秀と清美

みのる

文字の大きさ
上 下
87 / 94
おまけ

クリスマス草(番外編)

しおりを挟む
ー『クリスマス草』っていう、クリスマス(正確にはイヴ)にしか咲かない花が1輪だけあってね?見つけた者の願いを1つだけ何でも叶えてくれるんだー

私のかみをなでながら、アイツは言う。私は、上のまぶたと下のまぶたが仲良ししてたのでその話が頭に入らなかった。

『…きよみ、も1回挿れさせてね…!』

はげしい動きとともに、やってくるへんなかんじ。とともに私にはもうれつな眠気がおそい、そのまま夢の中におちていた。


チュン、チュン、チチチ……鳥のなき声に起こしてもらった。

『……………(まだ目が開かない)』

どぉにかこぉにか目を開けて、

「きょおも、アイツはいないのか…?」

ポソリつぶやく私。
(きょおも朝ごはんなし)起きたのは…たぶんおひるくらい‼←(根拠の無い自信)
ふくをきがえる。おひるのごはんを求めて台所にいく。

(……きょおはさんどいっち…(喜))
さんどいっちをもぐもぐしながら、つくえの上のかみに気がついた。よんでみる。

『…に…って…ます。…くなるけど、…ってて♡』

………………なんじゃそりゃ。まぁいいか。おいてあったかみをとくに気にすることもなく、さんどいっちを食べて皿もそのままにべっどにごろん。
そしてお腹いっぱいでねむくなる。←そのまま清美姫様、ご就寝。

そして目をさましたのは夕方だった。それでもアイツは帰ってこなかった。
まどから外を見てみると、

『ゆきだ‼(ぱあぁっ!)』

うれしくなり、外に出る。もちろん、かぎもしめて。

1人であそんでいると、よるもとっぷりくれたころ…うしろから私をだきしめるアイツ…

『清美ちゃん、遅くなってごめんね?…もぉ、寒いからお家にはいろう?』

手をつながれて、家にかえった。
(おまえ、今までどこにいっていた…?手が、氷のよぉに冷たい…‼)

『ごめんね?今日も…ラーメンなんだ…』

そぉ言って、頭をかくアイツ。

『いいぞ。私、らぁめんとやらすきだし。』

ひとみをかがやかせて『らぁめん』のとりこになる私。



『何処行ってたって?…置き手紙、置いてたじゃない…??』

きょとんとして、つくえにあった『かみ』をみせるアイツ。私はアイツによんでみせる。

『…に…って…ます。…くなるけど、…ってて♡』

アイツは『忘れてた⁉』とばかりになみだをながしながら私にほおずりしてきた。

『…やまにいってきます。おそくなるけど、まってて♡…って書いてたの…重ね重ねごめんね(涙)』

…アイツのあたまをよくみると、ゆきがつもっている。
そこにアイツが、とつぜん1つの花を差し出し、

「メリークリスマス♡清美…」

と、何やらはずかしげにささやいた。

『………???』

私は何のことだかよく分からなかった。
するとアイツが、

『この花が、何でも清美のお願いを叶えてくれるんだよ?』

ほほえみながら、いう。
(なんでも、ねがいが……?)


(…………………………………。)


『ない。』

私はそぉこたえた。

『何でも良いんだよ…?』

困るアイツ。

『ないものは、ない。』

そこで私はアイツにせなかをむけた。

『じ、じゃあ…俺が使っても良い…?』

うれしそぉなアイツ。

『かってにしろ。』

きょうみないようにいすにすわる。

(まてよ、なにかへんなことに使われはしないだろぉか…?)

「ちょっとまて…‼」

とアイツを止めようとしたそのとき、

『俺は…俺は、清美とずっとずっと一緒に居たい…』

目を真ん丸にする私。

『ね?』

ニッコリ笑いながら私をやさしく見つめるアイツ。
ー花は、役を終えたとばかりにはらりと散ったー


『…清美、寒いよ。あっためて…』



ー私にも『ねがい』はあった。…けれど、それは…
しんでも、だれにも言えないー


しおりを挟む

処理中です...