けて、事件と関係のある王室関係者を一斉に処分した。まず、アラン殿下は王室からの籍を抜かれ後継者争いを煽っていた母親と側室共々、母親の実家に戻された。戻された実家は、アランの母親が王宮の予算を実家へ横流ししていた事が発覚。爵位を没収され、平民として生きる事となる。
サディアス殿下は、被害者のはずで本来なら守られる立場のはずだが残念ながら処分の対象となった。理由は、公務もせずに連日側室の部屋に入り浸り遊んでいた事。何度もアラン殿下に暗殺者を送り込まれているにも関わらず、何の対処もしてこなかった事。そして今回、後遺症を伴うような傷を負う事で、今後の公務に支障をきたすと判断され王位継承権から外された。
サディアス殿下の母親も、陛下の側室に支払われる費用を水増して請求し、浪費を繰り返していた事がわかり実家に戻された。戻された実家は、娘が陛下の側室である事を利用し違法な商売を行っていた。サディアスの母親の実家もアランの母親の実家同様、爵位を剥奪され平民となった。
これで、陛下の側室二人と二人の息子が処分された。その結果王族として残ったのは、陛下の正妃。サディアスの正妃である、セリア殿下。サディアスの13歳になる息子と10歳になる娘の二人。王位継承権の第一位になる、サディアスの息子が次期王になる事が決まった。
本来ならば、陛下の身内がこれだけ処分されたのだから責任をとって陛下自らが退位してもおかしくはない。しかし流石にまだ13歳の王子が即位するには早すぎる為、陛下には王子が成人を迎え学園を卒業する18歳まで今の地位にいて貰うことになった。
グランウィル公爵様曰く、陛下を基盤にした腐りきった王族を全て処分出来てスッキリしたらしい。王宮の風通しが良くなり、不要な資金が浮いて国民の為に使えると財務の人達が喜んでるそうだ。
キャスティナは、体を起こしティーカップに手を添えた。一口お茶を飲む。冷めてしまったが充分美味しい。アラン殿下やサディアス殿下が、処分されてしまった。全く実感が湧かない。アラン殿下は兎も角、サディアス殿下はこれからどうするのかしら?グランウィル公爵様に聞きたい事は沢山あったが、昨日の雰囲気は気軽に聞ける空気ではなかった。
それでも勇気を出して、サディアス殿下のケガについては治さなくて良いのか訊ねると、大人しくなって丁度いいからその必要はないとあっさり流された。それより、キャスティナの顔のケガを心配された。自分で治した後だったので、もうすっかり大丈夫ですと答えた。
最後にグランウィル公爵様は、今回の王族の事は前々から少しずつ準備をしてきた事だった。キャスティナの事があって、偶々早まっただけだと。だからキャスティナが気にする事は何もない。これからは、安心して暮らして貰って大丈夫だからと言われた。
キャスティナは、この国は陛下より四大公爵家を怒らせたらダメなんだなと心の底から感じた。公爵家って怖いっと。自分もその筈なのに、どこか他人事のように感じてしまうキャスティナであった。
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