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第17話
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……なんなら、兵士として雇ってもらおうかしら。
あの『黒い光』の破壊の力、一般社会では役に立たなくても、兵士としてなら、活躍の場はいっぱいあるはずよね。うんうん、これは良いアイディアだわ。取り調べが終わったら、それとなく申し出てみようっと。
・
・
・
私の取り調べは、なんと、たったの十五分で終わった。
役所での騒動の詳しい顛末については、基本的にメリンダに質問がいき、私のほうは事実確認をされるだけで、「はい」「そうです」「その通りです」と頷いているだけで、もう聞くことはないという感じになった。
ただ、謎の破壊の力――『黒い光』については、詳しく調査したいらしく、明日改めて、別の施設に来てくれないかとのことだ。そして、調査に協力すれば、今日の騒動に対する罰は、免除してもらえるそうである。
私は、それほど悩むことなく、調査への協力を承諾した。
私自身、この不気味な力について、詳しく知りたいし、何より、パーミル王国の人たちとは友好な関係を築きたい。理不尽な要求でない限り、基本的にはなんでも素直に従うつもりだ。
取り調べの後、さすがにカツ丼は出なかったが、それなりにちゃんとした食事を食べさせてもらい、それで今夜は、とりあえずお開きとなった(残念ながら『私を兵士として雇ってくれ』などと言い出せるような空気ではなかった)。
私は今、メリンダと肩を並べ、夜の街を歩いている。
彼女の自宅に行くためだ。
何故、そんなことに?
理由はこうだ。
私の態度が非常に素直かつ協力的であるから、『特定の施設で拘束する必要はない』と判断されたのだが、それでも、未知の破壊の力を行使する者を、まったく野放しにしておくわけにはいかないらしく、この国でも指折りの魔法使いであるメリンダの家で、保護観察を受けることになった……というわけである。
先程から黙り込んだまま歩き続けているメリンダに、私は話しかけた。
「なんか、いきなりあなたの家に泊めてもらっちゃうことになって、ごめんね。今夜一晩、よろしくお願いするわ」
「はい」
一晩とはいえ、同じ屋根の下で過ごすのだから、なるべく仲良くしておきたい――そう思ってのことだったが、メリンダの態度は実にそっけない。
何を話しかけても、『はい』『そうですね』『わかりました』という、三種類の返事しか返ってこない。もしかしなくても、私のことを良く思っていないのだろう。……それも当然か。私ともめたせいで、兵士のリーダーさんに、けっこうきつく叱られてたもんね。
あの『黒い光』の破壊の力、一般社会では役に立たなくても、兵士としてなら、活躍の場はいっぱいあるはずよね。うんうん、これは良いアイディアだわ。取り調べが終わったら、それとなく申し出てみようっと。
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私の取り調べは、なんと、たったの十五分で終わった。
役所での騒動の詳しい顛末については、基本的にメリンダに質問がいき、私のほうは事実確認をされるだけで、「はい」「そうです」「その通りです」と頷いているだけで、もう聞くことはないという感じになった。
ただ、謎の破壊の力――『黒い光』については、詳しく調査したいらしく、明日改めて、別の施設に来てくれないかとのことだ。そして、調査に協力すれば、今日の騒動に対する罰は、免除してもらえるそうである。
私は、それほど悩むことなく、調査への協力を承諾した。
私自身、この不気味な力について、詳しく知りたいし、何より、パーミル王国の人たちとは友好な関係を築きたい。理不尽な要求でない限り、基本的にはなんでも素直に従うつもりだ。
取り調べの後、さすがにカツ丼は出なかったが、それなりにちゃんとした食事を食べさせてもらい、それで今夜は、とりあえずお開きとなった(残念ながら『私を兵士として雇ってくれ』などと言い出せるような空気ではなかった)。
私は今、メリンダと肩を並べ、夜の街を歩いている。
彼女の自宅に行くためだ。
何故、そんなことに?
理由はこうだ。
私の態度が非常に素直かつ協力的であるから、『特定の施設で拘束する必要はない』と判断されたのだが、それでも、未知の破壊の力を行使する者を、まったく野放しにしておくわけにはいかないらしく、この国でも指折りの魔法使いであるメリンダの家で、保護観察を受けることになった……というわけである。
先程から黙り込んだまま歩き続けているメリンダに、私は話しかけた。
「なんか、いきなりあなたの家に泊めてもらっちゃうことになって、ごめんね。今夜一晩、よろしくお願いするわ」
「はい」
一晩とはいえ、同じ屋根の下で過ごすのだから、なるべく仲良くしておきたい――そう思ってのことだったが、メリンダの態度は実にそっけない。
何を話しかけても、『はい』『そうですね』『わかりました』という、三種類の返事しか返ってこない。もしかしなくても、私のことを良く思っていないのだろう。……それも当然か。私ともめたせいで、兵士のリーダーさんに、けっこうきつく叱られてたもんね。
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