復讐はショコラよりも甘い

璃々丸

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地獄への道は美しく舗装されている

三十七.※ちょっとグロ?注意。

「ルールは、生死を問わない一本勝負。正し、負けた者はその家より廃嫡または除籍・・・・・・」
 と、オルランドが突如驚いたような鋭い声を上げた。
「えっ!? そんなの聞いてないっ!!」
 すると今度はオルランド以外の三人も驚いた。
「何と・・・・・・ファウスティーノは何も言っておらんのか」
 国王が、やや憐れむような声でそう言った。
 はい・・・と力のない声でオルランドが返す。
「しかし、もうお主は真剣勝負の宣言をしてしもうた。 そして手続きは成され、通った・・・・・・もう撤回は出来ん」
 何処か憐れむような、しかし厳しい声で国王はそう言った。
「な、なあ・・・・・・お前、知ってたのか・・・・・・?」
 オルランドは、縋る様な目でグィードを見た。知らない、とでも言って欲しかったのだろうが、残念ながらそうは行かない。
「ああ、知っていたよ」
 だからあの時聞いたのだ。真剣するのか、真剣勝負するのか、と。そんな言い方でオルランドが分かる訳が無いだろうが、少なくとも、グィードの方はルールを知っていたのは分かる言い方だ。
「・・・・・・」
 オルランドは真っ青になっていた。
「棄権も出来るが、除籍は免れないし、何よりも、棄権すれば君は処刑される」
 追い打ちを掛ける様な事をジャンパオロに言われ、弾かれるように顔を上げて泣きそうな顔で叫んだ。
「そんな・・・っ!アイツが・・・ラウルがグィードのヤツをビビらせてやろうぜ、って言うから・・・・・・俺はっ!」
 何と呆れる理由であろうか。蟀谷を抑えたくなるような事を言うオルランドに、しかし流石にラウルの実父であるジャンパオロはそうは行かない。
「それは・・・・・・流石にラウルが悪いな。 其処は父としてお詫びする。 しかし、君が真剣勝負を挑んだ理由がそれとは・・・・・・余りにも・・・・・・」
 子供じみている。
「・・・・・・で、どうするんだい?」
 グィードがオルランドに訊ねた。グィードのその顔はオルランドに対して何も思っていないような、波が凪いだような表情をしていた。
 ちきしょうっ!どうしてそう、余裕綽々なんだよっ!
 恨みがましい感情でグィードを睨んだが、グィードの方は、肩を竦めて首を傾げて見せただけだ。
「・・・・・・う、うぅ・・・・・・っ」
 進退窮まる、とはまさにこの事だ。暫し考えた後、処刑されるくらいなら、怪我の方がマシだと結論付ける。
「・・・決闘、します!」
 自分から言い出した事だと言うのに、今更感の強い再度の宣言にグィードは溜息が出そうである。
「もう決定は覆せんぞ、良いな?」
 国王の言葉に、オルランドははい、と返事をした。そうして漸く再度のルール説明から始まり、四人は天幕から出る事が出来た。
 雨は先程よりも振りが強くなっているようだったが、決闘は続けられるようだ。
 ふたり天幕より少し離れた場所に立たされ、国王と宰相、そしてふたりの騎士の立ち合いの元に決闘が行われようとしていた。
「・・・・・・では、ふたり共剣を構えて」
 言われてそれぞれ剣と刀を鞘から抜いて静かに構えた。それぞれ中段の構えで構えていたが、オルランドは緊張するあまり、やや軸のブレたのような構えであるのに対し、グィードはただ静かに凛と構えていた。
 しかしその静かな只住まいがオルランドは恐ろしかった。
 え、コイツこんなに・・・・・・。
「始めッ!!」
  オルランドの思考を遮る、審判役の騎士の太い声が辺りに響くと同時、グィードは動いた。
「チェアアアッッ!!」
 裂帛の気合と共に足を一歩前に踏み出し、グィードの刀はオルランドの首元を横真一文字に走った。
 そして次の瞬間にはパッ、と首から鮮血が噴水の様に迸った。赤く熱い飛沫が止め処無く吹き出し、オルランドはその場から一歩も動くことも出来ず、切られてから漸くのろのろとしたような動きを見せながら何か弱々しく口が動いたが、それは結局言葉になることなく、その後前のめりになって倒れた。
「・・・・・・あ」
「お、おぉ・・・・・・」
 その場言居合わせた者達から、言葉を忘れた様な弱々しい声が漏れ、一瞬で着いてしまった勝負を、只唖然と見つめていた。
 グィードの方はと言うと、慣れた手つきで刀の血と雨を払い、懐紙で刃を拭うと鞘に戻した。
「・・・・・・」
 どくどくと流れる血は泥混じりの水溜りと混じり合い、倒れ伏すオルランドの白いシャツを泥と血で染め上げていく。
 漏れる息は弱々しく、瞳からは急速に光が失われていく。 
感想 17

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