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第12章:ロケット・パンチ
第6話:託された技
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石畳の上に四本の苦内が突き刺さると同時にロック=イートは強制的に動きを止められることとなる。ロック=イートは両腕と両足を必死に動かそうとするが、まるで大量のトリモチが絡みついたかのようにまったく動かせなくなってしまう。ロック=イートはグルルルゥ! と唸りつつ、その呪縛から逃れようとますます身体に力を入れるが、どうしてもその拘束力から逃れることは出来なかった。
苦しみもがくロック=イートの姿を見て、キヒッ! キヒッ! と不敵な笑みをこぼすのはミーナ=バーナンであった。5年前のあの日、ロック=イートの身体を縛ったのも、これと同じ技であった。動けぬ身となったロック=イートをミーナ=バーナンはどう料理してやろうかと、新たに取り出した五本目の苦内の表面をべロリと紅い舌で舐めながら考える。
「ロックは戦士だピョン。だから、戦士らしい顔にしてやるんだピョン!」
ミーナ=バーナンは右手に持つ苦内を手のひらの上でクルクルと回しながら、ゆっくりとロック=イートに近づいていく。そして、お互いの顔がぶつかりそうになるほど近づける。ロック=イートの左頬をベロンと舌で舐めたその後、顔を離し右手を振りかざし、その手に持つ苦内を思いっ切りロック=イートの左頬に突き立てる。ロック=イートの顔は先祖返りのおかげで皮膚も硬質化しており、苦内が深々と突き刺さることはなかった。だが、まるで彫刻刀で木を削るかのようにミーナ=バーナンは何度も何度もロック=イートの左頬へ苦内を突き立て、斜め下へとそれを移動させる。
ロック=イートの左頬はその行為によって傷だらけになり、ひっかき傷から血がにじみ出てきだす。ロック=イートは鋭い歯を剥き出しにして、今にもミーナ=バーナンの喉仏を喰いちぎらんとばかりの眼光を放つ。だが、いくら抗おうが影縛りの術の効果時間が過ぎるまでは、自由に動けるわけがないロック=イートに対して、余裕しゃくしゃくといった感じの表情を顔に浮かべるミーナ=バーナンである。
「左頬の傷はこれくらいでいいピョン。さて、次は額に真一文字の傷をつけてやるピョン。眼を抉ってやりたいけど、そこまですると御叱りを受けそうなので、勘弁してやるピョン」
ミーナ=バーナンはそう言うと、一度、右の手のひらの上で苦内を回し、それを持ち直す。そして自分から見てロック=イートの額の左側に苦内を突き立てる。そこからあらんばかりの力を込めながら右方向へとスライドさせていく。開いた傷から血が流れだし、ロック=イートの右眼に額から溢れる紅い滝が流れ込みそうになる。ロック=イートは右側の視界が紅く染まっていくのを感じながら、どうすればこの呪縛から解き放たれるのかと必死に考えていた。だが、そんな思惑を読み取ったかのようにミーナ=バーナンはさらに顔を愉悦で歪ませる。
「キヒッ! キヒッ! 抗うだけ無駄だピョン! 『裏』を受け入れらぬ自分の愚かさを恨むが良いんだピョン!」
ミーナ=バーナンが突き立てた苦内は今、ロック=イートの額の真ん中あたりまでやってきていた。ロック=イートの顔の皮膚は先ほども言った通り、硬質化しており、ミーナ=バーナンも難儀している真っ最中である。だが、それはロック=イートなりの抵抗だと思ってしまうと余計に嗜虐心が湧いてしまうミーナ=バーナンであった。ロック=イートに先ほど放った言葉とは裏腹に、このまま、斜め下側へ軌道を変えて、左眼を潰されるかもという恐怖心を植え付けてやろうかとさえ思ってしまう。
しかし、ミーナ=バーナンがそう思っていると急に抵抗力が失われ、ミーナ=バーナンはロック=イート側へと体勢を崩してしまう。壁に立てかけられて、さらにしっかり固定されていたはずの木板がいきなり壁の向こう側に吸い込まれていくように倒れるような感覚に襲われたのである。そのためミーナ=バーナンの右手は宙を掻いてしまうことになる。ミーナ=バーナンは何が起きたのか、この時、すぐに理解できなかった。驚いた表情のままにロック=イートを見ると、彼が後ろへと倒れ込んでいったのである。
「ヒントをくれてありがとう。モトカード流拳法 第5条:肉を斬らせて骨を断つ 派生:柳に風!!」
ロック=イートはミーナ=バーナンが先ほど、自分に言ってきた言葉の真意を理解するに至る。『裏』を受け入れることにしたのだ、ロック=イートは。自分の身体にはまるでトリモチがまとわりついているかのような感触に囚われていた。そこから逃れようと抗っていたのである。しかし、答えは彼女の言葉の中にあった。まさに『押して駄目なら引いてみろ』を実行したのである。
ロック=イートが脱力し、トリモチのような力に流される。それにより、ロック=イートは石畳の上へ背中を押し付けるように倒れ込む。そして、それにつられてミーナ=バーナンもロック=イートに抱きかかえられるように前のめりに倒れ込むこととなる。
ロック=イートは自分といっしょに倒れこんでくるミーナ=バーナンを両腕で抱え、さらに身体を少しだけ横へとひねる。ロック=イートはミーナ=バーナンの首元を右腕で締めあげ、左腕は彼女の右脇へ回しこんでいた。そのままの体勢で倒れこんだモノだから、彼女の頭頂部は石畳に垂直に吸い込まれていく。
ゴキンッ! という音と共に石畳には彼女の頭を中心に亀裂が広がる。そしてさらにそこを中心として血の池が広がる事態となる。ミーナ=バーナンの身体はピクッピクッ! と痙攣する。そして、当の本人は眼玉を上方向へとグルンと回転させており、白目を剥きながら眼尻から血を流しつつ、鼻からも紅い血を吹くこととなる。
「モトカード流投法:百舌鳥落とし。これはサラ姐が俺に託した技だ……」
ミーナ=バーナンが気絶するに至り、ロック=イートは彼女の繰り出した『影縛り』から逃れることが出来るようになる。ぐったりと脱力してしまったミーナ=バーナンを押しのけるように右足で蹴っ飛ばす。彼女は石畳の上で大の字で寝っ転がることとなる。
ロック=イートは痛む身体を押して、徐々にだがその場で立ち上がろうとする。そして、右腕を天に向かって突き上げて、ウオオオォンッ! と狼がそうするように勝利の雄叫びを上げる。観客たちはロック=イートの劇的な逆転勝利を見せつけられ、席から立ち上がり、ロック=イートに向かって拍手喝采を送る。まさにスタンディングオベーションとはこのとこだとばかりの観客たちであった。
「ガハハッ! やはりあの男、面白い也ッ! さて、我自ら褒美を与えねばならぬなぁ!?」
苦しみもがくロック=イートの姿を見て、キヒッ! キヒッ! と不敵な笑みをこぼすのはミーナ=バーナンであった。5年前のあの日、ロック=イートの身体を縛ったのも、これと同じ技であった。動けぬ身となったロック=イートをミーナ=バーナンはどう料理してやろうかと、新たに取り出した五本目の苦内の表面をべロリと紅い舌で舐めながら考える。
「ロックは戦士だピョン。だから、戦士らしい顔にしてやるんだピョン!」
ミーナ=バーナンは右手に持つ苦内を手のひらの上でクルクルと回しながら、ゆっくりとロック=イートに近づいていく。そして、お互いの顔がぶつかりそうになるほど近づける。ロック=イートの左頬をベロンと舌で舐めたその後、顔を離し右手を振りかざし、その手に持つ苦内を思いっ切りロック=イートの左頬に突き立てる。ロック=イートの顔は先祖返りのおかげで皮膚も硬質化しており、苦内が深々と突き刺さることはなかった。だが、まるで彫刻刀で木を削るかのようにミーナ=バーナンは何度も何度もロック=イートの左頬へ苦内を突き立て、斜め下へとそれを移動させる。
ロック=イートの左頬はその行為によって傷だらけになり、ひっかき傷から血がにじみ出てきだす。ロック=イートは鋭い歯を剥き出しにして、今にもミーナ=バーナンの喉仏を喰いちぎらんとばかりの眼光を放つ。だが、いくら抗おうが影縛りの術の効果時間が過ぎるまでは、自由に動けるわけがないロック=イートに対して、余裕しゃくしゃくといった感じの表情を顔に浮かべるミーナ=バーナンである。
「左頬の傷はこれくらいでいいピョン。さて、次は額に真一文字の傷をつけてやるピョン。眼を抉ってやりたいけど、そこまですると御叱りを受けそうなので、勘弁してやるピョン」
ミーナ=バーナンはそう言うと、一度、右の手のひらの上で苦内を回し、それを持ち直す。そして自分から見てロック=イートの額の左側に苦内を突き立てる。そこからあらんばかりの力を込めながら右方向へとスライドさせていく。開いた傷から血が流れだし、ロック=イートの右眼に額から溢れる紅い滝が流れ込みそうになる。ロック=イートは右側の視界が紅く染まっていくのを感じながら、どうすればこの呪縛から解き放たれるのかと必死に考えていた。だが、そんな思惑を読み取ったかのようにミーナ=バーナンはさらに顔を愉悦で歪ませる。
「キヒッ! キヒッ! 抗うだけ無駄だピョン! 『裏』を受け入れらぬ自分の愚かさを恨むが良いんだピョン!」
ミーナ=バーナンが突き立てた苦内は今、ロック=イートの額の真ん中あたりまでやってきていた。ロック=イートの顔の皮膚は先ほども言った通り、硬質化しており、ミーナ=バーナンも難儀している真っ最中である。だが、それはロック=イートなりの抵抗だと思ってしまうと余計に嗜虐心が湧いてしまうミーナ=バーナンであった。ロック=イートに先ほど放った言葉とは裏腹に、このまま、斜め下側へ軌道を変えて、左眼を潰されるかもという恐怖心を植え付けてやろうかとさえ思ってしまう。
しかし、ミーナ=バーナンがそう思っていると急に抵抗力が失われ、ミーナ=バーナンはロック=イート側へと体勢を崩してしまう。壁に立てかけられて、さらにしっかり固定されていたはずの木板がいきなり壁の向こう側に吸い込まれていくように倒れるような感覚に襲われたのである。そのためミーナ=バーナンの右手は宙を掻いてしまうことになる。ミーナ=バーナンは何が起きたのか、この時、すぐに理解できなかった。驚いた表情のままにロック=イートを見ると、彼が後ろへと倒れ込んでいったのである。
「ヒントをくれてありがとう。モトカード流拳法 第5条:肉を斬らせて骨を断つ 派生:柳に風!!」
ロック=イートはミーナ=バーナンが先ほど、自分に言ってきた言葉の真意を理解するに至る。『裏』を受け入れることにしたのだ、ロック=イートは。自分の身体にはまるでトリモチがまとわりついているかのような感触に囚われていた。そこから逃れようと抗っていたのである。しかし、答えは彼女の言葉の中にあった。まさに『押して駄目なら引いてみろ』を実行したのである。
ロック=イートが脱力し、トリモチのような力に流される。それにより、ロック=イートは石畳の上へ背中を押し付けるように倒れ込む。そして、それにつられてミーナ=バーナンもロック=イートに抱きかかえられるように前のめりに倒れ込むこととなる。
ロック=イートは自分といっしょに倒れこんでくるミーナ=バーナンを両腕で抱え、さらに身体を少しだけ横へとひねる。ロック=イートはミーナ=バーナンの首元を右腕で締めあげ、左腕は彼女の右脇へ回しこんでいた。そのままの体勢で倒れこんだモノだから、彼女の頭頂部は石畳に垂直に吸い込まれていく。
ゴキンッ! という音と共に石畳には彼女の頭を中心に亀裂が広がる。そしてさらにそこを中心として血の池が広がる事態となる。ミーナ=バーナンの身体はピクッピクッ! と痙攣する。そして、当の本人は眼玉を上方向へとグルンと回転させており、白目を剥きながら眼尻から血を流しつつ、鼻からも紅い血を吹くこととなる。
「モトカード流投法:百舌鳥落とし。これはサラ姐が俺に託した技だ……」
ミーナ=バーナンが気絶するに至り、ロック=イートは彼女の繰り出した『影縛り』から逃れることが出来るようになる。ぐったりと脱力してしまったミーナ=バーナンを押しのけるように右足で蹴っ飛ばす。彼女は石畳の上で大の字で寝っ転がることとなる。
ロック=イートは痛む身体を押して、徐々にだがその場で立ち上がろうとする。そして、右腕を天に向かって突き上げて、ウオオオォンッ! と狼がそうするように勝利の雄叫びを上げる。観客たちはロック=イートの劇的な逆転勝利を見せつけられ、席から立ち上がり、ロック=イートに向かって拍手喝采を送る。まさにスタンディングオベーションとはこのとこだとばかりの観客たちであった。
「ガハハッ! やはりあの男、面白い也ッ! さて、我自ら褒美を与えねばならぬなぁ!?」
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