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本編完結 そして、その日は快晴だった。
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和やかな音楽が響く会場内にも、ジルコニア元伯爵が投獄された事で悲しみや苦しみの元凶が無くなった事実が実感として感じられたのか、終始和やかな空気が包み込んでいる。
この夜の経緯はすぐ様社交会だけでなく、市井にも広がり、苦しめられていた者虐げられていた者達は歓喜の声を上げて喜んでいる様だ。
あの日から随分時間が経ち、来月はウィリアム達の卒業式だ。
ジルコニア一族の処分は、罪人や罪状が多過ぎたせいで、かなり時間が掛かっていたが、処刑してくれ、と叫ぶ一族の声は完全に無視され、男達は老いも若きも過酷な労働条件の鉱山や牢獄へ移送され、令嬢や婦人達は戒律の厳しい修道院や中には娼館へ放り込まれ、子供達は孤児院送りとなり死ぬ事の出来ないまま働かされている様だ。
見所のある者達は引き上げる案もあったが、該当する人物は既に一族から抜けていた為、いなかった様だ。
「長かったなぁ」
シルヴィーの呟きにアーネストが笑った。
「何を言ってんだ。これからだろ」
アーネストはシルヴィーをきちんとパートナーとして尊重しながら、時々甘やかしてくれる。
「私があの時、ダドリーが良いって言ったらどうなってたの?」
「今頃海の向こうに行ってたかもな」
「物理的に?」
「そう。物理的に、だ」
どうやら、シルヴィーは選択を間違わなかった様だ。
「でも、なんで私まで卒業しないといけないの?イザベルはまだあと2年学園に居るのに」
「俺が本格的に王太子の秘書になるから」
それが?と言いたげなシルヴィーの顔にアーネストが意地悪そうな顔で笑った。
「イザベル様に取られる前に、ガッツリ俺のものにする為、て言えば解るだろ」
シルヴィーの顔が真っ赤になり、文句を言いたいだろうが言葉が出なく、口がパクパクしていた。
「卒業したらすぐに結婚式だ。ユーノ達が今頃ウェディングドレスを引き取りに行ってるぜ」
「アーネスト」
顔を真っ赤にしながら怒る姿も可愛い、なんて恥ずかしげも無く言うアーネストには多分、一生勝てないだろう、なんて思いながらもシルヴィーはツン、と横を向いた。
「シルヴィー、俺は貴女を独占したい」
婚約が決まった時と同じ言葉をアーネストは耳に唇を寄せ、囁く。
「……溺愛は遠慮したいです」
「それは無理かなぁ。俺は貴女を、俺に溺れさせたい」
「……とっくに溺れてます」
小さな声で言うと、アーネストはシルヴィーを強く抱き締めた。
「いちゃつくのは、2人だけの時にしてくんない?」
突然の、ウィリアムの声にシルヴィーはヒャア、と悲鳴をあげ、アーネストはにやり、と笑った。
「勿論、そうさせて頂きます」
「独占欲丸出しかよ」
「シルヴィーが茹で上がる前に、離してあげて」
呆れるウィリアムの後ろから、イザベルが顔を出した。
シルヴィーはすっかり忘れていたようだが、此処は特別棟のサロン。彼らがいてもおかしく無いし……
「そうか、そういう愛の囁き方もあるのか」
何度も頷きながらパトリックがうっとりとシンシアを見れば、真っ赤な顔でシンシアはサロンから出ようとしていた。
忙しくて騒がしかったが、充実していた学園とはもう直ぐお別れだが、場所は変わってもこの賑やかさはきっと変わらない。
初夏の眩しい空に祝福の鐘の音が響き、シルヴィーが純白のウェディングドレスに身を包み、教会へと向かう。
大切な人達が祝福する中、シルヴィーはアーネストと誓いのキスをした。
本編完結。
後、いくつかの後日談をアップして完結にしたいと思ってます。
新しいモノは、ただいま手直し中ですので、近日中にアップ出来たら嬉しいな。
この夜の経緯はすぐ様社交会だけでなく、市井にも広がり、苦しめられていた者虐げられていた者達は歓喜の声を上げて喜んでいる様だ。
あの日から随分時間が経ち、来月はウィリアム達の卒業式だ。
ジルコニア一族の処分は、罪人や罪状が多過ぎたせいで、かなり時間が掛かっていたが、処刑してくれ、と叫ぶ一族の声は完全に無視され、男達は老いも若きも過酷な労働条件の鉱山や牢獄へ移送され、令嬢や婦人達は戒律の厳しい修道院や中には娼館へ放り込まれ、子供達は孤児院送りとなり死ぬ事の出来ないまま働かされている様だ。
見所のある者達は引き上げる案もあったが、該当する人物は既に一族から抜けていた為、いなかった様だ。
「長かったなぁ」
シルヴィーの呟きにアーネストが笑った。
「何を言ってんだ。これからだろ」
アーネストはシルヴィーをきちんとパートナーとして尊重しながら、時々甘やかしてくれる。
「私があの時、ダドリーが良いって言ったらどうなってたの?」
「今頃海の向こうに行ってたかもな」
「物理的に?」
「そう。物理的に、だ」
どうやら、シルヴィーは選択を間違わなかった様だ。
「でも、なんで私まで卒業しないといけないの?イザベルはまだあと2年学園に居るのに」
「俺が本格的に王太子の秘書になるから」
それが?と言いたげなシルヴィーの顔にアーネストが意地悪そうな顔で笑った。
「イザベル様に取られる前に、ガッツリ俺のものにする為、て言えば解るだろ」
シルヴィーの顔が真っ赤になり、文句を言いたいだろうが言葉が出なく、口がパクパクしていた。
「卒業したらすぐに結婚式だ。ユーノ達が今頃ウェディングドレスを引き取りに行ってるぜ」
「アーネスト」
顔を真っ赤にしながら怒る姿も可愛い、なんて恥ずかしげも無く言うアーネストには多分、一生勝てないだろう、なんて思いながらもシルヴィーはツン、と横を向いた。
「シルヴィー、俺は貴女を独占したい」
婚約が決まった時と同じ言葉をアーネストは耳に唇を寄せ、囁く。
「……溺愛は遠慮したいです」
「それは無理かなぁ。俺は貴女を、俺に溺れさせたい」
「……とっくに溺れてます」
小さな声で言うと、アーネストはシルヴィーを強く抱き締めた。
「いちゃつくのは、2人だけの時にしてくんない?」
突然の、ウィリアムの声にシルヴィーはヒャア、と悲鳴をあげ、アーネストはにやり、と笑った。
「勿論、そうさせて頂きます」
「独占欲丸出しかよ」
「シルヴィーが茹で上がる前に、離してあげて」
呆れるウィリアムの後ろから、イザベルが顔を出した。
シルヴィーはすっかり忘れていたようだが、此処は特別棟のサロン。彼らがいてもおかしく無いし……
「そうか、そういう愛の囁き方もあるのか」
何度も頷きながらパトリックがうっとりとシンシアを見れば、真っ赤な顔でシンシアはサロンから出ようとしていた。
忙しくて騒がしかったが、充実していた学園とはもう直ぐお別れだが、場所は変わってもこの賑やかさはきっと変わらない。
初夏の眩しい空に祝福の鐘の音が響き、シルヴィーが純白のウェディングドレスに身を包み、教会へと向かう。
大切な人達が祝福する中、シルヴィーはアーネストと誓いのキスをした。
本編完結。
後、いくつかの後日談をアップして完結にしたいと思ってます。
新しいモノは、ただいま手直し中ですので、近日中にアップ出来たら嬉しいな。
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