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22. 子取りの呪い
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私たちがギリシャに来て3週間と5日目。私は体に良くないとわかっていながら体を起こすことすらしなくなってしまった。全ての体力が、お腹の中の赤ん坊に持っていかれているのがひしひしと伝わってきて、食べなければと思うのに食事が喉を通らない。流石のカインも、無理にでも食べさせようと、すりおろしたリンゴやゼリーなどを持ってくるようになった。でもどうしてか、吐き気ばかりが押し寄せてきて、飲み込もうとする度にむせ返っては戻してしまうのだ。そのせいで体力はガタンと落ちて、手足に力が入らない。
「大丈夫かい、ノア。」
「なんか、気を抜くとボーッとしちゃうの」
「食べないからな。家だったら栄養剤を点滴出来たんだけど…」
カインが私の上半身を起こしてくれるが、多少は楽になるものの気だるさは抜けない。
「もう少しでいいから食べられない?」
お湯で柔らかくした栄養食品を口元に近づけられる。
「また戻しちゃうから…」
「いいよ、それでも。一滴でも多く食べてくれた方が君の体にいいから。ね?」
迷惑をかけているのは十分に分かっている。しかし、心での理解と脳の本能が相対してしまっているのだ。おまけに気も沈んでしまい、もはや精神病の域に到達してしまったのではないかと我ながら思う。
口から零れた液体を手で拭う。その手もかなり窶れてしまった。骨っぽい手の甲を、薄緑の液体が伝って流れた。
「ほらほら、手で拭かないの。」
その雫がベッドに落ちる前に、布巾で拭き取られる。
「リリノアちゃん、着替え持ってきたから体綺麗にして着替えようか。」
風呂桶にお湯を入れて持ってきてくれるエキドナ。彼女もまた、私のことを心配してとても良くしてくれる。しかし、経験豊富な彼女は私に対して少し厳しくなった気がする。無理しないで、と言うカインに対し、彼女は無理にでも食べなさいと言う。だがそれは正論であるので、私もカインも腹を立てたりすることは無い。
出産の時に一番頼りになるのは母親だと、本で読んだことがある。しかし私には母親などあって無い存在のようなものだ。そんな中でのエキドナは、本にあった母親のように頼りになる存在になっていた。
「はい、おしまい。少しはさっぱりしたかな」
「ありがとうエキドナ」
手際よく着替えさせられて、ベッドに戻される。タオルや着替えた服などを片付けて、エキドナが部屋を出ていこうとする。しかし、扉に手をかけたところで彼女はくるりとこちらを振り返った。その表情は、なにか思いついた時の笑顔である。
「そうだわ、リリノアちゃん。どこかに出かけましょうか」
「え?」
唐突な発言に、私もカインもポカンとして彼女を見つめてしまう。
「いや、でもエキドナ。リリノアは安静にしておいた方がいいんじゃ…」
「でも、ずっと部屋に引きこもっていたらストレスはたまる一方よ?私の兄に車椅子を借りたの。だから、ちょっとドライブにでも行った方が気晴らしになるわ。ねぇ、どう?」
桶を抱え直して、彼女がこちらに戻ってくる。
「俺は、ノアが行きたいなら構わないけど」
カインも優しい微笑みを浮かべて私を見た。ふわふわと頭を撫でられて思わず頬がゆるむ。
「…うん、行きたい。」
「よし、決まりね。じゃあ私はさっさと洗濯物済ませてきちゃうから、二人とも出かける準備しといてね」
●●●
「次はどこに行くの、エキドナ」
「あら、リリノアちゃん疲れちゃった?」
「いいえ、平気です」
午前中を全て使って美術館を見てきた。優雅な空気に包まれて、少し楽になった気がする。別に画家に詳しいわけなどではないので、これといって盛り上がることもなかったが…。しかし、ギリシャの神々を描いた油絵には心惹かれるものがあった。アダムとイヴの楽園追放の絵では、何故かヘビをかたどった人間に目がいったのだが。
「そうだね~、取り敢えず空港に行きましょう。言い忘れていたけど、飛行機が復旧したって、さっき兄から連絡があったの。明日の朝の便からだから、もう席取ってしまいましょう。」
「本当に!?良かった!カイン、間に合いそうね」
「あぁ。」
隣に座るカインの手を思わず握る。心配事が晴れて、さらに重荷が取れた気がした。
「帰りの飛行機のお金は私が出してあげるから。」
「えっ、いや俺もお金なら十分に持ってきてあります。元々の旅費として残って…」
「なら、そのお金はとっておいて、次に遊びに来る時の交通費に当ててちょうだい。」
信号で止まると、エキドナは運転席から振り向いてニッと笑った。白く綺麗な手の親指がスッと立てられる。
「…いいのかい?」
カインが恐る恐る聞くと、エキドナは大きく頷いて見せた。
「ありがとうございます」
「いいの。ただの老婆心よ」
再び動き出す車の中は、まるで暖かな一つの家族のようだった。
空港に行ってから、少し買い物をして、早めの夕食をとることにした。
「新しく出来たカフェがあるから行ってみない?ひとりで行くのも気が引けるし、旅の思い出にでも。どう?」
エキドナがそう言うので、私たちは賛同した。カフェなど行った記憶もないので、少し楽しみでもあった。
新しく出来たばかりなだけあって、数人の列が出来ていた。私が車から降りると、やはり人目に付いた。どう見ても子供である私が妊婦であることが、最早誰から見ても分かる。私は少し目を伏せていたが、カインがしっかりと手を握るように促してくれるのでゆっくりと歩いていく。
「やっぱり車椅子持ってこようか、リリノアちゃん。」
「大丈夫、少しの間だもの。」
店内の待合スペースは非常に狭く、座る場所も無かったのだ。しかし、帰れるという安心からか身体的にも楽になっていたので、待ち時間くらい立っているのは造作もない気がした。
エプロンスカートの店員さんが、1組ずつ案内していき、私たちの前も残すところ二組となった。何も考えずにただ待っていると、不意にレジに目がいった。1人の綺麗な女性が会計を済ませているところだった。思わず見入っていると、その女性はスッとこちらを向いた。ばっちり目が合って、気まずい気がするも目が逸らせない。
本の数秒か、或いは何分か。見つめあったその刹那、彼女の口が三日月型に開く。
「えっ」
会計を済ませたらしい彼女は、ゆっくりと歩いて私たちの隣にある出口に向かう。視線の先をずらすことも出来ずに、視界から彼女が消えていく。
動けない。そんな時、ふとすれ違いざまに彼女が耳元に囁きかけた。
「幸せになんてさせない」
全身に電流を流されたような悪寒が走り、下腹部がジリジリと痺れ始める。
カランコロン、とドアベルが遠くで聞こえた。しかし、私は彼女が出ていくのを見ていない。見なくても去ったのが分かるが、安心できないのはなぜだろう。
隣に立つカインも、前に立つエキドナも、私の身に起こったことには気づいていないようだった。大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせて、暖かいお腹に手を当てた。
と、その時だった。ワンピースの中で、内腿に嫌な感覚が伝う。生暖かい何かが一筋、また一筋と流れていく。自分の体中から血の気が引いていくのがわかった。まず何をしていいかが分からずに困惑する。
気がつけば、私はカインの服の裾を握っていた。振り向いた彼は、一瞬の間も置かずに何かを察したようだ。
「どうしたの、ノア。」
「…カイン、私」
小さく震えて、情けない声だった。カインはよく聞こえなかったようで、腰を屈めて私の顔をのぞき込んだ。
「下から、水が出てるの」
私の言葉が耳に入ったらしいエキドナは、慌てて振り向いて私を見て、扉を鋭く睨みつけた。
「…ラミアだったんだ!」
そう言い残すと、彼女は扉から外へ飛び出していった。
カインは我に返って、呆然とする私の肩をしっかりと掴んだ。しかし、それだけで私の身体はがっくりと脱力して崩れ落ちる。自分の意思などまるで関係ない。
「リリノア、冷静に、だ。」
脇の下に入れられた手に、子犬を持ち上げるような体勢で支えられる。私は自分が涙目になっているのが分かって、それを隠すように1度強く目を閉じてから小さく頷いた。
「大丈夫かい、ノア。」
「なんか、気を抜くとボーッとしちゃうの」
「食べないからな。家だったら栄養剤を点滴出来たんだけど…」
カインが私の上半身を起こしてくれるが、多少は楽になるものの気だるさは抜けない。
「もう少しでいいから食べられない?」
お湯で柔らかくした栄養食品を口元に近づけられる。
「また戻しちゃうから…」
「いいよ、それでも。一滴でも多く食べてくれた方が君の体にいいから。ね?」
迷惑をかけているのは十分に分かっている。しかし、心での理解と脳の本能が相対してしまっているのだ。おまけに気も沈んでしまい、もはや精神病の域に到達してしまったのではないかと我ながら思う。
口から零れた液体を手で拭う。その手もかなり窶れてしまった。骨っぽい手の甲を、薄緑の液体が伝って流れた。
「ほらほら、手で拭かないの。」
その雫がベッドに落ちる前に、布巾で拭き取られる。
「リリノアちゃん、着替え持ってきたから体綺麗にして着替えようか。」
風呂桶にお湯を入れて持ってきてくれるエキドナ。彼女もまた、私のことを心配してとても良くしてくれる。しかし、経験豊富な彼女は私に対して少し厳しくなった気がする。無理しないで、と言うカインに対し、彼女は無理にでも食べなさいと言う。だがそれは正論であるので、私もカインも腹を立てたりすることは無い。
出産の時に一番頼りになるのは母親だと、本で読んだことがある。しかし私には母親などあって無い存在のようなものだ。そんな中でのエキドナは、本にあった母親のように頼りになる存在になっていた。
「はい、おしまい。少しはさっぱりしたかな」
「ありがとうエキドナ」
手際よく着替えさせられて、ベッドに戻される。タオルや着替えた服などを片付けて、エキドナが部屋を出ていこうとする。しかし、扉に手をかけたところで彼女はくるりとこちらを振り返った。その表情は、なにか思いついた時の笑顔である。
「そうだわ、リリノアちゃん。どこかに出かけましょうか」
「え?」
唐突な発言に、私もカインもポカンとして彼女を見つめてしまう。
「いや、でもエキドナ。リリノアは安静にしておいた方がいいんじゃ…」
「でも、ずっと部屋に引きこもっていたらストレスはたまる一方よ?私の兄に車椅子を借りたの。だから、ちょっとドライブにでも行った方が気晴らしになるわ。ねぇ、どう?」
桶を抱え直して、彼女がこちらに戻ってくる。
「俺は、ノアが行きたいなら構わないけど」
カインも優しい微笑みを浮かべて私を見た。ふわふわと頭を撫でられて思わず頬がゆるむ。
「…うん、行きたい。」
「よし、決まりね。じゃあ私はさっさと洗濯物済ませてきちゃうから、二人とも出かける準備しといてね」
●●●
「次はどこに行くの、エキドナ」
「あら、リリノアちゃん疲れちゃった?」
「いいえ、平気です」
午前中を全て使って美術館を見てきた。優雅な空気に包まれて、少し楽になった気がする。別に画家に詳しいわけなどではないので、これといって盛り上がることもなかったが…。しかし、ギリシャの神々を描いた油絵には心惹かれるものがあった。アダムとイヴの楽園追放の絵では、何故かヘビをかたどった人間に目がいったのだが。
「そうだね~、取り敢えず空港に行きましょう。言い忘れていたけど、飛行機が復旧したって、さっき兄から連絡があったの。明日の朝の便からだから、もう席取ってしまいましょう。」
「本当に!?良かった!カイン、間に合いそうね」
「あぁ。」
隣に座るカインの手を思わず握る。心配事が晴れて、さらに重荷が取れた気がした。
「帰りの飛行機のお金は私が出してあげるから。」
「えっ、いや俺もお金なら十分に持ってきてあります。元々の旅費として残って…」
「なら、そのお金はとっておいて、次に遊びに来る時の交通費に当ててちょうだい。」
信号で止まると、エキドナは運転席から振り向いてニッと笑った。白く綺麗な手の親指がスッと立てられる。
「…いいのかい?」
カインが恐る恐る聞くと、エキドナは大きく頷いて見せた。
「ありがとうございます」
「いいの。ただの老婆心よ」
再び動き出す車の中は、まるで暖かな一つの家族のようだった。
空港に行ってから、少し買い物をして、早めの夕食をとることにした。
「新しく出来たカフェがあるから行ってみない?ひとりで行くのも気が引けるし、旅の思い出にでも。どう?」
エキドナがそう言うので、私たちは賛同した。カフェなど行った記憶もないので、少し楽しみでもあった。
新しく出来たばかりなだけあって、数人の列が出来ていた。私が車から降りると、やはり人目に付いた。どう見ても子供である私が妊婦であることが、最早誰から見ても分かる。私は少し目を伏せていたが、カインがしっかりと手を握るように促してくれるのでゆっくりと歩いていく。
「やっぱり車椅子持ってこようか、リリノアちゃん。」
「大丈夫、少しの間だもの。」
店内の待合スペースは非常に狭く、座る場所も無かったのだ。しかし、帰れるという安心からか身体的にも楽になっていたので、待ち時間くらい立っているのは造作もない気がした。
エプロンスカートの店員さんが、1組ずつ案内していき、私たちの前も残すところ二組となった。何も考えずにただ待っていると、不意にレジに目がいった。1人の綺麗な女性が会計を済ませているところだった。思わず見入っていると、その女性はスッとこちらを向いた。ばっちり目が合って、気まずい気がするも目が逸らせない。
本の数秒か、或いは何分か。見つめあったその刹那、彼女の口が三日月型に開く。
「えっ」
会計を済ませたらしい彼女は、ゆっくりと歩いて私たちの隣にある出口に向かう。視線の先をずらすことも出来ずに、視界から彼女が消えていく。
動けない。そんな時、ふとすれ違いざまに彼女が耳元に囁きかけた。
「幸せになんてさせない」
全身に電流を流されたような悪寒が走り、下腹部がジリジリと痺れ始める。
カランコロン、とドアベルが遠くで聞こえた。しかし、私は彼女が出ていくのを見ていない。見なくても去ったのが分かるが、安心できないのはなぜだろう。
隣に立つカインも、前に立つエキドナも、私の身に起こったことには気づいていないようだった。大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせて、暖かいお腹に手を当てた。
と、その時だった。ワンピースの中で、内腿に嫌な感覚が伝う。生暖かい何かが一筋、また一筋と流れていく。自分の体中から血の気が引いていくのがわかった。まず何をしていいかが分からずに困惑する。
気がつけば、私はカインの服の裾を握っていた。振り向いた彼は、一瞬の間も置かずに何かを察したようだ。
「どうしたの、ノア。」
「…カイン、私」
小さく震えて、情けない声だった。カインはよく聞こえなかったようで、腰を屈めて私の顔をのぞき込んだ。
「下から、水が出てるの」
私の言葉が耳に入ったらしいエキドナは、慌てて振り向いて私を見て、扉を鋭く睨みつけた。
「…ラミアだったんだ!」
そう言い残すと、彼女は扉から外へ飛び出していった。
カインは我に返って、呆然とする私の肩をしっかりと掴んだ。しかし、それだけで私の身体はがっくりと脱力して崩れ落ちる。自分の意思などまるで関係ない。
「リリノア、冷静に、だ。」
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