【完結】君の夜に消える。

comacomainu

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駅までだと言っていたのに、駅へ続く大通りから1本脇道にそれていた。
今までに何度も通った道。自動販売機、ポスト、コンビニ、コインランドリー――徳村の家はもう目の前だった。

渡会の腕を掴んだまま、徳村は玄関を開けた。
離してしまえば、鎖の外れた飼い犬のように渡会が逃げてしまうことはわかりきっていた。だから、扉を閉めて施錠するまで、渡会を拘束する徳村の指の力は少しも緩まなかった。

学校から十分足らずの道のりで、二人の全身は絞れるくらいに濡れていた。
玄関先で水滴をぽたぽたと落としながら立ちすくんでいると、「ここで待っていろ」と徳村は命じた。
人質とでも言うのか、渡会の手からカバンが取り上げられる。
2人分の荷物を持ち、徳村は濡れたまま家の奥へと消えていった。しかしすぐに乾いたタオルを手にして現れた。

「お湯出しておいた。誰もいないし、シャワー使えよ。着替え用意しておくから」

頭を大きなタオルで包まれる。嗅ぎ慣れた洗剤の優しい香りがして、つんと鼻の奥が痛んだ。

「いい。ここまで濡れてるんだ。このまま歩いて帰る」

俺のカバンはどこに、そう質すと、徳村は渡会に掴みかかってきた。

「お前はさっきからどうして俺に歯向かうんだ。俺に親切にされるのがそんなに嫌なのか。お前を怒らせるようなことを言ったなら謝る。だから、早く上がれって」

引っ張り上げられ、滑った足がもつれて、濡れた身体が密着する。
抱き留められた瞬間、雨の匂いに混じった徳村の匂いが鼻腔を刺激した。近過ぎる。反射的に、渡会は徳村の身体を押し返す。

濡れた赤い前髪が額に貼りつき、その下で黒い瞳がこちらを射抜く。逃げ場を塞ぐような距離で、強い視線だけが否応なく目に入った。

「来いよ、こっちに」

「いやだ……」

頭を横に振った。その時ーー
物凄い勢いで胸倉を掴まれた。
胸にしっかり抱いていたタオルを奪い取られる。
問答無用で引き摺られる。靴が脱げて廊下に転がる。がむしゃらに両手も両足もばたつかせた。
押し込まれたのは白い湯気がこもった浴室。
制服のまま、タイルの上に転がされる。頭からシャワーを浴びせかけられる。
むせ込むと、顔を上向かされて、唇に噛みつかれた。
暴れて逃げようとすると、引き摺り上げられて、首筋に噛りつかれた。
シャワーヘッドが放り出され、二人の足元で生き物のように暴れた。
徳村は渡会の身体を、渡会自身よりも熟知していた。どこをどのように攻めれば陥落するかも知っている。
当たり前だ、こんな快楽に弱い身体にしたのは徳村だし、渡会は徳村のセックスしか知らなかった。
あえなく徳村が施す愛撫に渡会の身体は熱く燃え上がる。こんなのは嫌だと拒んでいるのに、渡会の意思などお構いなしに、身体はひたすら徳村を欲しがり、ずくずくと甘く疼き出す。
濡れた衣類が肌に張り付いて、脱ぐのに手こずっている徳村は、渡会の耳元で、クソ、と毒づいた。
恨み辛みを連ねた呪詛を吐くようにして、渡会のシャツを毟り取っていく。
ベルトを引き抜かれる。
ジッパーを下げて、ウェストの隙間から手を滑り込ませ、徳村は渡会の性器をじかに握り締める。
荒々しく上下に扱かれる。濡れて滑りやすくなっているのは雨のせいでもない、渡会が溢れさせている大量の先走りのせいだ。
足に力が入らなくなって滑り落ちそうになる。
徳村は片膝を渡会の股の間に滑り込ませ、両腕を掴んで掬い上げた。
両手を上げた状態で、まるで蝶の標本のように壁に縫い止められる。
徳村の膝が前後に動いて、渡会の張り詰めている股間をごりごりと甚振った。

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