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第5章:襲撃者
第10話:ベルの願い
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満足感に包まれた表情のアリス=ロンドのほっぺたを両手の指でぐいぐいと外側へ引っ張るベル=ラプソティであった。しかし、アリス=ロンドは何が間違っているのデスカ! と抗議しまくるのであった。そんな2人のやりとりを見ていた周りは、気にしていませんよと逆にベル=ラプソティとアリス=ロンドの喧嘩を仲裁し始める。
ベル=ラプソティはハッ! と我に帰り、まずはアリス=ロンド共々、皆に頭を下げることが先決だったことを思い出し、左手で無理やりアリス=ロンドの後頭部を抑えつけて、アリス=ロンド共々、皆に平謝りを開始する。
「いいって、いいって。そんなことより、皆で焼きたてのクッキーを味わいましょうや!」
「そうですよ。アリス様は星皇様のことを思ってのことでしょう? ベル様の愛が星皇様に届いてほしいと思ってくれてるのですわよ」
面目が立たないとはまさにこのことである。ベル=ラプソティは耳まで真っ赤にして、下げた頭をあげれなくなってしまう。いっそ、叱り飛ばしてほしいというのは甘えかもしれないが、皆の気遣いに涙が零れ落ちてしまいそうになってくるベル=ラプソティであった。
「はいはいっ! 皆でクッキーを食べましょゥ! ベル様もいい加減、頭をあげてほしいのですゥ」
「うぅ……。カナリア、ありがとう。皆、ありがとう。アリスにはあとできつく言っておきますわ」
一団の優しさと愛が詰まったクッキーを食べる会がようやく始まると、ベル=ラプソティの落ちていた気分は再び上がってくることになる。疲れた心には甘いお菓子が定番中の定番である。備蓄の関係上、砂糖をふんだんに使えなかったために甘さは控えめであったが、それでも十分に一団の心を癒す効果は十分であった。
ここまでの道中、聖地:エルザレムの生き残りたちは、ベル=ラプソティとアリス=ロンドの存在抜きでは、生き残ることさえ難しかったのだ。そして、ようやくであるがその恩返しを少しでも出来たことで、心にのしかかった負の感情が随分と軽いモノとなる。
誰しもが一団の運命をベル=ラプソティやアリス=ロンドの両名にだけ、背負わせたくないと思っている。そして、教皇が発した預言の内容で、一団内はかなりギスギスとした空気になっていた。しかし、このクッキー作りイベントを通じて、一団の心はひとつにまとまっていく。
「どれも美味しいクッキーばかりだわ。でも、贅沢を言わせてもらうと、もうちょっと味のバリエーションを増やして良かったかもね」
「それは仕方無いのですゥ。グリーンフォレスト国についたら、また皆でクッキー作りをしましょゥ。だから、皆さん、絶対に生き延びてくださいよォ」
ベル=ラプソティとカナリア=ソナタは教皇の宣言通りに皆の命を盾に使おうとはこれっぽちも思っていなかった。そして、皆も自分たちと気持ちは同じだと考えていた。一抹の不安を感じようとも、ベル=ラプソティたちはその不安を無理やりに掻き消した。
残ったクッキーがしけらないようにと袋に小分けにした後、クッキー作りイベントはようやく終わりを告げることになる。皆がそれぞれに袋を手にして、ベル=ラプソティたちに一礼をして、彼女たちの下から離れていく。ベル=ラプソティたちは最後に女の子に袋詰めのクッキーを手渡したところで、地面にゴロンと大の字で横たわることになる。
「ふぅ……。ようやく終わったわね。カナリア。わたくしをどう使っても良いから、皆を護る策をわたくしに提案してね」
「わかってますゥ。ベル様こそ、覚悟しておいてくださィ。あたしは動けるなら親でも動かす悪女なんですからァ」
ベル=ラプソティは物怖じせずにズケズケと言ってくれるカナリア=ソナタの存在がありがたいと思ってしまう。そのお返しとは言ってはなんだが、身体の向きをカナリア=ソナタの方に向けて右腕を横に伸ばし、カナリア=ソナタのスイカのひとつを鷲掴みにしてしまう。
「あゥあゥ。皆に見られちゃうのですゥ。変な噂を立てられて困るのはベル様ですよォ」
「良いわよ、それくらい。てか、カナリア、また大きくなった気がするわよ?」
「そうですゥ? 脳みそに収まり切れないデーターがおっぱいに回っちゃうんでしょうかァ?」
どちらかというと、世間では、おつむが足りないのはおっぱいに栄養を取られているからだという失礼な発言が見受けられるが、カナリア=ソナタが言うと、本当に脳みそに入りきらない情報がおっぱいに流れ込んでいるのでは? と思わずにはいられないベル=ラプソティであった。それゆえにもうちょっと強めにカナリア=ソナタのおっぱいを揉みしだくことになる。
「うゥ。頭に熱が昇ってきたのですゥ。やっぱりおっぱいにデーターが詰まっていて、逆流してきている感じがするのですゥ」
「そんなメカニズム、あるわけないでしょっ」
カナリア=ソナタが頬を赤らめ始めたところで、ベル=ラプソティは彼女のおっぱいから右手を離す。そして、上半身を起こしつつ、背中についた土をパンパンと両手で払う。ベル=ラプソティはその時点になって、ようやくとある人物の視線に気づくことになる。
その人物とはアリス=ロンドであった。アリス=ロンドの視線は自分の顔というよりも、その下の先にあるおっぱいであった。ベル=ラプソティは少しだけ考え込み、アリス=ロンドが自分の胸を揉みたいのかどうか尋ねることにする。
「いえ。揉みたいわけではなく、ボクにもベル様のようなおっぱいがあったら、星皇様にもっと可愛がってもらえるのかなと思っただけデス」
「あんたねえ……。あいつのどこがおっぱい聖人なの? どう考えてもお尻大好き好き好きずっぽし淫のアホにしか見えないでしょ?」
「そうなんデス? 星皇様はボクとエッチするときは、ボクの乳首が取れそうなほどについばんだり、いじったりしてきマス。ベル様はそうされたことはないんデス?」
アリス=ロンドの発言にベル=ラプソティは眉間にシワを寄せて、さらには右手の人差し指をそこに当てて、考え込むことになる。初夜の時はどうにもこうにも、あの馬鹿に尻穴を穢されたことの印象が強すぎて、そこまでに至る前の行為がどうであったかを思い出せなくなっている。あいつが自分の胸に興味があったのかどうか? これがどうしても思い出せない。
「ねぇ、カナリア。あいつがわたくしを正妻に迎え入れた一番の理由ってどこだと思う?」
「うっ……。難しいことを聞いてくれますねェ」
カナリア=ソナタは星皇様がベル様に惚れこんだ理由をそれとなく知っている。ベル様のお尻が1番ではないのだ。お尻の件は初夜の時である。その前に星皇様とベル様が結婚することが決まったのである。だからこそ、逆説的にお尻の形が気に入ったわけではないと言えるのだ。
「えっと……。ショックを受けないでくださいねェ。男の方って高慢ちきな女の尻をひっぱたいてやりたいって欲望がありましてェ……」
「えっ? ちょっと待って。わたくしってそんなに鼻高々な女だった!?」
「いえ、そうではないですゥ。言葉を変えるとしたら、男を知らぬ誇り高い公爵令嬢を汚いおちんこさんで穢してやりたいという男のどうしようもない欲望と言ったところですゥ……」
ベル=ラプソティはハッ! と我に帰り、まずはアリス=ロンド共々、皆に頭を下げることが先決だったことを思い出し、左手で無理やりアリス=ロンドの後頭部を抑えつけて、アリス=ロンド共々、皆に平謝りを開始する。
「いいって、いいって。そんなことより、皆で焼きたてのクッキーを味わいましょうや!」
「そうですよ。アリス様は星皇様のことを思ってのことでしょう? ベル様の愛が星皇様に届いてほしいと思ってくれてるのですわよ」
面目が立たないとはまさにこのことである。ベル=ラプソティは耳まで真っ赤にして、下げた頭をあげれなくなってしまう。いっそ、叱り飛ばしてほしいというのは甘えかもしれないが、皆の気遣いに涙が零れ落ちてしまいそうになってくるベル=ラプソティであった。
「はいはいっ! 皆でクッキーを食べましょゥ! ベル様もいい加減、頭をあげてほしいのですゥ」
「うぅ……。カナリア、ありがとう。皆、ありがとう。アリスにはあとできつく言っておきますわ」
一団の優しさと愛が詰まったクッキーを食べる会がようやく始まると、ベル=ラプソティの落ちていた気分は再び上がってくることになる。疲れた心には甘いお菓子が定番中の定番である。備蓄の関係上、砂糖をふんだんに使えなかったために甘さは控えめであったが、それでも十分に一団の心を癒す効果は十分であった。
ここまでの道中、聖地:エルザレムの生き残りたちは、ベル=ラプソティとアリス=ロンドの存在抜きでは、生き残ることさえ難しかったのだ。そして、ようやくであるがその恩返しを少しでも出来たことで、心にのしかかった負の感情が随分と軽いモノとなる。
誰しもが一団の運命をベル=ラプソティやアリス=ロンドの両名にだけ、背負わせたくないと思っている。そして、教皇が発した預言の内容で、一団内はかなりギスギスとした空気になっていた。しかし、このクッキー作りイベントを通じて、一団の心はひとつにまとまっていく。
「どれも美味しいクッキーばかりだわ。でも、贅沢を言わせてもらうと、もうちょっと味のバリエーションを増やして良かったかもね」
「それは仕方無いのですゥ。グリーンフォレスト国についたら、また皆でクッキー作りをしましょゥ。だから、皆さん、絶対に生き延びてくださいよォ」
ベル=ラプソティとカナリア=ソナタは教皇の宣言通りに皆の命を盾に使おうとはこれっぽちも思っていなかった。そして、皆も自分たちと気持ちは同じだと考えていた。一抹の不安を感じようとも、ベル=ラプソティたちはその不安を無理やりに掻き消した。
残ったクッキーがしけらないようにと袋に小分けにした後、クッキー作りイベントはようやく終わりを告げることになる。皆がそれぞれに袋を手にして、ベル=ラプソティたちに一礼をして、彼女たちの下から離れていく。ベル=ラプソティたちは最後に女の子に袋詰めのクッキーを手渡したところで、地面にゴロンと大の字で横たわることになる。
「ふぅ……。ようやく終わったわね。カナリア。わたくしをどう使っても良いから、皆を護る策をわたくしに提案してね」
「わかってますゥ。ベル様こそ、覚悟しておいてくださィ。あたしは動けるなら親でも動かす悪女なんですからァ」
ベル=ラプソティは物怖じせずにズケズケと言ってくれるカナリア=ソナタの存在がありがたいと思ってしまう。そのお返しとは言ってはなんだが、身体の向きをカナリア=ソナタの方に向けて右腕を横に伸ばし、カナリア=ソナタのスイカのひとつを鷲掴みにしてしまう。
「あゥあゥ。皆に見られちゃうのですゥ。変な噂を立てられて困るのはベル様ですよォ」
「良いわよ、それくらい。てか、カナリア、また大きくなった気がするわよ?」
「そうですゥ? 脳みそに収まり切れないデーターがおっぱいに回っちゃうんでしょうかァ?」
どちらかというと、世間では、おつむが足りないのはおっぱいに栄養を取られているからだという失礼な発言が見受けられるが、カナリア=ソナタが言うと、本当に脳みそに入りきらない情報がおっぱいに流れ込んでいるのでは? と思わずにはいられないベル=ラプソティであった。それゆえにもうちょっと強めにカナリア=ソナタのおっぱいを揉みしだくことになる。
「うゥ。頭に熱が昇ってきたのですゥ。やっぱりおっぱいにデーターが詰まっていて、逆流してきている感じがするのですゥ」
「そんなメカニズム、あるわけないでしょっ」
カナリア=ソナタが頬を赤らめ始めたところで、ベル=ラプソティは彼女のおっぱいから右手を離す。そして、上半身を起こしつつ、背中についた土をパンパンと両手で払う。ベル=ラプソティはその時点になって、ようやくとある人物の視線に気づくことになる。
その人物とはアリス=ロンドであった。アリス=ロンドの視線は自分の顔というよりも、その下の先にあるおっぱいであった。ベル=ラプソティは少しだけ考え込み、アリス=ロンドが自分の胸を揉みたいのかどうか尋ねることにする。
「いえ。揉みたいわけではなく、ボクにもベル様のようなおっぱいがあったら、星皇様にもっと可愛がってもらえるのかなと思っただけデス」
「あんたねえ……。あいつのどこがおっぱい聖人なの? どう考えてもお尻大好き好き好きずっぽし淫のアホにしか見えないでしょ?」
「そうなんデス? 星皇様はボクとエッチするときは、ボクの乳首が取れそうなほどについばんだり、いじったりしてきマス。ベル様はそうされたことはないんデス?」
アリス=ロンドの発言にベル=ラプソティは眉間にシワを寄せて、さらには右手の人差し指をそこに当てて、考え込むことになる。初夜の時はどうにもこうにも、あの馬鹿に尻穴を穢されたことの印象が強すぎて、そこまでに至る前の行為がどうであったかを思い出せなくなっている。あいつが自分の胸に興味があったのかどうか? これがどうしても思い出せない。
「ねぇ、カナリア。あいつがわたくしを正妻に迎え入れた一番の理由ってどこだと思う?」
「うっ……。難しいことを聞いてくれますねェ」
カナリア=ソナタは星皇様がベル様に惚れこんだ理由をそれとなく知っている。ベル様のお尻が1番ではないのだ。お尻の件は初夜の時である。その前に星皇様とベル様が結婚することが決まったのである。だからこそ、逆説的にお尻の形が気に入ったわけではないと言えるのだ。
「えっと……。ショックを受けないでくださいねェ。男の方って高慢ちきな女の尻をひっぱたいてやりたいって欲望がありましてェ……」
「えっ? ちょっと待って。わたくしってそんなに鼻高々な女だった!?」
「いえ、そうではないですゥ。言葉を変えるとしたら、男を知らぬ誇り高い公爵令嬢を汚いおちんこさんで穢してやりたいという男のどうしようもない欲望と言ったところですゥ……」
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