美しい薔薇には秘密がある

みのる

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ハルヴァ国王の決意

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隣国の第一王子の名はカグラ。
アルバーニ国をゆくゆくは背負う事となる。

我が娘の妹ロベリアももうすぐ十八となる。
そろそろ………と私は考えたのだった。

(姉セザンナにはこの城の跡取り息子を迎えて、ゆくゆくはこの国を治めて行ってもらわねばならぬ。
セザンナには立派なこの国を守るヤス公爵の存在が明らかとなっているが……
妹ロベリアは今も特定の相手を探している訳でもなく、しかも探そうとしている気配を感じられない。)

私はロベリアには隣国のカグラ王子の妻となり、共に隣国アルバーニを支えていってもらえればきっと可愛い娘ロベリアの将来も安泰だとそう判したのだった。


幸いアルバーニ国の現在の王であるダンとは昔からの幼なじみだ。

善は急げと昔から良く言われたものである。
私は早速、隣国アルバーニの王と連絡を取り快く了承を受けた。


俺はもうすぐ二十六となる少し前に、父上から個人的に呼び出しを受けた。

父上の部屋をノックする。

『父上!俺です、入りますよ?』

中から父上のくぐもった声が聞こえた。

『おぉ、カグラ!入るが良い。』

失礼します、と呟いて俺は葉巻の匂い漂う父上の書斎に入室した。

父上は眼鏡をかけ直し、椅子に深く座り直すと俺に応接間のソファーにかけるように指示した。
その指示に従うと、暫し沈黙が流れて父上は唐突にとんでもない事を何でも無いように言ってのけた。


『話というのも他でも無い。
お前の今後の人生についてだ。
隣国のハルヴァの王女ロベリアと、お前は婚礼を上げてもらう。
………お前ももう二十六になる。もうそろそろ身を固めて、ワシらを安心させてはくれないか?』

………俺にももちろん!「相手の選択の自由」と言うものがある。当然、特に俺は親しくもないロベリアとやらなど妻に迎える義理などはサラサラ無いと反抗をする。

『ですが父上、私にも「選択の自由」というものがあるハズなのですが。
いきなり私も良くは知らない隣国の娘を妻に迎えろなどと随分と身勝手な話ではないですか?』

すると父上あの野郎はことも無さげに更に言ってのけたのだ。

『あぁ、ロベリアはとても気立てのいい子だ。
お前は何にも!心配する事は無いぞ?』

まぁ、何だかんだ言っても父親の権力には俺は敵わない。

ただ隣国の王が父上の知り合いというだけで!
俺のまだ先の長い人生を添い遂げる相手が勝手に決定してしまったのであった。
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