干し草系OL、霊魂共存されましたけど復讐のチャンスですか?──幽霊と始めるリベンジライフ開幕!

鼻血の親分

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13話 キラキラ美人がドヤる裏で、踏み台OLが密かに勝利フラグを立ててます。

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──
RE: ご依頼の件
ご苦労さん。
池園絵梨花
──

……はいはい、ご苦労さまね。

程なくして届いたのは、いつもの偉そうな一行メール。
もちろん、私が作ったファイルをまるで自分の手柄かのように主任に転送する未来が目に浮かぶ。
BCCで主任に送ってるってことも知らずにね。ふふん、いい気なもんだわ。

化けの皮、そろそろ剥がれてほしいところだけど……主任はどう受け止めるかな?
呆れる?スルー?それとも、「やっぱりね」って感じで、もはや驚きもしなかったりして?

いや、そもそも今回に限った話じゃない。今までだって、絵梨花経由で色んな資料作らされてきたし、例の業績ビデオだって、あれもこれも、私が下で全部やってたじゃないの。
……ぜ~んぶ、彼女の「やってます風」演出に使われてたと思うと、ほんっと腹が立つ!

もういっそ、今後は全部BCCで上司に送ってやろうかしら。
「絵梨花さん、また何もしてない疑惑」──証拠フォルダ作れちゃう勢いよ。

私は密かにニヤリとした。一度やってしまえば意外と平気。少しは肝が据わってきた……かも?

『花、東薔薇が動いたわ。自販機へ行きましょう』
は、はい……

……やっぱりやるのか。不安しかない。ていうか、今日、ちょっとだけメイクしている。いや、正確にはララ様に強制されたのだが。もしかして、この展開を見越してた……?

ピーッ、カタンッ、ジョボジョボ。

主任はコーヒーが出来上がるのをじっと待っている。その横で私は、お水のペットボトルをポチッと購入。幸い、周囲には誰もいない。彼は私に気づいている様子だけど、視線は合わせてこない。あえて無視してる……のかな?

BCCで送ったの、気づいてない……?それとも興味ないの?

問いかける勇気なんて、あるわけがなかった。

そして私は、彼が見てようが見てまいが──意を決して、マスクをずらし、ゴクゴクと音を立てながら水を飲む。……うぅ、顔が熱い。自覚するほど赤面してる。

「……あっ」

彼の声が、ほんのかすかに聞こえた。
えっ?今の、「あっ」って何!?ゴクゴク音立てたのがマナー違反だった!?〝はしたない女〟って思われた!?やっぱダメだった!?

『見てるわよー、花』
『も、もういいですか……?』
『チラッと彼を見て、軽く会釈よ』
『えぇーーっ!?』

早く逃げたい、早くこの場から消えたい。……でも、一瞬だけ。一瞬だけなら……!

私は主任と目も合わせず、俯き気味にぺこりと一礼して、その場を後にした。
──そして、最悪のタイミングで、マスクずらした顔を後輩モブ男子に見られるというオチまでついてきた。慌ててマスクを戻して、席へダッシュで帰還。

『ばっちりよ。東薔薇ったら一瞬、食い入るように見てたわ。花の顔立ちと……胸のふくらみをね。あの驚いた顔ったら!うふふっ』

ララ様、なんでそんなに嬉しそうなんですか……。
私は心臓バクバクなんですけど!?
BCC作戦にチラ見せ戦法──今日だけでイベント詰め込みすぎです!もうキャパオーバーで早退したい気分です!

『これで少し、風向きが変わってくるわよ』
『そうですかねぇ。むしろ、喉を鳴らす不気味な女として認識された気が……』
『まぁ、見てなさいって』

──その変化は、意外と早く訪れた。

なんと、絵梨花が主任に送った報告メールの返信に、私がBCCで入っていたのだ。

『ちょ、主任……どういうことですか!?見えてますよ!?こっちから全部!』


件名:RE: 謝恩会の準備

池園さん

資料のご作成、ありがとうございます。完璧な仕上がりでした。
ホテルの件、承知しました。明日の午後でいかがでしょうか?

東薔薇 ハルト
──
件名:謝恩会の準備

東薔薇様

謝恩会のご案内状ほか、関連資料を一通り作成いたしました。ご確認いただけますと幸いです。
また、ホテルの仮予約については早急に手配された方がよろしいかと存じます。
お忙しいところ恐縮ですが、お打ち合わせの時間をいただけませんでしょうか。
私も同席のうえ、お手伝いさせていただければと思っております。

池園 絵梨花


『ふぅん。絵梨花ったら、ちゃっかりデートに誘ってるわね』

『ララ様、それより……どうして私をBCCに?このメールを私が見る意味、正直わかりません』

『花に興味が湧いたのよ。お互いのBCCは、二人だけの秘密──彼なりのサインってことね』

……ごめんなさい、言ってる意味がまるで理解できません。一瞬の〝チラ見せ〟で、何がどう変わったというの?
たしかに私は少しだけ美貌を手に入れた。ほとんどララ様の顔立ちだけど……。
でも、それだけで状況がひっくり返るなんて、信じられない。

取り巻く空気が少しずつ変わっている。けれど私は、まだその変化についていけずにいた──。



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