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遂にこの日がやって来た(前編)~待ちに待った!seiitiヴァージョン~
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段々と暖かくなって来たある日の早朝、店主中村と舞は大いに揉めていた。
『だからそんな事したらダメだって言ってるでしょ?
この店を譲り受ける時に店主さんにあれ程念を押されたじゃないの!?』
『だけど大々的に宣伝でもしなきゃ客なんて来ないだろうがよ!?』
『とにかくダメったらダメです!!』
『今は俺が店主なんだ!!だから俺のやりたいようにやるんだ!!』
『勝手にしてちょうだい!!どうなっても私は知らないからね!?』
『へへ~ん、オッサンは大袈裟なんだよ絶対に大丈夫さ♪』
いつもなら舞に叱られたら直ぐに言う事を聞くのだが、今回の中村は何故かしぶとく強気だった。
根負けした舞が諦めると中村はすぐ様どこかへと電話をかけ始めた、 この後どうなるか知る訳もなく⋯⋯⋯⋯
『あっもしもし、何でも屋だがこれこれこういう風にしてこうして欲しいんだが出来るか?
そうかじゃあそれで頼むよ、それと出来上がった一部はこちらへ送ってくれ。』
ーーーー1週間後ーーーー
『暇だな~、仕方ないマイチューブでも見てるか·····』
ブロロロロ~キッ!!
『おっ、空き地に入ってきたな?珍しく客でも来たのかな?』
いつもの様に中村が暇そ~~にマイチューブを見ながら店番をしていると、隣の空き地へと車が入って来て停止した。
何やら空き地でバタンバタンと音がして来訪者が直ぐに店へとやって来た。
『こんちはー、シロイヌタケルです。
え~と、何でも屋さんに荷物が届いてますのでこちらに判子をお願いできますか?』
『ハンコが無いからサインでも良いか?』
『はい、大丈夫ですよ、ではここにサインをお願いします。』
『え~とここだな、ほらよ。』
『はい確かに、ありがとうございました!』
来訪者はシロイヌタケルの配達員でダンボールの箱を抱えて来た配達員は、受け取りの判子を貰うために伝票を差し出しサインを受け取ると、次の配達するお宅へ行く為に直ぐに出ていってしまった。
中村に愛想が無いのはいつもの事ではあるが、礼の一つも言えないのか⋯⋯⋯⋯
『漸く届いたぜ♡
待ってたぜチラシちゃん~、肝心な出来栄えはどうかな?
おっ♪上手く出来てるじゃねぇか♡』
届いた荷物は中村が印刷会社に注文していたチラシで何でも屋を宣伝する為の物であった。
翌日の朝刊の折り込みチラシに導入される予定で、チラシの一部を店に送ってもらったのは新聞を取っていない人にも伝わるように近所の電信柱等に貼り付ける為だ。
『じゃあ早速貼りに出かけるとするか。
お~いマイ、ちょっと出かけるから店番頼むよ!』
『はぁ~、しょうがないわね⋯⋯⋯⋯』
『じゃあ行ってくる!』
中村に店番を頼まれた舞だが気乗りはしてはいなかった。
そんな舞の事を知ってか知らずか、中村は昼過ぎ頃からチラシを貼りに出かけると夕方になるまで帰って来なかった。
ーーーー翌日ーーーー
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
『ふぁ~、家の近所がガヤガヤ煩いが一体何事だ!?
こんな朝っぱらから近所迷惑だろ~が!?ほんとにまったく!!』
『忘れたの?店主さんに止められてたのに貴方がわざわざチラシを出したから朝早くからお客さんが待ちかまえてるのよ?
早い人なんか夜が明ける前から並んでたわよ⋯⋯⋯⋯』
一夜明けた翌日の早朝から何でも屋の店先や隣りの空き地に所狭しと大勢の人達が詰めかけており、店が開くのを今か今かと待ち構えていた。
一方朝の早くから人々のざわめきで起こされた中村は不機嫌になっていたが、そもそもの原因は中村がチラシを出した事から起きた事だから自業自得である。
『えっ!?夜が明ける前から⋯⋯⋯⋯嘘だろ⋯⋯⋯⋯!?』
『嘘じゃないわよ、近所迷惑になるから早く朝ごはん食べて店を開けてちょうだい!』
『ちょっと待ってくれ、まだ8時にもなってないじゃ無いか!?店は9時からだし俺はまだ寝たいぞ!?』
「おーいまだか!!」
「いつになったら店を開けるんだ!?」
「早く店を開けろ!!」
「早くしろよな」
『ほら、早くしないとお客さん達が殺気立って来たわよ?』
『クソ、こんな事なら余計な事しなきゃ良かったぜ⋯⋯⋯⋯』
舞に店を早く開けるように言われるが、当然ながらまだまだ寝たい中村は難色を示すが店前に詰めかけていたお客達が殺気立ちはじめ、渋々ながら開店する為にご飯を食べはじめる中村。
朝早くから開店させたが客足が途絶えることは無く、昼食を取る暇も無く閉店時間を大幅に過ぎるまで捌ききることは出来なかった。
『クソッ!!もう20時じゃねぇかよ!?
うちの閉店は17時だぞ!?ほんとにまったく!!』
『ほんとにもうクタクタね~、ねえ貴方今日の夜ご飯だけど昼に食べ損ねた昼食がそのまんまだから、それで良いよね?
私疲れ過ぎてもう何もやりたくないの⋯⋯⋯⋯』
『クソッ、温かい飯も食えねぇのかよ!!』
『あら、ご飯は保温になってるから温かいままよ♡』
『そういう意味じゃねぇよ!!仕方ない夕飯にするか⋯⋯⋯⋯』
この日は流石の中村も、いつもはマイチューブを見ている21時には早々に布団に潜り込んでンガー、ンゴーと高鼾をかいてるのであった。
一方元店主宅では出かけて居た2人が夜帰宅し、夜ご飯を食べながら元店主が朝刊の広告を見ていた。
『あれだけ忠告したのに遂に広告を出してしまったね。
このまま無事に済めば良いけど。』
『ほんとに馬鹿だねぇあの子は⋯⋯⋯⋯』
当然ながら翌日以降も朝早くから客達が店に詰めかけ、遅い時は21時まで店を開くのであった。
そんな生活が続いていたある日の事遂に中村はキレた。
『いい加減にしやがれってんだ!!
毎日毎日朝早くから夜遅くまで働かせやがって!!あいつらは俺達を殺す気か!?明日は絶対に店を休むからな、ほんとにまったく!!』
『だから私は言ったでしょ?止めときなさいって。』
『だってしょうがねぇじゃないか、こんなになるなんて思っても居なかったんだから⋯⋯⋯⋯』
『それに明日もきっとお客さん達が詰めかけるわよ⋯⋯⋯⋯』
『1日ぐらい良いじゃねぇかよ、このままじゃ俺達倒れるぞ!?』
休む気満々だった中村だが、案の定翌日も朝早くから客達が詰めかけ、舞に店を開けるように言われ嫌々店を開ける日々を送っていたのだが、時折怪しげな電話がかかって来るようになっていた。
脅すような内容の電話や、英語だけには留まらずに様々な言語の電話、8の付く人からのここでは書けないような内容の電話等がかかって来ていた。
その様な怪しげな電話が暫く続いたある日の早朝、いつもの様に騒々しかったがドスの効いた叫び声が聞こえたかと思うと、騒々しかったのが嘘のように静まり返り玄関のガラス戸をガンガン叩く音とドスの聞いた叫び声が聞こえてきた。
『おい、一体何事だ!?
ありゃ完全に8の付く奴らだよな⋯⋯⋯⋯』
『アナタ私怖いわ⋯⋯⋯⋯』
『このままじゃ危ないかもしれないな、マイ急いで裏口から逃げるぞ!!
取り敢えず裏口から出たら隣りの空き地の草むらに身を潜めて、暗くなってかどこかへ逃げよう!!クソッオッサンはこの事を言ってたのか·····』
『だからそんな事したらダメだって言ってるでしょ?
この店を譲り受ける時に店主さんにあれ程念を押されたじゃないの!?』
『だけど大々的に宣伝でもしなきゃ客なんて来ないだろうがよ!?』
『とにかくダメったらダメです!!』
『今は俺が店主なんだ!!だから俺のやりたいようにやるんだ!!』
『勝手にしてちょうだい!!どうなっても私は知らないからね!?』
『へへ~ん、オッサンは大袈裟なんだよ絶対に大丈夫さ♪』
いつもなら舞に叱られたら直ぐに言う事を聞くのだが、今回の中村は何故かしぶとく強気だった。
根負けした舞が諦めると中村はすぐ様どこかへと電話をかけ始めた、 この後どうなるか知る訳もなく⋯⋯⋯⋯
『あっもしもし、何でも屋だがこれこれこういう風にしてこうして欲しいんだが出来るか?
そうかじゃあそれで頼むよ、それと出来上がった一部はこちらへ送ってくれ。』
ーーーー1週間後ーーーー
『暇だな~、仕方ないマイチューブでも見てるか·····』
ブロロロロ~キッ!!
『おっ、空き地に入ってきたな?珍しく客でも来たのかな?』
いつもの様に中村が暇そ~~にマイチューブを見ながら店番をしていると、隣の空き地へと車が入って来て停止した。
何やら空き地でバタンバタンと音がして来訪者が直ぐに店へとやって来た。
『こんちはー、シロイヌタケルです。
え~と、何でも屋さんに荷物が届いてますのでこちらに判子をお願いできますか?』
『ハンコが無いからサインでも良いか?』
『はい、大丈夫ですよ、ではここにサインをお願いします。』
『え~とここだな、ほらよ。』
『はい確かに、ありがとうございました!』
来訪者はシロイヌタケルの配達員でダンボールの箱を抱えて来た配達員は、受け取りの判子を貰うために伝票を差し出しサインを受け取ると、次の配達するお宅へ行く為に直ぐに出ていってしまった。
中村に愛想が無いのはいつもの事ではあるが、礼の一つも言えないのか⋯⋯⋯⋯
『漸く届いたぜ♡
待ってたぜチラシちゃん~、肝心な出来栄えはどうかな?
おっ♪上手く出来てるじゃねぇか♡』
届いた荷物は中村が印刷会社に注文していたチラシで何でも屋を宣伝する為の物であった。
翌日の朝刊の折り込みチラシに導入される予定で、チラシの一部を店に送ってもらったのは新聞を取っていない人にも伝わるように近所の電信柱等に貼り付ける為だ。
『じゃあ早速貼りに出かけるとするか。
お~いマイ、ちょっと出かけるから店番頼むよ!』
『はぁ~、しょうがないわね⋯⋯⋯⋯』
『じゃあ行ってくる!』
中村に店番を頼まれた舞だが気乗りはしてはいなかった。
そんな舞の事を知ってか知らずか、中村は昼過ぎ頃からチラシを貼りに出かけると夕方になるまで帰って来なかった。
ーーーー翌日ーーーー
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
『ふぁ~、家の近所がガヤガヤ煩いが一体何事だ!?
こんな朝っぱらから近所迷惑だろ~が!?ほんとにまったく!!』
『忘れたの?店主さんに止められてたのに貴方がわざわざチラシを出したから朝早くからお客さんが待ちかまえてるのよ?
早い人なんか夜が明ける前から並んでたわよ⋯⋯⋯⋯』
一夜明けた翌日の早朝から何でも屋の店先や隣りの空き地に所狭しと大勢の人達が詰めかけており、店が開くのを今か今かと待ち構えていた。
一方朝の早くから人々のざわめきで起こされた中村は不機嫌になっていたが、そもそもの原因は中村がチラシを出した事から起きた事だから自業自得である。
『えっ!?夜が明ける前から⋯⋯⋯⋯嘘だろ⋯⋯⋯⋯!?』
『嘘じゃないわよ、近所迷惑になるから早く朝ごはん食べて店を開けてちょうだい!』
『ちょっと待ってくれ、まだ8時にもなってないじゃ無いか!?店は9時からだし俺はまだ寝たいぞ!?』
「おーいまだか!!」
「いつになったら店を開けるんだ!?」
「早く店を開けろ!!」
「早くしろよな」
『ほら、早くしないとお客さん達が殺気立って来たわよ?』
『クソ、こんな事なら余計な事しなきゃ良かったぜ⋯⋯⋯⋯』
舞に店を早く開けるように言われるが、当然ながらまだまだ寝たい中村は難色を示すが店前に詰めかけていたお客達が殺気立ちはじめ、渋々ながら開店する為にご飯を食べはじめる中村。
朝早くから開店させたが客足が途絶えることは無く、昼食を取る暇も無く閉店時間を大幅に過ぎるまで捌ききることは出来なかった。
『クソッ!!もう20時じゃねぇかよ!?
うちの閉店は17時だぞ!?ほんとにまったく!!』
『ほんとにもうクタクタね~、ねえ貴方今日の夜ご飯だけど昼に食べ損ねた昼食がそのまんまだから、それで良いよね?
私疲れ過ぎてもう何もやりたくないの⋯⋯⋯⋯』
『クソッ、温かい飯も食えねぇのかよ!!』
『あら、ご飯は保温になってるから温かいままよ♡』
『そういう意味じゃねぇよ!!仕方ない夕飯にするか⋯⋯⋯⋯』
この日は流石の中村も、いつもはマイチューブを見ている21時には早々に布団に潜り込んでンガー、ンゴーと高鼾をかいてるのであった。
一方元店主宅では出かけて居た2人が夜帰宅し、夜ご飯を食べながら元店主が朝刊の広告を見ていた。
『あれだけ忠告したのに遂に広告を出してしまったね。
このまま無事に済めば良いけど。』
『ほんとに馬鹿だねぇあの子は⋯⋯⋯⋯』
当然ながら翌日以降も朝早くから客達が店に詰めかけ、遅い時は21時まで店を開くのであった。
そんな生活が続いていたある日の事遂に中村はキレた。
『いい加減にしやがれってんだ!!
毎日毎日朝早くから夜遅くまで働かせやがって!!あいつらは俺達を殺す気か!?明日は絶対に店を休むからな、ほんとにまったく!!』
『だから私は言ったでしょ?止めときなさいって。』
『だってしょうがねぇじゃないか、こんなになるなんて思っても居なかったんだから⋯⋯⋯⋯』
『それに明日もきっとお客さん達が詰めかけるわよ⋯⋯⋯⋯』
『1日ぐらい良いじゃねぇかよ、このままじゃ俺達倒れるぞ!?』
休む気満々だった中村だが、案の定翌日も朝早くから客達が詰めかけ、舞に店を開けるように言われ嫌々店を開ける日々を送っていたのだが、時折怪しげな電話がかかって来るようになっていた。
脅すような内容の電話や、英語だけには留まらずに様々な言語の電話、8の付く人からのここでは書けないような内容の電話等がかかって来ていた。
その様な怪しげな電話が暫く続いたある日の早朝、いつもの様に騒々しかったがドスの効いた叫び声が聞こえたかと思うと、騒々しかったのが嘘のように静まり返り玄関のガラス戸をガンガン叩く音とドスの聞いた叫び声が聞こえてきた。
『おい、一体何事だ!?
ありゃ完全に8の付く奴らだよな⋯⋯⋯⋯』
『アナタ私怖いわ⋯⋯⋯⋯』
『このままじゃ危ないかもしれないな、マイ急いで裏口から逃げるぞ!!
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