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Ⅰ.貴方様と私の計略 ~ 出会いそして約束 ~
05.侯爵令嬢の決意
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シュトラウス辺境伯様。
覚悟してくださいね。私、本気を出しますわ。
シュトラウス様から、お手紙が来ました。
遠乗りにでも行きませんか。という、お誘いでしたわ。
どうしようかしら。私、馬には乗れませんし。
乗馬の訓練中に落馬して以来、お祖父様が許してくださいませんでしたので、未だに乗れずじまい。
あら。となると、辺境伯様に乗せて頂くしかないのかしら。
・・・ちょっと、恥ずかしいかしら?
コンコン・・・
「はい。どうぞ」
誰かと思えば、侍女のメルでしたわ。何かしら?
「お嬢様。旦那様がお呼びです。書斎に来るようにとのことです」
「お祖父様が?ご用件は聞いていて?」
私は、シュトラウス様からのお手紙を、文箱に収めながらメルに疑問を投げかけました。
「申し訳ございません。内容については、お伺いしおおりません」
「そう。お祖父様に今から、伺いますと伝えておいて」
メルへお祖父様への先触れを頼み、何かあったかしらと考えながら、とりあえず衣装に問題がないことを確認しましたわ。
下手な格好で、お祖父様の前に出ようものなら、嫌味のオンパレードを聴く羽目になってしまうもの。
私が、預かっている事業では、問題は発生していないし。・・・していないわよね?
クルツについても、問題がなかったはず。むしろ、クルツの方が私よりも順調そうよね。
となれば、シュトラウス様関連かしら?でも、お祖父様口出しはしないいとおっしゃっていましたし...
そんなことをつらつらと考えていましたら、お祖父様の書斎の前についていましたわ。
コンコン...
「お祖父様。ミリュエラでございます」
しばらくして、入室を許可するお声をいただけましたので、失礼します。と、お祖父様の書斎へ入ります。
「よく来たね。ミリュエラ。そこへ」
お祖父様の許可のもと、応接ソファーへと腰を落ち着け、疑問を投げかました。
「お呼びと伺いましたが、何用でしょうか」
「うむ。ミリュエラに王家から婚約の打診があった」
え。ちょっと、待ってくださいまし。
王家から婚約の打診?そもそも、私直系とはいえ養女ですのよ。何故に、王家から打診が来ますの。
「第二王子の相手にとのことだよ。まぁ、第一王子の王太子殿下はすでに、婚約者がいるからね」
第二王子。通称、放蕩バカ王子として名を馳せている方ですわね。
容姿は、悪くないのでモテるのは分からなくもないですけれど。あの方、顔に似合わず脳筋でしたわね。
以前、王家の茶会に招待された際に、一度だけお話をしたことがありました。
容姿は、優男の色男と申しましょうか。線が細く、ご令嬢からはチヤホヤされそうな感じでした。
ただ、お話をしてみると中身の無い会話が多かった印象でした。
おそらく、お勉強はお嫌いだったのだと思います。建国神話すら怪しかったですものね。
口からお砂糖が出そうなほど、甘い口説き文句はスラスラおっしゃっていましたが。
平たくいえば、私の好みではありませんでしたわ。
お友達としてもご遠慮したいと思った記憶があります。
「ただ、ミリュエラは、辺境伯と既に顔合わせをして、婚約を前提に交流を深めているよね。だから、断ってしまっても良いと思っている」
お祖父様...王家と辺境伯を同列に考えるとは、なんというか畏れ多いですわよ。
まぁ、テイラー家だから、お祖父様だから許されていることも承知してはいますけれども。
「王家からの打診を断ってもよろしいのですの?順序としては、シュトラウス様が早いですけれども序列は圧倒的に王家が上ですわよ」
そう言うと、お祖父様は少しだけ意地が悪そうな笑みを浮かべられこうおっしゃいました。
「うちは、王家にへりくだる必要はないからね」
まぁ、そうですわよね。今の国王は、お祖父様に頭が上がりませんものね。
即位についてもですけれど結婚についてもお祖父様が多大な尽力をされたらしいですし。
そして、王国の歴史とともにあるテイラー家であることも少なからず理由としてはありそうですけれども。
「まぁ、少し考えなさい。あまり時間はあげれないけれど、ミリュエラが考える位の時間はあるから」
お祖父様は、そう言って笑っていらっしゃいました。
私は、お祖父様のさがっていいよ。と言う言葉にしたがい、お部屋へ引き下がりました。
さて、どうしようかしら。
王家からの打診を断れるのであれば、断りたいですわよね。
第二王子と結婚とかちょっと頭痛い感じに嫌ですし。少しは、好みの方と結婚したいと思うところですし。
あと、王家に連なるのはなにかと面倒ですわね。
私の事業も手放さなければならないでしょうし。あら、これはシュトラウス様と結婚しても言えるのかしら?
でも、王家よりは、融通がききそうではあるかしら。
せっかく、育ててきた香りの事業。今、手放すのは惜しいですわ。
まだまだ、やりたいことややってみたいことありますし。
となると、やはりシュトラウス様かしら。でも、シュトラウス様は一時的とおっしゃっていたわ。
だったら、シュトラウス様を選ぶべきかしら。でも、そうすると心を偽らなければならないかしら。
好きにならなければ大丈夫?いいえ。それは、多分難しい。
そうだわ!だったら、シュトラウス様を振り向かせればよろしいのですわ。
私を好きになっていただければ、婚約も一時的でなくなるかもしれない。
そうすれば、心を偽る必要もなくなる!うん。いい考えだわ。
そうと決まれば、あれですわね。
シュトラウス様からの遠乗りのお誘いはお受けしなければ。
一応、馬に乗れないことも申告しておきましょう。
シュトラウス様。覚悟してくださいませね。
私のために利用させていただきます。必ず、お心を奪ってみせますわ!
覚悟してくださいね。私、本気を出しますわ。
シュトラウス様から、お手紙が来ました。
遠乗りにでも行きませんか。という、お誘いでしたわ。
どうしようかしら。私、馬には乗れませんし。
乗馬の訓練中に落馬して以来、お祖父様が許してくださいませんでしたので、未だに乗れずじまい。
あら。となると、辺境伯様に乗せて頂くしかないのかしら。
・・・ちょっと、恥ずかしいかしら?
コンコン・・・
「はい。どうぞ」
誰かと思えば、侍女のメルでしたわ。何かしら?
「お嬢様。旦那様がお呼びです。書斎に来るようにとのことです」
「お祖父様が?ご用件は聞いていて?」
私は、シュトラウス様からのお手紙を、文箱に収めながらメルに疑問を投げかけました。
「申し訳ございません。内容については、お伺いしおおりません」
「そう。お祖父様に今から、伺いますと伝えておいて」
メルへお祖父様への先触れを頼み、何かあったかしらと考えながら、とりあえず衣装に問題がないことを確認しましたわ。
下手な格好で、お祖父様の前に出ようものなら、嫌味のオンパレードを聴く羽目になってしまうもの。
私が、預かっている事業では、問題は発生していないし。・・・していないわよね?
クルツについても、問題がなかったはず。むしろ、クルツの方が私よりも順調そうよね。
となれば、シュトラウス様関連かしら?でも、お祖父様口出しはしないいとおっしゃっていましたし...
そんなことをつらつらと考えていましたら、お祖父様の書斎の前についていましたわ。
コンコン...
「お祖父様。ミリュエラでございます」
しばらくして、入室を許可するお声をいただけましたので、失礼します。と、お祖父様の書斎へ入ります。
「よく来たね。ミリュエラ。そこへ」
お祖父様の許可のもと、応接ソファーへと腰を落ち着け、疑問を投げかました。
「お呼びと伺いましたが、何用でしょうか」
「うむ。ミリュエラに王家から婚約の打診があった」
え。ちょっと、待ってくださいまし。
王家から婚約の打診?そもそも、私直系とはいえ養女ですのよ。何故に、王家から打診が来ますの。
「第二王子の相手にとのことだよ。まぁ、第一王子の王太子殿下はすでに、婚約者がいるからね」
第二王子。通称、放蕩バカ王子として名を馳せている方ですわね。
容姿は、悪くないのでモテるのは分からなくもないですけれど。あの方、顔に似合わず脳筋でしたわね。
以前、王家の茶会に招待された際に、一度だけお話をしたことがありました。
容姿は、優男の色男と申しましょうか。線が細く、ご令嬢からはチヤホヤされそうな感じでした。
ただ、お話をしてみると中身の無い会話が多かった印象でした。
おそらく、お勉強はお嫌いだったのだと思います。建国神話すら怪しかったですものね。
口からお砂糖が出そうなほど、甘い口説き文句はスラスラおっしゃっていましたが。
平たくいえば、私の好みではありませんでしたわ。
お友達としてもご遠慮したいと思った記憶があります。
「ただ、ミリュエラは、辺境伯と既に顔合わせをして、婚約を前提に交流を深めているよね。だから、断ってしまっても良いと思っている」
お祖父様...王家と辺境伯を同列に考えるとは、なんというか畏れ多いですわよ。
まぁ、テイラー家だから、お祖父様だから許されていることも承知してはいますけれども。
「王家からの打診を断ってもよろしいのですの?順序としては、シュトラウス様が早いですけれども序列は圧倒的に王家が上ですわよ」
そう言うと、お祖父様は少しだけ意地が悪そうな笑みを浮かべられこうおっしゃいました。
「うちは、王家にへりくだる必要はないからね」
まぁ、そうですわよね。今の国王は、お祖父様に頭が上がりませんものね。
即位についてもですけれど結婚についてもお祖父様が多大な尽力をされたらしいですし。
そして、王国の歴史とともにあるテイラー家であることも少なからず理由としてはありそうですけれども。
「まぁ、少し考えなさい。あまり時間はあげれないけれど、ミリュエラが考える位の時間はあるから」
お祖父様は、そう言って笑っていらっしゃいました。
私は、お祖父様のさがっていいよ。と言う言葉にしたがい、お部屋へ引き下がりました。
さて、どうしようかしら。
王家からの打診を断れるのであれば、断りたいですわよね。
第二王子と結婚とかちょっと頭痛い感じに嫌ですし。少しは、好みの方と結婚したいと思うところですし。
あと、王家に連なるのはなにかと面倒ですわね。
私の事業も手放さなければならないでしょうし。あら、これはシュトラウス様と結婚しても言えるのかしら?
でも、王家よりは、融通がききそうではあるかしら。
せっかく、育ててきた香りの事業。今、手放すのは惜しいですわ。
まだまだ、やりたいことややってみたいことありますし。
となると、やはりシュトラウス様かしら。でも、シュトラウス様は一時的とおっしゃっていたわ。
だったら、シュトラウス様を選ぶべきかしら。でも、そうすると心を偽らなければならないかしら。
好きにならなければ大丈夫?いいえ。それは、多分難しい。
そうだわ!だったら、シュトラウス様を振り向かせればよろしいのですわ。
私を好きになっていただければ、婚約も一時的でなくなるかもしれない。
そうすれば、心を偽る必要もなくなる!うん。いい考えだわ。
そうと決まれば、あれですわね。
シュトラウス様からの遠乗りのお誘いはお受けしなければ。
一応、馬に乗れないことも申告しておきましょう。
シュトラウス様。覚悟してくださいませね。
私のために利用させていただきます。必ず、お心を奪ってみせますわ!
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