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第9章:この手で掴むモノ
第7話:騎士らしく
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「準決勝出場おめでとうございますと言っておきますわ。でも、わたくしとしては、この辺りで進退を見極めるべきことかと思うのですが……」
リリー=フルールが試合場の外側の芝生部分を歩いて進んでくるロック=イートに対して、労いの言葉と同時に、自分の不安をぶちまけることとなる。リリー=フルールとしてはロック=イートが勝ち進んでくれることは嬉しいのが半分、準決勝で当たることになるであろう神槍:ブリトニー=ノーガゥとのことで心配が半分、心を占めているのであった。
そんな嬉しそうでありながらも、どこか心配そうでもあるリリー=フルールの頭を左手でロック=イートは優しく撫でる。ロック=イートはにっこりと微笑み、彼女の心配を笑顔で吹き飛ばそうとする。
「リリー様。嬉しいなら素直に喜んでくれないか? そんなどうしたら良いといったような表情だと、俺も勝利を喜べないからさ?」
ロック=イートが努めて朗らかな声で、そうリリー=フルールに告げる。しかしながら、リリー=フルールにはロック=イートが強がってみせているようにしか感じられないでいた。先ほどまでロック=イートはヨン=ジューロに翻弄されっぱなしだったのである。ならば、次こそはロック=イートは神槍:ブリトニー=ノーガゥに手も足も出ずに地に伏せてしまうのではないかと思わずにはいられない。
「俺が勝ったら、約束してたことがあっただろ?」
ロック=イートが少しばかりにやけ顔でそう言いのける。リリー=フルールはそんなロック=イートに対して、唇をアヒルのクチバシのように尖らせてしまう。自分がどれほどロック=イートのことを心配しているのかをわかってほしいというのに、彼は軽口をやめないのである。プイっと顔を横に背けてしまいたくなるが、唇が寂しいのも事実である。
勝利を掴んだ彼の唇をついばみたい気持ちはあることはあるのだが、それでもやっぱり自分の気持ちを無碍にされた気持ちも大きい。リリー=フルールはますます唇を尖らせて、それをロック=イートへの抗議とするのであった。
不満気なリリー=フルールに対して、ロック=イートは自ら動くことになる。彼女を左腕で抱きかかえ、強引に彼女の唇へと自分の唇を重ねてしまうのであった。ロック=イートが初めてといってよいほどに強引にリリー=フルールの唇を奪ったことに、彼女は眼を白黒とさせてしまう。
「リリーお嬢様が怒っている表情を見てたら、すごく愛おしくなっちまった……。だからさ?」
リリー=フルールはロック=イートに抱きかかえられたまま、はあああ……と大きくため息をついてしまう。そして、ロック=イートはロック=イートであることを改めて認識し、今度は自分からロック=イートの唇に自分の唇を重ねるのであった。しかし、これまたリリー=フルールが眼を白黒とさせてしまう事態が起きる。なんと、ロック=イートがあろうことか、リリー=フルールの柔らかな唇を押しのけるように舌を突き出してきたのである。
「んんんーーー!?」
リリー=フルールは自分の口の中に侵攻してこようとするロック=イートの舌を身を捻じることで防御しようとする。だが、ロック=イートは彼女が逃げれぬようにと右手で彼女の後頭部を固定してしまう。リリー=フルールは抵抗虚しく、ロック=イートの舌を口の中で受け止めるしかなくなったのであった。
観客たちはロック=イートとリリー=フルールが見ているだけでニヤニヤと頬が緩んでしまうような熱い接吻を交わしていることに、ヒューヒュー! と冷やかしの声をあげてしまうのであった。ロック=イートはリリー=フルールの口の中で舌を暴れさせることに満足した後、観客たちに向かって、左腕を掲げて応えて見せる。
一方、リリー=フルールは膝を芝生の上に乗せた状態で座り込み、ハアハアと荒い呼吸をしてしまう。こんな乱暴なロック=イートは初めてであった。自分に対して、いつも気遣ってくれるロック=イートであったのに、この時ばかりは違っていたのであった。ロック=イートはとまどう彼女に対して左手を突き出し、彼女の右手を掴む。そして、彼女を無理やり立たせる。
「もしかして、ずっと息をとめてたのか?」
ロック=イートのその言いにリリー=フルールは顔が真っ赤に染まっていってしまう。彼の言う通り、彼女は口の中を散々にロック=イートの舌に犯されている間、ずっと息を止めていたのだ。いくら相手がロック=イートだからといって、そんなことはされたくなかったのである。するなら自分からだと思っていた。しかし、先にロック=イートにそれをされてしまった。なんだか、自分はロック=イートに手玉に取られている気がしてならなかったのだ。
だからリリー=フルールはロック=イートの頬に両手を添えて、ロック=イートの唇を奪ってみせた。そして、先ほど彼にされたことをロック=イートにし返したのだ。ロック=イートは虚を突かれたことで、つい彼女の舌をガリッと歯で噛んでしまう。だが、痛みを感じたリリー=フルールであったが、彼の口の中を舐り続けたのであった。
「ぷはぁっ! これでお相子なのですわっ!」
リリー=フルールはロック=イートの唇から自分の唇を離すと、血が滴る舌をべーっ! と垂れ下げてみせる。ロック=イートとしては左手でボリボリと頭を掻く他無かったのであった。
「まったく……。何をやっておるのじゃ。ロック。おぬしは節操と言うモノを知ることじゃな。わらわにはこんな観衆が見守る中でディープキスをしないようにしてほしいのじゃ」
「ハハッ! 良いじゃないですか。ロックさんも試合に勝って、興奮していたんでしょうぜ。ほら、ロックさん。続きは控室でお願いいたしますぜ?」
ヨーコ=タマモがリリー=フルールを不憫に思い、彼女の肩に抱き着き、よしよしとなだめる。セイ=レ・カンコーは腰に手を当てて、軽快に笑ってみせるのであった。それから4人は観客からの惜しみない拍手を背中に受けながら、通路を通り控室に向かう。そして、そこでロック=イートは簡素なベッドの上に横になり、リリー=フルールから治療魔術を施してもらうことになる。
「いたたっ……。ヨン=ジューロさんからの攻撃をかわしていたつもりだったけど、けっこう喰らっていたんだなあ」
「怪我人はおとなしくしてくださいまし? 胸から腹にかけて、打撲の傷がありありと浮き出ているじゃありませんの。まったく、それでよくわたくしを抱き上げていましたわね?」
「それはその……。リリー様が可愛らしくほっぺたを膨らませてたからさ? やっぱりリリー様の騎士らしく、抱きかかえながら接吻をするところかなって……」
リリー=フルールが試合場の外側の芝生部分を歩いて進んでくるロック=イートに対して、労いの言葉と同時に、自分の不安をぶちまけることとなる。リリー=フルールとしてはロック=イートが勝ち進んでくれることは嬉しいのが半分、準決勝で当たることになるであろう神槍:ブリトニー=ノーガゥとのことで心配が半分、心を占めているのであった。
そんな嬉しそうでありながらも、どこか心配そうでもあるリリー=フルールの頭を左手でロック=イートは優しく撫でる。ロック=イートはにっこりと微笑み、彼女の心配を笑顔で吹き飛ばそうとする。
「リリー様。嬉しいなら素直に喜んでくれないか? そんなどうしたら良いといったような表情だと、俺も勝利を喜べないからさ?」
ロック=イートが努めて朗らかな声で、そうリリー=フルールに告げる。しかしながら、リリー=フルールにはロック=イートが強がってみせているようにしか感じられないでいた。先ほどまでロック=イートはヨン=ジューロに翻弄されっぱなしだったのである。ならば、次こそはロック=イートは神槍:ブリトニー=ノーガゥに手も足も出ずに地に伏せてしまうのではないかと思わずにはいられない。
「俺が勝ったら、約束してたことがあっただろ?」
ロック=イートが少しばかりにやけ顔でそう言いのける。リリー=フルールはそんなロック=イートに対して、唇をアヒルのクチバシのように尖らせてしまう。自分がどれほどロック=イートのことを心配しているのかをわかってほしいというのに、彼は軽口をやめないのである。プイっと顔を横に背けてしまいたくなるが、唇が寂しいのも事実である。
勝利を掴んだ彼の唇をついばみたい気持ちはあることはあるのだが、それでもやっぱり自分の気持ちを無碍にされた気持ちも大きい。リリー=フルールはますます唇を尖らせて、それをロック=イートへの抗議とするのであった。
不満気なリリー=フルールに対して、ロック=イートは自ら動くことになる。彼女を左腕で抱きかかえ、強引に彼女の唇へと自分の唇を重ねてしまうのであった。ロック=イートが初めてといってよいほどに強引にリリー=フルールの唇を奪ったことに、彼女は眼を白黒とさせてしまう。
「リリーお嬢様が怒っている表情を見てたら、すごく愛おしくなっちまった……。だからさ?」
リリー=フルールはロック=イートに抱きかかえられたまま、はあああ……と大きくため息をついてしまう。そして、ロック=イートはロック=イートであることを改めて認識し、今度は自分からロック=イートの唇に自分の唇を重ねるのであった。しかし、これまたリリー=フルールが眼を白黒とさせてしまう事態が起きる。なんと、ロック=イートがあろうことか、リリー=フルールの柔らかな唇を押しのけるように舌を突き出してきたのである。
「んんんーーー!?」
リリー=フルールは自分の口の中に侵攻してこようとするロック=イートの舌を身を捻じることで防御しようとする。だが、ロック=イートは彼女が逃げれぬようにと右手で彼女の後頭部を固定してしまう。リリー=フルールは抵抗虚しく、ロック=イートの舌を口の中で受け止めるしかなくなったのであった。
観客たちはロック=イートとリリー=フルールが見ているだけでニヤニヤと頬が緩んでしまうような熱い接吻を交わしていることに、ヒューヒュー! と冷やかしの声をあげてしまうのであった。ロック=イートはリリー=フルールの口の中で舌を暴れさせることに満足した後、観客たちに向かって、左腕を掲げて応えて見せる。
一方、リリー=フルールは膝を芝生の上に乗せた状態で座り込み、ハアハアと荒い呼吸をしてしまう。こんな乱暴なロック=イートは初めてであった。自分に対して、いつも気遣ってくれるロック=イートであったのに、この時ばかりは違っていたのであった。ロック=イートはとまどう彼女に対して左手を突き出し、彼女の右手を掴む。そして、彼女を無理やり立たせる。
「もしかして、ずっと息をとめてたのか?」
ロック=イートのその言いにリリー=フルールは顔が真っ赤に染まっていってしまう。彼の言う通り、彼女は口の中を散々にロック=イートの舌に犯されている間、ずっと息を止めていたのだ。いくら相手がロック=イートだからといって、そんなことはされたくなかったのである。するなら自分からだと思っていた。しかし、先にロック=イートにそれをされてしまった。なんだか、自分はロック=イートに手玉に取られている気がしてならなかったのだ。
だからリリー=フルールはロック=イートの頬に両手を添えて、ロック=イートの唇を奪ってみせた。そして、先ほど彼にされたことをロック=イートにし返したのだ。ロック=イートは虚を突かれたことで、つい彼女の舌をガリッと歯で噛んでしまう。だが、痛みを感じたリリー=フルールであったが、彼の口の中を舐り続けたのであった。
「ぷはぁっ! これでお相子なのですわっ!」
リリー=フルールはロック=イートの唇から自分の唇を離すと、血が滴る舌をべーっ! と垂れ下げてみせる。ロック=イートとしては左手でボリボリと頭を掻く他無かったのであった。
「まったく……。何をやっておるのじゃ。ロック。おぬしは節操と言うモノを知ることじゃな。わらわにはこんな観衆が見守る中でディープキスをしないようにしてほしいのじゃ」
「ハハッ! 良いじゃないですか。ロックさんも試合に勝って、興奮していたんでしょうぜ。ほら、ロックさん。続きは控室でお願いいたしますぜ?」
ヨーコ=タマモがリリー=フルールを不憫に思い、彼女の肩に抱き着き、よしよしとなだめる。セイ=レ・カンコーは腰に手を当てて、軽快に笑ってみせるのであった。それから4人は観客からの惜しみない拍手を背中に受けながら、通路を通り控室に向かう。そして、そこでロック=イートは簡素なベッドの上に横になり、リリー=フルールから治療魔術を施してもらうことになる。
「いたたっ……。ヨン=ジューロさんからの攻撃をかわしていたつもりだったけど、けっこう喰らっていたんだなあ」
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