21 / 23
ライクス王国編
Episode21
しおりを挟む
「やるじゃない、フロリアン」
「モニカ……私、初めて人を殴りました」
「どうだった?」
「思ったより爽快な気分でございます」
「うふふ、癖になりそうでしょ?」
「……はい、スッキリしました」
「では、残りの公妾らをとっちめてやりますか。手筈は整えておいたから、行きましょう」
「えーと、どちらへ?」
「面白いところよ」
リュメルとスカーゲンはあれから逃げるように出国致しました。詳細を聞かされていないへクセらは、訳が分からないまま騎士団に取り押さえられ、地下牢へ監禁されていたのです。
私たちは騎士を引き連れ、薄暗くて小汚い地下牢へ参りました。すると牢番に文句を言ってる声が聞こえてきます。
「ちょっと、どう言う事なのよ!私はカアラプシャン国外交主宰の秘書よ!訳もなく牢屋にぶち込んでタダで済むと思ってるの!?早くココから出して頂戴!ねえ貴方、聞こえてるんでしょ!」
牢番は何も言わず背を向けています。やがて私たちに気づいて一礼しました。
一方、へクセは話が出来る高官が来たと思ったのか、怒りと期待を込めた表情で何やら叫んでいます。ところが……
「お静かに!」
──ピシャン!ピシャン!
モニカはいつの間にか棒状の柄に革紐を取り付けた、いわゆるムチを持っていました。それを何度も床に叩き打つのです。
「ひっ……」
牢屋にいるへクセとモッペルは驚いています。正直に申せば私も少々引いております……
「お前ら状況が分かってないようだから、簡単に説明しますわ。……我が国はリュメル閣下にある任務を命令した。その成果が確認されるまでお前らを人質として捕らえている。以上!」
「ひ、人質ですって!?な、何の任務なのよ?いつまでかかるの!?」
「お前らが知る必要はない」
「じゃあ、それが終わるまで、こんな薄暗くて汚いところで待ってろって言うの!?冗談じゃないわ!」
「──屋根裏も最初は汚かった。薄暗くて埃っぽくて絶望的な気分だったわ」
「……えっ!?」
モニカの後ろに立っていた私は、そろそろ出番かと思って前へ出て参りました。決着をつける時です。
「お久しぶりです。へクセにモッペル……」
「お、お前は誰……!?」
「あら、私をお忘れになって?」
「ん?……あっ、あーーーーっ!お、お前はフロリアン!」
「な、何でお前がここに居るんだ!?」
私は彼女らの問いには答えず、牢番に声をかけました。
「牢番さん、鍵を開けて貰えないですか?」
「えっ?よ、宜しいのですか?」
「騎士もいますから大丈夫ですわ」
私の指示に従って牢番が鍵を開けると、へクセとモッペルが牢屋から飛び出して来ました。どうやら釈放されたと勘違いしてるようです。
「フロリアン!助かったわ!」
「……助けてなんていません」
「えっ?どういう事!?」
「牢屋にいたら殴れないでしょ?」
「はい!?」
──パシーン!パシーン!
私はいきなりへクセに平手打ち致しました。それも二発。へクセは一体何が起こったのか分からず唖然としています。
さて、とことんお仕置きさせて頂きますわ!
「モニカ……私、初めて人を殴りました」
「どうだった?」
「思ったより爽快な気分でございます」
「うふふ、癖になりそうでしょ?」
「……はい、スッキリしました」
「では、残りの公妾らをとっちめてやりますか。手筈は整えておいたから、行きましょう」
「えーと、どちらへ?」
「面白いところよ」
リュメルとスカーゲンはあれから逃げるように出国致しました。詳細を聞かされていないへクセらは、訳が分からないまま騎士団に取り押さえられ、地下牢へ監禁されていたのです。
私たちは騎士を引き連れ、薄暗くて小汚い地下牢へ参りました。すると牢番に文句を言ってる声が聞こえてきます。
「ちょっと、どう言う事なのよ!私はカアラプシャン国外交主宰の秘書よ!訳もなく牢屋にぶち込んでタダで済むと思ってるの!?早くココから出して頂戴!ねえ貴方、聞こえてるんでしょ!」
牢番は何も言わず背を向けています。やがて私たちに気づいて一礼しました。
一方、へクセは話が出来る高官が来たと思ったのか、怒りと期待を込めた表情で何やら叫んでいます。ところが……
「お静かに!」
──ピシャン!ピシャン!
モニカはいつの間にか棒状の柄に革紐を取り付けた、いわゆるムチを持っていました。それを何度も床に叩き打つのです。
「ひっ……」
牢屋にいるへクセとモッペルは驚いています。正直に申せば私も少々引いております……
「お前ら状況が分かってないようだから、簡単に説明しますわ。……我が国はリュメル閣下にある任務を命令した。その成果が確認されるまでお前らを人質として捕らえている。以上!」
「ひ、人質ですって!?な、何の任務なのよ?いつまでかかるの!?」
「お前らが知る必要はない」
「じゃあ、それが終わるまで、こんな薄暗くて汚いところで待ってろって言うの!?冗談じゃないわ!」
「──屋根裏も最初は汚かった。薄暗くて埃っぽくて絶望的な気分だったわ」
「……えっ!?」
モニカの後ろに立っていた私は、そろそろ出番かと思って前へ出て参りました。決着をつける時です。
「お久しぶりです。へクセにモッペル……」
「お、お前は誰……!?」
「あら、私をお忘れになって?」
「ん?……あっ、あーーーーっ!お、お前はフロリアン!」
「な、何でお前がここに居るんだ!?」
私は彼女らの問いには答えず、牢番に声をかけました。
「牢番さん、鍵を開けて貰えないですか?」
「えっ?よ、宜しいのですか?」
「騎士もいますから大丈夫ですわ」
私の指示に従って牢番が鍵を開けると、へクセとモッペルが牢屋から飛び出して来ました。どうやら釈放されたと勘違いしてるようです。
「フロリアン!助かったわ!」
「……助けてなんていません」
「えっ?どういう事!?」
「牢屋にいたら殴れないでしょ?」
「はい!?」
──パシーン!パシーン!
私はいきなりへクセに平手打ち致しました。それも二発。へクセは一体何が起こったのか分からず唖然としています。
さて、とことんお仕置きさせて頂きますわ!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
156
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる