118 / 144
第118話(リーゼル視点)
しおりを挟む
まさに、魔女だ。
それも、人類の死滅を願う、狂った魔女である。
そして、妹を魔女にしてしまった原因の一つは、俺にあるのだ。
俺の、身勝手で冷酷な態度が、フェルヴァを魔女にしてしまったのだ。
止めなければ。
フェルヴァの狂った計画を、止めなければ。
そんな俺の内心を表情から読み取ったのか、フェルヴァはくすくすと笑いながら問いかけてくる。
「姉さん、私のやること、やめさせたいと思ってる?」
俺は力強く頷き、言った。
「当然だ。知ってしまった以上、俺には止めなきゃいけない責任がある」
「さすが姉さん、真面目ね。で、具体的にどうやって止める? 『至高なる魔女の会』の会員たちに、今聞いたことを話して回る? 一応言っておくけど、そんなことしても無駄よ。あの子たち、骨の髄まで私に蕩け切ってるもの。すべてを聞いても、大喜びで私に協力するわ」
「だろうな。……じゃあ、『危険思想の団体が怪しい活動をしている』って告発するのはどうだ? それで、警察と騒動になり、マークされるようになったら、さっきお前がペラペラ言ってた通り、静かに静かに『至高なる魔女の会』のネットワークを広げていくのは難しくなるだろ?」
「わぁ、なるほど。単純で当たり前だけど、けっこう有効な手ね。この国の警察や軍隊ごとき、壊滅させるのは簡単だけど、目立ってしまったら、静かに活動範囲を広げるのはかなり面倒になるから、結果的に人類絶滅が凄く遅れることになっちゃうわ。ふふ、困ったわね」
困ったわねと言う割に、フェルヴァは、なんだか嬉しそうだった。
俺がどうやって自分の計画を止めるつもりなのか、そして、そんな俺の行動に対し、自分はどう対処すべきか。その知恵比べと駆け引きを、楽しんでいるようにも見えた。
フェルヴァは、長話をしていたせいですっかり冷めてしまったであろうカフェオレを美味しそうに飲み、ニコニコと言葉を紡いでいく。
「まあ、姉さんが『至高なる魔女の会』を告発したいっていうなら、別にすればいいわよ。そうなったら、私たちはこの国の警察や軍隊と真正面から戦い、勝利し、国中の人間を皆殺しにするだけ。そして、そのニュースが世界に広まる頃には、私は『至高なる魔女の会』の連中を見捨てて、どこかに姿を消すわ」
それも、人類の死滅を願う、狂った魔女である。
そして、妹を魔女にしてしまった原因の一つは、俺にあるのだ。
俺の、身勝手で冷酷な態度が、フェルヴァを魔女にしてしまったのだ。
止めなければ。
フェルヴァの狂った計画を、止めなければ。
そんな俺の内心を表情から読み取ったのか、フェルヴァはくすくすと笑いながら問いかけてくる。
「姉さん、私のやること、やめさせたいと思ってる?」
俺は力強く頷き、言った。
「当然だ。知ってしまった以上、俺には止めなきゃいけない責任がある」
「さすが姉さん、真面目ね。で、具体的にどうやって止める? 『至高なる魔女の会』の会員たちに、今聞いたことを話して回る? 一応言っておくけど、そんなことしても無駄よ。あの子たち、骨の髄まで私に蕩け切ってるもの。すべてを聞いても、大喜びで私に協力するわ」
「だろうな。……じゃあ、『危険思想の団体が怪しい活動をしている』って告発するのはどうだ? それで、警察と騒動になり、マークされるようになったら、さっきお前がペラペラ言ってた通り、静かに静かに『至高なる魔女の会』のネットワークを広げていくのは難しくなるだろ?」
「わぁ、なるほど。単純で当たり前だけど、けっこう有効な手ね。この国の警察や軍隊ごとき、壊滅させるのは簡単だけど、目立ってしまったら、静かに活動範囲を広げるのはかなり面倒になるから、結果的に人類絶滅が凄く遅れることになっちゃうわ。ふふ、困ったわね」
困ったわねと言う割に、フェルヴァは、なんだか嬉しそうだった。
俺がどうやって自分の計画を止めるつもりなのか、そして、そんな俺の行動に対し、自分はどう対処すべきか。その知恵比べと駆け引きを、楽しんでいるようにも見えた。
フェルヴァは、長話をしていたせいですっかり冷めてしまったであろうカフェオレを美味しそうに飲み、ニコニコと言葉を紡いでいく。
「まあ、姉さんが『至高なる魔女の会』を告発したいっていうなら、別にすればいいわよ。そうなったら、私たちはこの国の警察や軍隊と真正面から戦い、勝利し、国中の人間を皆殺しにするだけ。そして、そのニュースが世界に広まる頃には、私は『至高なる魔女の会』の連中を見捨てて、どこかに姿を消すわ」
25
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約者と仕事を失いましたが、すべて隣国でバージョンアップするようです。
鋼雅 暁
ファンタジー
聖女として働いていたアリサ。ある日突然、王子から婚約破棄を告げられる。
さらに、偽聖女と決めつけられる始末。
しかし、これ幸いと王都を出たアリサは辺境の地でのんびり暮らすことに。しかしアリサは自覚のない「魔力の塊」であったらしく、それに気付かずアリサを放り出した王国は傾き、アリサの魔力に気付いた隣国は皇太子を派遣し……捨てる国あれば拾う国あり!?
他サイトにも重複掲載中です。
婚約破棄され森に捨てられました。探さないで下さい。
拓海のり
ファンタジー
属性魔法が使えず、役に立たない『自然魔法』だとバカにされていたステラは、婚約者の王太子から婚約破棄された。そして身に覚えのない罪で断罪され、修道院に行く途中で襲われる。他サイトにも投稿しています。
【完結】偽物聖女として追放される予定ですが、続編の知識を活かして仕返しします
ユユ
ファンタジー
聖女と認定され 王子妃になったのに
11年後、もう一人 聖女認定された。
王子は同じ聖女なら美人がいいと
元の聖女を偽物として追放した。
後に二人に天罰が降る。
これが この体に入る前の世界で読んだ
Web小説の本編。
だけど、読者からの激しいクレームに遭い
救済続編が書かれた。
その激しいクレームを入れた
読者の一人が私だった。
異世界の追放予定の聖女の中に
入り込んだ私は小説の知識を
活用して対策をした。
大人しく追放なんてさせない!
* 作り話です。
* 長くはしないつもりなのでサクサクいきます。
* 短編にしましたが、うっかり長くなったらごめんなさい。
* 掲載は3日に一度。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
芋くさ聖女は捨てられた先で冷徹公爵に拾われました ~後になって私の力に気付いたってもう遅い! 私は新しい居場所を見つけました~
日之影ソラ
ファンタジー
アルカンティア王国の聖女として務めを果たしてたヘスティアは、突然国王から追放勧告を受けてしまう。ヘスティアの言葉は国王には届かず、王女が新しい聖女となってしまったことで用済みとされてしまった。
田舎生まれで地位や権力に関わらず平等に力を振るう彼女を快く思っておらず、民衆からの支持がこれ以上増える前に追い出してしまいたかったようだ。
成すすべなく追い出されることになったヘスティアは、荷物をまとめて大聖堂を出ようとする。そこへ現れたのは、冷徹で有名な公爵様だった。
「行くところがないならうちにこないか? 君の力が必要なんだ」
彼の一声に頷き、冷徹公爵の領地へ赴くことに。どんなことをされるのかと内心緊張していたが、実際に話してみると優しい人で……
一方王都では、真の聖女であるヘスティアがいなくなったことで、少しずつ歯車がズレ始めていた。
国王や王女は気づいていない。
自分たちが失った者の大きさと、手に入れてしまった力の正体に。
小説家になろうでも短編として投稿してます。
【完結】婚約破棄はいいですよ?ただ…貴方達に言いたいことがある方々がおられるみたいなので、それをしっかり聞いて下さいね?
水江 蓮
ファンタジー
「ここまでの悪事を働いたアリア・ウィンター公爵令嬢との婚約を破棄し、国外追放とする!!」
ここは裁判所。
今日は沢山の傍聴人が来てくださってます。
さて、罪状について私は全く関係しておりませんが折角なのでしっかり話し合いしましょう?
私はここに裁かれる為に来た訳ではないのです。
本当に裁かれるべき人達?
試してお待ちください…。
婚約破棄されたら、実はわたし聖女でした~捨てられ令嬢は神殿に迎えられ、元婚約者は断罪される~
腐ったバナナ
ファンタジー
「地味で役立たずな令嬢」――そう婚約者に笑われ、社交パーティで公開婚約破棄されたエリス。
誰も味方はいない、絶望の夜。だがそのとき、神殿の大神官が告げた。「彼女こそ真の聖女だ」と――。
一夜にして立場は逆転。かつて自分を捨てた婚約者は社交界から孤立し、失態をさらす。
傷ついた心を抱えながらも、エリスは新たな力を手に、国を救う奇跡を起こし、人々の尊敬を勝ち取っていく。
【完結】人々に魔女と呼ばれていた私が実は聖女でした。聖女様治療して下さい?誰がんな事すっかバーカ!
隣のカキ
ファンタジー
私は魔法が使える。そのせいで故郷の村では魔女と迫害され、悲しい思いをたくさんした。でも、村を出てからは聖女となり活躍しています。私の唯一の味方であったお母さん。またすぐに会いに行きますからね。あと村人、テメぇらはブッ叩く。
※三章からバトル多めです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる