黒髪が王族の証という異世界に転移しました、自重は致しません。

クレハ

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一章

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ガヤガヤと酒場特有の賑やかさがあるそのとある一角に旅人の様な出立ちをした二人が酒をあおっていた。

「今日も収穫はなしだ。いつまでこれが続くんだろうな」

はぁ、とため息をつく若い男。

「それが今日いい情報を手に入れたんだ。なんでも最近この辺の市場で黒髪の王族を見た事があると言う、な。」

「どうせガセネタだろ?」

「それがそうでもなさそうだ」

男は串肉を食べながら話を続けた

「その髪の色がとにかく漆黒で綺麗な黒髪だったらしい。最近第二騎士団が動いた奴隷商の捕縛事件があっただろ?あれはその黒髪の王族を捕まえようと奴隷商の奴らが起こした事件だったみたいだ。」

「...それは確かめてみる価値があるな」

そう言って酒をあおる男

「それがさ、スラム街を聞き込みしてたらとあるガキにたどり着いたんだ」

「スラム街のガキ?」

「ああ、そのガキはローブのフードを被った若い男に頼まれて騎士団を呼びに行ってお礼に金貨一枚貰ったって言っててな、容姿を聞いたら紫色のローブを着て、見間違いでなければフードからひと束出ていた髪の毛は漆黒の黒髪だったそうだ。」

すると話を聞いていた男が目を見開いた

「まさかっ」

「探してみる価値はあるだろ?」

「そうだな、それにもしそれが本当ならば我々の悲願が叶うかもしれないのか」

「そうなるな」

そう言って二人の男はコップをカチンっとぶつけて鳴らすと一気に飲み干した

そして二人はテーブルに二人分の代金を置くとその場を後にした。












次の日の朝、二人の男は王都の市場を歩いていた。

理由はこの辺で王族を見たと言う情報が多かったからだ

だが早々都合よく見つかるものでは無い

聞き込みをしてもいいのだが、もしこちらが探っているのが知られ、警戒されて身を隠されたら見つけるのは困難になるだろう。

であればなるべく聞き込みはしない方が賢明だ。

「まてよ、昨日は言うの忘れていたが、A級冒険者のカードをわたされたといっていたな。」

「なんでそんな大事なことを言うの忘れてたんだお前は」

「いや、ついな...悪かったよ、そんな目で見ないでくれ」

この男はいつも肝心なところで少し抜けているのがなんとも言えないのだ。

「そうと決まればA級冒険者の情報を集めるぞ」

「ああ、そうだな」

そう言って二人がやるべきことを決めて歩いていたらトンっと小さな子供にぶつかってしまった

「悪い、怪我はないか?」

そう言って小さな子供を見ると、一瞬息を呑んだ。

艶やかな銀髪に金と水色の神秘的なオッドアイ、身なりもとてもじゃないが平民とは思えない

まさか貴族の子息か?

いや、貴族街はもっと離れているし、この時間帯に貴族の子息が護衛一人ででかけられるはずがない。

となればやはり平民か?

子供と一緒に歩いていたもう一人を見るとどこにでも居そうな平凡な顔つきだが愛嬌のあるどこにでも居そうな普通な青年だった。

どう見ても護衛には見えない

少々黙って見すぎていたのが悪かったのか子供が隣の青年にギュッと抱きつき顔をうずくめてしまった。

「す、すみません、この子は人見知りで...そちらこそ怪我などはなかったですか?」

「ああ、ぶつかったのはこちらの方だから...」

そう言いかけると小さな子供が言葉を被せるかの様に明るい声でお兄ちゃんと俺の後ろを見ながら俺の横を駆け足で通り過ぎる

「おっと、レオン、どうした?」

「あ、イサギさん、実はさっきこの方にぶつかってしまって...」

「ふむ、失礼。お怪我とかはなかったかな?」

イサギ...

この名前の響き...

まさかっ!

俺たちは目を一瞬合わせるとイサギと言う人物を見るため振り返った。

身長は高め

顔立ちはフードを被っているため見えずらいが整っていて中性的な見た目だと思う

「怪我とかは大丈夫だ、さっきも言った通りぶつかったのはこちらの方だからな、それよりそこの小さな子供には怪我はなかっただろうか?」

「ああ、大丈夫だよ。」

「ところで、貴方は珍しい名前の響きをしていますね、このミドラム王国出身なのですか?」

「いえ、違いますが...何か気になることでも?」

一瞬気配が鋭くなるイサギという人物にこれ以上の探りは入れられないと悟り、俺たちはこの場は引く事にした。

「では、我々も先を急ぐ旅なのでこの辺りで。」

「ええ、ワシらもそろそろ帰らなければならないので。」

そう言ってその場を離れる俺たち。

完全に人ごみに紛れてから適当な路地裏に入る

「見つけたな」

「ああ、そうだな、俺たちは運がいい」

「だが最後は警戒されたけどな」

「まぁしょうがない、しばらくは付かず離れず動向を見張らせよう。」

「気付かれないか?」

「......分からない、だがやるしかない、我々の悲願のために」

「それもそうだな」

「とりあえず上に報告しに行くか」

「そうだな、おそらくターゲットらしき人物を見つけた、と」

ピュイッ

俺が指笛を鳴らすと鳥が何処からともなく現れた。

足に結果報告を巻きつけると鳥はバサバサと羽ばたいて何処かへと消えていった




end
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