移動販売の加地さん。

第18話 汗を流した後に冷たいモノを！

『いらっしゃいませ～！一服がてらに冷たいモノは如何ですか？』

働く漁港の男達の視線が長距離移動用『長距離号』に注がれる。
喉越しの良いわらび餅、かき氷、飲み物を販売に訪れた加地くん。

そこに1人の仕事帰りの眼鏡男子がやってくる。

『わらび餅をひとつ下さい』

加地くん、にっこりと微笑み商品を差し出す。

『300円です♪』

眼鏡男子は代金を支払い、大事そうに持ち帰る。

しかし、どっかで見たような顔の眼鏡男子だったな……？(ナレーター岡田の不思議)


別の仕事帰りのおっちゃんが加地くんの営む長距離号に寄ってくる。

『かき氷って……何味があんだ？』

『イチゴ、宇治抹茶、ダブルベリー、青リンゴ、パイン、ブルーハワイ、ミカンがありますよ～？』

加地くんは爽やかに答える。
少し悩んだ結果、おっちゃんは注文する。

『じゃあ……パイン味くれよ！』

『お待ち下さい！』

加地くん、氷を削り始める。ひとつのアイス・マウンテンを作り上げると、タップリとパイン蜜を注ぐ。

『300円です♪』

おっちゃんは支払いを済ませ、商品を受取ると、

『ありがとさん♪♪』

鼻歌をうたいながら何処へと向かう。


市場帰りっぽい外国人(男)が加地くんの元へとやって来た。

『ノミモノハナニガアルンデスカ？』

覚えたての日本語であろうか？にこやかに訊ねてくる。
加地くんも笑顔で答える。

『スポドリ、オモピス、コー、(りんご、みかん、赤ぶどう)コーク、スプヘヴィー、オヤブン(缶コーヒー)ワシントン(缶コーヒー)がありますよ☆』

それを聞いた市場帰りのおっちゃんは即答。

『ワシントン、クダサイ！』

その時ナレーター岡田は思った。
今の外国人………米国人なのか？………と。
(あくまでもナレーター岡田の偏見である)