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みのる

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オマケ話「一軒家の増築」

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   中村夫婦が避難してきた翌朝、中村がいつもの様に気持ち良~く寝ていると、外からバタンバタン音が響いて来る。

『う、う~ん、ふぁ~~、むにゃむにゃむにゃむにゃ
何だよ朝っぱらからバタンバタンうるせぇな⋯⋯⋯⋯ってここはどこだ!?
おい、マイ⋯⋯⋯⋯あれ?マイ?便所か?』

    辺りが煩くて目を覚ました中村は、元店主宅で寝た事をスッカリと忘れており、辺りを見渡しながら横に寝ている筈のマイに声をかけるが、横で寝てる筈のマイが何故か居なかった。

『お~いマイ⋯⋯ってどこに行ってたんだ?』

『どこって奥様が朝食の支度をしてるのを手伝って来たのよ?』

『んぁ?ここはオッサンとこか·····で、なんで俺らはここに泊まったんだ?』


『アナタ何言ってるのよ寝ぼけているの?
昨日の夜遅くに店主さん宅に避難してきたじゃない!?』

 中村が大声で舞を呼ぶのと同時に襖が開き舞が部屋へと入ってきた。
    どこに行ってたのか気になった中村はそう問いかけ、舞が奥さんの手伝いをしていた事がわかった中村は1つの疑問が浮かんだ。
    昨夜、元店主宅に舞と2人で避難してきていた事をスッカリ忘れてしまっていた中村は、思った疑問を率直に舞にぶつけた。
 舞はと言うと半分呆れ顔で昨夜の事を中村に伝えた。

『お、おぉ~、そう言やそうだったぜ!』

本当にもう·····

『いつまでもオッサン達に迷惑をかける訳にも行かないし、今夜にでも出ていかないとな·····』

『その事なんだけど·····』

『ん?どうかしたのか?』

『それがね店主さんが私達がここに住めるようにって家を増築してくれてるのよ·····』

『えっ?それで朝からバタンバタンと煩かったのか·····オッサン達にはいつも迷惑かけっぱなしだな。』

『本当よね店主さん達が居なかったら私達は一体どうなってたのかしらね·····』

『···············』

『···············』

『あっ!!そうだった!!』

『うぉ!!ビックリした急にどうしたんだ!?』

    昨夜の事を思い出した中村は、いつまでも迷惑をかけれないからと今日にでも元店主宅から出て行くつもりだったが、どうやら元店主が中村夫妻がこのまま住める様にと朝早くから家の増築をしてくれている様だった。
    元店主の気遣いに2人がしんみりしていると、急に舞が大声を上げ中村が驚いて反射的に布団から飛び起きた。
    って中村よ、お前はまだ布団で横になったままだったのかよ·····

『朝食の用意が出来たから呼びに来たのだったわ、私は配膳の手伝いをするからアナタは店主さんを呼んで来てちょうだいね♪』

『おっ、朝飯か!?ちょうど腹が減ってきてたんだ♡
よし、ちょっくらオッサンを呼びに行くとするか♪』

    マイは朝食の準備が出来た事と家の外に居る元店主を呼んできて欲しい事を中村に伝え再び台所の方へと行ってしまった。
    中村はブツブツと独り言を言いながら店主を呼びに家の外へと向かう。

『ようオッサン、俺らの為に家の増築をしてくれてるんだってな?』

『ん?青年かおはようさん、どうだい2人で住むのに狭くは無いかね?』

    中村が作業をしている元店主に声をかけると元店主が振り向き中村に増築部分の広さを問いかけてきた。

『いやいやいや、ここに住まわせて貰えるだけでもじゅうぶんありがてぇよ(滝汗)』

『そうかね、じゃあこのまま進めるとするよ。』

『·····オッサン、色々と迷惑かけて悪いなオマケにオッサンから譲り受けた店まで潰しちまった俺達に住む所まで用意してくれて·····』

『なぁに!これくらい良いって事よ、それにウチのも嬢ちゃんと一緒に居れて嬉しそうだしね。』

    元店主は作業を再開させながら中村と気さくに話しを続けていたが、ここで中村は言ってはイケナイ一言を言い放ってしまった。

『しかしオッサン、俺らより遅くに寝たのによくこんな朝っぱらから起きれるな!?
この進み具合だとかなり朝早くからやり始めたんじゃないのか?』

    すると、今まで気さくに話しをしながら作業をしていた元店主が、身体をピクっと震わせたかと思うとそのまま固まってしまい、まるでギギギギギと音を立てるように顔だけを中村の方へと向けた。

『うぉ!!一体どうしたんだオッサン!?』

『誰かさんの鼾が煩くて私達は一睡も出来なかったんだがね!?』

    中村がなぜ驚いたのかと言うと、振り向いた元店主の顔は恨めしそうに中村を見つめ、額の血管をピクピクとさせていたからだ。
    そしてよく見ると元店主は目の下にクマをこしらえていた。

『そ、そいつは悪かった、この通りだ許してくれオッサン!!
そ、そうだオッサン!朝飯の用意が出来たんだってさ(激滝汗)』

『フッ、もう良いよお前さん達も昨日は大変だったからね、さてと朝飯を食べに行こうじゃないか。』

    中村が顔の前で両手を合わせ大慌てで取り繕うとしたら、元店主は吹き出しいつもの様なにこやかな顔に戻っていた。
    中村達が家に入り元店主に続いて中村が居間へと入ると、顔は笑ってるがその目は笑っていない額の血管をピクピクさせてる奥さんが居た。
    その奥さんの顔を見た中村はと言うと

『奥さんすまねぇ!この通りだ、俺の鼾が煩くて寝れなかったみたいだな(焦)』

『ほんとにねぇ!!舞ちゃんがあんなうるさい中よく横で寝てられるねって感心したもんさね!(憤怒)』

『アハハハ·····、私は慣れてますので·····』

    奥さんに直ぐに謝った中村だったが、奥さんは元店主の様に簡単には許してくれずシッカリと嫌味を言われてしまい、舞も思わず苦笑いをする。

『まぁこのくらいにしてご飯を食べようじゃないの!』

『そうだね食べよう、さあお前さんらも座った座った!』

『じゃあ遠慮なく、って俺の好物のハムエッグと味噌汁じゃねぇか!?
オマケに生卵と味付け海苔も付いてるぜ!!』

『アナタ·····、恥ずかしいから少し落ち着いて·····』

『アッハッハッハッハ、青年らしくて良いじゃないかね。』

    一悶着が有りつつも朝食を食べる事になり、オカズを見た中村は歓喜の雄叫びを上げた。
    中村よお前は何でもかんでも好物だと言ってるな·····

今日もまた平和な一日がはじまるのであった、まる
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