黒髪が王族の証という異世界に転移しました、自重は致しません。

クレハ

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一章

これからの事

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「冒険者としての活動はずっとこの国、ミドラム王国でするのかしら?」

「ワシは慣れるまではこの国の冒険者ギルドで仕事を受けて、その後はもしかしたら国を出てダンジョンに行ったり仕事受けたりするかも。でも、最終的にはこのミドラム王国に戻ってくるつもりだよ」

後はセドをどうやって鍛えるかだけど...

「そう...ここを離れるのは寂しくなるわね」

「まだすぐに離れるわけではないから安心してね、セドが安定して戦える様になるまではこの国から出ないから。」

「そうね...うん、今落ち込んでもどうしようもないわ!イサギさん、セドの事改めてよろしくお願いね。」

「ああ、任されたよ、ミリーさん」

「でもどうしよう、俺剣術を習った事もなければそう言ったのを教えてくれる人のつてもなくて...」

「そうだなぁー、ワシもこの世界に来たばかりだから...しかもワシは武闘家兼魔術師だからなぁ...あっ!第二騎士団団長殿かS級冒険者のジンさんを頼ってみるのはどうだろう?」

「「えっ!?」」

「何かあったら尋ねて来いと第二騎士団団長殿が言っていたし」

「恐らくそれは何か事件があったら尋ねて来いって意味なんじゃ...」

「そこはほら、はっきり明言しなかった奴が悪いと言う事で!」

「イサギさんってやっぱり大物だね」

「んー、じゃあジンさんでもたずねてみる?」

「ジンさんは新人の育成、ましてや剣術を教えてくれるかな...」

「分からないけど、この世界に来てから得た縁はこの二人とセドとミリーさん、それとレオンやその数人位だし、当たって砕けろ的な感じで行けば大丈夫でしょ」

「ゔ、そう...だね。」

「じゃあ先にジンさんのいる冒険者ギルドから行く?」

「うん、そうする!」

「じゃあ明日は冒険者ギルドに行こう、セドはもう体調は良いのかな?」

「ああ、イサギさんがわけてくれた薬のおかげでもう傷も塞がって熱も下がった。それにレオンとイサギさんが毎日お見舞いの品を持ってきてくれるから体力も元に戻ったし!」

「そう、良かった。レオンと一緒に選んだ甲斐があったよ」

そう言ってニコリと笑うとセドもつられて笑う

あ、そう言えばセドとミリーさんに言いそびれていた事が一つあるな...そう、何を隠そうワシは女だと言う事を...!

あー、でも今後一緒に旅をしたりするだろうし、今ここで女って明かしたらセドはしばらく様子がおかしくなりそうだし、この話自体が流れる可能性もある。

自分から言うんじゃなくて、バレた時に自然と知ってもらう様すれば良いか

レオンにもそうしよう。

少なくともレオンが感情を取り戻すまではワシが異世界から来たことも女であることも黙っておこう

それに以前読んでいた漫画には急に元の世界に戻ったケースもあったからな、そうなったらセドやレオン、ミリーさんが心配だ。三人分の貯金もしておこう。

そんな事を考えていると

「あら、レオン君起きたの?」

とミリーさんの声がした

振り向くと眠そうな目をしたレオンがボーッとこちらを見ていた

「レオン、おはよう!お見舞いの品ありがとな、一緒に食べよう!」

「そうね、丁度お昼に近い時間だし...待っててね、今キッシュを切り分けるわ」

「ありがとうミリーさん」

「レオン、おはよう。よく眠れたみたいで良かったよ」

そう言うとレオンは少し考えるそぶりをしてコクンと頷くとソファーから降りてトトトッとワシの元へ走ってくる。

ボフンとワシに体当たりする勢いでギュッと抱きついてくるレオン

「心配かけたね、怖い事はもう終わったから、もう大丈夫だよ、レオン。」

「.......」

するとワシに頭を撫でられながらコクコクと必死に頷くレオン

「レオン、たまには俺の膝の上で一緒に食べないか?」

とセドが笑いながらレオンに問いかける

「......」

ジッとワシを見つめるレオン

「ん?ほら、恥ずかしがらずに行っておいで、レオン。」

そう言ってポンっとレオンの背中を軽く押してセドの方へ行かせる

おずおずとセドに近づくレオン。

するとセドがレオンの脇に手を入れて抱き上げ、自分の膝の上に乗せる

すると丁度良いタイミングでミリーさんがキッシュを切り分けて持ってきた

「はい、お待たせ!飲み物はここに置いておくから勝手についで飲んでね」

「ミリーさん、ありがとう」

ミリーさんが取り分けたお皿をもらう

全員分のお皿が行き届くと

「ではいただきましょうか」

とミリーさんが言う

「いただきます」

「いただきます」

「......」

レオンは無言だがその目からは食べ物に感謝しているのがわかる。

そしてレオンがフォークを使って食べだす

それを見たセドは所作がすごく綺麗だと褒め称えた

ミリーさんも驚いている

「ふふっ、レオン、一緒に練習した甲斐があったな」

「......」

コクン

そう頷くレオンはやはり世界一カッコ可愛い

「イサギさんが教えたのかしら?」

「ああ、そうだよ、今度機会があったらテーブルマナーも教えてあげようかと思ってるところだ」

「イサギさんは凄いなぁ」

「そう思うならセドも一緒に練習しよう」

「えっ!良いの!?」

「勿論」

「やったぞレオン、今度一緒に練習しような!」

レオンはセドをジッと見つめると、コクンと頷くのだった





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