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第4章:真の|神力《ちから》
第7話:すっきり快眠のベル
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ベル=ラプソティは『ゆりかご』から外に出た後、自分の身体をくまなくチェックする。さすがは星皇の愛が詰まっていると、あいつが豪語しているだけはあって、目立った傷は一切合切消えてなくなっていた。いや、むしろ、剥きたてのゆで玉子のように肌がつるつるとしており、身体の底から元気が湧いてくるのを実感できた。
「本当に遠慮しなくても良いのよ? ほら、わたくしの腕先に触れてみなさいよ」
ベル=ラプソティは戦乙女・天使装束の袖をまくり、右の腕先をカナリア=ソナタに見せつける。カナリア=ソナタは突き付けられた生腕をゴクリと唾を飲み込みながら、恐る恐るツンツンと右手の人差し指で突いてみる。
「うぉぉぉ! これはびっくりなのですゥ! 軽く突いただけで、お肌の張りが14歳くらいになっているのですゥ!」
「ちょっと! わたくしをまるでババアのように言わないでよっ。今年で20になったばかりなのよ!? そりゃあ、14歳の頃と比べられたらアレだけどっ!?」
少女の肌は雨すらも珠で弾くと言われるほどに、弾力性と張りで出来ている。しかしながら、天使と言えども、18を過ぎた頃にはピークを迎え、そこからは徐々に徐々にだが衰えていってしまう。20歳を越えたら、ババア扱いしてくる失礼な男の子は確かに世の中には存在する。そんな失礼な男の子に対しては、両手をグーにして、両のこめかみをグリグリと捻じ込むように痛めつけてやるのが正しい処方だ。
「イダイ、イダイですゥ! ほっぺたがもげちゃうんですゥ!」
「うりうり! わたくしをババアと言った悪い口はこれかしら? ふふっ、早く謝りなさいっ!」
難敵を打ち倒したことと、久しぶりの快眠を得たことで、ベル=ラプソティは非常に上機嫌であった。彼女は気絶する前にアリス=ロンドと主張のぶつけ合いをしたことなど、とっくの昔に忘れており、無邪気に自分の軍師とじゃれ合うのであった。
「ボクはベル様をババアと思ったことはありまセン。むしろ、ベルお姉様とお慕いしたいくらいデス」
「あら? 貴女、そっちの気があるの? 良いわよ、ちょっとだけ乗ってあげるから」
アリス=ロンドとしては精いっぱいの誉め言葉であったのだが、ベル=ラプソティは愉快痛快といった感じに上機嫌であった。いきなり、そう呼んでも良いのよと言ってくれるベル=ラプソティに対して、アリス=ロンドは気恥ずかしさからか、もじもじと身体を軽くくねらせることになる。
「べ、ベルお姉……様」
「ふふっ。可愛い妹ちゃん? わたくしに何か御用がありまして?」
「う、うぅ。やっぱり、この呼び方は無しなのデス! ボクのほっぺたが異常に高温になってしまいマス!」
アリス=ロンドは頬をリンゴのように真っ赤に染めて、ベル=ラプソティにさっき言ったことは無しだと宣言する。しかしながら、ベル=ラプソティは余裕しゃくしゃくといった態度で、よしよしとアリス=ロンドの蒼髪オカッパの頂点付近を撫でまわす。いつも、自分と相対する時は不機嫌極まり無いというのに、今のベル=ラプソティが異様に上機嫌のために、逆に訝しむ形となるアリス=ロンドであった。
「肌年齢が若返るだけで、気持ちが昂っちゃうっ。……。訂正するわ。いつもの健康的な肌の張りに戻るだけで、気分が良いわよねっ!」
「今、自分でババア発言をしたことに後悔しているのですゥ。うわっ! 物を投げるのは止めるのですゥ!」
ベル=ラプソティはぷくぅ! とほっぺたを可愛らしく膨らませて、無言でその辺に転がっていた木片を拾い上げ、カナリア=ソナタに向かって投げつける。そんな物をぶつけられたところで、カナリア=ソナタは痛くも痒くもないのだが、わざわざ大袈裟にそれを躱してみせる。
「やれやれでッチュウ。アリス様ですらあっけにとられるほど、今のベル様は上機嫌でッチュウ。とても苦悶の表情を浮かべながら、カプセルの中で眠っていたとは思えないでッチュウ」
じゃれ合うベル=ラプソティとカナリア=ソナタを見て、つい、愚痴に似た感じで言葉を零してしまうコッシロー=ネヅである。カナリア=ソナタは右手の人差し指を縦にしつつ、自分の唇に当てて、シャラップの所作をする。コッシロー=ネヅもまた、しまった! という顔つきになり、両の前足で自分の口を自ら塞ぐことになる。
「ん? わたくしの寝相の話をしているの? こんな狭いカプセルの中で、いつもみたいにどったんばったんやってるわけがないでしょ?」
「そ、そうですねェ。ちょっとばかり、苦しそうな顔でギリギリと歯ぎしりしてたみたいなァ?」
「そ、そうでッチュウ! 何かを食いちぎらんとばかりに歯を噛みしめていたでッチュウ!」
カナリア=ソナタとコッシロー=ネヅはしどろもどろになりながらも、ベル=ラプソティに相槌を打つ。ベル=ラプソティはそんなことをしなければならない夢でも見ていたのかしら? と首級を傾げることになる。
「あっ。そういえば、顎が外れそうなほどの大きさのソーセージをほうばっていたような?」
「それは星皇様のおちん」
「ちょっと待ってェ! アリス様、それ以上、言っちゃダメですゥゥゥ!」
カナリア=ソナタはとんでもないことを口走りかけたアリス=ロンドの口を両手で塞ぐ。口を塞がれたというのに、アリス=ロンドはふごふごと息を吐き、何かを言おうとしいた。それにより、カナリア=ソナタはドバッ! と背中に滝のような冷や汗がドバっと一気に流れ出てしまう。
カナリア=ソナタはアリス=ロンドのことをある意味で超危険人物だと思っていた。この無自覚な発言が、ベル=ラプソティの上機嫌な状態を、垂直直下で奈落に堕としそうな発言を平気でかますのがアリス=ロンドの良い所であり、悪い所であると考えるカナリア=ソナタであった。
「せ、星皇様にソーセージを食べさせてもらったってことですよねェ? アリス様ァ!?」
「ふごふご、ふごふご、ふごふご」
アリス=ロンドはある意味そうだと思い、口をカナリア=ソナタに塞がれたまま、首級をコクコクと縦に振る。ベル=ラプソティは、あいつの夢を見たような気がした割りには、気分は上々なので、もしかすると、変態性を発揮することなく、自分にソーセージを食べさせてくれた夢でも見たのだろうと結論づける。
カナリア=ソナタは何とか上手く話をごまかせたと思い、心底、ホッと安堵の息をつく。そして、それ以上、アッチの方にベル=ラプソティが気を向けないためにも、話題を変えようとしたが、ベル=ラプソティはベッド式カプセル型エネルギー補給器をまじまじと見つめ続ける。
「ねえ、アリス。これって、1回こっきりの使い捨て?」
「そうかもしれまセン。こんな大きさのモノを馬で引くことも出来ないででショウシ。ボクのエネルギー補給ととベル様の身体を癒すために使用したので、かなり残量は減っていると思いマス。そこから逆算するに、ベル様がもうひと眠りする分くらいだと思いますケド?」
「本当に遠慮しなくても良いのよ? ほら、わたくしの腕先に触れてみなさいよ」
ベル=ラプソティは戦乙女・天使装束の袖をまくり、右の腕先をカナリア=ソナタに見せつける。カナリア=ソナタは突き付けられた生腕をゴクリと唾を飲み込みながら、恐る恐るツンツンと右手の人差し指で突いてみる。
「うぉぉぉ! これはびっくりなのですゥ! 軽く突いただけで、お肌の張りが14歳くらいになっているのですゥ!」
「ちょっと! わたくしをまるでババアのように言わないでよっ。今年で20になったばかりなのよ!? そりゃあ、14歳の頃と比べられたらアレだけどっ!?」
少女の肌は雨すらも珠で弾くと言われるほどに、弾力性と張りで出来ている。しかしながら、天使と言えども、18を過ぎた頃にはピークを迎え、そこからは徐々に徐々にだが衰えていってしまう。20歳を越えたら、ババア扱いしてくる失礼な男の子は確かに世の中には存在する。そんな失礼な男の子に対しては、両手をグーにして、両のこめかみをグリグリと捻じ込むように痛めつけてやるのが正しい処方だ。
「イダイ、イダイですゥ! ほっぺたがもげちゃうんですゥ!」
「うりうり! わたくしをババアと言った悪い口はこれかしら? ふふっ、早く謝りなさいっ!」
難敵を打ち倒したことと、久しぶりの快眠を得たことで、ベル=ラプソティは非常に上機嫌であった。彼女は気絶する前にアリス=ロンドと主張のぶつけ合いをしたことなど、とっくの昔に忘れており、無邪気に自分の軍師とじゃれ合うのであった。
「ボクはベル様をババアと思ったことはありまセン。むしろ、ベルお姉様とお慕いしたいくらいデス」
「あら? 貴女、そっちの気があるの? 良いわよ、ちょっとだけ乗ってあげるから」
アリス=ロンドとしては精いっぱいの誉め言葉であったのだが、ベル=ラプソティは愉快痛快といった感じに上機嫌であった。いきなり、そう呼んでも良いのよと言ってくれるベル=ラプソティに対して、アリス=ロンドは気恥ずかしさからか、もじもじと身体を軽くくねらせることになる。
「べ、ベルお姉……様」
「ふふっ。可愛い妹ちゃん? わたくしに何か御用がありまして?」
「う、うぅ。やっぱり、この呼び方は無しなのデス! ボクのほっぺたが異常に高温になってしまいマス!」
アリス=ロンドは頬をリンゴのように真っ赤に染めて、ベル=ラプソティにさっき言ったことは無しだと宣言する。しかしながら、ベル=ラプソティは余裕しゃくしゃくといった態度で、よしよしとアリス=ロンドの蒼髪オカッパの頂点付近を撫でまわす。いつも、自分と相対する時は不機嫌極まり無いというのに、今のベル=ラプソティが異様に上機嫌のために、逆に訝しむ形となるアリス=ロンドであった。
「肌年齢が若返るだけで、気持ちが昂っちゃうっ。……。訂正するわ。いつもの健康的な肌の張りに戻るだけで、気分が良いわよねっ!」
「今、自分でババア発言をしたことに後悔しているのですゥ。うわっ! 物を投げるのは止めるのですゥ!」
ベル=ラプソティはぷくぅ! とほっぺたを可愛らしく膨らませて、無言でその辺に転がっていた木片を拾い上げ、カナリア=ソナタに向かって投げつける。そんな物をぶつけられたところで、カナリア=ソナタは痛くも痒くもないのだが、わざわざ大袈裟にそれを躱してみせる。
「やれやれでッチュウ。アリス様ですらあっけにとられるほど、今のベル様は上機嫌でッチュウ。とても苦悶の表情を浮かべながら、カプセルの中で眠っていたとは思えないでッチュウ」
じゃれ合うベル=ラプソティとカナリア=ソナタを見て、つい、愚痴に似た感じで言葉を零してしまうコッシロー=ネヅである。カナリア=ソナタは右手の人差し指を縦にしつつ、自分の唇に当てて、シャラップの所作をする。コッシロー=ネヅもまた、しまった! という顔つきになり、両の前足で自分の口を自ら塞ぐことになる。
「ん? わたくしの寝相の話をしているの? こんな狭いカプセルの中で、いつもみたいにどったんばったんやってるわけがないでしょ?」
「そ、そうですねェ。ちょっとばかり、苦しそうな顔でギリギリと歯ぎしりしてたみたいなァ?」
「そ、そうでッチュウ! 何かを食いちぎらんとばかりに歯を噛みしめていたでッチュウ!」
カナリア=ソナタとコッシロー=ネヅはしどろもどろになりながらも、ベル=ラプソティに相槌を打つ。ベル=ラプソティはそんなことをしなければならない夢でも見ていたのかしら? と首級を傾げることになる。
「あっ。そういえば、顎が外れそうなほどの大きさのソーセージをほうばっていたような?」
「それは星皇様のおちん」
「ちょっと待ってェ! アリス様、それ以上、言っちゃダメですゥゥゥ!」
カナリア=ソナタはとんでもないことを口走りかけたアリス=ロンドの口を両手で塞ぐ。口を塞がれたというのに、アリス=ロンドはふごふごと息を吐き、何かを言おうとしいた。それにより、カナリア=ソナタはドバッ! と背中に滝のような冷や汗がドバっと一気に流れ出てしまう。
カナリア=ソナタはアリス=ロンドのことをある意味で超危険人物だと思っていた。この無自覚な発言が、ベル=ラプソティの上機嫌な状態を、垂直直下で奈落に堕としそうな発言を平気でかますのがアリス=ロンドの良い所であり、悪い所であると考えるカナリア=ソナタであった。
「せ、星皇様にソーセージを食べさせてもらったってことですよねェ? アリス様ァ!?」
「ふごふご、ふごふご、ふごふご」
アリス=ロンドはある意味そうだと思い、口をカナリア=ソナタに塞がれたまま、首級をコクコクと縦に振る。ベル=ラプソティは、あいつの夢を見たような気がした割りには、気分は上々なので、もしかすると、変態性を発揮することなく、自分にソーセージを食べさせてくれた夢でも見たのだろうと結論づける。
カナリア=ソナタは何とか上手く話をごまかせたと思い、心底、ホッと安堵の息をつく。そして、それ以上、アッチの方にベル=ラプソティが気を向けないためにも、話題を変えようとしたが、ベル=ラプソティはベッド式カプセル型エネルギー補給器をまじまじと見つめ続ける。
「ねえ、アリス。これって、1回こっきりの使い捨て?」
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※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
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