黒髪が王族の証という異世界に転移しました、自重は致しません。

クレハ

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一章

お見舞い

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次の日の朝、ワシは男の子と一緒に宿で朝食をとり、セドのお見舞いの品を選んで家に向かう。

今日はセドの家でこの子供の名前を決めたいと思っていた。

いつまでも小さな子供、男の子、子供などと呼んでいては不便だし可哀想だ。

ワシは歩きながら今日の予定を男の子に話す

「今日は君の名前をセド達と話し合いで決めたいと思うんだけど...どうかな?」

すると一緒に手を繋ぎ歩いていた男の子が急に立ち止まりこちらを目を見開いて見ていた

「ふふっ、ビックリしたかな?ワシは実はもう候補の名前を考えているんだ」

そう言ってワシは男の子を抱き上げて歩き出す。

「セド達はどんな名前を考えているかな、楽しみだね」

そう言って男の子の目を見て微笑む

そしたら男の子がギュッとワシに抱きついて肩に顔をグリグリと押し付ける

何だこの可愛い生き物は

「ほら、セドの家が見えたよ」

男の子を抱えたままセドの家の扉をノックする

トントンッ

「イサギです、セドのお見舞いに来ました」

すると中から少し急いだような足音が聞こえてきた

ガチャリ

「イ、イサギ様...!」

「おや?ミリーさん、セドから聞きませんでしたか?ワシの事はイサギさんと呼んで欲しいって」

そう言ってニコリと笑う

「で、ですが本当によろしいのですか?」

「勿論!それにワシの友達のお母さんに敬語で話しかけられるのもなぁー、セドに話すようにくだけて話しかけてくれた方がとても嬉しいんだけど...」

「えっ!?そんな恐れ多いい事!」

「大丈夫、ワシは王族なんて大した者じゃないから」

「えっ...でも黒髪は王族の方にしか無い髪色ですし、それにイサギ様...イサギさんの髪の色の濃さは王位継承権の高い、とても尊いお方だと...」

「うん、まぁそれでもワシが王族なんて大した身分のものでは無いし。その事実は変わらないよ。そもそもワシがこの世界に認められているかどうかも分からないからね。」

「それってどういう...」

そう言いかけたミリーさんの言葉をさえぎったのはセドだった

「イサギさん!来てくれたんですね、嬉しいです!勿論君も来てくれてありがとう!もー、お母さん立ち話も良いけど早く座ってもらおう、お茶も出してないじゃないか!」

「セド、お邪魔してるよ」

「はいっ!イサギさん、そして君も待ってたよ!」

そう言ってセドはワシが抱き抱えている男の子に目線を合わせると頭を撫でてニコリと笑った

「......」

ギュッとワシの洋服を握るのが分かる

「よかったな、セドに会えたからその感情は嬉しいって言うんだよ」

「......」

「ささ!どうぞ座ってください!」

「あぁ、ありがとうセド」

ワシは膝に男の子を座らせて座ると目の前の席にセドとお茶を持ってきたミリーさんが座った。

「さて、今日はこの子の名前を決めたいと思いまーす!」

そう言ってポンっとこの子の頭に手を置いた

「ちなみにワシはこの子供の名前の候補を一つ考えてきました」

ワシは二人にドヤ顔をする

「本当ですか!因みにどんな名前なんですか?」

「レオン」

「レオン!どんな意味が込められているんですか!?」

キラキラとした目を見せてくるセド

「ワシの故郷に物凄く獰猛な生き物がいてね、ライオンという生き物なんだけど、とても獰猛だけどカッコよく、また仲間意識も高くプライドも高い。その様なカッコいい男の子に育って欲しいという意味でレオン、と名前を考えたんだよ!」

「す、凄いです!!俺やお母さんも名前を考えたんですけど、イサギさんの名前の方がしっくりきます!ね、お母さん!」

「えぇ!そうね!」

「因みにどんな名前を?」

「シル、です!意味はシルクの様な綺麗な髪の毛をしているから...です」

そう言って苦笑いをするセドとミリーさん

シンプルで分かりやすい。いいじゃん!シル。

「その名前もワシは悪く無いと思うけど、ここはこの子の意見も聞こうか」

そう言ってみんなの視線が子供に向く

すると子供がワシを見上げてジッと目を見つめてくる

お?何だ何だ?

「きっとイサギさんの方の名前が気に入ったのではないでしょうか?」

「ふむ、そうなの?」

「......」

その目を見れば一目瞭然だった。

「よし、じゃあ今日から君の名前はレオンだ」

「良かったなぁ!レオン!」

そう言って笑うセド

「良かったわね、レオン君」

ミリーさんも優しくレオンに笑いかける

するとレオンの瞳から涙が溢れてきた

ボタボタと大きな涙が溢れるたびにワシが手で拭ってやる

「最近のレオンは泣いてばかりだな」

そう言いながらワシは笑う

暫くそうしていると静かに寝息を立て始めるレオン。

ワシの洋服を握ったまま寝ているのでベッドに寝かせるわけにもいかず、レオンを膝に乗せたままセドとミリーさんに、話を切り出す。

「さて、そろそろワシの身元も明かしておかなければいけないと思う。二人の善意に甘えて今まで何も自分のことは話さずにきたけど、それでは誠意に欠けると思って、な。」

そう言うとセドとミリーさんが緊張した顔をする

「実はワシ、この世界の人間では無いんだ。」

「「...え?」」

「まあ、頭がおかしくなったのかと思われる様な話だからこの先の話も聞きたいと思うなら聞いてくれ、もし気味が悪いならもうこの話はやめよう。」

するとセドが慌てた様子で

「イイイ、イサギさんがそんな嘘言うわけありません!俺は続きを聞きます!」

「私もです、イサギさんの事は信用していますので」

「...では話を続けるね、ワシはこの世界では無い、地球という惑星の日本という島国から来た。あれはいつも通り仕事に行こうと家の玄関を開けた時だった。眩い光に包まれ、気がつくとこの世界の路地裏に居たんだ。それからは二人が知っている通り、セドと出会って色々なことがあった。いまだになぜこの異世界に転移して迷い込んだのかは分からないけれど元の世界に帰れるかも分からないんだ。もしかしたら一生このままかもしれないしね。」

そんなワシの話を二人は呆然としながら聞いていた。

「イサギさん...」

そう言ってセドが口を開いた



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