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そこのモンスター社員、今すぐ退職届を書きなさい!
第4話 痴漢④
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それにしても埃っぽいな。お掃除でもしようかしら。
テーブル下にあった干からびた雑巾を見つけ外へ出ようとした瞬間、重い扉が開き男性と鉢合わせしてしまった。
「ん? 誰だお前、そこを退け」
無精髭を生やしボサボサ頭の見るからに不潔そうな男性。しかもGパンだ。部外者が間違って入室したのでしょうか?
「あ、伊集院係長。新入社員の綾坂さんです。引率して来ました」
ーーはい?
「ふん。お前が新しい目付け役か」
え、この御方が!? およそ大企業の社員とは思えない風貌だけど? それに私のミッションをご存知で?
「あの、初めまして。綾坂花と申します。何卒宜しくお願い申し上げます」
慌てて挨拶したけど、彼は冷ややかな目線を向けながらカバンから一枚の書類を取り出した。
「嫌になったらいつでも辞めていいぞ」
「これは……?」
「退職届だが?」
「いっ、要りません。私には不必要です!」
「いいから、とっとけ」
と、強引に書類を押し付けられた。しかもささやかな胸元にだ。
何と破廉恥で態度失敬な上司なのでしょう。いきなり退職届を渡してくるなんて信じられませんわ。いいですか、私は絶対に辞めません。辞めませんとも!
「あのぉ、僕はこの辺で失礼しますね。綾坂さん、ITで分からないことがあったらいつでも連絡して。じゃあ」
「あ、あぁ……東薔薇さん。ありがとうございました」
えー、もう行っちゃうのですかー? このカビ臭い空間で傍若無人な上司と二人っきりだなんて辛すぎますよぉー。
そんな心の叫びも虚しく彼は退出されました。
「さてと」
不意に係長が至近距離で私を眺め始めた。上から下まで隅々舐め回す様に眺めておられる。クンクンと匂いまで嗅がれてしまった。
「あの……大変近いですが。係長、それってセクハラですよ?」
テーブル下にあった干からびた雑巾を見つけ外へ出ようとした瞬間、重い扉が開き男性と鉢合わせしてしまった。
「ん? 誰だお前、そこを退け」
無精髭を生やしボサボサ頭の見るからに不潔そうな男性。しかもGパンだ。部外者が間違って入室したのでしょうか?
「あ、伊集院係長。新入社員の綾坂さんです。引率して来ました」
ーーはい?
「ふん。お前が新しい目付け役か」
え、この御方が!? およそ大企業の社員とは思えない風貌だけど? それに私のミッションをご存知で?
「あの、初めまして。綾坂花と申します。何卒宜しくお願い申し上げます」
慌てて挨拶したけど、彼は冷ややかな目線を向けながらカバンから一枚の書類を取り出した。
「嫌になったらいつでも辞めていいぞ」
「これは……?」
「退職届だが?」
「いっ、要りません。私には不必要です!」
「いいから、とっとけ」
と、強引に書類を押し付けられた。しかもささやかな胸元にだ。
何と破廉恥で態度失敬な上司なのでしょう。いきなり退職届を渡してくるなんて信じられませんわ。いいですか、私は絶対に辞めません。辞めませんとも!
「あのぉ、僕はこの辺で失礼しますね。綾坂さん、ITで分からないことがあったらいつでも連絡して。じゃあ」
「あ、あぁ……東薔薇さん。ありがとうございました」
えー、もう行っちゃうのですかー? このカビ臭い空間で傍若無人な上司と二人っきりだなんて辛すぎますよぉー。
そんな心の叫びも虚しく彼は退出されました。
「さてと」
不意に係長が至近距離で私を眺め始めた。上から下まで隅々舐め回す様に眺めておられる。クンクンと匂いまで嗅がれてしまった。
「あの……大変近いですが。係長、それってセクハラですよ?」
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