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長時間ではなかったけれど、お湯に浸かったことで大分体はすっきりした。私は用意されていたブラシで長い髪を整え、布で丁寧に髪と体から水気を拭き取る。
元のようにガウンを身につけて浴槽を出ると、ふわんといい匂いが漂ってきた。
さっきまでの香水みたいな香りとは違う、香ばしさとみずみずしさの入り交じった食べ物の匂いだ。見れば、寝台の足下にテーブルクロスのかかった円卓が出現している。
ヴィンセントは、と見ると、窓辺で何やら書類をめくっていた。
「お風呂、ありがとうございました。お食事時でした?」
控えめに声をかけると、ヴィンセントがゆるやかに振り向いた。
「ああ。お前の」
「私の?」
よくわかっていない私には答えず、ヴィンセントは大股で歩み寄ってくる。そのまま椅子を引いて私を座らせると、円卓の向かい側の席にすとんと座った。
目の前には推しの顔。視線を少し落とすと、色鮮やかな野菜と肉。
酒池肉林。
私は思わず唾を呑みこむ。
「豪華ですね……」
「お前は食べ慣れているだろう。夏の国の郷土料理だ」
「あ、はい。そうでした」
どうやら私は、ゲーム上では夏の国出身らしい。
私は慌てて取り繕い、二本しか爪の出ていないフォークと、少々鋭すぎるナイフを手にする。そこで、ヴィンセントの前にカトラリーがないのに気がついた。
彼はナイフもフォークもグラスも手にせず、円卓に片肘をついて私を見ている。どことなく険しい顔の上で、アイスブルーの瞳が私の姿を映す。どことなく、悲しげに。
私は少し迷ったのち、控えめに切り出した。
「ヴィンセント様は、夏の国の料理はお嫌いですか……?」
「そんなわけがあるか」
思ったよりも即答だ。ヴィンセントは薄い唇を開きかけ、何かを言おうとして、閉じて。意を決したように、素っ気ない言葉を口にする。
「わたしは先に食べた。だが、お前の歳でひとりで食事をするのは感心しない」
「……それで、付き合ってくださるんですか?」
きょとん、として見つめ返すと、ヴィンセントは苦々しげに視線を逸らした。
そのまま黙りこまれてしまったので、私は慌ててナイフとフォークを握り直す。
「では、お言葉に甘えます。いただきます」
「食べなさい」
ヴィンセントは窓辺の方を眺めながら言い、私は最初の皿にとりかかった。
目の前の皿に盛られているのは、大ぶりでカラフルなパプリカめいた野菜に挽肉をつめ、まるごとオーブン焼きにした料理だ。野菜と肉のうまみがたっぷり香って食欲を刺激してくる。
添えられたサラダからは、ハーブをたくさん練り込んだヨーグルトの爽やかな酸味が漂っているし、その奥にはつやつやのソーセージもあるし、ベシャメルソースみたいなものがたっぷりかかった、肉と野菜の挟み焼きも美味しそうだ。
いそいそと肉詰めを切って口に入れると、じゅわっと肉汁と野菜のうまみが入り交じったスープが広がる。
「美味し……すごい、できたての味だ」
思わず感動して声を出してしまう。
ヴィンセントはちらと私に視線を戻した。
「及第か?」
「及第どころじゃありませんよ、油が使い古しじゃなくてフルーティーだし、野菜はぺしょぺしょでもぱさぱさでもないし、肉もぞうきんみたいじゃなくて肉らしい味がして最高です。食べ飽きないし、三徹明けでも胃にもたれなさそう」
「さん、てつ……?」
怪訝そうに繰り返すヴィンセント。
余計なことを言った。私はさりげない笑みを浮かべ、陶器のグラスを引き寄る。ぐいっと呑みこむと、林檎みたいな香りの上等な白ワインだった。
「すみません、少し酔ったのかもしれません。さんてつ、ってなんでしょうね」
すべてを酒のせいにしようと決めて、私はにこにこと言う。
こういう図太さは前世で学んだ。ブラック企業の取引先はブラックだし、上司も部下も客もオールブラック。真っ暗闇な世界をなるべく軽傷で切り抜けるためには、鈍感力と意味のない笑いが重要だ。
実際には、軽傷どころか死んでしまったわけだけれど、基本は魂に染みついている。
私は概ね食事を終えてしまうと、軽く手を合わせてから立ち上がった。
「ごちそうさまでした。とっても美味しかったです」
「そうか」
ヴィンセントはぼそりと言い、席を立つ。
背の高いシルエットをしみじみと愛でつつ、私は彼の指示を待った。
私のボタンのせいであんなことになったけれど、今後、私の処遇はどうなるのだろうか。
そもそもこの世界の私……エレナの元の仕事はどんな内容なんだろう。私にもできるようなことならいいが、武術を極めてどうこう、みたいな内容だと非常に困る。前世の私の運動神経はゼロどころかマイナスだ。
ヴィンセントは円卓を迂回して私の前にやってくる。
そして、不意にひざまずいた。
「ヴィンセント様……? どうされました?」
まるで臣下みたいな所作だ。私はうろたえ、次の言葉が選べなくなる。
ヴィンセントは深くうなだれたまま、苦しげに告げた。
「許してくれ、とは言わない。わたしを、どうか――許さないでくれ」
うなだれた推しの後頭部を見て、私は血の気が引くのを感じた。
これは……。
この人、さっきのことをものすごく、猛烈に、気にしている。
「お顔を上げて下さい、お願いします! あの、ああいったことがありましたから、申し訳ない気分になるのはわかるんですが……」
わかるんですが、ボタンを押したのは私なんですよ!
と、叫ぶわけにもいかない。
悶々とする私の前で、ヴィンセントは重々しく語り始める。
「すまなかった、エレナ。そもそもわたしは、お前の父を守ると誓ってこの都に来たのだ。だが――わたしは、その誓いを果たせなかった」
「え? あ、ヴィンセント様って、私のお父さんと、知り合い……? 同僚?」
喋り始めてから、私はゲーム上での自分の生い立ちを何も知らないことに気付いた。
そもそも原作のゲームには、女騎士以外は男装キャラなんかいなかった。ゲームにいなかった人間のことは、いくら私がマニアでもわからない。
下手なことを言うと大混乱になりそうで、私の語尾は力なくなっていく。
ヴィンセントは膝をついたまま私を見上げ、ひどく悲しそうな目をした。白に近い金色のまつげがアイスブルーの瞳に影を落とす。
「そのように他人行儀に話をしてくれるな……お前の父であり我が友、前代皇帝、アマルンド陛下のことではないか」
「私の父が、前代、皇帝」
「そうだ。陛下が奴に殺されたとき、わたしが守れたのは、庶子であるお前だけだった。他の兄弟、姉妹は、みすみす死なせてしまった……」
「え、えええ……?」
――情報過多。
私の頭の中は混沌と化した。
とにかく話を整理しよう。
ヴィンセントの友達が、前代皇帝。これはわかる。
カタエン世界では、皇帝が自分の信頼した宰相を連れて王宮に入ることがほとんどだ。前代皇帝とヴィンセントが親友だったのは公式設定で、知っている。
で、その、前代皇帝の庶子……つまり、おめかけさんの子どもが、私、ということ?
他の兄弟姉妹はすべて死に、前代皇帝の血を引く生き残りは私だけ……?
そんな濃い設定を背負って生きていけ、って……?
神様、聞いてないです。
私の混乱をよそに、ヴィンセントは続ける。
「お前だけは……名も性別も偽ってわたしのもとにいたお前だけは、何があっても守り切るつもりでいた。それなのに」
ヴィンセントは苦いものをかみつぶすように言い、自分の眉間をぎゅっと押さえた。耐えるひとの顔だった。なんと言ったらいいのかわからないが、何か言いたい。
私がそわそわしているうちに、ヴィンセントは深刻な面持ちで私を見上げた。
「――信じてくれとは言わぬが、聞いてくれ。皇帝の前に立ち、死を覚悟して意見しようとした瞬間……なんと言えばよいのか……奇妙な力が、働いたのだ」
「信じます」
即答する私。
それ、知ってます。その力、私の『まぐわえボタン』の力です。
ヴィンセントは一瞬ぽかんとしたのち、すぐに真剣な顔になった。
「……冗談が過ぎる。証拠を見せよう」
彼はすっくと立ち上がると、ゆったりとした上着をたくしあげ、下履きをずらす。
「ひゃっ!」
あられもない声を出しつつ、視線はヴィンセントの下腹部から離せない私。
私は悟った。心と恥じらいは、体と同じ年齢には戻れない。
しっかりと筋肉のついた腰は完全に眼福な造形だ。ただし、局部の上あたりに、あってはいけないものがあった。絡まり合った植物を模したであろう文様が、古い焼き印のように灰色に浮き出しているのだ。
ヴィンセントは苦渋の表情で続ける。
「不意にこの位置が酷く熱くなり、わたしは獣のようになってしまった。あとあと確かめてみれば、この有様だ。この文様が何かはわからぬが――」
「淫紋ですね」
私がつぶやくと、ヴィンセントはぱちりと瞬きをする。どことなく、大きなタカとか、フクロウとか、肉食の鳥を思い出す所作だ。
元のようにガウンを身につけて浴槽を出ると、ふわんといい匂いが漂ってきた。
さっきまでの香水みたいな香りとは違う、香ばしさとみずみずしさの入り交じった食べ物の匂いだ。見れば、寝台の足下にテーブルクロスのかかった円卓が出現している。
ヴィンセントは、と見ると、窓辺で何やら書類をめくっていた。
「お風呂、ありがとうございました。お食事時でした?」
控えめに声をかけると、ヴィンセントがゆるやかに振り向いた。
「ああ。お前の」
「私の?」
よくわかっていない私には答えず、ヴィンセントは大股で歩み寄ってくる。そのまま椅子を引いて私を座らせると、円卓の向かい側の席にすとんと座った。
目の前には推しの顔。視線を少し落とすと、色鮮やかな野菜と肉。
酒池肉林。
私は思わず唾を呑みこむ。
「豪華ですね……」
「お前は食べ慣れているだろう。夏の国の郷土料理だ」
「あ、はい。そうでした」
どうやら私は、ゲーム上では夏の国出身らしい。
私は慌てて取り繕い、二本しか爪の出ていないフォークと、少々鋭すぎるナイフを手にする。そこで、ヴィンセントの前にカトラリーがないのに気がついた。
彼はナイフもフォークもグラスも手にせず、円卓に片肘をついて私を見ている。どことなく険しい顔の上で、アイスブルーの瞳が私の姿を映す。どことなく、悲しげに。
私は少し迷ったのち、控えめに切り出した。
「ヴィンセント様は、夏の国の料理はお嫌いですか……?」
「そんなわけがあるか」
思ったよりも即答だ。ヴィンセントは薄い唇を開きかけ、何かを言おうとして、閉じて。意を決したように、素っ気ない言葉を口にする。
「わたしは先に食べた。だが、お前の歳でひとりで食事をするのは感心しない」
「……それで、付き合ってくださるんですか?」
きょとん、として見つめ返すと、ヴィンセントは苦々しげに視線を逸らした。
そのまま黙りこまれてしまったので、私は慌ててナイフとフォークを握り直す。
「では、お言葉に甘えます。いただきます」
「食べなさい」
ヴィンセントは窓辺の方を眺めながら言い、私は最初の皿にとりかかった。
目の前の皿に盛られているのは、大ぶりでカラフルなパプリカめいた野菜に挽肉をつめ、まるごとオーブン焼きにした料理だ。野菜と肉のうまみがたっぷり香って食欲を刺激してくる。
添えられたサラダからは、ハーブをたくさん練り込んだヨーグルトの爽やかな酸味が漂っているし、その奥にはつやつやのソーセージもあるし、ベシャメルソースみたいなものがたっぷりかかった、肉と野菜の挟み焼きも美味しそうだ。
いそいそと肉詰めを切って口に入れると、じゅわっと肉汁と野菜のうまみが入り交じったスープが広がる。
「美味し……すごい、できたての味だ」
思わず感動して声を出してしまう。
ヴィンセントはちらと私に視線を戻した。
「及第か?」
「及第どころじゃありませんよ、油が使い古しじゃなくてフルーティーだし、野菜はぺしょぺしょでもぱさぱさでもないし、肉もぞうきんみたいじゃなくて肉らしい味がして最高です。食べ飽きないし、三徹明けでも胃にもたれなさそう」
「さん、てつ……?」
怪訝そうに繰り返すヴィンセント。
余計なことを言った。私はさりげない笑みを浮かべ、陶器のグラスを引き寄る。ぐいっと呑みこむと、林檎みたいな香りの上等な白ワインだった。
「すみません、少し酔ったのかもしれません。さんてつ、ってなんでしょうね」
すべてを酒のせいにしようと決めて、私はにこにこと言う。
こういう図太さは前世で学んだ。ブラック企業の取引先はブラックだし、上司も部下も客もオールブラック。真っ暗闇な世界をなるべく軽傷で切り抜けるためには、鈍感力と意味のない笑いが重要だ。
実際には、軽傷どころか死んでしまったわけだけれど、基本は魂に染みついている。
私は概ね食事を終えてしまうと、軽く手を合わせてから立ち上がった。
「ごちそうさまでした。とっても美味しかったです」
「そうか」
ヴィンセントはぼそりと言い、席を立つ。
背の高いシルエットをしみじみと愛でつつ、私は彼の指示を待った。
私のボタンのせいであんなことになったけれど、今後、私の処遇はどうなるのだろうか。
そもそもこの世界の私……エレナの元の仕事はどんな内容なんだろう。私にもできるようなことならいいが、武術を極めてどうこう、みたいな内容だと非常に困る。前世の私の運動神経はゼロどころかマイナスだ。
ヴィンセントは円卓を迂回して私の前にやってくる。
そして、不意にひざまずいた。
「ヴィンセント様……? どうされました?」
まるで臣下みたいな所作だ。私はうろたえ、次の言葉が選べなくなる。
ヴィンセントは深くうなだれたまま、苦しげに告げた。
「許してくれ、とは言わない。わたしを、どうか――許さないでくれ」
うなだれた推しの後頭部を見て、私は血の気が引くのを感じた。
これは……。
この人、さっきのことをものすごく、猛烈に、気にしている。
「お顔を上げて下さい、お願いします! あの、ああいったことがありましたから、申し訳ない気分になるのはわかるんですが……」
わかるんですが、ボタンを押したのは私なんですよ!
と、叫ぶわけにもいかない。
悶々とする私の前で、ヴィンセントは重々しく語り始める。
「すまなかった、エレナ。そもそもわたしは、お前の父を守ると誓ってこの都に来たのだ。だが――わたしは、その誓いを果たせなかった」
「え? あ、ヴィンセント様って、私のお父さんと、知り合い……? 同僚?」
喋り始めてから、私はゲーム上での自分の生い立ちを何も知らないことに気付いた。
そもそも原作のゲームには、女騎士以外は男装キャラなんかいなかった。ゲームにいなかった人間のことは、いくら私がマニアでもわからない。
下手なことを言うと大混乱になりそうで、私の語尾は力なくなっていく。
ヴィンセントは膝をついたまま私を見上げ、ひどく悲しそうな目をした。白に近い金色のまつげがアイスブルーの瞳に影を落とす。
「そのように他人行儀に話をしてくれるな……お前の父であり我が友、前代皇帝、アマルンド陛下のことではないか」
「私の父が、前代、皇帝」
「そうだ。陛下が奴に殺されたとき、わたしが守れたのは、庶子であるお前だけだった。他の兄弟、姉妹は、みすみす死なせてしまった……」
「え、えええ……?」
――情報過多。
私の頭の中は混沌と化した。
とにかく話を整理しよう。
ヴィンセントの友達が、前代皇帝。これはわかる。
カタエン世界では、皇帝が自分の信頼した宰相を連れて王宮に入ることがほとんどだ。前代皇帝とヴィンセントが親友だったのは公式設定で、知っている。
で、その、前代皇帝の庶子……つまり、おめかけさんの子どもが、私、ということ?
他の兄弟姉妹はすべて死に、前代皇帝の血を引く生き残りは私だけ……?
そんな濃い設定を背負って生きていけ、って……?
神様、聞いてないです。
私の混乱をよそに、ヴィンセントは続ける。
「お前だけは……名も性別も偽ってわたしのもとにいたお前だけは、何があっても守り切るつもりでいた。それなのに」
ヴィンセントは苦いものをかみつぶすように言い、自分の眉間をぎゅっと押さえた。耐えるひとの顔だった。なんと言ったらいいのかわからないが、何か言いたい。
私がそわそわしているうちに、ヴィンセントは深刻な面持ちで私を見上げた。
「――信じてくれとは言わぬが、聞いてくれ。皇帝の前に立ち、死を覚悟して意見しようとした瞬間……なんと言えばよいのか……奇妙な力が、働いたのだ」
「信じます」
即答する私。
それ、知ってます。その力、私の『まぐわえボタン』の力です。
ヴィンセントは一瞬ぽかんとしたのち、すぐに真剣な顔になった。
「……冗談が過ぎる。証拠を見せよう」
彼はすっくと立ち上がると、ゆったりとした上着をたくしあげ、下履きをずらす。
「ひゃっ!」
あられもない声を出しつつ、視線はヴィンセントの下腹部から離せない私。
私は悟った。心と恥じらいは、体と同じ年齢には戻れない。
しっかりと筋肉のついた腰は完全に眼福な造形だ。ただし、局部の上あたりに、あってはいけないものがあった。絡まり合った植物を模したであろう文様が、古い焼き印のように灰色に浮き出しているのだ。
ヴィンセントは苦渋の表情で続ける。
「不意にこの位置が酷く熱くなり、わたしは獣のようになってしまった。あとあと確かめてみれば、この有様だ。この文様が何かはわからぬが――」
「淫紋ですね」
私がつぶやくと、ヴィンセントはぱちりと瞬きをする。どことなく、大きなタカとか、フクロウとか、肉食の鳥を思い出す所作だ。
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