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[本編完結] 幸せになる努力が出来る世界。
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「もう大丈夫だ」
オルセウス達がホッとした顔で暮れていく空を見た。
過去では、早朝にミルフィリアは処刑された。
だが、ミルフィリアが処刑された忌まわしい日が無事に終わる。
「長い日々でしたが、有意義な日々でもありましたね」
ローレルの顔にも安堵の笑みが浮かぶ。
3日前のパーティーで憎いエリスを魔女として断罪し、罪人になった彼女は、今では魔族の国で軟禁されている。
「ミルフィリアだけでなく、多くの方達が幸せを掴みました」
オルセウスが静かに頷く。
死の恐怖に抑えつけられていたゼウリスは健康を取り戻し20歳の誕生日に立太子する事が決まっている。
エリスと望まない結婚をする筈だったアルレスは卒業と同時に軍に入り、ゼウリスの剣になる事を決め、いずれは王籍から臣下に降るらしい。
「そういえば、ノドスがエルフ伯爵領に迎えられる、と聞きましたわ」
「フローラ嬢の伴侶として実績を積む、とか聞いた」
「それとバーニスとリリアン嬢の結婚式は3ヶ月後だったかしら?」
消し去った過去の、憎かった男達の幸せを喜べる事が不思議と嬉しい。
「ユーリア嬢も正式に次期聖女として卒業後教会に入るし、オスカーはゼウリス殿下の護衛官になった」
何もかも違う未来。
「わたくし、あの子はわたくし達に言わないだけで過去の事を覚えていて頑張っているのか、と思ってましたの」
ローレルの言葉にオルセウスも頷く。
だけど、ミルフィリアには記憶はなかった。子供の頃は無意識に、成長するに従って過去の記憶は無いが、ミルフィリアは自分で考え、行動する事でたった1人が満足する世界では無く、多くの者達が幸せになる努力が出来る未来を手繰り寄せた。
数年後
王太子となったゼウリスのエスコートを受けながらミルフィリアが大きくなったお腹を大事そうに手を当て、ゆっくりとソファに腰を下ろした。
去年、ミルフィリアが世継ぎとなる第一子を出産して国はお祭り騒ぎだったのは新しい記憶だ。
「お久しぶりです。ユーリア様」
正式に聖女となったユーリアとの対面は半年振りくらいだ。
「お久しぶりでございます。王太子妃殿下。体調いかがですか?」
堅苦しい口調につい2人とも笑ってしまった。
「公の場では公私を弁えなければなりませんが……」
「難しいわね。それよりユーリア、結婚すると聞きましたわ。おめでとう」
聖女でもあるユーリアの結婚は教会内でも物議を醸し出したが、聖属性の魔力を持った女子が結婚しないで教会に尽くすのはおかしい、とゼウリスだけでなくクロイヤス王も働き掛け、改善された。
「まさかアルレスと結婚するとは思わなかったよ」
騎士団の重鎮になりつつあるアルレスとの結婚にゼウリスも驚いた。
ユーリアは小さく微笑み、小箱をゼウリスに渡した。
「もう、これはゼウリス様に渡すべきだ、とアルレス様が申しておりました」
中身は見なくてもわかる。
それぞれが、それぞれの道を歩み始めたのだから、過去は思い出にすれば良い。
「それは何ですの?」
ミルフィリアが不思議そうにゼウリスを見る。
「これは、アルレスの御守りだったものだ。きっと、生まれてくる私達の子供のために渡してくれたんだよ」
ゼウリスの優しい言葉にミルフィリアは頷いた。
悲しい出来事はあのパーティーの日に終わった。
「お幸せに」
「はい。幸せになる努力をしますわ」
忙しい日々な中、あの日から皆自分の道を歩み始めている。
3人は頷き合い、明るい表情で近況を話し合った。
もう、理不尽な幸せを押し付ける者は居ない。
fin
後書きとお礼
長い話にお付き合い頂き、感謝の言葉もありません。
本当に数ある話の中から見つけ出して下さった皆様に感謝しております。
後日談をいくつか載せて完結しますので、宜しければそちらもお付き合いください。
次の話は設定の為、宝石図鑑を買ったものを始めたい、と思っています。
本当にありがとうございます。
オルセウス達がホッとした顔で暮れていく空を見た。
過去では、早朝にミルフィリアは処刑された。
だが、ミルフィリアが処刑された忌まわしい日が無事に終わる。
「長い日々でしたが、有意義な日々でもありましたね」
ローレルの顔にも安堵の笑みが浮かぶ。
3日前のパーティーで憎いエリスを魔女として断罪し、罪人になった彼女は、今では魔族の国で軟禁されている。
「ミルフィリアだけでなく、多くの方達が幸せを掴みました」
オルセウスが静かに頷く。
死の恐怖に抑えつけられていたゼウリスは健康を取り戻し20歳の誕生日に立太子する事が決まっている。
エリスと望まない結婚をする筈だったアルレスは卒業と同時に軍に入り、ゼウリスの剣になる事を決め、いずれは王籍から臣下に降るらしい。
「そういえば、ノドスがエルフ伯爵領に迎えられる、と聞きましたわ」
「フローラ嬢の伴侶として実績を積む、とか聞いた」
「それとバーニスとリリアン嬢の結婚式は3ヶ月後だったかしら?」
消し去った過去の、憎かった男達の幸せを喜べる事が不思議と嬉しい。
「ユーリア嬢も正式に次期聖女として卒業後教会に入るし、オスカーはゼウリス殿下の護衛官になった」
何もかも違う未来。
「わたくし、あの子はわたくし達に言わないだけで過去の事を覚えていて頑張っているのか、と思ってましたの」
ローレルの言葉にオルセウスも頷く。
だけど、ミルフィリアには記憶はなかった。子供の頃は無意識に、成長するに従って過去の記憶は無いが、ミルフィリアは自分で考え、行動する事でたった1人が満足する世界では無く、多くの者達が幸せになる努力が出来る未来を手繰り寄せた。
数年後
王太子となったゼウリスのエスコートを受けながらミルフィリアが大きくなったお腹を大事そうに手を当て、ゆっくりとソファに腰を下ろした。
去年、ミルフィリアが世継ぎとなる第一子を出産して国はお祭り騒ぎだったのは新しい記憶だ。
「お久しぶりです。ユーリア様」
正式に聖女となったユーリアとの対面は半年振りくらいだ。
「お久しぶりでございます。王太子妃殿下。体調いかがですか?」
堅苦しい口調につい2人とも笑ってしまった。
「公の場では公私を弁えなければなりませんが……」
「難しいわね。それよりユーリア、結婚すると聞きましたわ。おめでとう」
聖女でもあるユーリアの結婚は教会内でも物議を醸し出したが、聖属性の魔力を持った女子が結婚しないで教会に尽くすのはおかしい、とゼウリスだけでなくクロイヤス王も働き掛け、改善された。
「まさかアルレスと結婚するとは思わなかったよ」
騎士団の重鎮になりつつあるアルレスとの結婚にゼウリスも驚いた。
ユーリアは小さく微笑み、小箱をゼウリスに渡した。
「もう、これはゼウリス様に渡すべきだ、とアルレス様が申しておりました」
中身は見なくてもわかる。
それぞれが、それぞれの道を歩み始めたのだから、過去は思い出にすれば良い。
「それは何ですの?」
ミルフィリアが不思議そうにゼウリスを見る。
「これは、アルレスの御守りだったものだ。きっと、生まれてくる私達の子供のために渡してくれたんだよ」
ゼウリスの優しい言葉にミルフィリアは頷いた。
悲しい出来事はあのパーティーの日に終わった。
「お幸せに」
「はい。幸せになる努力をしますわ」
忙しい日々な中、あの日から皆自分の道を歩み始めている。
3人は頷き合い、明るい表情で近況を話し合った。
もう、理不尽な幸せを押し付ける者は居ない。
fin
後書きとお礼
長い話にお付き合い頂き、感謝の言葉もありません。
本当に数ある話の中から見つけ出して下さった皆様に感謝しております。
後日談をいくつか載せて完結しますので、宜しければそちらもお付き合いください。
次の話は設定の為、宝石図鑑を買ったものを始めたい、と思っています。
本当にありがとうございます。
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