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第四部
29. 側妃の巻①
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「さあーて、今回はご懐妊された側妃、ポピー様がエリオット皇太子様とご覧になってまーす!」
華やかな宮廷行列が行われているが、私は妊婦さんという事で特別室にてエリオット様と観覧している。ウォーキング出来ないのは気が楽になったと言うか残念だったと言うか複雑な心境ですね。
不意にアナウンサーが私を呼んだので、宮廷中の観客が私の方を見ながら拍手してきた。思わず両手を振って行進出来なかった代わりの挨拶をする。
「あー、本来ならあそこで歩いてるのになー」
「行進したかったのかい、ポピー?」
「いえ、たぶん緊張しておっさん歩きになるから参加しなくて良かったです」
「見たかったな、おっさん歩き。ははは」
「い、嫌ですわ、そんな姿見られるのは!」
そう言えば、我が姉も今回の宮廷行列が最後ですね。意中の殿方を捕まえたようだから、はつらつと行進してるなー。良かった、良かった。
「ポピー、前に君が言ってた後宮の改革って話だけど、ジョーと相談して進めてくれないか?」
「エリオット様、よろしいのですか?」
「ああ、後宮婦人の削減プランを君に任せる」
「かしこまりました。お任せください!」
よし、よし!この馬鹿げた後宮制度をぶっ壊してやりますよ!皇太子様の性欲なんて、御正室と側妃3人で十分でしょう。いえ、私だけで十分ですわ!
***
「ポピー、宮廷の経費を抑えよと皇帝からのお達しでな、後宮婦人を削減することにエリオット様も同意してお前に相談しろと指示されたんだが……」
狩猟場にある殿下の別荘で私は麗しのジョーと密談していた。ここなら誰にも見られないし、自然に囲まれて気分が晴れるので、丁度いい場所だと思って選んだのです。
「ところでお前、お腹が出てきたな。ここまで歩くのはしんどいだろう?」
「もう安定期に入ったので大丈夫ですわ」
あれから3ヶ月が経った。今では我が姉が侍女を務めている。住まいもお手つき部屋から昇格して後宮でも一番豪華な部屋を頂いており、何不自由なく過ごしているところです。
「ジョー、私の考えはね、先ずは新規の婦人は募集しない事。次に60人の無派閥組を1年以内に宮廷貴族と婚約させるか、退宮してもらうよう取り計らう事。どお?」
「……なるほど。で、派閥組はどうする?」
「お手つき候補は22歳の定年までに同じ様な対応する。つまり少し猶予を与えるの。ついでに言うとお手つきさんも30歳までにね」
「それだと残るのは側妃のみって事になるが」
「そうよ。まあ、本音はグレース様もライラ様も貰い手を探して欲しいけどねー」
「おいおい、後宮はお前だけって事が理想なのか?」
「そうよ。宮廷には御正室が居るし十分です!」
「いや、それじゃ……」
「なによ!エリオット様が我慢出来ないとでも言いたいのかしら⁉︎」
「う、うん……まあ」
「経費削減です!女官もシェフも侍女も最低限の人数で後宮は運営するのです。彼には我慢して貰います。いえ、私が我慢させないから大丈夫です!」
「い、いや~。それは極論だなあ……」
「何よ、腹立つ!じゃあ側妃は3人でいいわよ。御正室合わせて4人も居るのよ?超超超超十分でしょう⁉︎」
「う、うん。まあ、先ずは新規募集は無しと60人の削減を進めよう。それは大いに賛成だ。あ、それには社交パーティーか何か企画しないとなー」
何か気に食わないけど一歩前進だからここは一旦良しとするか……。
お父様、殿下のお子を授かった私は今や100人居る婦人の筆頭となりました。華麗なる宮廷婦人の皇太子争奪戦を私が制したのです。そしてライバルである100人を経費節減という名の元でどんどん減らして行きます!
華やかな宮廷行列が行われているが、私は妊婦さんという事で特別室にてエリオット様と観覧している。ウォーキング出来ないのは気が楽になったと言うか残念だったと言うか複雑な心境ですね。
不意にアナウンサーが私を呼んだので、宮廷中の観客が私の方を見ながら拍手してきた。思わず両手を振って行進出来なかった代わりの挨拶をする。
「あー、本来ならあそこで歩いてるのになー」
「行進したかったのかい、ポピー?」
「いえ、たぶん緊張しておっさん歩きになるから参加しなくて良かったです」
「見たかったな、おっさん歩き。ははは」
「い、嫌ですわ、そんな姿見られるのは!」
そう言えば、我が姉も今回の宮廷行列が最後ですね。意中の殿方を捕まえたようだから、はつらつと行進してるなー。良かった、良かった。
「ポピー、前に君が言ってた後宮の改革って話だけど、ジョーと相談して進めてくれないか?」
「エリオット様、よろしいのですか?」
「ああ、後宮婦人の削減プランを君に任せる」
「かしこまりました。お任せください!」
よし、よし!この馬鹿げた後宮制度をぶっ壊してやりますよ!皇太子様の性欲なんて、御正室と側妃3人で十分でしょう。いえ、私だけで十分ですわ!
***
「ポピー、宮廷の経費を抑えよと皇帝からのお達しでな、後宮婦人を削減することにエリオット様も同意してお前に相談しろと指示されたんだが……」
狩猟場にある殿下の別荘で私は麗しのジョーと密談していた。ここなら誰にも見られないし、自然に囲まれて気分が晴れるので、丁度いい場所だと思って選んだのです。
「ところでお前、お腹が出てきたな。ここまで歩くのはしんどいだろう?」
「もう安定期に入ったので大丈夫ですわ」
あれから3ヶ月が経った。今では我が姉が侍女を務めている。住まいもお手つき部屋から昇格して後宮でも一番豪華な部屋を頂いており、何不自由なく過ごしているところです。
「ジョー、私の考えはね、先ずは新規の婦人は募集しない事。次に60人の無派閥組を1年以内に宮廷貴族と婚約させるか、退宮してもらうよう取り計らう事。どお?」
「……なるほど。で、派閥組はどうする?」
「お手つき候補は22歳の定年までに同じ様な対応する。つまり少し猶予を与えるの。ついでに言うとお手つきさんも30歳までにね」
「それだと残るのは側妃のみって事になるが」
「そうよ。まあ、本音はグレース様もライラ様も貰い手を探して欲しいけどねー」
「おいおい、後宮はお前だけって事が理想なのか?」
「そうよ。宮廷には御正室が居るし十分です!」
「いや、それじゃ……」
「なによ!エリオット様が我慢出来ないとでも言いたいのかしら⁉︎」
「う、うん……まあ」
「経費削減です!女官もシェフも侍女も最低限の人数で後宮は運営するのです。彼には我慢して貰います。いえ、私が我慢させないから大丈夫です!」
「い、いや~。それは極論だなあ……」
「何よ、腹立つ!じゃあ側妃は3人でいいわよ。御正室合わせて4人も居るのよ?超超超超十分でしょう⁉︎」
「う、うん。まあ、先ずは新規募集は無しと60人の削減を進めよう。それは大いに賛成だ。あ、それには社交パーティーか何か企画しないとなー」
何か気に食わないけど一歩前進だからここは一旦良しとするか……。
お父様、殿下のお子を授かった私は今や100人居る婦人の筆頭となりました。華麗なる宮廷婦人の皇太子争奪戦を私が制したのです。そしてライバルである100人を経費節減という名の元でどんどん減らして行きます!
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