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第二部 獣人武闘祭
第284話(実況席)
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ここは、スタジアムの実況席。
私の名前はクラリッサ・エコリム。
グランディア最大の放送局GBS(グランディア・ブロードキャスティング・システム)の新人アナウンサーだ。入社一年目にして、いきなりビッグイベントであるJ1グランプリの実況を任され、正直ドキドキである。
でも、頑張るぞ! 今年からJ1グランプリは、世界各地に放送されている。魔法科学の発展により、魔導テレビ(魔法で映像を受信する機械のことである)も一般世帯にかなり普及してきたし、世界中の人たちが、私の実況を聞くことになるんだから、気合入れなきゃ。
それにしても、ネルロ選手のあの風貌……体は大きいけど、格闘技者というより、えっと、失礼だけど、まるで幽霊みたいね……
私の隣には、J1グランプリ前優勝者のシルヴァ・レーンさんが、解説として座っている。シルヴァさんは、まさしくドン引きといった表情で呟いた。
「な、なんやあの子、めっちゃ怖いんやけど……」
私も同意見だが、それでも、プロのアナウンサーとして、襟を正し、言う。
「お、恐らく、気合の雄たけびなのでしょう。そういう選手、結構多いですしね」
「せやかてくーちゃん。あないな叫びあげる選手おらんで、あれじゃ気合っちゅーより、ホラーやホラー」
「く、くーちゃん? なんですか、それ?」
「あんたのあだ名や。うちが今考えた。可愛いやろ? 言いやすいし。だいたい、クラリッサなんて長い名前、いちいち呼んでられへんわ。舌噛んでまう」
「えぇ~、そんなに長くないと思うんですけど。シルヴァさんと一文字しか違わないじゃないですか……」
「実を言うとうち、自分の名前も長い思うとるんや。お父ちゃんとお母ちゃんに文句言う気はないけど、もっと簡単に、二文字くらいで良かったんちゃうって、時々思うんよ。ほら、書類とかに名前書かなあかんとき、短い名前の方が、ごっつ楽でええやん」
「でも、二文字だったら、シルヴァさんの名前、『シル』になっちゃいますよ?」
「うっ、なんか嫌やな、それ。やっぱ今のままでええわ。実家のお父ちゃん、お母ちゃん、テレビ見とる~? 素敵な名前つけてくれて、ありがとな~」
な、なんだかマイペースな人だなあ。
私、この人とうまくやっていけるのかしら。
その時、試合開始を告げる、乾いたゴングの音が鳴った。
私の名前はクラリッサ・エコリム。
グランディア最大の放送局GBS(グランディア・ブロードキャスティング・システム)の新人アナウンサーだ。入社一年目にして、いきなりビッグイベントであるJ1グランプリの実況を任され、正直ドキドキである。
でも、頑張るぞ! 今年からJ1グランプリは、世界各地に放送されている。魔法科学の発展により、魔導テレビ(魔法で映像を受信する機械のことである)も一般世帯にかなり普及してきたし、世界中の人たちが、私の実況を聞くことになるんだから、気合入れなきゃ。
それにしても、ネルロ選手のあの風貌……体は大きいけど、格闘技者というより、えっと、失礼だけど、まるで幽霊みたいね……
私の隣には、J1グランプリ前優勝者のシルヴァ・レーンさんが、解説として座っている。シルヴァさんは、まさしくドン引きといった表情で呟いた。
「な、なんやあの子、めっちゃ怖いんやけど……」
私も同意見だが、それでも、プロのアナウンサーとして、襟を正し、言う。
「お、恐らく、気合の雄たけびなのでしょう。そういう選手、結構多いですしね」
「せやかてくーちゃん。あないな叫びあげる選手おらんで、あれじゃ気合っちゅーより、ホラーやホラー」
「く、くーちゃん? なんですか、それ?」
「あんたのあだ名や。うちが今考えた。可愛いやろ? 言いやすいし。だいたい、クラリッサなんて長い名前、いちいち呼んでられへんわ。舌噛んでまう」
「えぇ~、そんなに長くないと思うんですけど。シルヴァさんと一文字しか違わないじゃないですか……」
「実を言うとうち、自分の名前も長い思うとるんや。お父ちゃんとお母ちゃんに文句言う気はないけど、もっと簡単に、二文字くらいで良かったんちゃうって、時々思うんよ。ほら、書類とかに名前書かなあかんとき、短い名前の方が、ごっつ楽でええやん」
「でも、二文字だったら、シルヴァさんの名前、『シル』になっちゃいますよ?」
「うっ、なんか嫌やな、それ。やっぱ今のままでええわ。実家のお父ちゃん、お母ちゃん、テレビ見とる~? 素敵な名前つけてくれて、ありがとな~」
な、なんだかマイペースな人だなあ。
私、この人とうまくやっていけるのかしら。
その時、試合開始を告げる、乾いたゴングの音が鳴った。
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