移動販売の加地さん。

第5話 工事現場でお仕事な加地くん。

きゅいぃぃぃぃぃん‼‼‼どががががががががっっっっっ‼‼‼


少し高い位置から照りつける太陽の日差しが厳しくなって来たこの頃。
加地くんは何時ものようにスーパー業務用にて仕入れをして、(今日の弁当は天丼と日替り弁当である)とある地を訪れた。……もちろん！タラコ2号をズルズルと引きながら。
(弁当等日差しにやられそうなモノはキッチリと保冷されてあるのだ！)

そこは少し広めな建設現場である。
そう！加地くんの今日のターゲットは「ガテン系あんちゃん＆おっちゃん(時々おねえちゃん)」である。

現場の機械音が止まり、上の方からの号令が兄ちゃん達のこころ踊らせる。

『休憩だぁぁぁあああ‼‼』

………なんかの歌が始まりそうだな………（笑）


一斉にみんなが昼食の準備を始める。そこで！加地くんは立ち上がるのだ。
既にスタンバイは万全である。
大きく息を吸い込み腹に力を込める加地くん。

『いらっしゃいませ！いらっしゃいませ‼お弁当にお飲み物、お菓子やおにぎりを用意してますよぉ！如何ですかぁ⁉』

うん、加地くん。だいぶサマになって来たではないか？
(何故か偉そうな岡田)

『なんだ？弁当？』

『一体どんなんがあるんでぇ？』

既に真っ黒に日焼けしている男達が汗臭さを醸し出しながら加地くんのタラコ2号の周囲に集まる。
そして彼らは、とある弁当に目を着け……買い求め始める。

『おぉ！なんだ、あの”ガテン系の憧れ“日の丸“じゃねぇか⁉おれ、それひとつくれ！』

『なんだってぇ⁉俺にもひとつ‼』

なんと、まさかの日の丸フィーバーである！
そして無論！日の丸弁当はsold outである。(何故か岡田が自慢)

男達は日の丸弁当を手にし、少年のように瞳を輝かせながら喰らい始めた。(お茶は持参)

だが！とある1人の東南の方の国の外国人が気づいた。

「………デモ……ナニカタリナイ……」

そこで加地くんは閃き、彼に微笑みながら差し出した「あるモノ」……。

『オォ⁉コレハ……✨✨』

そう、加地くんはひとつだけではあるが「お惣菜」を仕入れていたのである！(因みに白和えである)
『I’ts  Japanese  delicious food!!』
そうして嬉々として彼は白和えを掻き込むのであった。

それを見ていた周りの男達もまた、タラコ2号に集う。

『なぁ！マイケルが食ってるヤツ……もう無いのか？』

『あたしはきんぴらが欲しいんだけどぉ！』

此処ではお惣菜にも人気に火がついたらしい。

加地くんは申し訳なさげに口にする。

『すみません！お惣菜はそれしか今日は持って来て無いんです。また明日たくさん仕入れて来ますから………(アワアワ)』
でも此処では通常の弁当は不評らしい（笑）


こうして、加地くんは更なる得意先「工事現場」を開拓した。