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ゆいの日常。
傘の下で二人。<後編>
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中学生の頃は、いわゆる不良というレッテルを貼られていた。その頃の私は、世の中の全部が敵の様に見えていて手当たり次第に反抗をしていた。そして、私にはとても大事な人がいた。中学に入学したての頃に私は彼女と出会った。初めは、お互いに気に入らない奴だと思っていたけど、私が高校生に絡まれてどうしようもなくなっていた時に彼女が助けてくれたことから、私たちは、友達になった。彼女の名前は、佐々木彩夏。優しくてとても強くて、不良仲間からの人望も厚くていつも仲間達の中心にいた。
初めは、ただの不良仲間だったのにいつしか私は綾香に特別な感情を抱くようになっていた。それは、初恋だった。初めて意識をしたのは、雨の日だった。
「うわー、雨降ってきたよー。」
「本当だなー、あたし、傘持ってるから入っていくか?」
「え?いいの?ラッキー!!」
「おう!早く帰ろうぜ!」
「うん!」
里佐は、至近距離で見る綾香の顔は、改めて見ると凛々しくて頼りがいのある雰囲気を纏っていた。
「そうだ!このままゲーセン行こうぜ!」
「いーね!行こう、行こう!!」
駅前のゲームセンターは、学校が終わった後の学生たちの溜まり場になっていた。私も時々、綾香に誘われる度に足を運んだ。放課後に綾香と遊んだその時間は、私の密かな楽しみになっていた。何気ないその時間が最高に幸せだった。
そして、中学二年の夏休み、私は綾香に告白をした。
「いいよ!」
綾香は私の想いを受け止めてくれた、普通の恋愛とは違うのかもしれないけど、動き出した想いを止めることは出来なかった。あの頃はわまりにも純粋過ぎたのかもしれない。それからは、私たちは今まで以上に同じ時間を過ごした。子どもなりに数えきれないくらいに愛を確かめ合ったりもした。
「里佐っ、綾香が昨日、パクられたって!」
「えっ?綾香が!?」
中三の秋頃、高校生三人と口論になって相手の内、二人を病院送りにしてしまったらしく警察に補導された。その日から、卒業式の日まで綾香は学校に来ることはなかった。連絡も全く取れずに結局そのまま中学を卒業して私は、地元の高校に入学した。高校生になってからは、中学が同じだった同級生も結構いたけど、私が不良だった事を知ってる生徒は、話しかけてくることは無かった。高校に入学してから半年が過ぎた頃、同じ学校に綾香がいることを知った。私はすぐに綾香に会おうとしたけど、綾香は、ほとんど通学してなくて会うことは出来なかった。私も、その頃には綾香への気持ちも完全に冷めてしまっていた。だから私は、一人で静かに学生生活を過ごすことに決めた。
学年が上がり二年になった頃、いつも誰よりも早く登校する私と同じくらいの時間に登校してくる生徒に気が付いた。その時、初めて優衣を認識した。第一印象は、ただ単に地味な子だと思っていたけど、目立たずにけれど健気で優しい子だとすぐに分かった。少しだけ優衣のことを意識し始めた。
そして、高三の梅雨の時期に傘を忘れて校舎で雨宿りをしながら困っている優衣を傘に入れて一緒に帰った。今、思えばそれが原因だった。その後、優衣の幼馴染で学校では知らない人はいない程の人気者の平手百合菜が、放課後に一人で教室にいる優衣を脅しているのを見かけた。私が優衣と一緒に帰ったことが原因で優衣を逆恨みした百合菜が暴走した。忘れ物を取りに教室に戻った所でその場面に遭遇した私は、タイミングを見計らって、教室に飛び込もうとすると、私よりも先に綾香が教室から優衣を連れ出した。私は、優衣を連れ出した綾香に嫉妬の感情を隠すことが出来ずに、優衣を自分のものにしたいという思いを止める事が出来なくなっていた。
「ねぇ、優衣。」
「ん?なに?」
「早くこっちおいでよ!」
「ちょっと待って、誰かさんが食べっぱなしにした洗い物片づけたか行くから。」
「誰の事かなぁ~~。」
洗い物をしている優衣の後ろから里佐が体を覆いかぶさる。
「ゆいが来てくれないと寂しくて私、眠れないよ?」
「もう、終わるから向こうで待ってて。」
「本当に??」
「うん。」
「じゃあ、待ってるね!本当に早くしてよ約束だよ!」
洗い物を終えて里佐が待つベットに向かう。優衣が布団の中に体を滑り込ませると、空かさず里佐の長い手足が優衣の華奢で小ぶりな体を捕まえて二人はぴったりとくっつく。
「ちょっと!里佐、今日はダメ!明日は早いんだから!」
「いいじゃん、ちょっとだけだからさ。」
「里佐はちょっとじゃ済まないでしょ?」
「え~!お願いキスだけで我慢するから!ね?」
「ダ~メ!今日は一緒に寝るだけ。」
「じゃあさ、今日は優衣がぎゅってして?」
少し狭いベットの中で二人は体の向きを変えて優衣が里佐を包み込む体勢になった。
「これでいい?」
「うん!!」
「じゃあ、おやすみ里佐。」
「おやすみ優衣。」
初めは、ただの不良仲間だったのにいつしか私は綾香に特別な感情を抱くようになっていた。それは、初恋だった。初めて意識をしたのは、雨の日だった。
「うわー、雨降ってきたよー。」
「本当だなー、あたし、傘持ってるから入っていくか?」
「え?いいの?ラッキー!!」
「おう!早く帰ろうぜ!」
「うん!」
里佐は、至近距離で見る綾香の顔は、改めて見ると凛々しくて頼りがいのある雰囲気を纏っていた。
「そうだ!このままゲーセン行こうぜ!」
「いーね!行こう、行こう!!」
駅前のゲームセンターは、学校が終わった後の学生たちの溜まり場になっていた。私も時々、綾香に誘われる度に足を運んだ。放課後に綾香と遊んだその時間は、私の密かな楽しみになっていた。何気ないその時間が最高に幸せだった。
そして、中学二年の夏休み、私は綾香に告白をした。
「いいよ!」
綾香は私の想いを受け止めてくれた、普通の恋愛とは違うのかもしれないけど、動き出した想いを止めることは出来なかった。あの頃はわまりにも純粋過ぎたのかもしれない。それからは、私たちは今まで以上に同じ時間を過ごした。子どもなりに数えきれないくらいに愛を確かめ合ったりもした。
「里佐っ、綾香が昨日、パクられたって!」
「えっ?綾香が!?」
中三の秋頃、高校生三人と口論になって相手の内、二人を病院送りにしてしまったらしく警察に補導された。その日から、卒業式の日まで綾香は学校に来ることはなかった。連絡も全く取れずに結局そのまま中学を卒業して私は、地元の高校に入学した。高校生になってからは、中学が同じだった同級生も結構いたけど、私が不良だった事を知ってる生徒は、話しかけてくることは無かった。高校に入学してから半年が過ぎた頃、同じ学校に綾香がいることを知った。私はすぐに綾香に会おうとしたけど、綾香は、ほとんど通学してなくて会うことは出来なかった。私も、その頃には綾香への気持ちも完全に冷めてしまっていた。だから私は、一人で静かに学生生活を過ごすことに決めた。
学年が上がり二年になった頃、いつも誰よりも早く登校する私と同じくらいの時間に登校してくる生徒に気が付いた。その時、初めて優衣を認識した。第一印象は、ただ単に地味な子だと思っていたけど、目立たずにけれど健気で優しい子だとすぐに分かった。少しだけ優衣のことを意識し始めた。
そして、高三の梅雨の時期に傘を忘れて校舎で雨宿りをしながら困っている優衣を傘に入れて一緒に帰った。今、思えばそれが原因だった。その後、優衣の幼馴染で学校では知らない人はいない程の人気者の平手百合菜が、放課後に一人で教室にいる優衣を脅しているのを見かけた。私が優衣と一緒に帰ったことが原因で優衣を逆恨みした百合菜が暴走した。忘れ物を取りに教室に戻った所でその場面に遭遇した私は、タイミングを見計らって、教室に飛び込もうとすると、私よりも先に綾香が教室から優衣を連れ出した。私は、優衣を連れ出した綾香に嫉妬の感情を隠すことが出来ずに、優衣を自分のものにしたいという思いを止める事が出来なくなっていた。
「ねぇ、優衣。」
「ん?なに?」
「早くこっちおいでよ!」
「ちょっと待って、誰かさんが食べっぱなしにした洗い物片づけたか行くから。」
「誰の事かなぁ~~。」
洗い物をしている優衣の後ろから里佐が体を覆いかぶさる。
「ゆいが来てくれないと寂しくて私、眠れないよ?」
「もう、終わるから向こうで待ってて。」
「本当に??」
「うん。」
「じゃあ、待ってるね!本当に早くしてよ約束だよ!」
洗い物を終えて里佐が待つベットに向かう。優衣が布団の中に体を滑り込ませると、空かさず里佐の長い手足が優衣の華奢で小ぶりな体を捕まえて二人はぴったりとくっつく。
「ちょっと!里佐、今日はダメ!明日は早いんだから!」
「いいじゃん、ちょっとだけだからさ。」
「里佐はちょっとじゃ済まないでしょ?」
「え~!お願いキスだけで我慢するから!ね?」
「ダ~メ!今日は一緒に寝るだけ。」
「じゃあさ、今日は優衣がぎゅってして?」
少し狭いベットの中で二人は体の向きを変えて優衣が里佐を包み込む体勢になった。
「これでいい?」
「うん!!」
「じゃあ、おやすみ里佐。」
「おやすみ優衣。」
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