神々に育てられた人の子は最強です

Solar

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クラスメイトは

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「愛菜さん、愛菜さん。起きて下さい」

 私は誰かに肩を揺らされ目が覚めた。眠たい目を擦り、体を伸ばす。そして横を見てみると私を起こしに来た人がいた。

「おはようございます、愛菜さん」
「おはようございます、ペトラさん」

 その人の名はペトラさん。苗字は知らない。私のお世話をしてくれているメイドさんだ。
 起こされた私はクローゼットから服を取りそれに着替え部屋を出た。朝ご飯だ。
 私が食堂へ歩いていると、そこに偶然雫ちゃんがいた。

「雫ちゃーん」

 私は手を振った。

 それに気づいた雫ちゃんはこっちを向い雫ちゃんと合流し食堂へ向かった。
 クラスメイトのみんなも友達とお話しながらご飯を食べようとすると中央に騎士団長のクラウスさんが現れた。

「勇者のみんな。聞いてほしい」

 クラウスさんの声を聞きクラスメイトたちは目を向けた。

「昨日のダンジョンで一人の仲間が死んだ」

 さっきまで喋っていたクラスメイトは静かになっていた。花蓮先生の方を見ると手をぎゅっと強く握りしめている。悔しかったのだろう。

「だが、その死んだ仲間のためにも強くならなければならない!必ず生きて魔王を討伐するのだ!」

 そう、神夜くんのことはダンジョンで言われた通りベヒモスに殺されたと報告してそうなったのだ。
 クラウスさんの言葉でクラスメイトみんなは少し元気を取り戻したみたいでご飯また食べはじめる。

 私は隣にいる雫ちゃんに話しかけた。

「雫ちゃん」
「どうしたの?愛菜」
「部屋で神夜くんに貰ったペンダントを鑑定してみたんだ」
「それで?」
「ペンダントの名前は『邪悪を祓いしペンダント』。効果は付けている者に近ずいている邪悪なものを全て祓うだった」
「つ、つまりそれは」
「ええ、神夜くんが言っていた通り『見守っている』」

 その言葉を聞き雫ちゃんは驚いた表情を見せたがすぐに嬉しそうな顔でペンダントを撫でた。

「いつもいつも、彼は心配性ね」
「ほんとうよ」
「でも」「だけども」
「「そんな所も大好き」」

 私と雫ちゃんはお互いの顔を赤らめながら見あって笑った。

「だからね」
「うん」
「大好きな神夜くんに会うために必ず強くなろう」
「そうだね!愛菜」

 私と雫ちゃんは生き残り神夜くんに会うため強くなる事を決意した。

 そして私は雫ちゃんと一緒にご飯を食べ始めた。

「姫宮さん、星乃さん。僕達も一緒に食べてもいいですか?」

 話しかけて来たのは勇者の秋山光輝くんとその友達の田中龍也くんだった。

「いいよ、ね、雫ちゃん」
「ええ」
「ありがとうございます」

 秋山くんは隣の田中くんを見て頷き私たちの前の席に座った。

「それにしても残念ですね、黒瀬くんは姫宮さんと星乃さんが仲良くしていたのに」
「そうだね、神夜くんは昔からの幼馴染だから悲しいな」

 私は話に出された神夜くんの事を生きていると知っていながらも秘密にする為悲しみの表情を見せた。横を見ると雫ちゃんも同じことをしている。

「でも、もうこんなことはさせません!俺達が必ず姫宮さんと星乃さんを守ります!」

 秋山くんは拳を握り締めそう言い放った。その横にいる田中くんも同じことをしている。

「ありがとう」
「ありがとうございます」

 私は雫ちゃんと微笑みながらそう返事をし、ご飯を食べ終わり訓練場へ向かった。
 私は魔法の練習で雫ちゃんは剣の練習をし、クラスメイトの人達も自分に合った様々な練習を行っていた。
 そして太陽が沈み、私たちは訓練を終え晩御飯を食べたあと部屋に戻った。

(神夜くん、必ず生きて会いに行くよ)

 私はそう思いベットの中で寝た。

◇◆◇◆◇◆◇◆

 勇者たちが眠っている夜、王の椅子の下の隠し部屋ではクラウス騎士団長とグレス・ローゼス皇帝がいた。

「で、死んだ勇者の仲間は?」
「名前は黒瀬神夜、やること全て中の下の奴です」
「なんだその程度の奴か。なら放っておけ」
「了解しました」
「勇者の仲間なんぞ、一人や二人死んでも構わん。その程度の奴ならな。フハハハハ」
「ハハハハハ」

 二人の笑い声は小さな隠し部屋の中で木霊した。

◇◆◇◆◇◆◇◆

 深夜、皇帝とクラウスが話している中、勇者である秋山光輝の部屋に一人の男が秋山と喋っていた。
 それは秋山と仲がいい友達の田中龍也だった。

「おい光輝」
「なんだ龍也」
「お前はチャンスだと思わねぇのか?」
「なんのだよ」
「姫宮さんと星乃さんのことだよ」
「そんなの当然だろ?」
「だよなぁ」

 二人はニヤリと黒い笑を浮かべた。

 実は秋山は雫のことを、田中は愛菜のことが好きだったのだ。
 それもそうだろう、学校では愛菜と雫は二大女神と言われるほど綺麗で可愛いからだ。
 秋山は周りにはいい顔を見せているがそれはただ雫を自分の女にする為の行動だったのだ。
 自分は顔が、頭が良い、運動も出来る。そんな自分だったら雫ぐらい容易く手に入るだろうと思っていた。だが雫は自分ではなくいつも一人でただ本を読んでいる黒瀬とかいう陰キャで、自分にとってはモブでしかない男と一緒にいた。
 それがすごく腹が立つと苛立ちを感じていた。
 そんな中、異世界召喚という非現実的なら事が起き自分は勇者だった。これで雫は自分のものになるだろうと思ったがまだならない。
 そして訓練を積み強くなりダンジョンに向かった。魔物を殺し一番前線で戦い活躍していた。そこでベヒモスが現れ、あの邪魔だった黒瀬が死んだのだ。
 この状況は秋山にとって好ましかった。田中も同じなのだろう。
 そして秋山の部屋の中、秋山は田中とこの状況を利用し秋山は雫を、田中は愛菜を自分のものにしようとしているのだ。
 この夜、皇帝と騎士団長の笑い声と共にもう一つの不気味な笑い声が存在したのだ。
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