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プロローグ 出会い
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____木々が風で揺れ、優しい緑の音が校内に広がっている。
緑豊か、校庭には果物の木まであり近隣住人はほぼご老人、電車は2時間に1本。
そんな超がつくほど山の中の高校に入学した「一之瀬 昴」は過去のトラウマに近い記憶を思い出し、苦虫を嚙み潰したような顔でなんとなく廊下を歩いていた。
「おう、どうしたそんな顔して。元からなかなかの顔だが今は特に酷いぞ」
そう笑いながら声をかけてくるのは『岩野 恭太郎』。隣のクラスの友人だ。
「ちょっと変なこと思い出しててな、顔については後で話があるが気にするな」
そうごまかしながらやり過ごす。
だが、恭太郎は俺に特攻でもついているのだろうか。
「もう俺ら2年になって数か月経つけど、彼女とかできたか?」
めちゃくちゃ痛い所を突いてきた。
「馬鹿野郎、彼女なんて作らねーよ」
俺はリアルの女が嫌いだ。大嫌い。
中学生の間に2人の女性とお付き合いしてきたが、最悪の終わり方だった。
ただの浮気とかじゃない。
一人目…初めての彼女は交通事故で記憶をなくして忘れられてしまいそのまま終わった。
当然だ、自分が相手のことをどれだけ好いてようが相手からすれば全く面識もない同い年の男子がいきなり「彼氏」を名乗っているのだから。
二人目の彼女は、彼女が引っ越した学校で寝取られた。
…と、こんな有様だ。
一人目の彼女は不慮の事故だからどうしようもないにしろ、中学生にはあまりにも酷な体験ではないか?
こんなことを思い出していたんだ。変な顔にもなる。
「まぁそうだよな、一之瀬みたいな二次元に一直線のオタクが彼女作ろうなんて思わないか」
「そうだぞ。彼女なんて作ったら推しとの時間が減っちまう」
「それはそう」
そんな会話をしているうちに自分の教室に着き、恭太郎に「じゃ、また後で」と言いながら教室へ入る。
_________________________________
自分の席に座るや否や、同クラスの数少ない友人「浅霧 灰」が素早く近寄り、前の席に座った。
「一之瀬、お前アニメ詳しかったよな?」「まぁ…多少の知識はあるつもり」
誰が自分から「詳しいぞ」って偉そうに言えるもんか。
「ならさ、会ってみて欲しい人がいるんだけどいい?」
好きなものに詳しい人として認識されていることを心の内で全力で喜ぶ一之瀬をよそに浅霧は机から身を乗り出してそう言った。
「会って欲しい人って、別にいいけどどんな人なんだよ」
一之瀬は少し警戒しながら浅霧の次の言葉を待つ。
「いや、女なんだけ…」「無理だ。」
なんで女と会って話さないといけないんだ、嫌に決まってる。
「まぁまぁ聞け聞け、俺の彼女なんだよ」
「彼女?灰お前彼女いたのか」
詳しい話を聞くと、その彼女は好きなアニメがあるけど話がなかなか周りに通じない…とのことらしい。
「それで話せそうなやつが俺、と」
「そういうこと…頼む!話してやってくれないか!」
「はぁ」
正直全く乗り気ではないが好きな作品の話を共有し、語り合う仲間がいない辛さはこの身で幾度となく経験している。今そんな思いを彼女がしているのであれば、それを見過ごすことはアニメ好きの1人としてしたくない。
「まぁ…分かった、会って話すよ」
「マジでありがとう!!じゃあ放課後残っててくれよな~!」
そう言いながら浅霧は教室を出て、走り去っていった。
「あいつ、もう授業始まるのにどこ行くんだよ…」
_________________________________
6限目の授業を終え、足早に帰宅する人、部活動へ向かう人のいずれにも当てはまらず一之瀬は教室で浅霧達が来るのをのんびりと待っていた。
待っているうちに、グラウンドから気合の入った声が聞こえ始める。
静かな教室の中、部活に取り組んでいる人達の声を聞くのはなんだか心地がいい。なんて思っているとガララと教室のドアが開けられる。
「一之瀬君いますか~?」
そう言いながら入ってくる一人の女子。
「あぁ、いたいた」と呟きぱたぱたと向かってくる。1対1で女子と話すのが久々だからか、相手との距離が近づくと共に自分が緊張していくのが分かる。
「浅霧くんは急遽部活で呼び出されちゃって私1人なんだけど…初めまして、#永谷
美月__ながたに みづき__#です。」
あぁ
びっくりするほど可愛いけど…
いつも陽キャと一緒にいる俺が特に苦手なタイプだ
緑豊か、校庭には果物の木まであり近隣住人はほぼご老人、電車は2時間に1本。
そんな超がつくほど山の中の高校に入学した「一之瀬 昴」は過去のトラウマに近い記憶を思い出し、苦虫を嚙み潰したような顔でなんとなく廊下を歩いていた。
「おう、どうしたそんな顔して。元からなかなかの顔だが今は特に酷いぞ」
そう笑いながら声をかけてくるのは『岩野 恭太郎』。隣のクラスの友人だ。
「ちょっと変なこと思い出しててな、顔については後で話があるが気にするな」
そうごまかしながらやり過ごす。
だが、恭太郎は俺に特攻でもついているのだろうか。
「もう俺ら2年になって数か月経つけど、彼女とかできたか?」
めちゃくちゃ痛い所を突いてきた。
「馬鹿野郎、彼女なんて作らねーよ」
俺はリアルの女が嫌いだ。大嫌い。
中学生の間に2人の女性とお付き合いしてきたが、最悪の終わり方だった。
ただの浮気とかじゃない。
一人目…初めての彼女は交通事故で記憶をなくして忘れられてしまいそのまま終わった。
当然だ、自分が相手のことをどれだけ好いてようが相手からすれば全く面識もない同い年の男子がいきなり「彼氏」を名乗っているのだから。
二人目の彼女は、彼女が引っ越した学校で寝取られた。
…と、こんな有様だ。
一人目の彼女は不慮の事故だからどうしようもないにしろ、中学生にはあまりにも酷な体験ではないか?
こんなことを思い出していたんだ。変な顔にもなる。
「まぁそうだよな、一之瀬みたいな二次元に一直線のオタクが彼女作ろうなんて思わないか」
「そうだぞ。彼女なんて作ったら推しとの時間が減っちまう」
「それはそう」
そんな会話をしているうちに自分の教室に着き、恭太郎に「じゃ、また後で」と言いながら教室へ入る。
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自分の席に座るや否や、同クラスの数少ない友人「浅霧 灰」が素早く近寄り、前の席に座った。
「一之瀬、お前アニメ詳しかったよな?」「まぁ…多少の知識はあるつもり」
誰が自分から「詳しいぞ」って偉そうに言えるもんか。
「ならさ、会ってみて欲しい人がいるんだけどいい?」
好きなものに詳しい人として認識されていることを心の内で全力で喜ぶ一之瀬をよそに浅霧は机から身を乗り出してそう言った。
「会って欲しい人って、別にいいけどどんな人なんだよ」
一之瀬は少し警戒しながら浅霧の次の言葉を待つ。
「いや、女なんだけ…」「無理だ。」
なんで女と会って話さないといけないんだ、嫌に決まってる。
「まぁまぁ聞け聞け、俺の彼女なんだよ」
「彼女?灰お前彼女いたのか」
詳しい話を聞くと、その彼女は好きなアニメがあるけど話がなかなか周りに通じない…とのことらしい。
「それで話せそうなやつが俺、と」
「そういうこと…頼む!話してやってくれないか!」
「はぁ」
正直全く乗り気ではないが好きな作品の話を共有し、語り合う仲間がいない辛さはこの身で幾度となく経験している。今そんな思いを彼女がしているのであれば、それを見過ごすことはアニメ好きの1人としてしたくない。
「まぁ…分かった、会って話すよ」
「マジでありがとう!!じゃあ放課後残っててくれよな~!」
そう言いながら浅霧は教室を出て、走り去っていった。
「あいつ、もう授業始まるのにどこ行くんだよ…」
_________________________________
6限目の授業を終え、足早に帰宅する人、部活動へ向かう人のいずれにも当てはまらず一之瀬は教室で浅霧達が来るのをのんびりと待っていた。
待っているうちに、グラウンドから気合の入った声が聞こえ始める。
静かな教室の中、部活に取り組んでいる人達の声を聞くのはなんだか心地がいい。なんて思っているとガララと教室のドアが開けられる。
「一之瀬君いますか~?」
そう言いながら入ってくる一人の女子。
「あぁ、いたいた」と呟きぱたぱたと向かってくる。1対1で女子と話すのが久々だからか、相手との距離が近づくと共に自分が緊張していくのが分かる。
「浅霧くんは急遽部活で呼び出されちゃって私1人なんだけど…初めまして、#永谷
美月__ながたに みづき__#です。」
あぁ
びっくりするほど可愛いけど…
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