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話し合い
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『私、ハルヴァ国のロベリア=ハルヴァと申します。どうぞよろしくお願いいたします。』
隣のアルバーニ国をいずれかは治める運命の人である当の本人は、婚礼相手である私にチラリと視線をくれただけで、
『………あぁ…………よろしく……』
とまぁ、こんな感じであった。
"きっとカグラ王子は私がこんなだから、この婚礼をこころよくは感じていない"
そんな感情をありありと受け取られる光景であった。
私のお父様と継母、それにアルバーニ国の王、それにその王妃は彼の態度もお構い無しに話を進める。
『まだお互いを知り合う必要もあるし、そうね……
ひと月後にこちらにロベリアが嫁入りするという方向で話を進めても良いわよね?』
継母が扇子をはためかせながらサラッとそんな事を言った。
すると!驚いたのはカグラ王子からの返答だ。
『えぇ、その方向で構いませんよ。』
『今までの侍女を共にアルバーニに連れて来る事を許可するわ。その方が色々とそちらもやりやすいでしょう?』
アルバーニ国の王妃が私に対する配慮からひとつの提案を発言した。
それに対してアルバーニ王も、
『おぉ!そうじゃ、それが良い。城には部屋もまだまだ余っとるしな。』
本人の感情とはまるで無視して、話はトントン拍子に先に進む。
私がカグラ王子をお見かけするのは実は全くの初めてでは無い。
かつて、お父様の元に遊びに来るアルバーニ国王と共に連れて来られていたのが、実はまだ幼いカグラ王子その人であった。
割と人見知りな私は遠巻きにアルバーニ王にじゃれつく彼を眺めていただけで直接カグラ王子に話しかけた事は無かった。
ただ一度、屈託の無い笑顔を私に向けてきた彼のその態度はきっと……ただの気まぐれだったに違いない。
…………でも不覚にも、幼ごころにそんな王子に少し惹かれていた私がいた。
その頃の私の体型は、今のようでは無かったし……
王子ももしかしたら、私に……とかも考えてもいた。
『………という訳だ。
この婚礼に双方異存は無いな?』
お父様からの質問だが、"むしろあっても私達は何も受け付けないぞ"と言いたげな空気が漂っているのをその場に感じた。
『異存はありませんわ、お父様。』
そう答えるより他は無かった。
『俺も異存はありません。』
さっきの無表情とはうってかわり、特上の微笑を浮かべて返答する王子に……
その見た事も無いその美しい微笑に私は少しだけときめいていた。
隣のアルバーニ国をいずれかは治める運命の人である当の本人は、婚礼相手である私にチラリと視線をくれただけで、
『………あぁ…………よろしく……』
とまぁ、こんな感じであった。
"きっとカグラ王子は私がこんなだから、この婚礼をこころよくは感じていない"
そんな感情をありありと受け取られる光景であった。
私のお父様と継母、それにアルバーニ国の王、それにその王妃は彼の態度もお構い無しに話を進める。
『まだお互いを知り合う必要もあるし、そうね……
ひと月後にこちらにロベリアが嫁入りするという方向で話を進めても良いわよね?』
継母が扇子をはためかせながらサラッとそんな事を言った。
すると!驚いたのはカグラ王子からの返答だ。
『えぇ、その方向で構いませんよ。』
『今までの侍女を共にアルバーニに連れて来る事を許可するわ。その方が色々とそちらもやりやすいでしょう?』
アルバーニ国の王妃が私に対する配慮からひとつの提案を発言した。
それに対してアルバーニ王も、
『おぉ!そうじゃ、それが良い。城には部屋もまだまだ余っとるしな。』
本人の感情とはまるで無視して、話はトントン拍子に先に進む。
私がカグラ王子をお見かけするのは実は全くの初めてでは無い。
かつて、お父様の元に遊びに来るアルバーニ国王と共に連れて来られていたのが、実はまだ幼いカグラ王子その人であった。
割と人見知りな私は遠巻きにアルバーニ王にじゃれつく彼を眺めていただけで直接カグラ王子に話しかけた事は無かった。
ただ一度、屈託の無い笑顔を私に向けてきた彼のその態度はきっと……ただの気まぐれだったに違いない。
…………でも不覚にも、幼ごころにそんな王子に少し惹かれていた私がいた。
その頃の私の体型は、今のようでは無かったし……
王子ももしかしたら、私に……とかも考えてもいた。
『………という訳だ。
この婚礼に双方異存は無いな?』
お父様からの質問だが、"むしろあっても私達は何も受け付けないぞ"と言いたげな空気が漂っているのをその場に感じた。
『異存はありませんわ、お父様。』
そう答えるより他は無かった。
『俺も異存はありません。』
さっきの無表情とはうってかわり、特上の微笑を浮かべて返答する王子に……
その見た事も無いその美しい微笑に私は少しだけときめいていた。
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