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9年後
37.言い訳
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目が覚めてから数日間リハビリの生活が始まった。
勿論あのケトのペースト状のものを食べながら
皆んなが厳しすぎる、あれを残そうものなら泣き落としで食べさせにくるのだ
「あぁ!坊っちゃまは私たちの心配などどうでも良いと言うのですね!」
と。
やめてくれよ、そんなこと言われて食べないなんて出来るわけないだろ!?
ディアンは面白がって止めてくれないし。
「はぁ、疲れた」
「それはそうとイズリル、言い訳は考えたのか?」
「あぁ、それね、少しだけ真実を混ぜながら誤魔化そうと思ってる。」
「ほう?」
そう、言い訳は少し考えた。
メイルにかけた魔術は全てのダメージを自分に移し替える変わり身の魔法ではなく、半分のダメージを自分に移し替えるものだと言うつもりだ。
「この後お父様に呼び出されているからこの言い訳で頑張ってくるよ」
「そうか、面白そうだから私も行くとしよう」
「面白がるなっ!」
ーアリムの執務室ー
ゴクリッ
トントン
「お父様、イズリルです、失礼致します。」
「ああ、入りなさい。」
ガチャ
「やあ、イズ、それにオブシディアン殿も。さ、座りなさい」
「それで...お話とは」
「その前にイズ、もう体調は良くなったのか?」
「はい、お父様達の罰のせいでこの通りですよ」
「ははっ、そうかそうか、それは良かった!」
「それで?本題は?」
俺がそう言うとお父様が真面目な顔をして話し出した。
「イズが倒れて一週間くらい経った時、アロナ君が来た。」
え。アロナが来た!?
「その時聞いた話だが、メイル殿下がアレクシアの毒で毒殺されかけた。だがメイル殿下の回復力が異常に早かったと聞く。それに前々から傷などの回復力も早かったらしい。そして極め付けにはメイル殿下がアレクシアの毒で倒れた時にイズ、お前の夢を見たそうだ。アロナ君はイズが何かしらの方法でメイル殿下が受けたダメージを肩代わりしているのではと言っていたよ。さて、イズ。何か私に言いたい事はあるかな?」
アーローナーっ!!
いや、いつか気付かれそうだとは思っていたけどアロナ!恐ろしい子!
「い、いやぁ、メイルの夢に入り込んだのも、間違いはないと言うか...そのー、アロナが言っているのも本当ですけど、全部肩代わりしているのではなく、半分以下!そう、半分以下を肩代わりしていると言いますか...へへっ。」
「へへっ。ではない!!」
ビクッ!
突然の大声に俺がびっくりしているとお父様は言葉を続けた。
「もう危ない事はしないと約束をしたな?イズ!」
「は、はい...」
「相手のダメージを自分が肩代わりする魔術、私も書物で読んだことがあるだけだが、確か禁忌に近い魔術だった筈だ!」
やべっ、お父様この魔術知ってたのか!
「イズが本当のことを言っていないのは私にも分かるのだぞ!私が尋問官をどれだけやっていると思っている!」
ですよねー、俺でもこいつ嘘ついてるって分かるもん。
「イズ、本当のことを話してくれ...」
あぁ、俺ってば本当に心配かけてばかりだなぁ
「お父様...本当はメイルのダメージ、毒や傷や呪いなどありとあらゆるものを自分に移し替える魔術をメイルにかけています。」
「っ!!」
そう言うとお父様は静かに息を呑んだ。
「ごめんなさい!でも、友達が苦しむ姿は見たくありませんでした。」
「それは、私達家族が心配しているのを無視してでもする事なのか?」
お父様が珍しく悲しい顔をしている
いや、俺が前世の記憶を思い出してからこんな顔をさせてばかりだ。
「それはっ、違います!でも、メイルも同じくらい大切なのです...初めての友達なので...。」
そう、メイルは初めての友達なのだ。
前世の記憶を取り戻す前までの俺は臆病で引っ込み思案で大人しく、貴族間で行われるお茶会にも顔を出せないほど臆病者だったのだ。
だから友達は居なかった。
初めてだったのだ、友達という存在は...
それが嬉しくて暴走して周りに悲しい顔をさせていてはダメだな...
いくらディアンが居て寿命が来るまでは守ってくれると言ってもその間に瀕死になったりしていては周りを悲しませるだけだ
もっと精進しないとだな
「その魔術を今すぐ解きなさい。」
「出来ませんっ」
「解きなさい!イズ!」
「嫌です!!解きません!メイルも家族と同じくらい大切なのです!分かってくださいお父様!!」
「はぁ、イズ、こういう事はあまりしたくはないのだがイズがその魔術を解くまで自室にて謹慎だ。」
やはり懸念していた通り謹慎になったか
「公爵邸の庭に出る事も禁止する、話は以上だ!戻りなさい!」
「はい...ディアン、行こう。」
「ああ」
そう言って俺とディアンはお父様の執務室を後にした。
「はぁぁーっ、ディアン、お父様に誤魔化しは効かなかったよー」
「まぁ、イズリルは失敗すると思っていたがな」
「なんでだよ!?」
「イズリルは嘘が下手だからな」
え、そうなの!?
俺、結構ポーカーフェイス上手いと思っていたんだけど!?
とにかく今日から謹慎生活だ...
でもまだお父様に言ってない事はあるんだよな
「もう一つの方は言わなくて良かったのか?イズリル。」
「ああ、お父様とお母様にも変わり身の魔術かけてる事?」
「ああ。」
「そんなことまで言ったら謹慎どころじゃないよ」
「そうか。」
あー、お母様がお父様を説得してくれないかなぁ
そう思いながらこの謹慎生活をどう過ごすか悩みながら自然と眠りについていた。
勿論あのケトのペースト状のものを食べながら
皆んなが厳しすぎる、あれを残そうものなら泣き落としで食べさせにくるのだ
「あぁ!坊っちゃまは私たちの心配などどうでも良いと言うのですね!」
と。
やめてくれよ、そんなこと言われて食べないなんて出来るわけないだろ!?
ディアンは面白がって止めてくれないし。
「はぁ、疲れた」
「それはそうとイズリル、言い訳は考えたのか?」
「あぁ、それね、少しだけ真実を混ぜながら誤魔化そうと思ってる。」
「ほう?」
そう、言い訳は少し考えた。
メイルにかけた魔術は全てのダメージを自分に移し替える変わり身の魔法ではなく、半分のダメージを自分に移し替えるものだと言うつもりだ。
「この後お父様に呼び出されているからこの言い訳で頑張ってくるよ」
「そうか、面白そうだから私も行くとしよう」
「面白がるなっ!」
ーアリムの執務室ー
ゴクリッ
トントン
「お父様、イズリルです、失礼致します。」
「ああ、入りなさい。」
ガチャ
「やあ、イズ、それにオブシディアン殿も。さ、座りなさい」
「それで...お話とは」
「その前にイズ、もう体調は良くなったのか?」
「はい、お父様達の罰のせいでこの通りですよ」
「ははっ、そうかそうか、それは良かった!」
「それで?本題は?」
俺がそう言うとお父様が真面目な顔をして話し出した。
「イズが倒れて一週間くらい経った時、アロナ君が来た。」
え。アロナが来た!?
「その時聞いた話だが、メイル殿下がアレクシアの毒で毒殺されかけた。だがメイル殿下の回復力が異常に早かったと聞く。それに前々から傷などの回復力も早かったらしい。そして極め付けにはメイル殿下がアレクシアの毒で倒れた時にイズ、お前の夢を見たそうだ。アロナ君はイズが何かしらの方法でメイル殿下が受けたダメージを肩代わりしているのではと言っていたよ。さて、イズ。何か私に言いたい事はあるかな?」
アーローナーっ!!
いや、いつか気付かれそうだとは思っていたけどアロナ!恐ろしい子!
「い、いやぁ、メイルの夢に入り込んだのも、間違いはないと言うか...そのー、アロナが言っているのも本当ですけど、全部肩代わりしているのではなく、半分以下!そう、半分以下を肩代わりしていると言いますか...へへっ。」
「へへっ。ではない!!」
ビクッ!
突然の大声に俺がびっくりしているとお父様は言葉を続けた。
「もう危ない事はしないと約束をしたな?イズ!」
「は、はい...」
「相手のダメージを自分が肩代わりする魔術、私も書物で読んだことがあるだけだが、確か禁忌に近い魔術だった筈だ!」
やべっ、お父様この魔術知ってたのか!
「イズが本当のことを言っていないのは私にも分かるのだぞ!私が尋問官をどれだけやっていると思っている!」
ですよねー、俺でもこいつ嘘ついてるって分かるもん。
「イズ、本当のことを話してくれ...」
あぁ、俺ってば本当に心配かけてばかりだなぁ
「お父様...本当はメイルのダメージ、毒や傷や呪いなどありとあらゆるものを自分に移し替える魔術をメイルにかけています。」
「っ!!」
そう言うとお父様は静かに息を呑んだ。
「ごめんなさい!でも、友達が苦しむ姿は見たくありませんでした。」
「それは、私達家族が心配しているのを無視してでもする事なのか?」
お父様が珍しく悲しい顔をしている
いや、俺が前世の記憶を思い出してからこんな顔をさせてばかりだ。
「それはっ、違います!でも、メイルも同じくらい大切なのです...初めての友達なので...。」
そう、メイルは初めての友達なのだ。
前世の記憶を取り戻す前までの俺は臆病で引っ込み思案で大人しく、貴族間で行われるお茶会にも顔を出せないほど臆病者だったのだ。
だから友達は居なかった。
初めてだったのだ、友達という存在は...
それが嬉しくて暴走して周りに悲しい顔をさせていてはダメだな...
いくらディアンが居て寿命が来るまでは守ってくれると言ってもその間に瀕死になったりしていては周りを悲しませるだけだ
もっと精進しないとだな
「その魔術を今すぐ解きなさい。」
「出来ませんっ」
「解きなさい!イズ!」
「嫌です!!解きません!メイルも家族と同じくらい大切なのです!分かってくださいお父様!!」
「はぁ、イズ、こういう事はあまりしたくはないのだがイズがその魔術を解くまで自室にて謹慎だ。」
やはり懸念していた通り謹慎になったか
「公爵邸の庭に出る事も禁止する、話は以上だ!戻りなさい!」
「はい...ディアン、行こう。」
「ああ」
そう言って俺とディアンはお父様の執務室を後にした。
「はぁぁーっ、ディアン、お父様に誤魔化しは効かなかったよー」
「まぁ、イズリルは失敗すると思っていたがな」
「なんでだよ!?」
「イズリルは嘘が下手だからな」
え、そうなの!?
俺、結構ポーカーフェイス上手いと思っていたんだけど!?
とにかく今日から謹慎生活だ...
でもまだお父様に言ってない事はあるんだよな
「もう一つの方は言わなくて良かったのか?イズリル。」
「ああ、お父様とお母様にも変わり身の魔術かけてる事?」
「ああ。」
「そんなことまで言ったら謹慎どころじゃないよ」
「そうか。」
あー、お母様がお父様を説得してくれないかなぁ
そう思いながらこの謹慎生活をどう過ごすか悩みながら自然と眠りについていた。
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