【完結】君の夜に消える。

comacomainu

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「なん、なんでこんなこと、す、するんだっ」

徳村は脹らみのない平坦な胸の先に舌を這わせはじめた。渡会の乳首を唇に含んで、舌先でゆっくり味わうように転がしている。

「わ、別れたいって言ったのはっ、俺のことを用無しだって言ったのは、お、お前の方なのにっ」

指で捏ねられ、摘まれ、押し潰されて、挙句には爪を立てられ、捻じられる。
赤く腫れてしまったそこはぷつんと尖りきり、じんじん痺れて、切ない痛みをとめどなく訴えてくる。
ズボンを下着ごと足首まで引き摺り下ろされ、露見した下肢はすでに完全に勃ち上がっていた。
足元に跪いた徳村は、躊躇いなく渡会の性器を口に咥える。

「あ、あ、あっ……や、やっ、あっ……」

舌と手で、徳村は渡会をやすやすと追い上げていく。太股を掴んでいた徳村の手が後ろを探り出す。
襞を指の腹で撫で擦り、第一関節まで飲み込ませたら、すぐに引き出すといった動きを繰り返し、徐々に狭まりの中へ指を深く飲み込ませていく。
いっそ乱暴に扱ってくれればいいのに、蜜月を思わせる丁寧さでゆっくりと時間をかけて解される。
この先の深い悦楽の味を知っている渡会は、狂いたいくらいだった。
後ろを長い指で掻き回しながら、普段は皮に包まれている渡会の敏感な丸い先端を、徳村は尖らせた舌で執拗に嬲る。
裂け目からとろとろと零れる白濁をあますところなく舐め取ろうとしているようだった。
下腹に緊張が走る。
腰がゆらゆら揺らめく。

「とくっ、徳村っ、やめっ、出る……っ」

自分の性器をなおも吸い続ける徳村の、濡れた髪に両手を差し入れる。極限まで硬直したそこから徳村の顔が離れる。
ほっとした、その瞬間だった。
遠ざかったと思った徳村が、再び顔を寄せるなり、渡会の亀頭に音を立ててキスを仕掛け、伸ばした舌先でぐっと鈴口を深く抉った。
頭の中で膨大な光が弾けて真っ白になる。
精液は、徳村の顔に飛び散っていた。

ーーどうして……どうして、こんなことに?

徳村が眉や鼻筋にかかった精液を手の甲で拭っている様子を、壁のタイルに背中を預けながら目に入れていた。
自分達は別れた。それもこっ酷く振られたはずなのに、どうしてこんなところで裸になって抱き合っているのかわからない。
触れられたくもないと言っていた自分に、初めて徳村はフェラチオをした。
その行動の意味も全然わからない。
流れっぱなしだったシャワーを止めた徳村は着衣を取り去り、全裸になった。
そして呆然としたままの渡会を見て、急に怒ったような顔で「気持ち良かったくせに、くそつまんねえ顔すんなよ」と言った。

「入れてやるから、足、開けよ。突っ込んで揺すって欲しいんだろ? 痛くないようにしてやるから、もっと気持ちよさそうな顔を見せろよ」

徳村は自分の股間の太く長いそれを握って渡会に見せつけた。それはすでに挿入可能なくらい硬く張り詰めている。 
渡会は顔を伏せて、頭を横に振った。

「帰りたい……帰りたいんだ」

かき消えそうなほどに小さい渡会の声は、それでも徳村には届いていて、徳村の動きが一瞬止まった。

「……何言ってんの。ここまで来て、そりゃねえだろ?」

徳村の手が渡会の腰に回る。抱き寄せようとするのを、渡会は腕を突っぱねて抵抗した。

「いったい、何考えてんだよ。こんなん、おかしいよ。お前、俺を振ったのに、こんなの絶対おかしいって!」

「惜しくなったかもって言っただろっ。それだけじゃ駄目なわけ? 俺と別れたらお前、その身体どうするんだよ。女がお前ん中に突っ込んで、良いとこ狙って擦ってくれんの? お前には俺しかいねえだろ。俺のじゃなきゃ、お前、満足出来ねえだろ」

渡会は唇を噛み、視線を逸らした。反論したい言葉はいくつも浮かぶのに、喉の奥で絡まる。

「……徳村じゃなくていい。誰でもいい。俺は誰かに好かれたい、一方的じゃ嫌だ」

「男を探すのかよ」

「そうだよ、俺は俺だけを見てくれる人を見つけるっ」

「好きだって言ってくれるなら、どんな奴でもいいのか、お前は」

「どんな人間でも、絶対徳村より優しいっ」

徳村の表情が、すっと無機質なものに変わった。

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