『サエキ家政夫紹介所』

みのる

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「元・ホスト咲良」再び…………

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『寒いのぉ!寒いのぉ!』

今日の僕の依頼者はまた!例の凸凹親子である。
唇のうっすい母親の方は些か自分の母親の介護疲れがその表情から伺える。

しかし!

真逆に唇のバカデっカい娘の方は…………(呆)

『♪♪♪~』

前もリビングのソファーの上に居たかもな…………
唇のうっすい母親のヘルプに回るワケでも無く!
己の愛用とすべくビグホを今日も手に取り何やら勤しんでいらっしゃる。


寒い寒い、というても………この家は無駄に広くて!しかもその広さに暖房器具が対応しきれていないようで………
しかも!この家の唇のうっすい母親は「妙なこだわり」を持っていて、なんでも室温と外気の温度差があまり生じたらイカン!!………という………


『ほら、そんなにお寒いのでしたらばこのブランケットを膝に掛けといたら如何ですか?』

僕は異様に寒がるココにおそらく前も存在していたばぁさんにニッコリ微笑み白いクマの模様のブランケットを差し出す。


『………………………………………………』

で!ばぁさんよ、暖かくなったのか?(素朴な疑問)


それよりもここの凸凹親子よ、以前の僕がこしらえたお節料理の味はどうだったのだ?
そこの感想を僕になんか述べるべきではないのか?(些か御立腹)


『………………………………………………』

おや、ばぁさんよ何処へ行くのだ?
なんかフラフラと無言で移動を開始し始めたばぁさんに僕は優しく問いかける。

『おばあさん、どちらへゆくのですか?』

『………………………………………………』

まぁ、その問いに答えは返らない。

『ひょっとして便所ですか?』

毎度の事と唇のうっすい母親は見抜いてばぁさんをトイレに御案内。


しかし唇のバカデカい娘の方はなんも手伝わないな………


僕は呆れた表情でバカデカい唇の娘を見下ろす。
それでも「己の成す事はまさに!コレなのよ!!」とばかりにビグホ弄りに余念のないその女子。


淑女レディのトイレTimeを男が手伝うのは、果たしてどうなのか?


そんな妙な男女の疑問に苛まれ、ついトイレのヘルプを実行出来なかった僕。




「「ホントにイィの!?」」

「「えぇ、今日はキミのバースデーだろう?」」

ちょっと高級なイタリアンレストランの店。
彼女は少し顔を赤らめながら、僕が差し出した包みのリボンを遠慮がちに解く。
そして彼女は大きく見開いた瞳で僕の方を見つめる。


『♪あぁかぁぃい~~~いちごぉにぃい~~~♪♪』

突如と耳に入って来たばぁさんの歌声にまた、ハッとさせられた僕。

………………………………………………………

えーと、、、本日の僕への「依頼」は確か…


「「このままじゃあ!どぉしても母親が気の毒なんで!!
どぉか!本日はばぁ様の介護を母親に代わってお願いします!!」」

と、あのバカデカい唇の娘からの依頼だったのだよな……

ならば!自分で母親を助けてやれよ?その方が母親も喜ぶぞ。


『『〇×△□◎☆※!!』』

!!!!!!!!!!!!?(ばぁさんを五度見な咲良)

親子(あぁ、またばぁ様の「いつもの」が始まった…………)

一体何と言葉を発しているのかは皆目理解不能であるが、突如!何か叫んでブツブツと呟き始めたばぁさん。

…………えーと、
僕達家政夫の仕事って『介護』も含まれるのだったかな?(謎)


ーこの日ー
結果僕はばぁさんの介護をヘルプする事は何一つ!出来なかった……………


『今日はどうもありがとうございました。
コレ、お約束の二時間分です。』

僕が事務所に帰還する時に、唇のバカデカい娘の方から差し出された茶封筒。
それを本日の僕には受け取る権利は毛頭ありはしない。

『いえ、結構です。
今日の僕は全く何も仕事出来ていないし……』

そう言い受取拒否する僕に不気味に(※本人はニコヤカに微笑んでいるつもりなのです)笑い、女子はその封筒を半強制的に握らせた。

『いいんです。
少しでも母親の気分を紛らわせる事が出来たならば。』

『…………ありがとうございます……』


僕は、この報酬を受け取る資格はあるのであろうか?
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