『サエキ家政夫紹介所』

みのる

文字の大きさ
14 / 24

「新人家政夫小成」編※

しおりを挟む
ーとある年の四月の初めの日曜日ー
『はっ…………はじめまして!
わ、わたくし小成こなり」と申す者です!
とっ…………得意分野は「家事全般」(主に掃除)でありますっ!!
どうかっ………何卒よろしくお願いいたしますっ!(ド緊張)』

サエキ家政夫紹介所にもまた、新たなる殿方が一人、戦力(?)にと加えられたようだ。
その時事務所に珍しく居合わせたコードネーム『スーパー家政夫秀』の脳内に………その自己紹介を耳にした瞬間その頭を過ぎったのは、

"俺にも遂に「強敵ライバルが!?」"


『よろしくお願いします、小成さん♪(二ーッコリー♡)』


緊張MAXの小成に対し超家政夫秀は表面上ではとてもにこやかに見受けられたが、裏には挑戦的な表情を隠し持っていたとかいないとか?
その素性は本人のみぞ知るところである。


『秀さぁん!新規の依頼でぇす!!』

『あ、はぁい!』

遂二分ほど前に依頼先より帰還してきた秀。さすがはサエキ家政夫紹介所ナンバーワンである。即座に次の依頼先が飛び込む。

『………というか、非常に!言いづらいんだけど………
正確には「小成さん」に依頼で、彼はまだ今入ったばかりの超!ピッチピチ♡でしょ?
事務所のシステム等などをいろいろと彼に教えてあげて欲しいんだ。』

"何?この俺が…………直々に新人家政夫養成だと?(ピクリ)"

…………と彼がこころに感じたのか否かは一切の謎であるが、その表面では実に穏やかに!秀は新人小成に微笑んでみせる。

『では小成さん、早速行きましょうか?(微笑)』

…………裏では何を考えているのか…………(恐怖!)

『良かった~♪(安堵)
じゃあ小成さんの初!依頼先でぇす☆』


さて、気になる新人家政夫小成の依頼先とは………?

『あ、小成さん!(慌)
エプロン(眩しい程に純白な割烹着)と帽子(さながら学校給食配膳用のソレに似通ったモノ)を装備するのは、訪問先に到着してからだよ?』

『ぇえ!?そ、そうなんですか???』

事務員笠井からまず「家政夫の基本」なる教えを説かれる。

………新人家政夫小成の意気込みの表れといったところだろうか?



『ココが今日の依頼者が住んでるところみたいだよ?』
 
静かな住宅街の中に佇むなかなか小綺麗な、だが割と小さめなコーポ。三家庭くらいが生活をしてるのだろうか?

『わっ………私!!
精一杯頑張りますぅ!(思わず上ずる小成の声)』

『頑張ってくださいね♪(超笑顔)
えと………依頼者の家には……何処から入ったらイィんだろう……?』

入口が何処なのかあまりにも謎すぎて悩む野郎二人の姿に気づき駆け寄ってくるひとつの人影。

『あ、やっぱり悩んでた(笑)こっちですよ?』

その人影に確認する超家政夫秀。

『あの………
もしかして、貴方が本日の依頼者の…………』

その人影は超家政夫秀もビックリな程の素晴らしすぎる笑顔を振りまき、言うのだ。

『ハイ!依頼者の「オカダ」です!!今日はよろしくお願いします!!(爽)』

オカダさんとやらは依頼者を目前にまた!ガチガチに緊張する新人小成にチラリ目をやると意味ありげにニヤリと微笑わらう。
………には全く!気づきもしない新人家政夫小成。


『あれ?今日は「おひとり」に依頼していたハズなのですが?』

『ああ、ソレなんですが………
ご依頼いただいたこちらの「小成」は今日家政夫を始めたばかりのピッチピチ♡の新人でして……
今日は俺も同伴させていただいたという訳です。』

本来!お目にかかれるだけでもありがたい(?)程に「サエキ家政夫紹介所」では超レアキャラに指定されている超家政夫秀を目前に、そのオカダとやらは衝撃の一言!

『そうなんですか、
でも!コチラが依頼したのはひとりだから、お支払いは「ひとりぶん」ですよ♡(爽)』

………まぁ、事務所の方でもそういう規則で報酬はふたりで折半という事となっている。

しかしこのオカダとやら、随分と金銭に細かいな…………(まぁ、当然だけども)


『あ、それから!
入口はこちらですよ♪』

オカダさんは建物の裏側にまわり、非常口さながらの入口から建物内に颯爽と入ってゆく。

『『え!?そんなところがら!!?(絶叫)』』

ふたりの家政夫の大きな声がそのコーポに静かに住まう人々を驚かせたという。



『…………ウチの妻は料理は得意なんですけども………………
まぁ、ご覧の通りでありまして…………
今日は朝から外出して貰いました……』

どうやら此処の嫁は、片付け・掃除を最苦手科目とする人物なのであろう。
あちらこちらに飛び散らかる衣服やタオル…etc、多種多様なモノ。

『かっ!かしこまりました!!
私の得意分野は実は「掃除」でありまして…………』

「まさに!僕が求めていた仕事はコレなのよ♡」とばかりに興奮し、丸腰の状態でタイマーもセットし忘れて依頼にかかろうとする小成を慌てて止めに入る超家政夫秀。

『待ってぇぇぇえええ!
装備してタイマーセットしてからにしてぇぇぇえええ!!?』


~掃除のみで約二時間程オカダさん宅で大奮闘なふたりの家政夫~


『どうも!今日はありがとうございました!!
あ、後五分三十秒程余ってるみたいですね♡
え~と、後五分三十秒程でお願い出来る依頼は………っと。』

一分足りとも余してなるものか!とばかりに依頼を探すオカダさんとやら。

…………………なんというか………チャッカリしているオカダさん……

『どうもありがとうございました!またのご指名をお待ちしております!!』


しかしこのオカダさんとやら、デビューしたての新人家政夫小成の情報を一体何処で収集してきたのか?(謎)


※別小説『移動販売の加地さん。』も御一緒にお楽しみくださいね☆

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...