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第126話
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言葉を続けながら、ストッフェンはリング上を見た。
「今、リングの上にいる若者も、所詮は趣味で『エルフ式魔術ボクシング』を楽しんでいるだけのスポーツマンたちです。一撃で相手の命を断てるような、必殺の『魔拳』を振るえる者は、誰一人としていないでしょう。衰退どころか、『エルフ式魔術ボクシング』はとっくの昔に、終焉を迎えているのでしょうね……」
その嘆きの言葉に、私は微笑を浮かべ、反論する。
「7人の選手のうち、6人は、ストッフェンさんの言う通り、スポーツマンだと思います。もうすぐ戦いが始まるっていうのに、体から、殺気というか、覇気のようなものがあまり伝わって来ませんからね。でも、一人だけ凄い子がいますよ。その子がいる限り、『エルフ式魔術ボクシング』は、終わってなんかいないと思います」
「先程、あなたと一緒にいた女の子のことを言っているのですかな? ……失礼ですが、彼女からは、特に殺気を感じられない。それどころか、闘志の片鱗すらない。他の選手たちは入念に体を動かしているのに、彼女だけは、まるで場違いなところに誤って連れてこられてしまったかのように、ぼおっと立ち尽くしているだけです」
そこでエリスは、私とストッフェンが自分を見ていることに気がついたのか、こちらに向かって、ニコニコ笑顔で手を振った。その、あまりにも穏やかな姿に、ストッフェンは眉をひそめた。
「ほら、見てください。彼女には緊張感のかけらもない。もしや、この大会を、型の出来を競い合うようなものだと勘違いしているのではないですか? いくら現在の『エルフ式魔術ボクシング』が腑抜けているとはいえ、それでも周りの選手は、常に鍛錬をしている男たちです。今からでも遅くない、棄権させたほうが……」
そんなストッフェンの言葉を、私は途中で遮った。
「大丈夫ですよ。緊張感のかけらもないのは、緊張してないからです。殺気を感じられないのも当然。だって、ほんの少しも殺気なんてないんですから。あの子がちょっとでも殺気をまとって戦ったら、リング上のスポーツマンたちは、本当に死んじゃいます。だから、あえて気持ちを抑えて、殺気を出さないようにしているんですよ」
「今、リングの上にいる若者も、所詮は趣味で『エルフ式魔術ボクシング』を楽しんでいるだけのスポーツマンたちです。一撃で相手の命を断てるような、必殺の『魔拳』を振るえる者は、誰一人としていないでしょう。衰退どころか、『エルフ式魔術ボクシング』はとっくの昔に、終焉を迎えているのでしょうね……」
その嘆きの言葉に、私は微笑を浮かべ、反論する。
「7人の選手のうち、6人は、ストッフェンさんの言う通り、スポーツマンだと思います。もうすぐ戦いが始まるっていうのに、体から、殺気というか、覇気のようなものがあまり伝わって来ませんからね。でも、一人だけ凄い子がいますよ。その子がいる限り、『エルフ式魔術ボクシング』は、終わってなんかいないと思います」
「先程、あなたと一緒にいた女の子のことを言っているのですかな? ……失礼ですが、彼女からは、特に殺気を感じられない。それどころか、闘志の片鱗すらない。他の選手たちは入念に体を動かしているのに、彼女だけは、まるで場違いなところに誤って連れてこられてしまったかのように、ぼおっと立ち尽くしているだけです」
そこでエリスは、私とストッフェンが自分を見ていることに気がついたのか、こちらに向かって、ニコニコ笑顔で手を振った。その、あまりにも穏やかな姿に、ストッフェンは眉をひそめた。
「ほら、見てください。彼女には緊張感のかけらもない。もしや、この大会を、型の出来を競い合うようなものだと勘違いしているのではないですか? いくら現在の『エルフ式魔術ボクシング』が腑抜けているとはいえ、それでも周りの選手は、常に鍛錬をしている男たちです。今からでも遅くない、棄権させたほうが……」
そんなストッフェンの言葉を、私は途中で遮った。
「大丈夫ですよ。緊張感のかけらもないのは、緊張してないからです。殺気を感じられないのも当然。だって、ほんの少しも殺気なんてないんですから。あの子がちょっとでも殺気をまとって戦ったら、リング上のスポーツマンたちは、本当に死んじゃいます。だから、あえて気持ちを抑えて、殺気を出さないようにしているんですよ」
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