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これで、安心?
棚夏親子を見送り、克也達は一息ついた。
「お疲れ様でした、渥美さん」
「いえ、山田さんもお疲れ様です、ありがとうございました」
お互いを労いつつ、温くなったコーヒー
に克也は口をつけた。
苦味がやや強いコーヒーだが、一緒に出されたフィナンシェとよく合う。
「・・・やれやれ、これで終わると良いんですがね」
「まあ、棚夏君は知らないみたいだけど、律君は大学は違う所に通うから卒業してしまえば、余計に付き纏う事も出来ないでしょう」
克也がそう言えば、山田はそうですか、と相槌を打つ。
「なら、その間に別に興味が移ってくれたら万々歳ですね」
山田も書類をフォルダーに仕舞いながら同意した。
碧が受験しようとしている大学と、律が受験する大学は全く別な上に、最寄駅も掠りもしない。
何より偏差値も違う為、碧が其方を受験する事すら出来ないのだ。
「さて、では本日はありがとうございました。これから帰って律君に報告してきますよ」
「そうですか、本日はお疲れ様でした。お気を付けて帰って下さい」
克也は山田と別れを告げて、事務所を後にした。
事務所を出て、克也は律に携帯に電話を掛けた。
「やあ、今終わった所だよ。多分、もう大丈夫」
断言するのは危険なので、曖昧な言い方になってしまったが今迄も大した事が出来ていないので、大丈夫だろう。
『そうですか・・・・・・ありがとうございます、克也さん』
律はほっ、とした。碧は此方を伺うようにちらちらと見ながら、構って欲しくて自分の周りをうろちょろするが、此方が無視をしていればすぐに諦める。
だから、これからもそれを徹底すれば安泰だろう。
後は、友人達にもそれを周知すれば良いのだ。
「それじゃあ、また何かあった時は連絡して」
じゃあね、と克也は手短に言って通話を切った。
「・・・・・・」
今、律は直寿と一緒に居たようだ。
直寿の声と着物の衣擦れの音が、微かに聞こえていた。あまり邪魔をすると嫌味を言われるから、さっさと退散するに限る。
さて、俺は有給取っちゃったしなー、これから何しようかね。
そんな事を考えながら、克也は駐車場に足を向けていた。
「・・・・・・ふう」
携帯を切った律は、安堵の溜息を吐いた。
「終わったかね?」
直寿に聞かれ、律は素直に頷いた。
「はい、多分・・・大丈夫かと」
流石に政治家が口を出すような事態にはならないだろうが、しかしそれでも少し迷惑をかけてしまっているので、律としては申し訳なく思っていた。
「ふむ、困った事があれば何時でも頼りなさい」
頼もしい反面、とても怖い事を直寿は言って律の頭を撫でた。
「流石に、直寿さんのお世話になるような事にはならないと思いますよ」
苦笑いする律に、しかし直寿は半分以上本気で、もしもの時は色々やる気でいるのであった。
「お疲れ様でした、渥美さん」
「いえ、山田さんもお疲れ様です、ありがとうございました」
お互いを労いつつ、温くなったコーヒー
に克也は口をつけた。
苦味がやや強いコーヒーだが、一緒に出されたフィナンシェとよく合う。
「・・・やれやれ、これで終わると良いんですがね」
「まあ、棚夏君は知らないみたいだけど、律君は大学は違う所に通うから卒業してしまえば、余計に付き纏う事も出来ないでしょう」
克也がそう言えば、山田はそうですか、と相槌を打つ。
「なら、その間に別に興味が移ってくれたら万々歳ですね」
山田も書類をフォルダーに仕舞いながら同意した。
碧が受験しようとしている大学と、律が受験する大学は全く別な上に、最寄駅も掠りもしない。
何より偏差値も違う為、碧が其方を受験する事すら出来ないのだ。
「さて、では本日はありがとうございました。これから帰って律君に報告してきますよ」
「そうですか、本日はお疲れ様でした。お気を付けて帰って下さい」
克也は山田と別れを告げて、事務所を後にした。
事務所を出て、克也は律に携帯に電話を掛けた。
「やあ、今終わった所だよ。多分、もう大丈夫」
断言するのは危険なので、曖昧な言い方になってしまったが今迄も大した事が出来ていないので、大丈夫だろう。
『そうですか・・・・・・ありがとうございます、克也さん』
律はほっ、とした。碧は此方を伺うようにちらちらと見ながら、構って欲しくて自分の周りをうろちょろするが、此方が無視をしていればすぐに諦める。
だから、これからもそれを徹底すれば安泰だろう。
後は、友人達にもそれを周知すれば良いのだ。
「それじゃあ、また何かあった時は連絡して」
じゃあね、と克也は手短に言って通話を切った。
「・・・・・・」
今、律は直寿と一緒に居たようだ。
直寿の声と着物の衣擦れの音が、微かに聞こえていた。あまり邪魔をすると嫌味を言われるから、さっさと退散するに限る。
さて、俺は有給取っちゃったしなー、これから何しようかね。
そんな事を考えながら、克也は駐車場に足を向けていた。
「・・・・・・ふう」
携帯を切った律は、安堵の溜息を吐いた。
「終わったかね?」
直寿に聞かれ、律は素直に頷いた。
「はい、多分・・・大丈夫かと」
流石に政治家が口を出すような事態にはならないだろうが、しかしそれでも少し迷惑をかけてしまっているので、律としては申し訳なく思っていた。
「ふむ、困った事があれば何時でも頼りなさい」
頼もしい反面、とても怖い事を直寿は言って律の頭を撫でた。
「流石に、直寿さんのお世話になるような事にはならないと思いますよ」
苦笑いする律に、しかし直寿は半分以上本気で、もしもの時は色々やる気でいるのであった。
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