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54.証言
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※ビソン視点
ブリスの尾行として二人を残し、私は他の部下と街へ出掛けていた。目的は殿下の命である「アニエス嬢の無実」を調査するためだ。
その鍵となるターゲットが、よく出入りしてるサロンで待ち伏せしていたら、それらしき女性が現れた。伯爵令嬢のコーム、シリル、ディオンだ。「アニエス嬢に虐められた」と陛下の御前で証言した三人は噂通り随分と着飾り、ド派手な化粧だったので直ぐに分かった。
「ちょっと宜しいですか?」
いきなり四人の役人に囲まれた彼女らは、驚くと言うより怖がっている。
「な、何なの!?」
「怪しい者ではありません。王室の使いです」
「王室ですって?」
三人は金持ちの御令嬢らしく優雅な生活をしつつ、退屈しのぎに流行りのモデルをしていた。王室と聞いて何らかの美味しい話と勘違いした様だ。
「ビジネスの話です。同席しても?」
「はい。そういうお話なら、どうぞ、どうぞ!」
三人は恐怖心から期待感へ変わっている。
「ある事象を調査しています。協力してくだされば謝礼を出しますよ」
目の前のテーブルに金貨を並べた。
「す、凄い。…あ、でも調査って?」
「既に色々調べてましてね。貴族院の職員や当時の同級生など。まあ、最終確認ですよ」
雲行きが怪しいと感じた三人は、互いに顔を見合わせ戸惑っている。
「あ、あの、どう言った内容ですか?」
「二年前、陛下の御前で証言なさったでしょう?」
「はっ…!」
女性らの顔色がみるみるうちに青ざめていく。
「貴女方はアニエス・オードラン公爵令嬢に、虐められたと証言しましたが、実はカリーヌ嬢から頼まれたのではないですか?」
「い、いえ…それは…」
「ほぼ証拠は固まってます。正直にお答え頂ければ謝礼も出しますし、罰することもしません」
三人は完全に沈黙した。
表情から見て、もう黒と断定してよい。こんな素人など吐かせるのは楽勝だ。全てハッタリなのに見事に引っかかっている。先日殿下から指示されたばかりで調査などしてる訳がない。まあ、時間がないからトドメを刺そうか。
「ここだけの話ですが、カリーヌ嬢は王太子妃候補から外される様です。恐らく追放でしょう。なので、もう彼女に遠慮する必要はありませんよ」
「ええっ!?そ、それは本当ですか!とても信じられませんわ!」
「そうですわよ!そんな話、聞いたことがございません!」
「極秘ですからね。追放する理由は色々ありますが、要は王族に相応しくないのです」
相応しくない…そう聞いて、少なからず納得した彼女らは不安に苛まれる。
「…本当に、追放されるのですか?」
「ああ、間違いないでしょう。だから教えてくれませんか?決して悪い様にはしません。だって、貴女方も被害者なんだから」
「……」
暫く考え込んでいたが、やがて意を決したかの様に話を始めた。
「実は…」
ポツリポツリと話した内容はこうだ。元々、三人はアニエスと仲が良かったらしい。だが、カリーヌが密かに自分と王太子との関係を話し、アニエスを追放するのに協力すれば、将来の王太子妃として何でも願いを叶えてやると唆したのだ。カリーヌがアニエスに扮して虐めたことも、彼女らが虐められたことも全て演技だった。
そして実際、彼女らはカリーヌの斡旋でモデルをしている。つまり、恩恵を受けていたのだ。
「なるほど。よく分かった。では、来るべき時期に改めて証言して貰おう。さもないと…お前ら全員監獄行きだ!!」
「ひっ、ひぃぃ!」
凍りついた表情を浮かべる三人の目の前に並べている金貨を鷲掴みにして、私はその場を立ち去った。
ブリスの尾行として二人を残し、私は他の部下と街へ出掛けていた。目的は殿下の命である「アニエス嬢の無実」を調査するためだ。
その鍵となるターゲットが、よく出入りしてるサロンで待ち伏せしていたら、それらしき女性が現れた。伯爵令嬢のコーム、シリル、ディオンだ。「アニエス嬢に虐められた」と陛下の御前で証言した三人は噂通り随分と着飾り、ド派手な化粧だったので直ぐに分かった。
「ちょっと宜しいですか?」
いきなり四人の役人に囲まれた彼女らは、驚くと言うより怖がっている。
「な、何なの!?」
「怪しい者ではありません。王室の使いです」
「王室ですって?」
三人は金持ちの御令嬢らしく優雅な生活をしつつ、退屈しのぎに流行りのモデルをしていた。王室と聞いて何らかの美味しい話と勘違いした様だ。
「ビジネスの話です。同席しても?」
「はい。そういうお話なら、どうぞ、どうぞ!」
三人は恐怖心から期待感へ変わっている。
「ある事象を調査しています。協力してくだされば謝礼を出しますよ」
目の前のテーブルに金貨を並べた。
「す、凄い。…あ、でも調査って?」
「既に色々調べてましてね。貴族院の職員や当時の同級生など。まあ、最終確認ですよ」
雲行きが怪しいと感じた三人は、互いに顔を見合わせ戸惑っている。
「あ、あの、どう言った内容ですか?」
「二年前、陛下の御前で証言なさったでしょう?」
「はっ…!」
女性らの顔色がみるみるうちに青ざめていく。
「貴女方はアニエス・オードラン公爵令嬢に、虐められたと証言しましたが、実はカリーヌ嬢から頼まれたのではないですか?」
「い、いえ…それは…」
「ほぼ証拠は固まってます。正直にお答え頂ければ謝礼も出しますし、罰することもしません」
三人は完全に沈黙した。
表情から見て、もう黒と断定してよい。こんな素人など吐かせるのは楽勝だ。全てハッタリなのに見事に引っかかっている。先日殿下から指示されたばかりで調査などしてる訳がない。まあ、時間がないからトドメを刺そうか。
「ここだけの話ですが、カリーヌ嬢は王太子妃候補から外される様です。恐らく追放でしょう。なので、もう彼女に遠慮する必要はありませんよ」
「ええっ!?そ、それは本当ですか!とても信じられませんわ!」
「そうですわよ!そんな話、聞いたことがございません!」
「極秘ですからね。追放する理由は色々ありますが、要は王族に相応しくないのです」
相応しくない…そう聞いて、少なからず納得した彼女らは不安に苛まれる。
「…本当に、追放されるのですか?」
「ああ、間違いないでしょう。だから教えてくれませんか?決して悪い様にはしません。だって、貴女方も被害者なんだから」
「……」
暫く考え込んでいたが、やがて意を決したかの様に話を始めた。
「実は…」
ポツリポツリと話した内容はこうだ。元々、三人はアニエスと仲が良かったらしい。だが、カリーヌが密かに自分と王太子との関係を話し、アニエスを追放するのに協力すれば、将来の王太子妃として何でも願いを叶えてやると唆したのだ。カリーヌがアニエスに扮して虐めたことも、彼女らが虐められたことも全て演技だった。
そして実際、彼女らはカリーヌの斡旋でモデルをしている。つまり、恩恵を受けていたのだ。
「なるほど。よく分かった。では、来るべき時期に改めて証言して貰おう。さもないと…お前ら全員監獄行きだ!!」
「ひっ、ひぃぃ!」
凍りついた表情を浮かべる三人の目の前に並べている金貨を鷲掴みにして、私はその場を立ち去った。
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