新☆何でも屋

小話 旧何でも屋店主、来訪。

店主中村が「新☆何でも屋」を開いたとほぼ同時期に……実は密かに“あの男”も新☆何でも屋に訪れるようになっていた。

『やぁ！「新☆何でも屋」若店主！今日も元気でやってるかい？』
店主中村は朝っぱらからやって来た“その声”の持ち主に呆れた顔をする。
『てか…………昨日も引越しの手伝いで会ったばかりじゃねーか！こんな朝早くから……なんか要るのか？』
“その主”は素知らぬ顔で店主中村に言う。
『まぁいいじゃないか。…ところで、新聞はあるかね？』

まぁ……誰かは言うまでもないだろう。その主は店主中村に渡された新聞に目を通し、暇そうな店主中村にちょっかいを出し……閉店ギリギリに帰って行った。
無論、何も買う事は無く。


元・店主は次の日もやって来た。そして、またその次の日も……。
そして、その次の日。

『おはようさーん！新店主！まいちゃん！元気にやってるかい？』
『にゃあーん♪』
『今日も来たぞ。』
元・店主は家族で新☆何でも屋を訪れたのだ。
奥さん2人はそれぞれの愛猫を抱いて奥に引っ込んで行き、お茶とお煎餅で座談会☆
たまととらは初めて会ったとは思えないほど仲良しである。

元・店主のたて続けの来訪に…見かねた中村は再び質問してしまう。
『なぁ……オッサン、なんで俺達に何でも屋を譲ったんだ？毎日通いつめる方が、めんどくさいんじゃねーのか？』
元・店主も何でもない事のように答える。
『面白そうだから。(キッパリ)』

まぁその後の店主中村の肩の落としようも言うまでもない。